何か変ですよ! 115: 誰の責任? 4


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前回、日本は崖っぷちに立っていながら脱出が困難なことを見ました。

なぜこのようなことになってしまったのか?

この謎を解きます。

 

 

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< 2. 国民の現状 >

 

 

はじめに

 

誰でも崖っぷちに立てば自分が危険なことがぐらいわかります。

しかし、多くの人は日本の凋落に気付いていない。

 

保守的な人々(Aタイプ)は、東アジアの脅威に目を奪われ、経済の先行きや他の危機を一切省みない。

 

革新的な人々(Bタイプ)は、架空の脅威より進行している衰退、特に緊急性のある政治腐敗に危機を見ている。

 

無関心な人々(Cタイプ)は、成行きに楽観的で政治に無頓着です。

 

これまで日本の社会経済の劣化を見て来ました。

最も重要な幸福度と民主度、所得は年々低下し続け、既に先進国レベルから脱落し、特に安倍になってから急降下している。

 

それでも大半の人は、この凋落傾向に無頓着です。

 

 

 

* 国民はなぜ危機や凋落に無頓着なのか?

 

人は世界に目を向け、世界史を知ることで、日本の偏狭な通念やドグマから逃れることが出来るはずです。

しかし、この望みは益々低下する若者の内向き志向で叶えられそうにありません。

 

ここでもまた八方塞がりです。

 

 

ここで少し視点を変えます。

 

 

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< 3. 投票率と信頼度 >

 

 

日本の国政選挙の投票率は年々低下し現在53%です(2017年)。

年齢別に見ると20歳代は33%で、年齢と共に上昇し60歳代で最高の72%になります。

 

それでは幸福度、民主度、所得が高い国の選挙事情はどうでしょうか?

北欧スウェーデンの投票率(2014年)は20歳代で81%、年齢と共に上昇し70歳で最高の92%になります。

 

日本の若者の政治意識の低さが際立っています。

高齢者も低いが差は少ない。

 

無関心な人々が政治に目覚め、選挙に行かない限り、日本は凋落から出し得ない。

選挙に行かない若者こそが日本再生の鍵になる。

 

もし若者に、「投票に行ったらどうですか」と声を掛けたら、おそらく、「無駄なことはしないさ」との返事が返ってくるでしょう。

 

なぜ北欧と日本の若者の政治意識にこれだけの差があるのでしょうか?

 

文化が違うから、日本の政治が腐敗しているから、どちらも正しいが、答えにはならない。

 

実は、北欧では小学校から政治教育が行われているのです。

小学校で環境問題を学び、中学校以上では支持政党に分かれ社会問題を議論します。

高校、大学では学校運営に必ず学生代表が関わります。

 

こうして北欧の若者は、社会や政治に関心を持つだけでなく、自ら社会や政治に関わることで社会人の自覚を得るのです。

そして彼らは大人になると、何らかのボランティア活動に参加して行くことになる。

 

一方、日本は学校教育の場に政治を持ち込むことを禁止しています。

 

これが答えです、つまり日本の教育が悪いのです。

 

なぜ日本は、この素晴らしい教育プログラムを採用しないのでしょうか?

理由は、若者が政治意識を持つことを政府が恐れるからです。

発端はGHQや安保闘争の時代まで遡るでしょうが、未だに国民を信じることが出来ず、政府転覆を恐れているのです。

まるで百年前の植民地支配です。

 

与党(自民党)にとっては、マスコミの支配が完了しつつある中で、政治に無関心な国民は長期政権保持に好都合です。

 

つまり、無知を培養する非生産的な政策を許している国民にこそ、経済低迷と社会衰退、さらには腐敗政治を招いた責任があるのです。

 

国民は、半世紀以上掛けて自ら墓穴を掘り続けているのです。

 

 

 

* なぜ経済成長が起こらいなのか?

 

戦後、多くの先進国で政治不信が高まっているが、中でも酷いのが日本です。

不思議なことに、同期するように長期の経済低迷と賃金低下が起きています。

 

政治不信の元凶は政府、つまり内閣にあると言えます。

(原因は官僚にもあるが、本来内閣が監督するものです)

しかし内閣は所詮、国民が選んだ議員であり、低俗な内閣は選挙人(国民)の責任です。

それで政府が悪いから経済も悪いのでしょうか?

 

ここでもまた堂々巡りで、解決の糸口は見えない。

 

 

ここでまた視点を変えます。

 

 

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< 4. 組合組織率と生産性 >

 

 

 

日本の労働組合組織率は18%、米国は12%です(2008年)。

 

日本に比べ所得格差が少なく、生産性と所得が高い国の労働組合組織率はどうでしょうか?

 

北欧4ヵ国(アイスランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の労働組合組織率は70~90%です(2002、2008年)。

 

 

実は、この違いに解決の答えがあるのです。

 

 

なぜ米国の経営者の所得が1980年代末から急増したのでしょうか?

 

ストックオプションが高額所得の主な源泉ですが、真の理由は別にあります。

この頃から労働組合の力が削がれ、労働組合による牽制がなくなったことで、この高額所得の歯止めがなくなった。

当然、その一方で労働者の賃金は抑えられた。

 

日本を含め欧米政府は、1980年代から協働して労働組合潰しの大キャンペーンを行い、上記のような組織率まで低下したのです(中曽根、レーガン、サッチャー)。

 

つまり労働組合組織率と所得格差に逆相関(組織率が高いと、所得格差は低い)

があるのです。

 

なぜ組織率が高いと、生産性と所得が上がり、さらには政治への信頼も上がるのでしょうか?

 

この政策は、今後の日本再生に不可欠です。

 

北欧の労働事情を紹介します。

労働者の賃金は職業毎に一定で、企業や男女などによる差はありません。

当然、正規・非正規や移民との差もない(国によって差がある)。

労働者の有給休暇や育児休暇などの処遇は国で統一されており最高水準にあり、これが少子化対策から個人の幸福度を高めることに繋がっている。

 

ここまでは国民の基本的人権や社会保障の充実と言えるでしょう。

しかし、これらが女性の活躍や出生率増加、労働意欲向上、生涯学習意欲などにも繋がっているのです(他の政策も関わっていますが)。

 

 

それではなぜ北欧の労働事情が生産性や所得増に繋がるのでしょうか?

 

北欧では、上記の労働条件の整備により、労働組合は経営者と対立せず、労働組合の代表は企業経営に参画します。

国政段階でも経済界と労働界の代表が協議し、新産業育成や産業競争力の政策を打ち出し、実施に協力するのです。

 

ここが日本と大きく異なっています。

 

例えば、安倍政権で新政策を提言する審議会には、安倍にとって都合の良い経済界サイドの識者ばかりか、まったく労働者代表を入れない。

今まで、いくら自民党と言えどもここまで酷くはなかった。

どちらにしても、日本の審議会は政府に都合の良い偏向したものが多い。

 

これでは労働界の反発は必至であり、施行されても労働者に良いことにはならない。

 

そして北欧において企業の国際競争力を高める為には、競争力が低くて賃金が払えない企業には退場してもらい、労働者も転職していきます。

失業者は職業別給与だから転職しても同一賃金かそれ以上を得ることになる。

当然、この失業者の再就職までの補償と再教育は国によって充分に行われている。

 

こうした労働条件の整備と、労使の協力があって初めて、生産性、国際競争力、所得が上昇し続けているのです。

この好循環が、国民の政治への信頼を高めることに繋がっている。

 

これで日本の企業利益が増大する一方で賃金が下がり続け、経済が成長しない理由です。

 

つまり、政府や経済界、保守系マスコミによる労働組合潰しを容認し、労働条件の悪化を見過ごして来た国民にこそ責任があるのです。

 

 

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* まとめ

 

国民が崖っぷちに立ても危機感を持たず、諦めている理由は、「低い政治意識」と「労働界の低迷」にあります。

 

前者は、学校での政治教育禁止が最大の理由で、これが若者の政治への無関心を生み、ついで選挙に行かないことに繋がる。

これは長期与党政権にはありがたいが、多くの国民にとって墓穴を掘ることになる。

 

時間はかかるが改善出来る、しかし自民党では無理です。

 

 

後者は労働組合潰しが発端で、労働界の訴求力低下により、労働条件の悪化が深刻でも、国民には打開策がない。

こうして政府と経済界は労働者を置き去りにして発展を企てるが、当然のように労働者の意欲低下や労働界の反発が続くことになり、混迷が続くことになる。

 

この対策は、北欧を真似するだけでは困難で意識の大転嫁が必要なので、これまた自民党では不可能です。

 

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次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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