没落を食い止める! 19: 誰がこんな世界にしたのか 5: 国民が貧乏くじを引いた!


*1

没落は1980年代から始まった事、それを仕掛けた人々の動機も確認しました。

しかし没落を進めた政権を選んだのは国民でした。

残念ながら、このような事は幾度も繰り返され、今、さらなる危機が迫っている。

このことを見ておきます。

* 米英日のレーガン、サッチャー、中曽根政権誕生の背景

米英のレーガンとサッチャーには共通する点がある。

二人はスターウォーズ計画やフォークランド紛争で保守・右派として面目躍如を果たした。

この二人は、大戦の実戦経験がなく、野党からの政権交代を成し遂げていた。

一方、中曽根は大戦経験最後の首相でした。

(海軍経理として戦地で輸送に関わっていた)。

自民党は長期政権なので政権交代はなかったが、彼は一線を画した。

国土防衛では一歩踏み込んで米国との関係を良好にし、さらに原子力活用に舵を切った(よく言えば先進的、悪く言えば米国追従)。

(私は中曽根の視野狭窄に失望した。当時、日本の太陽電池産業は世界に先駆けて勃興し始めていた。ローマクラブの警鐘もありグリーンエネルギーへの以降は必至でした。しかし彼はこれを葬り去り、甚大な被害を生む原発に舵を切った)

この時代、国民の多くは戦争とは無縁になっていた。

戦前の激しい労働運動を知り、戦争の悲惨さを知った人々は、そろそろ現役を引退し始めていた。

戦後の人々は、努力が報われる時代に生きていた。

そんな中、国を没落に向かわせる政策とはつゆ知らず、国民は勇猛で甘い言葉につられて大転換を受け入れてしまった。

* なぜ人々は、無謀とも言える大転換を受け入れたのか?

これはスタグフレーション(不景気とインフレの同時進行)が労働者の賃上げにあると喧伝され、国民が信じたのが大きい(実際は原油高騰)。

確かにスト頻発、合理化反対、大労組組合員の怠慢などの問題があり、是正すべき点はあった。

しかし賃金上昇は景気後退の主因どころか、経済発展に欠かせないものでした。

国民が受け入れた背景には、保守(経済界)と革新(労働界)、タカ派とハト派の対立に煽られてしまったことが大きい。

米英は既に経済に陰りが見えていたので、日独に対して逆転を目指す必要があった。

それに加え強国再帰へのタカ派的な訴えは平和慣れしていたことで、甘美に捉えらた。

一方、日本は経済発展中だったので、転換の必要は無かったが、米国に追従せざるを得なかった(要求に逆らえず真似しかできない)。

ここで扇動に振り回されて来た米国を概観します。

*2

* 米国に見る、煽りと分断の歴史

最初に扇動した人物は共和党上院議員マッカーシーでした。

彼は1948年頃より、共産党シンパの排除を始め、一大センセーションを巻き起こした。

その魔の手は政府・軍部内から映画界にまで及び、多くの人が職場から一掃された。

彼の強硬な姿勢は国民(保守層・保守的キリスト教徒)から絶大な支持を得て、レーガンもこれに加担して人気を博した。

しかし、やがて手法が違法で民主主義を破壊するものとして批判され、数年で終焉を迎えた。

*3

1972年、ニクソン共和党大統領によるウォーターゲート事件が起きる。

これは政敵である民主党本部への盗聴をホワイトハウスが命じたものでした。

次いで、後に下院議長となる共和党のギングリッチが出現した。

彼は南部の下院議員で、レーガン政権後沈滞していた共和党の再建に取り組んだ。

1994年、彼の活躍で、共和党は中間選挙で大勝し、上院と下院で多数党となった。

彼は保守政界のキーパーソンになっていた。

彼の選挙戦略はそれまでとは一線を画したものだった。

彼は政治を戦争と訴え、絶大な人気を得て、共和党執行部も戦闘態勢に入っていた。

民主党のある議員は彼をこう評した。

「彼はアメリカ政治を『たとえ意見が一致しなくとも相手を尊重する』というものから、『反対者を不道徳な悪人として扱う』ものに変えた。」

この後、民主党も対決姿勢を強め、憲法違反裁判、最高裁人事、弾劾裁判、選挙区変更などで互いに自党を有利に導く争いに陥っていくことになる。

さらに折からの規制緩和が扇動を致命的にした。

政治献金の自由化(無制限)は選挙を富裕層に有利した(合憲との判決)。

また「報道の公正」の規制解除が、偏向し扇動するメディアを勢い付けた

(FOXニュースなど)。

こうして政党への信頼が低下する一方、多くの人々が扇動されることになった。

< 4.トランプとギングリッチ >

こうした中、希代のアジテーター、フェイク男、トランプの誕生となった。

彼は2017年、大統領を去る事になったが、彼を待望する人は依然多い。

既に政治は正義や科学的な論理とは無縁になりつつある。

(正義は、法の理念であり人類社会が培って来たものです)

そこには、両者が話し合い、政策を調整し、協力し合う姿はない。

あるのは敵か味方の区別だけであり、一度どちらかに着くと、破局まで突き進む。

実は、これは第二次世界大戦前のドイツや日本で起きた事であり、現代の日本にも当てはまる。

私はキナ臭いものを感じてしまう。

次回に続きます。

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