私達の戦争 13: 他国から見た日本の戦争とは 2


1台北の忠烈祠

< 1. 台北の忠烈祠 >

 

日本と交戦した三カ国の教科書から紹介します。

1941年の太平洋戦争勃発を解説した箇所を集めました。

 

2ノモンハン事件

< 2. ノモンハン事件 >

 

モンゴル(8年生用歴史教科書、1987年版)より

「ファシスト・ドイツがソ連に侵攻した最初の日から、日本の軍国主義者たちは、ソ連とあいだに結んだ中立条約の違反を始めた。日本は、ソ独戦の過程において日本に有利な戦況になったさい、ソ連に侵攻する準備をしていた。日本軍は、ソ連およびモンゴルとの国境線上に強力な軍事力を終結させた。関東軍の兵力は、1942年には110万人に達し、全日本軍の35%を占めた。1941年から日本は、中国東北地方に防衛施設をきづき、細菌戦の準備を行い、そして多種の伝染病の病原菌を貯蔵した。

日本は、ソ日中立条約のモンゴルに関する条項にも違反していた。日本は、満州に軍の大部分を終結させると、モンゴル国境方面に軍を配置し、・・、戦争に必要な鉄道、道路、飛行場をつくった。・・スパイを送って情報を収集し、国境紛争を生じさせていた。」

 

説明

モンゴルは満州で日本と境界を接しており、1939年、関東軍はソ連・モンゴル軍とノモンハン事件を起こし大敗を喫していた。

41年4月、松岡外相は待望の日ソ中立条約を結んだが、その二ヶ月後、独ソ戦が始まると、7月には、日本はまたも関東軍特殊演習と称して、対ソ戦の準備を始めた。

細菌戦を担ったのは関東軍の石井部隊(731部隊)です。

 

3上海上陸

< 3. 上海に上陸する日本軍 >

 

台湾(高級中学、歴史教科書、1987年版)より

「民国30年4月(1941年)、ソ連は日本と中立協定を締結し、日本の南進を促した、6月、ドイツとソ連が戦争を開始し、日本は後顧の憂い無く、ベトナム南部に進駐した。太平洋の情勢が緊張し、アメリカは中国に対する援助を増強した。8月、シュノーがアメリカ志願空軍隊を組織し、中国に助力するため中国に来た。アメリカの軍事代表も10月重慶に到着した。日本はアメリカの中国援助を阻止するため、アメリカと交渉したが、決裂した。12月8日、日本海軍はハワイ真珠湾のアメリカ海軍基地を襲撃した。・・

31年1月2日、蒋委員長は連合国の推挙を受け、連合国中国戦線(ベトナム、タイを含む)最高総師の地位につき、・・中国の単独の対日戦から連合国との共同作戦へと移ったのである。」

 

説明

この教科書が発行された時期は、台湾にとって転換期だった。

78年日中平和友好条約、79年米中国交樹立と、日米が台湾から中国になびき始め、台湾独立に影が差し始めていた。

もう一つは戦後から続いていた戒厳令が87年解除され、民主化が動き始めた。

 

日本開戦の経緯は正確ではないようです。

41年から米国は中国支援に大きく傾き始めており、後に台湾の総統になる蒋介石を援助し続けることになる。

ここでは触れなかったが、蒋介石率いる国民党軍は中国各地で日本軍と戦っており、教科書には、その当時の日本軍の横暴や侵略行為が記されている。

細かい虐殺の記述は無く、大局的な流れを書かれているが、学生はやはり否定的な印象を持つだろう。

単純に、台湾が教育に関しては日本びいきとは言えないだろう。

 

4香港侵攻

< 4. 香港に侵攻する日本軍 >

 

香港(学力試験受験生用歴史教材、1988年版)より

「1941年、アメリカは石油輸出禁止という条件をつきつけて、日本が中国から完全に撤退するように主張し続けた。日本の石油貯蔵量は2年間分しかなかった。しかし、中国が自国にとってきわめて利益多しと考えていた日本は、かたくなに中国からの撤退を拒否した。石油を手に入れることでアメリカの要求をのむよりは、インドネシアへの侵略を考えたのである。・・・・

日本軍は、アメリカ敗北を期待したのではなく、長期にわたる東南アジアの支配権を握るために、アメリカ太平洋艦隊に大打撃を与えようとしたのである。彼らは、力を誇示することで日本が中国支配を維持し続けるのを、アメリカに認めさせられると信じていた。不幸にも、日本はアメリカの反応に重大な誤算をしていた。・・」

 

説明

香港は、太平洋戦争時、日本軍に占領統治されたが、終戦後、また英国領に復帰し、97年、中国に返還された。

教科書の記述は英国の立場から書かれたもので、概ね太平洋戦争への経緯に誤りは無いように思える。

 

まとめ

上記の記述はほんの一部ですが、概ね太平洋開戦期の経緯を適確に捉えているように思える。

他の記述も合わせて言えることは、日本の侵攻を好意的に捉えるはずもなく、その身勝手さ、侵略目的、横暴さと残酷さを批判していることです。

前回の記述も含めて「大東亜共栄圏」や「独立支援」は、直ぐに虚偽だったと気づいた事が判る。

これらの事実を、これらの国では国民に教育し続けることになる。

 

次回は、韓国と中国について見ます。

 

 

 

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