徳島の吉野川、剣山、祖谷渓を巡る 12: 深い谷に張り付く落合集落


*1

今回は、祖谷を代表する山村を紹介します。

この落合集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、

江戸末期以降の山村の風情を今に残しています。

< 2. 祖谷の全景 >

上: 上が北で右が上流、写っている東西の距離は約35kmです。

緑のバルーンが二重かずら橋、赤のバルーンが宿泊地の西祖谷のかずら橋です。

私は紺色線の祖谷川沿いの祖谷街道を車で走りました。

赤矢印が落合集落で、矢印の方向に眺めています。

黄色の矢印は、吉野川上流の大歩危辺りです。

上の茶色の矢印は東西に流れの向きを変えた吉野川に面する貞光の町です。

黒矢印は剣山頂上で、ピンク矢印は三嶺山の頂上です。

中央: 上が北で、右が上流です。

白い枠が落合集落、ピンク枠が平家伝説が伝わる栗枝渡です。

赤矢印は概ね祖谷川対岸の展望所からの撮影方向です。

東西(左右)に曲がりくねっている線が、祖谷川と祖谷街道です。

私は右側から下って来た。

下: 上が東で、上流です

赤矢印は概ね祖谷川対岸の展望所からの撮影方向です。

ピンクの矢印は、三嶺山の頂上で、もっと奥に剣山があります。

私は上部から下って来た。

二枚の写真から分かるように、祖谷川の両斜面、それも高い所に山村が散在している。

谷底を行く祖谷街道を走っているだけでは、これら村の全容は分からない。

< 3. 落合集落展望所 >

上: 展望所に行く途中、道路工事で30分ほど足止めされた。

この時、上流側を見ると、幾重にも造られた砂防ダムが見えた。

この後、至る所で作業中の道路工事に出くわした。

後に理解出来たのですが、この祖谷は道路やダムなどの公共工事(建設業)が重要な産業なのです。

なんと就業者の人口比率は建設業が40%近くあり、農業は3%以下に低下しているのです。

観光で暮らしいる人も多く、中国の観光客も訪れるそうです。

2017年の大歩危・祖谷地区の外国人宿泊者数は2万人近くになり、10年で34倍になったそうです。

ただ今年はコロナで閑散としていました。

この地は、日本三大秘境の一つと言われ観光に恵まれている。

一方、同じ徳島県でも素晴らしい海岸を持つ海部郡が、観光客に恵まれないのは残念です。

下: 落合集落展望所

ここは集落を眺望する対岸の高台に設けられている。

この展望所には三方から車で行け、駐車場とトイレが備わっています。

非常にありがたい。

但し、上流側から行く道は道幅が狭いので避けた方が良いでしょう。

< 4. 落合集落と周辺 >

上: 左の山の斜面に落合集落が見える。

下: 右の山の斜面に落合集落が見える。

< 5. 落合集落の全景 >

一度、歩いてみようと思い、下まで行ったが、とても気後れして止めた。

私には集落の平均斜度が45度に思えた(実際は無いだろいうが)。

* 落合集落

落合集落は一つの峰が祖谷川に落ちる南斜面にあり、東西750m、南北850m、高低差390mある。

この集落の起源は南北朝時代まで遡り、祖先は南朝方で戦ったらしい。

茅葺の家、畑・道・家屋を擁壁した石積み、猫の額ほどの畑が急斜面に積み重なるように連なっている風景は独特です。

現存する家屋や石垣、石の階段の道(里道)などは江戸末期に遡るものがあるそうです。

ただ多くの畑は放置され、草が蔓延っている。

高齢化で担い手が減る一方です。

ここは特に平家落人伝説との関りがないようです。

ただ、この左手、少し下った祖谷川を挟んで9ヶ所ほど、また直ぐ上流二ヵ所に安徳天皇や平家に纏わる遺跡がある。

これら遺跡の幾分かは次回紹介します。

ここで二つの落人集団(平家とな南朝方)を想定すると面白い。

平家の落人が祖谷に来たのが12世紀末(壇ノ浦の戦い後)で、落合の祖先が南北朝時代なら14世紀だったはず。

つまり平家の子孫が先に陣取っていたので、後から来た落合の祖先は更に上流に行かなければならなかった。

こうして平家の史跡は落合より下流に多いのだろう。

それにしても不思議なのは、こんな奥地に逃げて来て、生計をどのように立てのだろうか?

宿の主に聞いたり、資料を見ると、幾らか分かって来た。

貞光川の中流の一宇もそうだったが、祖谷もタバコ栽培で共通していた。

この落合では、他に馬鈴薯と麦の栽培、養蚕が行われていた。

しかし日本の高度経済成長に伴って、過疎化が進展し、農地は放棄され、杉の植林や雑草地が増えて行った。

かつて、この祖谷では年二回の焼畑によって、ヒエ、アワ、ミツマタ(和紙の原料)、蕎麦、大豆、麦が栽培されていた。

明治以降、ミツマタと煙草は貴重な現金収入となったが、1990年までには終止符を打った。

このような山腹の畑で給水はどうしたのか?

山がちな淡路島なら、山腹の上部にまで造られた溜池が役割を果たしている。

スペインの丘にある城塞都市なら、川底に達する深い井戸か水道橋が不可欠だった。

じっくり観察していないが、この地の集落で井戸は目に付かなかった。

この疑問は、西祖谷の旅館に泊まって氷解した。

旅館の水はすべて湧水で、散歩していても至るところで湧水が勢いよく流れ落ちていた。

どうやら地質の関係で、豊富な湧水が昔から得られたのが幸いしたのだろう(祖谷川の南斜面に多いらしい)。

下: 落合集落の上部を望遠で

< 6. 落合集落の下部を望遠で >

上: 中央の茅葺屋根の家は長岡家住宅と思われる

ここは標高610mにあり、落合の支配階級の家であったらしい。

明治34年の築とされている。

下: 一番下に家屋が二列に横に並んでいるのは、祖谷川沿いの祖谷街道を挟んでいる町並みです。

この祖谷街道が出来たのは1920年(大正9年)です。

それ以前、この地域の物資輸送や移動はどうしていたのだろうか?

冬は雪が積もるだろうに。

< 7. 展望所を離れる >

上: 展望所が道路脇左に見える

下: 少し離れた所から落合集落を見た

< 8. 栗枝渡の集落 >

上: 右手山の斜面上方の村が栗枝渡(くりしど)

ここからは見えないが集落の更に上部奥に、安徳天皇に纏わる史跡がある。

次回、紹介します。

落合集落から一つ谷を挟んだ下流1kmの峰の端に、この栗枝渡がある。

下: 上流側を見る

< 9. 橋を渡る >

祖谷川にはこのような橋が幾つもあるが、ここは特に見晴らしが良かった。

< 10. 橋の上から上流を望む >

深い谷と深い森が秘境を実感させる。

< 11. 橋の上から下流を望む >

次回に続きます。

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