社会と情報 40: 新聞と検察、相克と癒着 1


1特捜部の強制捜査

< 1. 特捜部の強制捜査 >

 

前回まで、検察と大手新聞が一体となって如何に傍若無人に振る舞ってきたかを見ました。

この両者の一体化は記者クラブを介して起こっています。

今回から、このメカニズムの説明を元検事の著作から見ます。

 

 2郷原

< 2. 著者郷原信廊 >

 

著書: 「検察が危ない」

著者: 郷原信廊。地検検事を歴任後、弁護士、大学教授。

出版社:KKベストセラーズ、ベスト新書。2010年刊。

補足: アマゾンのカスタムレビューの評価(21件)は4.5。

 

 

「一心同体の司法クラブ」(P152~154)から抜粋引用します 

「 ・・・

司法クラブ記者が検察と一体化していく原因の一つに、特捜部と「司法クラブ」(記者クラブ)との「軍隊的体質」という面での共通性がある。

特捜部の共同捜査では、主任検事と担当副部長が事件全体の情報を独占し、末端の取り調べ担当検事は、事件の全体像を知らされないまま、主任検事の意向通りの自白を取ることを求められる。・・

それと同様に、司法クラブの記者も、事件の全体像や意味もわからず、ただただ連日深夜まで、取材先の特捜部の幹部などへ「夜回り」をするということに「耐える」生活を強いられる。

また取材窓口が特捜部の部長、副部長に一本化され、ヒラ検事からの取材が禁止されて厳しい情報統制が行われているため、司法クラブの記者は取材先である部長、副部長の機嫌を損ねないように最大限に配慮しながら記事を書かざるを得ない。捜査に批判的な記事でも書こうものなら、特捜部の幹部が相手にしてくれなくなるという恐怖が待ち受けている。

各社の記者は、特捜幹部からは得られない捜査情報をヒラ検事から得ようとして、他社に感づかれないように深夜物陰に潜んではヒラ検事の帰宅を待ち伏せすることもしばしばである。こういうことをつづけているうちに、・・記者は、事件が展開し、強制捜査着手にこぎ着ける日を心待ちにしながら、・・・生活が当たり前になっていく。

このように、もともと組織の体質が共通しているのに加えて、特捜幹部による報道の締め付けが行われることで、大部分の記者は、盲目的に特捜部の捜査の動きを追いかけることになる。こういう記者の仕事の中からは、捜査に対して批判的な観点など、出てくるわけがない。

強制捜査着手という段階になったとき、検察の捜査は社会的な注目を集めることとなる。・・それは司法クラブの記者にとって最も輝かしい日々である。

こうして、特捜部と司法クラブの記者との利害は完全に合致することとなる。・・司法記者の多くは、日々特捜部の動きを追いかけ、捜査の展開を予測することのみに心を奪われ、事件の社会的背景の分析、摘発された側の実情などを独自に掘り下げて取材することはほとんど無い。

このため、特捜部が強制捜査に着手したとなると、ほとんど「従軍記者」の記事のような提灯記事が社会面を飾ることになる。 」

3夜討ち朝駆け

< 3. 夜討ち朝駆け >

 

明確になったこと

上記の記述は、これまで取り上げてきた問題がなぜ起きたかをうまく説明しています。

 

  • 1. 徒弟制度のような陳腐化した体制

元朝日の著者烏賀陽氏は、朝日の「夜討ち朝駆け」に見られる体質を陳腐極まりないと指摘しました。

結局、その体質は、検察と新聞社の軍隊的体質であり、すべてに言えるわけです。

この体質が良くないのは当然ですが、新聞社によれば、このような厳しい社内批判を徹底的に封殺するところがあります。

後日、扱います。

連載36話:著書「『朝日』ともあろうものが」、に詳しい。

 

  • 2. 記者は事件の被告や背景を取材しない

「山口組絡みの資金洗浄事件」の報道で、新聞社が被告道傳側をまったく取材していないことがありました。

この理由も検察と記者クラブの一体化から説明しています。

また烏賀陽氏は、周りの記者には自ら問題を探し、掘り下げる意識がまったくないとも指摘していましたが、これも同様な理由です。

連載38話:新聞は誰の味方か、に詳しい。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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