ピケティの資本論 21: よくある偏見 1


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今までの20話で、格差に直接関わる問題を見てきました。

これから2回にわたり、警世の書に対するよくある偏見について考えます。

 

 

はじめに

皆さんの中には、ピケティの本にこんなイメージをお持ちの方がいるかもしれません。

「警世の書なんか当たったためしが無い!」

「こんな煽動の手には乗らないぞ!」

このことについて考えます。

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警世の書

1970年に立ち上げられた「ローマクラブ」による報告書「成長の限界」の内容は鮮烈でした。

そこには地球の地下資源が早いものでは30年後には無くなると言うものでした。

現在、既にその期限が過ぎていますが、まだ資源は枯渇していません。

しかし、予測の基本は外れていませんし、そのおかげで世界は枯渇に向けて対策を打って来ました。

水産資源(漁獲)の自然の生産力は1980年代末にピークとなり、その後は養殖により増産を可能にしています。

希少金属や枯渇エネルギーの代替を既に進めています。

このような信憑性の高い報告書が世に出ず、また無視されていたら、おそらく悲惨な結果になっていたでしょう。

オゾン層の破壊の重大さが警告されたことによりフロンガスの使用が禁止され、地球温暖化防止の為に炭酸ガス排出の削減に世界は協力して取り組むようになりました。

人類が長らく嗜好して来たタバコの禁煙運動も然りです。

このような将来の健康や環境、資源を守る為にグロバールな規制を人類は初めて半世紀前から行うことが出来るようになったのです。

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< 3. ローマクラブが発表した地球の未来像 >

煽動はあるのか

「21世紀の資本」において、ピケティの指摘は鋭いが経済的事実だけを述べるに留まり、歯痒いぐらい非難することを避けている。

一方、「格差はつられた」において、クルーグマンは多くの事例を挙げ政治を食いものにする人々の良心を問うている。

確かにピケティもクルーグマンも保守的ではない。

ピケティはフランスの社会党寄り、クルーグマンは米国の民主党寄りだろう。

しかし、彼らを煽動家と言うなら、彼らの挙げている経済データーや説明が虚偽かを問うべきでしょう。

私は、彼らの提示している経済データーや説明に間違いを見つけることが出来ない、不明なところや仮定に確信を持てない部分はあっても。

彼らの指摘は、概ね正鵠を射ていると思うのだが。

もし彼らを煽動家と言うなら、もっと強大な煽動集団が存在する。

マスコミ、学者、研究機関、政府が結託して煽動している状況は世界で進行している。

これは欧米先進国の中では、米国の国防や経済について最も悪化しているように思える。

巨大企業と超富裕層は、多くの研究機関や研究者を要し、都合の良い学説や調査結果を、豊富な資金力で広告や記事として流している。

実際、二大政党寄りのマスコミや研究機関の数には大きな開きがある。

日本でも、つい最近まで原子力産業において産官学やマスコミとの癒着があったことは周知の事実です。

それは非常に簡単な理由で、皆「金」に弱いのです。

これらについて、いずれ連載「社会と情報」で扱う予定ですが。

次回に続きます。

 

 

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