私達の戦争 40: 質問に答えて「日本の失敗とは・・」2


 1スパルタ

  • * 1

 

今日は、戦争の失敗について考察します。

奥深い問題なので、要点だけを見ます。

 

 2ノルマンディ

  • * 2

 

戦争の成功と失敗(取り敢えず)

 

多くの人が成功と認める戦争

A.古代ギリシャが連合してペルシャの侵入を阻止した。

B.高句麗が隋の侵入を阻止した。

C.日本が元(元寇)の侵入を阻止した。

D.米国が連合してナチス・ドイツの侵攻を阻止した。

 

敵の侵略意図が明確で外交も含めて他に方策が無ければ、侵攻に対する自衛の戦争は当然です。

すべての戦争を否定し、失敗と言うわけではありません。

 

3第一次

  • * 3

 

成功とは言えない戦争

E.ペロポネソス戦争:全ギリシャがアテネとスパルタに分かれて70年間戦った。

F.第一次世界大戦:欧州全土で、欧州各国とロシアが二手に分かれて戦った。

G.ベトナム戦争:分断されたベトナムの一方に米国が加担し15年間戦った。

H.イラク戦争:米国と同盟国が武装解除を掲げイラクに侵攻し8年間戦った。

 

これらの戦争に共通しているのは、大義名分も無く、被害が甚大であったことです。

EとFでは、互いが領土や利権の拡大を狙い対立が深まった末の戦争でした。

互いに相手を悪の枢軸と見なしたが後で勘違いと判ることが多い。

勘違いとは、米国が、Gでベトナム側の戦う意図を民族独立では無く、恐怖視していた共産化と見なし、Hで大量破壊兵器が存在すると見なしたことです。

大抵、戦端は戦争被害の甚大さに思いが至らず開かれることになった。

あれよあれよと始まった戦争が全土を焦土にし、社会が疲弊し、人心が乱れ、悪くすれば次の戦争を招いた。

戦争を牽引した人々は、予想もしなかった被害の甚大さに、おそらく呆然としたことでしょう(私の考え過ぎかも)。

 

4イラク

  • * 4

 

これらの戦争を失敗と呼んでよいのではないでしょうか?

それでは何が失敗なのでしょうか。

それは戦った国々、勝者も敗者も互いに損耗し、特に国民のほとんどが辛酸を舐めただけだからです。

唯一ベトナム戦争では、数百万の人命と引き換えに独立と統一を得ることが出来た。

しかし、これも両国の反省の弁によれば、初期の段階で誤解を解く姿勢があれば、無傷に目標を達成出来たはずなのです。

 

戦争の何が問題なのか

上記の戦争は、真の勝者が無い戦争と言えます。

それでは勝利した戦争は、成功した戦争と言えるのでしょうか?

実は、最初のA・B・C・Dの戦争には後日談があるのです。

おおまかに言うと、これら大勝利した戦争が軍拡路線へと向かわせたのです。

 

A. 古代ギリシャは、アテネを盟主に軍事同盟化が進み、ギリシャ全土で利権を軍事力で奪い合う戦争と侵略が160年間続き、分裂と衰退を深め、最後はマケドニアに占領された。

 

B. 朝鮮半島は絶え間なく北方民族と中国から侵入を受け続け、その度に独力で跳ね返して来た。

軍事力は増したのだが、国土と民衆は疲弊していくばかりだった。

しかし2千年間で統一新羅と李朝鮮王朝は上手く侵略を逃れた。

国土の疲弊を救ったのは名誉と戦争を捨てた苦渋の外交にあると言えるだろう。

 

C. 真剣に受け取ってもらうとまずいのだが、日本はこの時をもって「神風」を大国と戦う時の精神的支柱とした。

不思議なことに、あの巨大な米国と戦ったベトナムにも「神風」信仰はあった。

日本と同じ頃、元寇がベトナムの海岸にも押し寄せ、同様に神風(台風)が吹き、撤退したことがあった。

地政学的に似ているベトナムと朝鮮半島は頑強なまでに侵略者に抵抗した。

 

D. 長らく孤立主義を任じていた米国は第一次世界大戦の軍需景気と末期の参戦から第二次世界大戦にかけて、一気に軍事超大国に変貌した。

その直後の朝鮮戦争において米国の力無しでは、今の韓国はなかった。

しかしその後、幾たびか世界の警察として貢献したこともあったが、やがてCIAの謀略や身勝手な軍事介入が増えつつある。

 

おぼろげながら、戦争を体験する事が、更なる恐ろしい悲劇を呼び込む様子を見てとれたと思います。

 

5秦

  • * 5

 

戦争による最大の問題とは何か

必要な派兵もあるし、受けて立たなければならない戦争もあるだろう。

その中にあって、繰り替えされる戦争の罠に国民はいつも注視すべきです。

それは、戦争の勝敗ではなく、戦時体制や軍事国家となって、歯止めが効かなくなる政治状況に陥ることです。

 

世界史を振り返ると、アッシリア、秦、古代アテネ、ローマ帝国、スペイン、イギリス、ドイツは軍事力により覇者となり、逆にその軍事依存体質により瓦解する宿命にあったと言えるだろう。

個々に見れば、多少事情は異なるだろうが。

要は、一度軍事国家となり戦争を経験すると政府も国民も、やがて戦争の甘い熱情の罠にはまり、抜けだせなくなるのです。

この経緯は、経済・心理・社会・政治・情報文化等のすべてが関わり進行します。

詳しくは連載「戦争の誤謬」「社会と情報」で扱っています。

 

失敗から学んだつもりでも、民主度が発展しても、時代や武器が変わっても、安心した頃にまた戦争の罠に取り憑かれるのです。

 

次回は日本を例に見ていきます。

 

 

 

 

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