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劣化する経済政策
財務大臣、財務官僚、日銀総裁のほとんどが法科出身。
ノーベル賞の受賞は多いが経済学賞の受賞はない
政策を担う経済学者は竹中氏のように米国経済界に近い人物が多い
この三つが日本の経済政策の貧しさと偏りを象徴している。
欧米の著名経済学者の本に触れると日本の経済学者は格下に思える。
私は、2冊の本「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」と「日本人の勝算」を読んで、その意を強くした。
前者は日本の労働経済専門家22人の執筆だが、分析は現状の追認に過ぎず、追及に深みがなく対策案も無い。
その一方、世界の実績を無視してまで、二つの小論で最低賃金アップを否定していた。
その理由は自由市場崇拝と米国が重視していないからに過ぎない。
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この本が日本経済新聞「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」で1位なので如何に低レベルかが分かる。
*3
後者は日本在住の英国人企業家の著述で、世界118人の論文を基に論を進める。
その追求は理論ではなくデーター、例えば最低賃金アップを行った社会の統計分析から妥当性を確認している。
日本の問題は米国盲従にもあるが、経済データーを分析して効果を議論する姿勢がないことです。
次に続く
経済学は仮定によって成り立っている学問だと思います。そのため、その仮定が当たっていようが当たってなかろうが、経済学の本場である欧米の経済学者が正しいといったものは受け入れなければならないはずです。
例えば、新古典派の合理的人間像が行動経済学にひっくり返されたりするのは、仮定が正しくなくても影響力のある人がこの仮定で行くといえば、その仮定を土台に研究が進んでいくからです。
したがって、日本人がノーベル経済学賞を受賞するには、後世まで研究の土台とされるような仮定を欧米の研究者に受け入れさせるような影響力が必要となる、といえます。そのためには、地道に研究に貢献し、信用を得ていくしかないのかもしれません。