デマ、偏見、盲点 23: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 2


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今回は、戦争勃発のメカニズムを考えます。

 

 

* 戦争勃発のメカニズム

 

戦争勃発までの経緯をここ1世紀半ほどの歴史から集約してみましょう。

初めに民主国家間の戦争を想定します。

独裁者が戦争を始める場合は後で検討します。

 

この場合、ほとんどの国は相手より少しでも軍事上優位を望み、仮想敵国同士が軍拡競争を始めます。

中立国で軍備を保有する場合はありますが軍拡競争に陥ることはない。

 

軍拡競争で劣勢に立たされた国は軍事同盟を求めて挽回を図ります。

やがて国々は二つの軍事同盟に収斂し、世界は対立する巨大軍事同盟による緊張状態に晒されます。

これがここ1世紀半の間に起こり、世界は二度の大戦と代理戦争に巻き込まれました。

 

これを避ける為に中立政策を採る国(北欧、スイスなど)があり、ほぼ戦火を逃れることが出来ました。

もっとも中立を宣言するだけで助かると言うものでもありませんが。

(中立国の軍備について注釈1で検討します)

 

 

上記のケースで、最初に戦端を切った国(侵略国)も初めは議会制の民主国家でした。

しかし日独のように軍拡競争に奔走する過程で民主主義を放棄し暴走することになりました。(ソ連も革命当初は議会制でした)

歴史上、一度軍拡競争が始まると暴走は必至であり、さらにその過程で軍部独裁が誕生し易くなります。

(軍拡競争と軍部独裁について注釈2で説明します)

 

 

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* 独裁国家の戦争

 

独裁者が牛耳る国の場合はどうでしょうか?

残念ながら今なお地球上に独裁国家が存在しますので、独裁者が狂気を帯びていると思えば不安は高まります。

 

ここでは二つの実例から、軍部独裁による戦争勃発の経緯を考えます。

独裁者や軍部が軍事権を握っていれば、例えばヒトラーや日本帝国のような場合はどうだったのでしょうか?

 

ヒトラーの台頭を許した要因に、初期のドイツ国民の絶大な期待、欧米列強の対ロシア牽制への期待があり、ドイツの軍備増強があまり危惧されなかったことがある。

これを放置し、融和策さえ採ったことが問題を大きくしたと言えるでしょう。

その後、チャチールのように強く出ても既に手遅れで、結局、ヒトラーを死に追いやるまでヨーロッパ全土は破壊と殺戮に晒された。

 

しかし、なぜ聡明なドイツ国民が暴虐で狂気のヒトラー(ナチス)に希望を託してしまったかが問題です。

様々な要因はあるが、発端になった最大の理由はフランスが報復的な経済制裁をドイツに課し、経済を疲弊させたことにある。

国民はどん底から這いがるためなら武力による他国侵略すら容認するようになり、国の指導者に剛腕な人物(見かけは清廉で内実は凶暴)を選んだのです。

こうなってからの融和策は手遅れでした。

(集団が外部に強い敵意を抱くように仕向けると、人々は人格的に問題があっても剛腕なリーダーを選ぶことが社会実験から知られています。逆に言えば、敵意を煽れば煽るほど下劣なリーダーでも人気が上昇するのです。この手の事例は特に最近頻出しています)

 

 

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日本帝国の膨張を考えます。

当初、欧米列強は海軍力の軍縮条約履行(軍艦保有量の制限)で日本の膨張を抑えられるとしていたが、日本の大陸進攻を契機にそれまでの経済封鎖を強化し、石油の禁輸によって日本の戦意を挫こうとした。

しかし、これが逆効果となったのは周知の事実です。

それは日本帝国が、石油が枯渇するまでに勝利すれば良いとして短期決戦へと踏み切ったからでした。

 

これらの例からわかるように狂気の前では、抑止力の設定(軍縮条約)と経済封鎖がまったく意味をなさないか、逆効果にもなったのです。

いずれにしても、このような客観的な判断が出来ない指導者を相手に、単純で通り一辺倒の策は役に立たないか、むしろ逆効果なのです。

 

多くの場合、相手国が正常なら軍縮条約と経済封鎖は功を奏し、安全で効率の良い方法と言えます。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

注釈1.

戦争に巻き込まれない策として、中立政策があります。

簡単に見ておきます。

 

中立とは非同盟を指しますが、これは歴史的に軍事同盟が多くの戦争を引き起こしたと言う反省に基づいています。

つまり、我が国は自ら戦争をしないし、他国の戦争にも協力しないと言う宣言なのです。

これは相手国に敵意や脅威を与えないことを目的としています。

 

 

しかし、そうは言っても独裁的で狂気に走る国なら中立国に武力侵攻する可能性があります。

事実、大戦時ドイツとソ連は中立である北欧4ヵ国に侵攻した。

この時、スウェーデンだけは地政学条件と外交手腕によって、戦火から逃れることが出来た。

他の国は戦火にまみれたが、日独のように自ら膨大な軍事費と人命を浪費し、徹底来な破壊を被ることはなかった。

永世中立国のスイスも戦火を免れることが出来た。

 

このような経緯を踏まえてスイスやスウェーデンなどの中立国は専守防衛に徹した軍備を保有しています(先制攻撃力の保有は他国に脅威を与えるので中立国とみなされない)。

ただ小国(ルクセンブルグ、モナコなど)は大国や同盟に防衛を依存しています。

 

このテーマは非常に重要ですので、いずれ扱うつもりです。

 

 

 

注釈2.

軍拡競争と軍部独裁はなぜ起きるのか?

 

軍拡競争は抑止力とも関わるのですが、敵国同士が客観的に双方の軍事力を評価出来ないことに起因します。

当然、敵国は自国の兵力を秘密にする一方、相手に過大評価させようとします。

 

また、敵愾心が嵩じて来ると、軍事的に劣勢に立たされていても、多くの指導層は精神論を持ち出し、甚だしい場合には軍事力や経済力が敵対国の1/10であろうと勝利を確約します(かつての日本帝国)。

残念なことに、このような場合、国民もこのような指導層に期待していたのです。

これでは抑止力は無きに等しく、軍拡競争は行き着くところまで行くと、遂には弱小国は窮鼠猫を嚙むで、突飛な行動に出ます。

 

このような場合、概ね弱小国は軍事力を補うために軍事独裁に走ることになります。

実はすべての国がこうなるわけではなく、独裁者を仰ぎやすい精神文化を持った社会に起きやすいのです。

例えば長子相続の社会であり、ドイツと日本が正に適合していたのです。(エマニュエル・トッドの説)

 

大国は大国で安易な軍備増強の道を進みます。

これもまた歴史が示すところです。

理由は、一度得た権益―植民地や従属する同盟国での経済上の特権など、を守る為です。

この過程で、軍産共同体が台頭し政治力を持ちます。

そして軍事費の増大が、遂には国力を弱め、かつての帝国がすべてそうだったように衰退していったのです。(植民地政策や軍事大国の維持は一部の者の利益にはなっても、国家としては出費や損失が大きいいのです)

 

実は、北欧の経済が順調な理由の一つに、二度の大戦において中立を守り、軍事費増大と大きな被災を逃れたことがあるのです。

 

 

 

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