私達の戦争37: 摩訶不思議な解釈9 「自虐史観は・・」


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「自虐史観は日本を貶(おとし)めるものだ」

この手の文言には、大いなる勘違いがひそんでいます。

そこにはアジア、特に島国である日本の精神風土が深く関わっています。

 

自虐史観とは

「自虐史観」は、戦後の歴史学会の主流だった歴史観を否定するために用いられた蔑称でした。

分かりやすく言うと、否定側の要望は、日本の失敗や悪口を告げ口するな、良い所を探せでした。

否定側から発行された「国民の歴史」は当時、一斉を風靡しました。

私も読みましたが、あまりにも見え透いた我田引水が多く、大学教授の書いた本とは信じ難かった。

要は、日本文化は中国や朝鮮半島から学んだものではなく、固有の洗練されたものであると言うことに尽きます。

美術工芸や建築については、現地を旅行すれば多くの継承が存在することは一目瞭然であり、世界の美術史とはそのようなものです。

継承を否定することには無理があります。

 

要は、日本は素晴らしい、隣国など比較に値しないと言いたかったようです。

当然、この手の論調は愛国の心情を揺さぶり感動すら与えるでしょうが。

 

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不思議なこと

私は機械技術者として、企業の技術革新を担って来ました。

幾つかの日本初や世界初の加工品を立ち上げて来ました。

その経験から言うと、成功には「失敗を生かす」と「手堅く挑戦する」姿勢こそが不可欠でした。

私は困難な挑戦に立ち向かうべき時ほど、成功例よりも多くの失敗例から問題点を学び、事にあたりました。

技術的に成長しない人を見ていると、そこには共通して「失敗を徹底的に考察し、問題点を抽出する」姿勢が欠如していました。

 

ここで勘違いをしてはならないことは、「失敗が萎縮を生む」のではなく「失敗を生かさないから萎縮を招く」のです。

確かに、失敗を知らない人ほど大胆な行動に出ることはありますが、その結果は明らかです。

 

そうは言っても、やはり失敗ばかりでは萎縮してしまいます。

挑戦する気力は成功体験の積み重ねから生まれて来ます。

だからと言って、やる気を削がない為、「自信」や「誇り」を育てるために「失敗」から遠ざけることは本末転倒です。

 

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世界では

「ヨーロッパの歴史 欧州共通教科書 1994年版」から、第二次世界大戦について書かれている「犯罪」p345より抜粋します。

 

「ドイツ軍によって占領された国々の国民は、虐げられ、搾取された。数百万の人々が、ドイツの戦争経済のために働かなければならなかった。抵抗はことごとく暴力的に押さえ込まれ、ほんの少しでも疑いを持たれることは、そのまま死を意味していた。人質の処刑は組織的に行われた。中でもドイツ軍の占領が苛酷を極めたのは、東ヨーロッパにおいてであった。・・・『劣等民族としてのスラブ人』は、ドイツ人の奴隷にならなければならなかったのである。」

 

以前のドイツ国内向け教科書も、この共通教科書と同様に、生徒らに戦争の真実を知らせ、真摯に向き合わせる姿勢があった。

 

欧州各国、フランス、ベルギー、スイス、ドイツ、オーストリア、他に6ヵ国には、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の否認を禁止する法律がある。

これは表現の自由を侵害すると指摘されることもあるが、この手の歴史的事実を虚偽とする行為は民族主義(反ユダヤ主義)やファシズム(ナチズム)を再発させるとし、毅然とした態度を取っている。

つまりドイツを含め欧州は戦争の真実を知るだけではなく、否定しないことも重要だと考えている。

 

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素晴らしい日本の精神風土

自虐史観と罵り同調する人々は、日本の精神風土に誇りを持っている方が多いはずです。

もしこの精神風土が自虐史観とピッタリと一致していたらどうでしょうか?

 

心理学に文化心理学と言う分野があり、国や地域毎に異なる心理(国民性)を研究しています。

これによると米国は楽観主義で、東アジア(日本、中国、韓国)は悲観主義の傾向が強いのです。

 

「あるテニスプレーヤーがトーナメントで決勝戦に進出した場合を考えて下さい」

実験者が、各国の被験者に上記のシナリオを想定してもらい。

A:「この試合に勝つとタイトルを獲得し、トロフィーが授与されます」

B:「この試合に負けるとタイトルは取れず、トロフィーはもらえません」

次いで、どちらが被験者にとって重要であるかを評定してもらった。

米国人はAを、東アジアの人はBを選ぶ傾向がある。

これは東アジアの人々は、成功よりも失敗回避を重視していることを示している。

 

失敗を念頭に置き、社会へ気配りしながら行動することが悪い習性とは言えません。

それぞれの国の国民性に優劣はなく、その国の歴史や風土によって育てられたものです。

過去において、それが社会に適応した行動や意識だったのです。

 

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つまり、本来、日本人は失敗を生かす国民性なのです。

日本の「改善活動」は正にそれです。

抜きんでた個人の成果ではなく、皆が関わる不具合部分を皆で改善し成果を得るのです。

 

いつの間にか、一括りに自虐史観と蔑称する人が現れると、周囲を気にして「失敗を反省する」ことから萎縮してしまうのです。

それこそ日本の良さを自覚できずに「恥ずかしい」ことをしているように思えるのですが。

 

 

 

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