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何か変ですよ! 114: 誰の責任? 3


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*1

 

 

前回、政治意識の低い多数の人々に非があると言いました。

彼らは腐敗政治を招いた間接的な加害者だが、一方で被害者でもある。

倒閣は重要ですが、この視点は不幸を繰り返さない為に必要です。

 

 

はじめに

 

腐敗の極にある安倍政権の倒閣は絶対です。

 

しかし、例え倒閣が成っても社会・政治状況が今のままでは、また暴虐な首相の再来を招くことになる(直ぐには起こらないが)。

もっとも放置していも、暴虐になって行くだけですが。

つまり、私達は絶望の淵に立っている。

 

ほとんどの方は否定するはずです。

 

それではオバマ大統領誕生の後に、なぜハイエナのような不動産屋、それも政治の素人が大統領になったのでしょうか?

極論すれば、国民の冷静な思いが選挙に反映されなくなっているからです。

ブッシュへの失望から国民は沸騰し、今度こそはと期待したが失望し、次は真逆の人物(ブッシュより酷い)を大統領に選んだのです。

 

この背景は複雑ですが、日本が教訓にすべきことがあります。

 

 

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*2

 

 

* 米国に見る悪循環

 

A: オバマ政権下では共和党が議会を占めていた。

 

オバマは議会の反対や妥協の為に、思うように改革が出来なかった。

これが大いなる希望から失望に代わり、また保守勢力の必死の巻き返しが起こった。

 

B: 既に格差が拡大し、低所得層の不満が社会の分断を生んでいた。

 

90%の国民は30年以上所得が増えず、繰り返すバブル崩壊で長期失業者が増えていた。

改善されない状況に業を煮やし、白人労働者は黒人や移民に不満をぶつけ、分断が生まれた。

 

 

C: 超富裕層の資金力と保守的なマスコミが選挙を支配するようになっていた。

 

格差拡大の結果、少数の超富裕層による政治支配が進み、経済重視の規制緩和が加速し、さらなる格差拡大とバブル崩壊、財政悪化の悪循環を生んでいる。

規制緩和で保守化(娯楽化)した巨大マスコミの影響で、国民は真実を見定めることが出来ず、さらに資金力が選挙を左右するようになっていった。

 

このような状況で社会の分断が煽られ、大半の国民は本来の敵を見失い、むしろ敵側についてしまった(よりによって正すべき相手に権力を与えた)。

これが、今の幼稚で自称天才の大統領を生んだのです。

 

驚くべきことに世界の評価は、この米国の状況はまだ日本よりかなり良好なのです(大統領の事ではない)。

日本は米国に比べ政治腐敗度が同程度、民主度と報道の自由度はかなり低い(安倍の数年で急激に悪化)。

 

 

私達は何を学ぶべきか?

 

例え、首相の首が代わっても、国政の腐敗を後押した自民公明両党が過半数を占めている限り、腐敗から脱することは出来ない。

 

日本の経済格差と社会分断は米国ほど酷くはないが、別の分断が深刻です。

それは経済界と労働界、右派と左派との対立で、労働界と左派は完全に弱体化している。

 

圧倒的にマスコミ報道が政権側に加担しており、選挙は自民党に有利になっている。

 

 

つまり日本の状況は安倍が去っても悪循環を繰り返しながら、手本である米国より先に奈落の底に向かうことになる。

 

安倍の継続はあり得ないので、安倍が去ったとしてシュミレーションします。

 

 

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< 3.2018年4月14日 >

 

 

* 安倍が辞めて自公が政権継続する

 

与党(自公)が首相の首を挿げ替え新政権が発足し、何が変わると思いますか?

 

前回、取り上げた問題は払拭されるでしょうか?

 

A: 「官僚は国民を欺き、国民を完全に無視するようになった」

B: 「経済政策は基本的にバブル頼りと短期成果狙いで、ほとんどの国民は長期的に所得と福祉の低下に見舞われ、さらに国の財政破綻を早めるだけに過ぎない」

 

C: 「弾圧されて真実を伝えなくなったマスコミ、シビリアンコントロールが効かない自衛隊、米国追従と隣国敵対外交、日本の先進国を示す指標が軒並み低下など」

 

Aは一時、良く見えてもすぐに元に戻る。

 

理由は、長年与党の自民党は官僚と一連托生(相互補完)の関係にあり、決して抜け出すことが出来ないから。

自民党は政策立案(法案作成)、議員の選挙対策としての便宜供与(加計や森友事件、注釈1)、選挙資金確保(補助金などの還流)で官僚に依存せざるを得ない。

 

官僚も、今回の安倍政権のように逆らわない限り自由放任で、かつ忖度すれば出世させてくれるなら異存はない(誇りは既に消滅)。

 

 

Bについては悪くなるばかり。

 

理由は、米国流の自由放任経済とマネタリズムから抜け出せないから。

金融業偏重と企業優先の規制緩和、富裕層と企業への減税路線を変えることはない。

これは自民党が経済界と癒着しているだけでなく、米国から離脱出来ないことにある。

経済政策のポリシーも米国一辺倒で、西欧や北欧は同じ資本主義国でありながら別のポリシーで成功しているにも関わらず。

 

 

Cについて、右翼の安倍が去ると最悪の状況は一端去るが、また悪くなる可能性がある。

 

自民党議員の旧態以前とした体質(世襲制に代表される強い保守傾向)が致命傷です。

世論の圧力で、一時はカムフラージュ出来ても、化けの皮は直ぐ剝がれる。

 

それは議員の民主主義意識の低さ、後進国並みの女性差別観、報道の自由度の低下に満足している異常さに見られる。

要職にある自民党議員の発言に、「国民に主権があることがおかしい」「友達に国境はないと言う嘘を教えるな」「強姦するぐらい元気な青年の方がいい」など。

 

つまり、一時しのぎに過ぎない。

 

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< 4.バブル崩壊に御用心 >

 

 

* 野党が政権奪取する

 

解散総選挙によって野党が政権を奪還したとし、どこまで良くなるでしょうか?

 

Aはかなり良くなるはずだが、困難が待ち受けています。

 

先ず、正そうとすれば官僚の猛烈な造反に合い、さらに保守系マスコミの反キャンぺーンの大合唱に晒されます。

 

政権経験の少ない野党が官僚の造反に対抗するには国会議席の過半数が必要です。

さらに野党は報道の自由を保証するので、現状の偏向したマスコミの餌食になる可能性が高い。

この二点について安倍は楽勝でした(放任と弾圧で)。

 

この間、国民が冷静に見守ることが出来れば良いのですが・・・。

 

 

Bについては、悪化を一時止めることは出来ても継続が困難です。

 

日本の経済は、米国流の自由放任経済とマネタリズムが学界、経済界、官僚、与党の一貫体制で運営され、さらに米国との繋がりが強固です。

この米国流経済の欠点は現象面でも理論的にも明らかにされ、対策も提唱されている。

しかし、既述のように多くの欧米諸国は抜本的な対策が取れず、抜け出せないでいる。

 

この状況で先進国の物真似しか出来ない日本が単独で米国を振り切り、新たな経済システムを構築するには、時間とさらに国民と各層の協力が不可欠です。

現時点でこれはかなり困難です。

ここでも安倍の短期決戦の目玉政策が喜ばれる(先はどうであれ)。

 

しかしドイツや北欧などは地道に独自路線を模索し、同じ資本主義経済でありながら豊かな経済造りに成功している(これを真似ることは出来る)。

 

 

Cはかなり良くなる可能性がある一方、致命傷がある。

 

過半数の議席を確保さえできれば、マスコミの正常化、日本の先進国を示す指標(幸福、民主度、経済)の上昇が可能になるでしょう。

 

しかし、大きな致命傷がある。

それは、隣国との独自外交を望み米国からの離脱を目指した時に被ることになる。

米国は軍事上、東アジアの橋頭堡になる日本を絶対に離したくないので、あらゆる手を使い野党を壊滅させる(継続中)。

 

この時、国民が米国の干渉を撥ね退ける自立心を持てれば良いのだが・・・。

 

 

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< 5. あなたが望むものは >

 

 

* まとめ

 

残念ながら、私の見たててでは日本はどうあがいても、政治腐敗と没落から抜け出せないことになります。

1世紀半前の英国より没落は確実と思われる。

 

正に「行くも地獄戻るも地獄」です。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

注釈1

自民党の強さは、アフリカ後進国並みのパトロネ―ジュと縁故主義で守られている。

 

良く知られている三バン(地盤=組織、看板=知名度、カバン=資金)は民主度劣化の元凶です。

現在のパトロン(後援者、支援者)の役割は、従来の金銭援助もあるが広報宣伝効果も大きい。

例えば首相や妻の贔屓で世間から認められたパトロン(教育者、コメンテーター、芸能人)が世間やマスコミで首相擁護に精を出すような関係です。

これに加え、規制緩和枠の便宜供与や補助金提供が加われば、鬼に金棒です。

 

 

 

 

 

 

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岡山と広島を訪れました 6: 縮景園 1


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今日は広島最後の観光になった、素晴らしい庭園を紹介します。

絶賛です!

日本の景観が凝縮されています。

 

 

 縮景園について

 

この名称は林羅山が「海山をその地に縮め 風景をこの楼に集めた」の意で名付けたとも言われている。

2年後に築庭400年になる。

広島藩主浅野家の別邸として広島城から800m東の京橋川沿いに造られた。

当時の築山は今と違ってほとんど芝生で覆われていた(侵入者発見の為)。

 

江戸時代、広島の大火で多くが焼失した後に、京都の庭師により現在のような様々な橋、建物、小川が設けられ池泉回遊式庭園が完成した。

戦前、この庭は浅野家から広島県に寄贈された。

 

しかし、これがまた原爆によって完全に破壊され、戦後の復旧によって今があります。

この隣地にある広島県立美術館は、浅野家の私立美術館「観古館」の跡に拡幅されて建てられた。

 

 

私達が訪問した日は素晴らしい快晴で、朝一番9時に入園したので空気も冷たく爽やかな散策を楽しめた。

65才以上は入園料と美術館入場料が無料で、両方を楽しみました。

ちょうどこの日から夜桜の鑑賞会が始まるところで、庭の桜が咲き始めていました。

 

 

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< 2. 庭園マップ、上が北 >

 

私は地図上の赤矢印の方向に歩いており、写真もほぼその順に並んでいます。

今回は、Sから始めMまでを紹介します。

 

 

東西300mほどの敷地に日本の美観を代表する小山、林、せせらぎ、池、さらにそれらを愉しむ茶室、望楼、橋が、またそれらが逆に景観となるように織り込まれている。

 

この庭園を歩いていて最も驚嘆したのは、数m進むに従って山、川、池の景観が千変万化することです。

それは庭園中央の池の北側に造られている、うねるように続く小山を歩いている時に最高潮になる。

私は機械設計者でしたが、当時の庭師がここまで三次元の造形を完璧に成し得たことに驚嘆しました。

この驚きを写真で再現出来ないのが残念です。

 

また庭の管理者が数多く働いておられ、実に丁寧な作業をしておられました。

是非とも皆さんも一度行かれることをお薦めします。

 

 

 

 

 

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< 3.入り口 >

 

 

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< 5. 最大の茶室、清風館(せいふうかん) >

 

 

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< 6. 中央の池、濯纓池(たくえいち) 1 >

 

下の写真: 跨虹橋(ここうきょう)。

中心的な橋で、花崗岩で出来ており数少ない戦前からの建造物です。

この日はアスリート風の西欧系の若者達で橋が埋め尽くされ、遂に渡らず仕舞いでした。

 

 

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< 7. 中央の池、濯纓池(たくえいち) 2 >

 

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< 8. 池の西側を行く >

 

上の写真: 右の望楼、超然居は小橋で渡る小島に建っています。

この辺りも楽しめます。

 

下の写真: パノラマ写真。

 

 

 

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< 9. 梅林 >

 

上の写真: 梅林とその後ろに美術館。

 

下の写真: 北側の起伏のある小山に入る。

 

この辺りで、最初に築山の造形美を思い知らされることになった。

 

 

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< 10. せせらぎ 1 >

 

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< 11.せせらぎ 2 >

 

少し小山を登り降りするだけで、何処かから導水されたせせらぎが池に何条も流れるのが見られ、その趣がまたそれぞれ違います。

 

 

 

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< 12. 茶室、明月亭 >

 

上の写真: 明月亭は北側の小山の頂上にある。

 

下の写真: その頂上から東側を望む。

右側は庭園側で、左側は京橋川の堤になる。

 

 

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< 13. 様々な景観 >

 

このように木々に囲まれた入り江のような池や、植栽が異なる起伏に富んだ林が散策道に連なる。

 

 

 

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*14.

 

 

次回は、縮景園の後半です。

 

 

 

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何か変ですよ! 112: 誰の責任? 2


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*1

 

 

前回失礼ながら、今の政治の腐敗と混乱の責任は国民にあると言いました。

これは自浄作用がなく暴走し続ける安倍政権には責任能力がないからです。

しかし私達には国を正常にする責任があります。

家族、伴侶、子供、孫たちの為に。

 

 

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はじめに

 

最も指摘したいことは、「国政トップの責任を云々する場合、事態が深刻なほど既に手遅れになっている」と言うことです。

 

既に見て来ましたが、ドイツ、日本、米国でトップが世論を操作し、開戦に持ち込んだ状況を思い出して下さい。

戦争が始まれば、まず破滅に近い状態まで進んでしまいます。

それを後になってトップの責任を問い刑に服させても後の祭りです(罪に問えない方が多いが)。

 

重要なことは、政治腐敗と権力者の暴走を国民の手で即座にストップすること、さらには未然に防止することです。

 

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* 今、直ぐに国民が果たすべき責任

 

暴走する安倍政権に責任能力はないので、先ずは何としてでも辞めさせる事が必要です。

残念ながら、政権与党に国会の議席を圧倒的多数与えてしまっているので、通常の手段(選挙)で倒閣は無理です。

しかし遅れれば遅れるほど暴走と権力集中が進み、取返しがつかなくなる。

 

ここは倒閣の世論を高め、各地で行われているデモに参加し、直接行動するしかない。

 

放送局の多くは政府の圧力に屈し安倍擁護に廻っていますが、幾つかの新聞や雑誌は安倍政権の虚構を暴露し続けています。

朝日、毎日、東京新聞、日刊ゲンダイ、東洋経済は、幾ら政府・与党・右翼から攻撃されてもジャーナリズムの責任を果たしている。

 

しかし、安倍擁護の放送局、新聞、雑誌、インターネットサイトは絶大な物量を誇っています。

ほとんど多勢に無勢と言うところです。

 

しかし今回の京都知事選では共産推薦の立候補者が敗れたとは言え44%の得票を得た。

これは政権与党(自民党)への批判が大きい。

倒閣の兆しは熟しつつある。

 

 

ここで、少し留意していただきたいことがあります。

 

・ デモは政治改革に残された正当な最後の手段です。

 

このことは「何か変ですよ! 110: 未来の壁 8」で説明しています。

日本人は市民意識が未だに成熟しておらず、諸外国に比べデモなどの集団的な示威行動が苦手です。

もっともデモを軽蔑する政府と与党の意識は後進国以下ですが。

 

 

・ 紳士的な行動をとるべきです。

 

安倍首相は自分(日本会議、ウヨ)の事を棚に上げて、よく「左派は人権無視」と言っているらしいが、右翼の挑発に乗って過激になることは避けたい。

政府はこれを取り締まり強化の口実にする(議席が多数)。

戦前、このことが治安維持法など民衆取り締まりの法案成立に繋がった。

 

 

・ リーク(内部告発)を守ろう。

 

最近とみに官庁サイドからリークが多くなり、安倍政権の虚構が次々と暴露されるようになったが、政権はこれに公然と圧力をかけ始めた。

本来、組織内の不正を暴く内部告発(リーク)は歓迎されてしかるべきで、これに圧力を掛けることは先進国では犯罪です(内部告発者保護プログラムがある)。

残念ながら民主主義が未発達な日本では政府が公然と取り締まりを宣言しても、奇妙な事に国民は怒りを示さない。

日本では公務員の内部告発が法的に守らていない(今回の腐敗を想定してか、骨抜きになっている、巧み)。

 

国民はこのことを理解し、リスクを冒して行ってくれるリークを温かく見守ってあげてほしい。

 

 

これらの努力が報われて安倍政権の倒閣が無事なったとしましょう。

 

 

 

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* 次なる責任とは

 

倒閣したから成功ではない、それはほんの始まりに過ぎない。

 

実は、今回の破局を招いた国民の責任には三つある。

 

A: 安倍を支えた自民党支持者、そして強固な右派や保守派です。

 

B: 安倍政権を危惧し、倒閣に立ち上がった人々。

 

C: 政治に無頓着な人々。

 

 

Aは確信犯であり、世界の右翼化や衰退に脅威を感じた人々と既得権益層です。

 

当然、今の政治腐敗と暴走を助長した彼らの責任が最も重い。

しかし、彼らは未整備な法や規制の目をくぐり抜けて行っているので、罪に問うことは困難です。

まして、彼らは自発的に非を認めたり、自ら行動を抑制することをしないだろう。

つまり、彼らに責任を問うことは無理なのです。

 

このタイプの人は己の行動原理が日本のかつての戦争を押し進めたことに戦後70年経っても未だに気がついていない。

彼らの暴走は、ドイツのように法による規制か、大きな世論による抑制でしか止めることは出来ない。

 

 

Bの人々に責任が無いとは言えないが、安倍批判を訴え続けた貢献は認めるべきです。

 

彼らがいなければ、日本はそれこそ世界200ヵ国中、最下位から数十番の低劣位国に早晩なっていたことでしょう。

 

 

 

Cの人々の責任が最も大きい。

 

これは奇妙に聞こえ、また怒りを感じ方もいるでしょう。

 

例えて言うと、まさに沈没しつつある船で多くの人が助かる為には、常軌を逸した人(A)や訓練された乗務員(B)よりは、多数の乗客(C)が如何に冷静に振る舞えるかにかかっています。

 

Cの人々は、悪意を持っていないが社会人として無自覚であり、人口が最も多い。

彼らが現状の危機に目覚め、社会人として政治的責任を果たさない限り、日本の衰退は止まらず、再生は潰える。

 

国民多数の自覚が得られない限り、例え安倍が政界から退場しても、いずれトランプを凌ぐ危険人物を生むことになる(日本の民主度、報道の自由度は既に米国よりも低いので)。

 

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* 政治に無頓着な人々に望むこと

 

彼らは、現実社会はこのまま何事もなく過ぎていくと感じている。

 

少し深入りしてみても、せいぜい官僚がサボり、社会が少し右傾化しているが、株価は上昇しているからいいじゃないかと思うぐらいでしょう。

 

 

ここで安倍政権をこのまま放置してはならない理由を簡単に要約します。

彼らが以下の事をどれだけ理解するかに掛かっている。

 

・ 官僚は国民を欺き、国民を完全に無視するようになった。

 

彼らは政権首脳の利権(縁故主義)、経済界優先の政策実行、そして失政隠しや擁護の為には、あらゆる隠蔽、文章・データー捏造、虚言を行うようになった。

 

今回、腐敗が暴かれていなければ、国民は騙されたままあらゆる便宜供与、格差拡大を招く政策、言論弾圧、経済破綻危機、国際緊張などが亢進しただろう。

 

このようになったのは安倍政権が官庁を恣意的に操り、監督を怠ったと言うより国民に奉仕すべき官庁に手抜きや倫理崩壊を促した結果と言える(ずさんな文書管理、繰り返す虚言)。

さらに、批判的なマスコミを裏で弾圧し、御用新聞・論者・議員による露骨な擁護キャンペーン、さらに内部告発を妨げる法施行などで、国民に真実が見えなくなったことが大きい。

これらすべてが安倍政権下で益々強力に押し進められいる。

 

 

・ 経済政策は基本的にバブル頼りと短期成果狙いで、ほとんどの国民は長期的に所得と福祉の低下に見舞われ、さらに国の財政破綻を早めるだけに過ぎない。

 

安倍政権の政策の要は米国流の自由放任経済とマネタリズムの踏襲で、巨大バブルの来襲と長期的な格差拡大が必然です。

日本は人口減が大きい為、米国のような経済成長は期待できず、米国でここ30年間で起きた90%の国民の所得減だけが実現するでしょう。

 

さらに日本は米国以上の未知の危険な領域に踏み込んでしまった。

それは世界に類を見ない財政悪化状態で行われている、急激で巨大な貨幣供給、日銀の膨大な国債引き受けと大量の株購入です。

これらにより、今進みつつあるバブル崩壊次第で甚大な被害が出る。

 

 

・ 他の問題の一部

 

弾圧されて真実を伝えなくなったマスコミ、シビリアンコントロールが効かない自衛隊、米国追従と隣国敵対外交、日本の先進国を示す指標が軒並み低下など。

 

 

おそらく無自覚な人々は、これらの問題を気に掛けていない。

彼らも、少し疑って調べれば恐ろしさを理解できるはずです。

人気の学者が太鼓判を押しているから経済は大丈夫と考えるのは危険です。

絶えず繰り返されたバブル時にはいつもこのような泡沫学者は居たのです。

 

既に述べて来たように、世界に目をやり、世界の歴史を知り、未来を予測するようになればわかります。

 

そして、彼らが社会的・政治的責任を自覚し選挙行動を行えば、日本は衰退と破綻から免れ、再生を促す可能性が出てくるのです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 110: 未来の壁 8


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今回は、海外の歴史から日本の現状を打開するヒントを紹介します。

それは世界で感動を呼んだ数々のデモです

 

 

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< 2. デモの地 >

 

 

* デモが社会を変える時

 

人々が集団で意思表示し、政治を変えた例を見ます。

 

通常、国民は議員や大統領の選挙公約を選択し、政策転換や政治刷新を実現します。

しかし、政治が国民を向かず、惰性に流され、腐敗まみれになって、通常の手段では埒が明かない時、国民に残された手段は直接行動しかない。

国民は、国家(警察、軍)に対して無力なだけに、出来る限り大きな集団で体を張って訴えます。

 

 

* 世界の例

  

力の無い人々が知恵と情熱、そして団結することにより国を変えた行動には感動があります。

事例はかなりデフォルメし単純なストーリーにしています。

 

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3 「A」

 

 

A: 独立を勝ち取った人間の鎖

 

1991年、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)はソ連からの独立をほぼ戦火を交えずに果たした。

これはソ連のペレストロイカが幸いしたのですが、民族を異にする三国が共に手を携えたことが大きい。

 

これは三国の首都を結ぶ600kmを、各国の600万人国民が手を繋いだ人間の鎖でした。

 

当時、各国政府は徐々にソ連の支配から脱しつつあったが、いつソ連軍が侵攻してくかを恐れていた(実際2ヵ国は短期間の侵攻を受けた)。

これら小国は数世紀にわたり、大国に支配され続け、独立抵抗の辛酸を舐めて来た。

 

1989年、彼らは世界に人間の鎖をアピールすることにより、2年後の西欧諸国のいち早い独立承認を得ることが出来た。

 

こうして彼らは平和裏に独立を勝ち得た。

 

ポイント

・ 小国が大国から独立する為に、彼らは武力ではなく国民の強い意志を世界にアピールする方法を選んだ。

・ 彼らは世界中に散らばった移民と協力しながら事を進めた。

 

 

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4 「銃反対デモ」

 

 

B: 戦争を終わらせたデモ

 

米国は米ソ対立下で次第にベトナムで戦火を拡大させ、21年間で全死者800万人を出すに至った(爆撃量は大戦を上回った)。

米国の大統領が三代にわたり、のめり込んだ泥沼の戦争はなぜ終戦を迎えることが出来たか?

 

その転機は、学生らが中心になって全米各地で反戦デモを展開したことにある。

1967年と69年にワシントンで大規模デモを行い、71年まで続き、1回に最大30万人が参加し、総勢100万は越えただろう。

1968年には報道番組においてジャーナリストのクロンカイトが戦争継続に反対を表明した。

 

1969年、「名誉ある撤退」を掲げる相手候補を負かして大統領になったニクソンは、その後も戦線を拡大させていったが、一方で和平交渉を開始していた。

 

1971年、ホワイトハウスが隠蔽していたベトナム戦争の虚構を「ペンタゴン・ペーパーズ」が暴露し、反戦ムードはさらに広がった。

 

こうして1973年、和平協定が結ばれ、米軍はベトナムから撤退した。

 

ポイント

・ 議会や大統領は戦争拡大を容認し続けた(負けたままで止められない)。

・ 国民の反戦世論とデモが圧力になった。

・ ホワイトハウスに抵抗し戦争の真実を伝え続けた報道と内部告発は不可欠でした(今は規制緩和で力を失ったが、まだ日本よりは良い)。

 

蛇足ながら。

あれほど米国が恐れ、排除しようとした共産国家北ベトナムは無害だった。

彼らは米国の傀儡、腐敗した南ベトナム政権を打倒するのが主目的だった(戦後のマクナマラの会談で判明)。

この戦争は日本が防衛と称して朝鮮半島から満州に侵攻し、傀儡政権を擁立した状況によく似ている。

 

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5 「C」

 

 

C: 東西を融合させた行進

 

今のドイツがかって壁やバリケードによって遮られていた国だったことは嘘のようです。

大戦後、ソ連と欧米によって分断させられた一つの民族が、なぜ半世紀後に再統合が出来たのか。

 

その契機は、東ドイツの都市ライプチヒの教会にあった。

 

東ドイツの共産政権時代、この教会は毎週月曜に平和のあり方を考える「平和の祈り」を細々と続けていた。

やがて言論・政治活動の自由を求める人々によって規模は拡大し、粛々とした行進を教会外で行うようになっていた。

彼らは警官隊の暴力に耐えながら、「自分たちの手で自由な国を創ろう」と訴え続けた。

 

1989年8月、数千人の東ドイツ国民がハンガリーの協力によりオーストリア国境を越えて西側に亡命を果たすピクニック事件が起きた。

 

この年の10月7日、東ベルリンで建国40周年記念式典に参加していたゴルバチョフは、上記の状況を無視し改革に背を向けるホーネッカー書記長を否定し、書記長は失脚した。

 

この2日後、ライプチヒで7万人の参加者が「我々こそが主権者たる国民だ」と叫びながらデモ行進を行った。

 

そして同年11月10日、東ドイツ政府は通行の自由を認め、ベルリンの壁は崩壊し、1年後に東西ドイツが統一された。

 

ポイント

・ 弾圧を受けながらも自由を求める非暴力の行進が大規模になり、国民の意思を政府に見せつけた。

 

 

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6 「D」

 

 

D: 女性達の歌声が内戦に終止符

 

アフリカ西岸のリベリアは内戦で血まみれでした。

大統領も近隣のアフリカ諸国もこの内戦の停止を望むが、各地の武装勢力が入り乱れ交渉は決裂するばかりでした。

この内戦で25万人が死に、100万人の難民が生まれていた。

 

2002年、一人の女性レイマ・ボウィがキリスト教徒、ムスリムを問わず平和を訴える非暴力の「平和のための女性リベリア大衆行動」を組織します。

彼女達は白いTシャツを着て大統領の行列の前で歌い踊り、プラカードで停戦を訴え続けます。

 

やがて、彼女らは大統領との会見に成功し、ガーナでの和平交渉への参加を確約させた。

しかし、男達の交渉はいっこうに進展しなかった。

 

そこで彼女達は、ガーナの会議場に座り込み、交渉成立を迫った。

彼女らの強制排除が始まると、レイマは服を脱ぎはじめた。

アフリカでは、自分の母親の全裸を見ると不幸になるという言い伝えがあり、男達はようやく重い腰を上げた。

 

この結果、翌年に内戦は終結し、国連の平和維持軍が到着し、2006年のアフリカ初の女性大統領誕生に繋がった。

 

ポイント

・ 続く内戦で荒んだ社会にあって、女性の熱情が武装集団の深刻な対立を制した。

 

実は、彼女らは戦う夫への性交拒否と言う数少ない武器を使ってはいたが。

彼女はノーベル平和賞をもらった。

 

 

7

7 「E」

 

 

E: 一人の女性の「ノー」から始まった運動

 

米国がベトナム戦争に深入りし始めた1955年、南部の州都モンゴメリーで一人の女性ローザ・パークスがバスの席を譲らない事件が起きた。

彼女はバス内で警察官に逮捕され1日収監の後、罰金刑を課せられた。

これが後に米国を揺るがす大運動に繋がった。

 

これは黒人の彼女が白人専用の席に座り、人種分離法に違反したからでした。

この地に1年前赴任していたルーサー・キング牧師(26歳)がこの事件を知ると、彼はモンゴメリーのすべての黒人にバス・ボイコット運動を呼び掛けた。

 

利用者の75%以上を占めていた黒人が歩いたりして、バスを利用しなくなったのでバス路線を運営する市は経済的に大きな打撃を被った。

ローザ側は、人種分離の条例を違憲として訴え、翌年、連邦最高裁は違憲とし、公共交通機関における人種差別は禁止された。

ボイコット運動は1年以上続き、この違憲判決の翌日に収束した。

 

キング牧師はこの後、全米各地で公民権運動を指導し、非暴力と不服従を掲げて1963年にワシントン大行進で25万人を集めた抗議集会を開催した。

 

翌年、公民権法が成立した。

 

ポイント

・ 一人の冷静で勇気ある行動が、優れたリーダーの下に非暴力の大衆運動に結実し、選挙で変えることの出来なかった差別を突き崩すことになった。

 

 

8

8 「I」

 

 

他の歴史的なデモ

 

F: 1913年、日本で民衆数万が護憲を叫び国会包囲。

G: 1930年、インドのガンジーによる塩の行進。

H: 1993年、マンデラのサッカー競技場での演説。

I: 2016年、韓国で5ヵ月間、朴槿恵大統領の退陣求める100万人デモ。

 

 

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* 最後に

 

日本の政府首脳と与党はデモを非常識な行動と非難し、さらに国民の非暴力の行進とアピールに対して、大量の警官隊が国会周辺を取り囲み封鎖し威圧している。

 

世界には非暴力のデモが、しばしば腐れきった政府や強権を発動する体制を刷新して来た。

これは人類が生み出した民主主義の重要な一発現です。

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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岡山と広島を訪れました 4: 原爆ドームと夕食


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今日は原爆ドームと広島での名物料理を紹介します。

 

 

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< 2. 観光ルート、上が北 >

 

No.1は原爆ドームで、赤線は広島駅からの路面電車です。

原爆ドームを見学後、黄線を歩いてホテルNo.3に行きました。

No.2の料理屋「かなわ」で夕食をとりました。

 

翌日、23日の朝、ホテルを出て、No.4の広島城、No.5の縮景園と広島県立美術館を訪れました。

この縮景園は本当に素晴らしい、後日紹介します。

 

 

 

3

< 3. 原爆ドーム >

 

私達は初めて訪れました。

幾度もテレビで見ていることもあり、実はあまり感動しなかった。

しかし日暮れ近く、原爆ドームの背景が薄くピンク色に染まるのを見て、何かが私にチャンスを与えてくれたようでした。

この出会いを無駄にしたくないと思った。

 

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< 4. 太田川 >

 

上の写真: 上流側(北)を望む。

下の写真: 下流側(南)。

 

 

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来訪者は少なかったが、西欧系の外人の姿が目立った。

 

 

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< 6. ホテルに向かって歩く >

 

下の写真: 夕食で訪れる「かなわ」。

 

 

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< 7.夕食のイメージ、HPから借用 >

 

これらは私達がこの旅行で最も張り込んだ食事、牡蠣料理です。

私が現役だった20年以上前、広島に出張したらご馳走になるのが牡蠣料理でした。

 

有名店なので期待していたのですが、私はガッカリした。

牡蠣が小さく、想像した半分以下の大きさだった。

ここ数年、赤穂やフランスで食べた牡蠣の大きさが脳裏に焼き付き、かつて広島で食べた牡蠣が私のイメージの中で巨大化していたのです。

店員にそれとなく聞くと、生食用に瀬戸内海沖近くの島の清浄海域で採取しているとのことでした。

 

しかし私はまだ納得できませんでが、翌日、ひょんなことからこの疑問は氷解することになります。

 

帰路、呉線に乗っていると、海岸線に牡蠣の筏を多く見ました。

近くに座っている旅慣れた中年男性に筏のことを聞くと、彼はこう言いました。

 

「ここの牡蠣は大きいが加熱用で、赤穂などと同じく栄養分が多い河口近くで育っ為に短期間で大きくなるが、生食には向かない。従って広島の生食用は小さい。」

 

私はこれを聞いて始めて納得した。

 

ここでもう一つ牡蠣の話。

1960年代の終わりから76年代にかけて、フランスの牡蠣が病気になり、全滅しかけたことがあった。

この危機を救ったのが日本のマガキの稚貝の輸入だったのです。

 

私が食べた牡蠣は・・・・

 

 

 

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< 8. 原爆の被害 >

 

上の写真: 原爆投下前の広島。

星印が原爆ドームの位置。

 

中央の写真: 原爆投下1時間後の原爆のキノコ雲。

下側に瀬戸内海が見える。

 

下の写真: 被爆後の原爆ドーム。

 

* 広島市への原子爆弾投下について

 

第二次世界大戦末期の1945年8月6日、アメリカ軍が日本の広島市に世界で初めて核兵器を実戦使用した。

 

爆心地周辺の地表面の温度は摂氏4000度にもなり、人口35万のうち14万人ほどが4ヵ月以内に死亡した。

 

原爆投下後の入所被爆者も含め56万人が被爆したとされ、原爆死没者名簿には31万の名がある。

心より冥福を祈ります。

 

私の友人に長崎市の原子爆弾投下による被爆者がいます。

この悲惨で唯一の経験を世界平和の礎にしたいものです。

 

次回に続きます。

 

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何か変ですよ! 109: 未来の壁 7


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*1

 

 

前回、海外への無関心と無知が偏狭を生むことを見ました。

今回は歴史、特に海外の歴史を理解しない弊害を見ます。

 

 

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 *2

 

 

はじめに

 

つくづく歴史を見ない人が多いことに溜息します。

 

私の周囲にはたくさん本を読む人がいる。

彼らの読書の嗜好は千差万別ですが、概ね日本の歴史に関心を持っておられます。

それでも多くは歴史ミステリーの謎解き(邪馬台国、聖徳太子など)が中心です。

 

そして彼らは自論を篤く語るか、多くは本の一節を読み上げることが多い。

彼らは自論が如何に見栄えするかに関心があるようです。

 

歴史を語る彼らに共通することは、自論に反する本は読まない、愛読する本に疑問を持たない、また本の引用が多く、自分なりの言葉で語ることが少ないなどです。

自論に関して知識は深いが、他の日本史に関心が薄く、まして中国を除く世界史にほとんど関心が無い。

 

これは以下のように解釈できる。

 

さして真偽の確認をせず一度自論が固まると、その後はまったく疑いを持たなくなる。

多くは好みの論調(左派右派)の受け売りで、ここでも村意識(帰属集団で安心を求める)が影響している。

 

また歴史のメカニズム(因果関係)に興味がなく、その知見を社会の理解に生かそうとしない。

例えば世界の古代都市の誕生パターン(メカニズム)を理解することは邪馬台国誕生の検証に役立ちます。

 

読書量の多い人でさえこれですから、本を読まない人に歴史を理解することなど期待できない。

学校では歴史の年号を記憶させても、そのメカニズムを識るように教育していない(かつて植民地では国民の覚醒を妨げる為、歴史や政治教育を行わなかった)。

 

狭い範囲での私の見立てですが、これが現状です。

 

このような状況で、前回取り上げた日本会議(保守派)の日本を美化する説は、多くの人を魅了することになる。

 

この歴史、特に世界の歴史を理解しないことが、未来への大きな第5の壁になる。

 

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* 私と歴史

 

もともと私は歴史が嫌いでした。

なぜ嫌いかと言えば、暗記が弱かったからです。

私は自然科学が好きで技術者として働いて来ました。

 

しかし、自然科学だけでは、疑問や問題の解決に役立たないことを痛感するようなった。

なぜ人は戦争を始め残虐になるのか、平和をどうして構築すべきか、なぜ国は衰退するのか、などの答えを私は探し続けている。

結局、日本史、中国史、世界史、人類史、進化論に広がり、美術史、法制史、医術史、宗教史、戦争史などにも手を広げました。

 

海外旅行に行くようになると、これまでの疑問―社会問題、美術、戦争と平和、宗教など、を解くために各国史を調べるようになりました。

これを繰り返して行く内に、少しづつ視界が晴れて行くことを実感するようになった。

 

 

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*4

 

 

* なぜ歴史への理解が必要なのでしょうか?

 

一番は社会で起きている現象を正しく理解する為です。

 

技術者はトラブルを解決する為に、ある仮説を立て、これを実験で確認することが出来ます。

実は、これはこれでかなり困難なのですが、それでも対策を実施する前に正否を確認できます。

 

しかし、現実の社会問題ではそうは行かない。

一つは、自分で直接、現地調査もありうるでしょうが、ほとんど無理です。

結局は、新聞や論説、書籍などで調査することになる。

 

ここで問題は、相反する論説や報道の取捨選択です。

 

例えば南京虐殺事件に関して、日本の左派右派の肯定否定論が完全に対立しています(私は両論を計15冊ほど読んだ)。

こうなると自信を持ってどちらが正しいかを言い切ることは難しい。

 

 

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< 5.南京城、赤線に注視! >

 

 

そこで中国側の資料(翻訳)に目を通してみる。

眉唾が多いかもしれないが、注意して読むと膨大な死体がなぜ消えたが分かってくる(ヒント、南京城の直ぐ横の長江の流量は1秒間に2万トン)。

 

また世界の虐殺史を調べると、人は置かれた境遇によって、平常時には想像出来ないような惨いことを犯すことがわかる(「殺人百科」など)。

 

アウシュヴィッツ収容所所長アイヒマンの裁判を傍聴したハンナ・アーレントは彼を極悪人ではなく普通の小心者と評した。

後に、このことをスタンフォード監獄実験(1971年)が実証した。

これは、一般の正常な人を被験者にした心理学実験で、誰でも凶暴になることが確認された(危険な為、途中で中止された)。

 

つまり日本人は善良な民族だから、捏造と決めつけるのは短慮に過ぎる。

 

むしろ世界の戦史から見れば、他国に深く侵攻し欠乏する兵站に喘ぐ日本軍、さらには村意識(旅の恥はかき捨て)が強い日本兵の心境を考えると、何が起きるかは容易に予想がつく。

その例はアフリカ植民地での英仏兵、大戦時のドイツ兵やソ連兵、ベトナム戦争での米兵などに見られる。

 

さらに日本の文化(村意識)が、この事件の真相解明を困難にしている。

日本軍は証拠を残さない、また帰還兵は仲間を裏切る真実の吐露を行わない。

(佐川長官の在職時の日程記録はすべて破棄していた、注釈1)

当時、報道は完全に軍がコントロールし、まして一般人が直接現地を知ることは不可能でした。

 

 

結局、私達が平和を構築する為に、隣国との相互理解を妨げている事件や問題を理解するには、日本だけの狭く偏向した報道や論説だけで判断出来ないのです。

 

間接的ではあるが、世界史から人間の行動や社会のメカニズムを理解し、出来るだけ客観的に真実に近づかなればならいのです。

 

これが歴史、世界史を理解することの重要性です。

 

 

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* 歴史を理解するために

 

以前、私のブログ記事を批難した方が、その根拠に歴史は繰り返さないので歴史的説明は無意味だと指摘されたことがありました。

この論調は、ウヨの方に多いように見受けられるが、ある意味、ポイントを突いています。

 

この指摘を簡単に反証しておきます。

 

前述の南京事件の解説で読者は気づかれたかもしれないが、日本人が中国で起こした事に対して、私はポーランドやアメリカ、それこそ世界各地でドイツ人、米兵などあらゆる民族が関わった事件を援用して説明して来ました。

それこそ起きた時代も違います。

 

ベストセラーになった「銃・病原菌・鉄」「文明の衝突」「21世紀の資本」に始まり、各種スポーツの解説書に至るまで、世界各地、あらゆる民族と時代を扱っています。

私達読者は、そこに普遍性を当然のように見出して理解しています。

つまりウヨの方が言われることは、普遍性を非常に厳密に定義しているか、単に都合の悪い歴史を無視したいだけかもしれません。

 

 

* 大事なこと

 

繰り返しになりますが、日本人はどうしても狭量になり易い。

これを自覚し、自ら世界に向かって視野を広げることで、皆さんは日本の衰退に気付き、かつ対策を諸外国から学ぶことが出来ます。

さらに平和を構築する方法や近隣諸国との理解も得られるでしょう。

 

最後に、朗報を一つ。

文化心理学で東アジア人(中国、韓国、日本人)は西欧人に比べ、木より森を見る傾向があることがわかっています。

これは被験者に魚が泳ぐ水槽を見せた後で何を見たかを聞く実験です。

この時、西欧人は一番大きな魚の特徴を主に語り、東アジア人は背景の水草や小さな魚等を含めた全体を語るそうです。

つまり東アジア人は空間的には全体的な捉え方をするのです。

 

 

次回は、今を理解するヒントを歴史から紹介します。

 

 

 

注釈1

もし在職時の全日程記録があれば佐川の行動や面会の記録から、森友問題の解決に役立っと考えたNPO法人が情報公開請求を行った。

しかし国税庁からの回答は1日分の簡単な日程1枚で他は廃却したでした。

現代ビジネスの4月5日の記事。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55100

 

 

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何か変ですよ! 108: 未来の壁 6


 

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< 1.桜井、慰安婦めぐる訴訟で敗訴 >

 

 

 

前回、「報道の自由」について語りました。

今回は、日本人が他者に対して偏狭になり易いことも見ます。

 

 

 

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はじめに

 

前回、世界や言葉や文化が異なる海を隔てた隣国の理解が困難なことを見ました。

これが往々にして視野狭窄で身勝手な言動を生み出します。

 

自分の属する社会だけに通じる主義主張を唱え、他者と通じ合える主義主張を模索するどころか、否定までします。

このことは幸福で平和な国を作るには大きな第四の壁になります。

 

 

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* 様々な珍発言

 

巷に溢れる視野狭窄で身勝手な言動を紹介します。

 

A: 「世界中が憧れるこの日本で『貧困問題』などを曰う方々は余程強欲か、世の中にウケたいだけ。」

 

桂春蝶がネットで発信。二代目落語家。

 

 

B: 「国民主権、基本的人権、平和主義、この三つをなくさなければ本当の自主憲法にはならない」

 

長勢甚遠が大会で発言。「安倍晋三さんを支える会」の中心メンバー、日本会議富山県会長。

 

 

C: 「先の大戦において祖国と同胞のために一命を捧げられたあまた英霊・・。 この英霊への感謝の念こそ、・・歴史認識の第一であるべきである。

大東亜戦争は、米英等による経済封鎖に抗する自衛戦争としてわが国は戦ったのであり、後にマッカーサー連合国軍最高司令官自身もそのことを認めている。」

 

日本会議のHP、歴史認識より抜粋。日本最大の保守(右翼)団体で自民党国会議員246人、安倍内閣19人中15人が入会か賛同している。

 

 

この三つの意見のどこが可笑しいのでしょうか?

 

例えば日本会議の役員には神社関係者が多いが、大会社のトップ、有名大学の教授も少なくない。

彼らが流言飛語の拡散に熱心・・。

 

世界は、彼らを世界を見ず、歴史を自己都合で解釈する時代遅れな人々と見るでしょう。

 

 

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*4

 

 

* 何が偏狭なのか

 

A: 「『貧困問題』を言う人は余程強欲」について

 

この誤解は世界と日本を比較出来ていないことによる。

 

日本が優れて幸せな国と思っている人が多いのは事実で、国政調査結果で明らかです。

日々満足して暮らすことは素晴らしいことです。

 

しかしこれまで、世界に共通する指標を使って日本が如何に退歩し続けているかを見て来ました。

この事実さえ、日本は別格であり、指標にこそ問題があるとして無視する人がいる。

しかし無視できないことがある。

それは、多くの指標が年々日本の社会・経済・人権の劣化を示し、多くの途上国が日本を抜いて行くことです。

 

なぜこのような誤解が平然と語られるのでしょうか?

多くの人は海外の状況に関心がなく、政府や御用マスコミを信じて疑わないからです。

 

海外に目を向けて真実を知ろうとする人はごく少数に過ぎない。

日本が大戦に突入する時も、米国との経済力の差を正しく評価出来た人は一握りで、彼らは卑怯者と罵倒された。

 

海外への無知が悲劇を生む状況は変わらない。

 

 

 

B: 「憲法から国民主権、基本的人権、平和主義を削除」について

 

このアピールは王政復古を想わせ、近代史を冒涜している。

 

これを説く長勢は東大法学部出で、労働省を経て自民党議員になり、法務大臣にまでなっている(代々議員の家系)。

この彼が世界の憲法史の流れを無視している。

 

近代以降、欧米先進国はたとえ立憲君主制を取り入れる場合であっても国民主権と基本的人権を最重視して来た。

平和主義については、日本は最先端(理想)を走っている。

 

おそらくは日本会議の中心的テーマ、天皇の御世への回帰に沿って憲法を変えるには、国民主権は邪魔だろう。

基本的人権と平和主義は、君主(天皇)に統率された麗しい社会では混乱要因でしかない。

 

日本会議の台頭は、深まる日本の衰退と高まる世界の右傾化に触発されたのでしょう。

さらには天皇の存在、長期与党政権、さらに世襲議員の台頭が後押ししたのだろう。

 

 

相変わらず保守派リーダーは海外の歴史や情勢を無視して国民に自説を吹聴している。

これが可能なのは、多くの国民が海外に興味が無く、まして日々進化している諸外国の理念や政策に疎いからです。

これからは米国ではなく、幸福度が高い西欧数カ国と北欧5ヵ国の知見が有用です。

 

 

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*5

 

 

C: 「英霊への感謝が歴史認識の第一、大東亜戦争は自衛戦争」について

 

このドグマは、強い自己愛ゆえの歴史の改ざんと言える。

これは単に稚拙な歴史認識に留まらず、外交に悪影響を与え、強いては平和を脅かす。

 

 

日本会議の言う「先の戦争は経済封鎖による自衛戦争だから日本に非は無い」は世界に通じるでしょうか?

 

簡単に反証します。

 

・ もし北朝鮮が経済封鎖に対抗してミサイルを発射した場合、世界は自己防衛とし見做すでしょうか?

 

・ 欧米の経済封鎖の35年前から日本軍は既に東アジアに侵攻していたので、世界は単に日本が戦争拡大を続けたと見るだけです。

 

・ 日本はロシアの脅威に対して東アジアに侵攻し、他の帝国主義国と同じであり、日本だけを責めるは片手落ちであると侵害国に言えるだろうか?

 

ドイツは侵害国に徹底して謝罪し、虐殺を認め、これを否定することを禁止した。

このことが今の信頼を生んでいる。

 

・ マッカーサー司令官が自衛戦争を認めたと言うが、安倍の祖父岸信介は戦後のインタビューで「あれは侵略だった」と発言している。

彼は戦犯になったほど深くこの戦争と植民地支配に関わっていた。

 

ざっと見ても彼らの歴史認識の狭量さがわかります。

彼らは世界や世界史を意図的に無視し、歴史を捏造している。

 

問題は人々がこれに簡単に踊らされてしまう下地(文化と報道)が日本に存在することです。

 

実はこの偏狭さが日本を窮地に陥れるとしたら。

 

 

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< 6. 世界のニュース1 >

 

上: Khmer Times(カンボジア新聞)、March 26, 2018.

「安倍は縁故主義のスキャンダルの渦中で謝罪」

 

下: U.S. News & World Report(米国雑誌)、March 26, 2018.

「日本国民の半分は安倍が土地取引スキャンダルで辞任すべきと考えている」

 

 

* 身の周りで起きていること

 

私達は、真実を隠そうとする多くの報道に取り囲まれていると疑うべきです。

もっと世界に目を開いて下さい。

世界のニュースサイトとグーグル翻訳で、世界の動きが見えて来ます。

 

上の二つのニュースは日本の政治腐敗を的確に伝えている。

 

 

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< 7.世界のニュース2 >

 

上: CNN(米国のテレビ局)の日本版、2018年3月30日。

「日本も北朝鮮との首脳会談を模索、取り残される不安募らせ」

 

下: Business Insider (米国のウェブサイト)の英国版、March 29, 2018.

「外交の転換、日本の安倍はスキャンダル災難から話題を替えることを狙っている」

 

この二つのニュースはアベが外交で人気回復を狙っているのを的確に伝えている。

 

日本の外交は、米国との同盟に束縛され東アジアと敵対的にならざるを得ない。

これで人気を得て来たが、内政と外交で共に窮地に陥ると、新たな目玉外交を模索し始めた。

 

御用マスコミやアベ友応援団の話だけを聞いていると真実が見えなくなり、国民は益々馬鹿にされることになる。

 

 

ここで日本の若者と経済を見てみましょう。

 

 

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< 8.海外留学 >

 

上のグラフ: 日本の海外留学生は2004年から低下し続けている。

真ん中のグラフ: 日本での外国人留学生はアジアからが多い。

 

下のグラフ: 日本を除くアジア人留学生が増加している。

 

残念ながら、豊かになった日本の若者はチャレンジ精神を無くしつつある。

これは英国が19世紀半ばから衰退した時と同じ状況です。

 

 

 

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< 9. 企業と若者の動向 >

 

上のグラフ: 若者は海外で働く意欲を年々無くしている。

 

中央の表とグラフ: 日本の競争力は年々低下し、政府の効率性と外国語のスキル

が大きな弱点になっている。

 

下のグラフ: 企業にとって東アジアは重要になったが、企業はグローバル化を担う人材確保で困っている。

 

この政治の混迷と社会の衰退からどうすれば抜け出せるのだろうか?

 

 

* まとめ

 

少なくとも日本会議の言う憲法改正―天皇中心、道徳や旧来の家族の復活、懺悔ではなく誇りを取り戻す、で日本の再興や平和構築は無理です。

明らかに外交や経済、若者の覚醒には逆効果になる。

最悪、戦前に戻るだけだろう。

 

皆さん、どうか世界から取り残されることを恐れて欲しい。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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岡山と広島を訪ました 2: 倉敷美観地区


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今日は、白壁屋敷が並ぶ倉敷美観地区を紹介します。

伝統家屋でも他の宿場町や門前町、商人町とは異なる趣があります。

晴れ間がのぞき始め、散策日和となりました。

 

 

 

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< 2.散策ルート、上が北 >

 

上の地図: 岡山と倉敷、瀬戸内海の位置関係が分かります。

下の地図: 倉敷美観地区の散策ルート。

JR倉敷駅から徒歩で美観地区入口まで歩きました。

S点から始めて赤線を歩き、途中、倉敷アイビースクエアと大原美術館(黒丸)に立ち寄り、黒線を通って駅まで戻った。

 

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< 3. 倉敷駅前 >

 

 

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< 4. 美観地区入口 >

 

 

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< 5. 倉敷川の橋を渡る >

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右手の赤レンガの壁は、倉敷アイビースクエアの一角です。

ここにはかつて代官所、続いて倉敷紡績所があった。

 

 

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< 8.倉敷川に戻った >

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< 11. 観光川船 >

 

上の写真: 海外から観光客がたくさん来ており、アジア系が多かった。

川船には中国系の団体さんが乗っていました。

 

下の写真: 塀の造りが目を惹きました。

土壁の下半分を板で覆い、さらに下には大きな石組がある。

板の下部は石組に合わせて凹凸を付けている。

 

 

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< 12. 大原美術館 >

 

展示物を知らずに入ったのですが、素晴らしい美術品が収集されていました。

 

 

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< 13. 主要収蔵物 >

 

エル・グレコ、モロー、ロートレック、ルノワール、ゴーギャン、中国最初期の三尊像(仏像)が目を楽しませてくれました。

美樹館内で歓喜の声を挙げて、職員に叱られました。

 

建物正面の両脇にはロダンの作品が立っています。

これも嬉しかった。

右側はカレーの市民ジャン・ダールです。

拡大写真を左下に載せました。

 

 

* 倉敷の町並みに想う

 

予備知識を持たずに散策していると、ある疑問が湧きました。

なぜこれほどまでに白壁土蔵や大きな屋敷が多いのだろう。

ここは街道でもないし、まして海からは十数kmも離れている。

 

かってこの地は海に接しており、藩の玄関港として物資の集積地・中継地と発展し、後に江戸幕府の直轄領として栄えた。

こうして多くの豪商が集まり、やがて埋め立てが進み、海は遠のいた。

そして明治21年に、旧倉敷紡績所が完成した。

 

 

 

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< 14. 倉敷の歴史、黄矢印が倉敷美観地区 >

 

上の古地図の左: 中世は、まだ阿智神社の丘は広い干潟の島に過ぎなかった。

共に上が北を示す。

上の古地図の右: 江戸時代、干潟は田んぼに代わっていった。

 

下の古地図: 1850年、江戸時代の大洪水の様子を示す。

赤い矢印は北を示す。

青矢印は4kmほど離れた一級河川の高梁川で、この一部が決壊し、倉敷美観地区は水没した。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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何か変ですよ! 107: 未来の壁 5


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今日は、なぜ日本では「報道の自由」が無視されるかを考えます。

これが正しく機能することは国政の最低条件のはずです。

この意識が低い限り未来は無い。

 

 

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はじめに

 

日本では組織の不正、特に上層部の不正に非常に甘い。

組織内の人は影で不平を言うが、外部に告発せず泣き寝入りするだけです。

これは海外のジャーナリストがよく指摘するところです。

 

今回のアベ政権下での酷い腐敗、事実の隠蔽と誤魔化しは目に余る。

以前であれば、政権側は野党とも協力したが、今は堂々と究明を拒否している(福島原発事故の調査委員会)。

さらに御用新聞以外も煮え切らず、数で圧倒するアベ友応援団とネットウヨが跋扈している。

 

そして大半の国民は、声が大きい「北朝鮮問題」か、ありきたりの「政治腐敗を正す」かの選択を迫られ、結局、あやふやに済ますことになりそうです。

 

世界から見れば、「北朝鮮問題」は日米が煽ったもので、急に危機的になったわけではない。

一方、アベによる「政治腐敗」は、世界から見れば一大腐敗事件です。

 

残念ながら、日本では虚実が入り交じり、ここ数年は捏造された事実が大手を振るようになり、国民は益々正しい判断が出来ないでいる。

 

 

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* 何が「真実を語らせない」のか

 

残念ながら、元来、日本の組織は記録を残さない、情報を外部に出さない。

 

かつて、日本軍は撤退時、徹底的に証拠文書を隠滅しました。

大本営発表は、まったく嘘と扇情で固められていました。

あまたの帰還兵も、仲間が不利になるような戦争体験をまったく語ろうとしません。

大戦中、多くの国が似た事をしたが、これほど酷いのドイツと日本だけでした。

 

戦後の公害問題から原発事故、今回の財務省の改ざんに至るまで、同じことが繰り返されている。

もし稀に内部告発者が出ても産官学と御用新聞は彼らを徹底的に潰しにかかり、組織からも制裁を受けることになる(官僚では佐藤優、前川喜平)。

 

すでに虚偽答弁と隠蔽だけでは済まなくなり、戦前を思わせる状況に突入した。

 

なぜこのようなことが日本で起きるのだろうか。

 

 

4

*4

 

 

* 何が「報道の自由」を阻害するのか

 

アべは「報道の自由」を破壊しようとしているが、その下地は以前からある。

 

日本人は世界的に新聞をよく購読しているのですが、実は中身が問題です。

 

外国のジャーナリストは日本の報道の後進性を指摘している。

・ 記者クラブの存在。

・ 調査報道が少ない。

・ 速報重視、夜討ち朝駆け、ニューソース名が無い(青山繁晴が好例)など。

 

このことが「報道の自由」を阻害しているのです。

 

記者クラブは簡単に言うと、記者の抜け駆けを防止するために政府や官庁が造ったものです。

記者はクラブ員で居る限り棚ぼた式に情報が入って来るので安泰です。

 

しかし、これでは新規参入が出来ず、切磋琢磨を生む競争が起きない(規制緩和が必要だが・・)。

さらに、これが記者と政治家の癒着を引き起こす。

未だに記者は徒弟奉公のような政治家への夜討ち朝駆けでネタを取ることになる。

こうして他社より数時間でも早くスクープを聞き出すことに狂奔し、調査報道に手間を割かない。

 

この状況を一人で打破しようとしているのが東京新聞の望月記者で、その徹底した追及姿勢は菅官房長官の定例会見に現れています。

これは記者クラブにとって迷惑であり、政府側も他の記者も無視しようとしている。

彼女は棚ぼたの情報を貰えない為に今後の取材が苦しくなる。

しかしこれが世界に通じる記者スタイルです。

 

残念ながら日本の報道は旧態依然としており、「報道の自由」はもともと低いのです。

しかし、今は最悪を更新中。

 

 

 

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< 5.マスメディアへの信頼度 >

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4034_2.php

 

 

* まぜ日本は事実を重視しないのか

 

理由は最古層の農耕文化と孤島が災いしているからです。

 

東アジアは概ね稲作農耕文化ですが、海で隔離された日本列島は更に古いタイプの家族形態を有しています。

これは長子相続と父親の絶対的な権限に要約されます。

同じ稲作地帯の東アジアでも、日本ほどには長子相続は徹底していません(遊牧民の文化が流入した為か)。

 

私の推測が正しければ、日本はこの文化からの脱皮が困難です。

 

 

日本の組織文化「村社会」の影響が大きい。

この文化の問題点は既に、「デマ、偏見、盲点 29: 暮らしのカラクリ 3: カラクリを支える日本文化」で解説しています。

 

要は、人は属している社会が最重要で、他の社会にほとんど無関心です。

属している社会内ではトップ(父親)への忠誠を誓い従順で、仲間には親切だが、他の社会には不信を抱き、まったく異なる言動をとりさえする。

 

人々は幾つかの社会に共通する行動規範や情報よりも、属している社会で重視されているものだけで充分なのです。

つまりこれがダブルスタンダード(建前と本音)になるわけです。

 

極論すれば、すべての社会で認められる客観的なものは不要であり邪魔なのです。

当然、長年国政を支配している政治家や官僚にとっても。

もっとも口に出して言うことははばかれますが。

 

 

日本の新聞購読者は一度購入を決めたら、ほとんどが生涯変更しません。

日本の大手新聞は保守と革新に分かれ、発行部数は二分しています。

世界的に見て、図表5のように日本人はマスコミに非常に信頼を置いています。

 

こうなると、読者は全国で保守と革新に各1000万家庭に分かれ、一方の主張に染まることになる(保守の方が多い)。

当然、テレビや雑誌も同系統のものを好み、益々、両サイドに分裂を極めることになる。

一度でも一方のマスコミに属してしまうと、比較して真贋を確認することなく信じじ切ってしまう(比較すれば判る)。

 

こうして情報発信側も受信側も事実は二の次で、閉鎖的で偏狭な虚構に陥ってしまうのです。

 

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*6

 

 

* さらなる問題

 

さらに孤島であることが日本を不幸にしている。

 

日本語は独自に発展したので、日本と隣国との間で自然な意思の疎通は不可能です。

まして海を隔ている。

この状況で「報道の自由」が奪われ、一方の政府や御用新聞が敵意を煽リ始めると、互いの国民の激情はエスカレートするばかりです(繰り返されて来た)。

 

西欧では戦争を繰り返した過去があっても、言語と宗教で共通するものがあり、他国の情報を共有することが可能です。

その好例は東欧と西欧(共産圏と自由主義圏)の雪解け、中国と台湾や香港の間にもあった。

 

この問題では、日本政府はリーダーシップをとって交流を進める以外に改善の余地はない。

だが残念なことに米国追従の自民党にあっては、隣国、特に中国との関係改善が不可能で、共通の歴史認識を作るチャンスを自ら放棄している(小泉政権時)。

ヨーロッパでは西欧共通歴史教科書を編纂している。

 

この結果、日本は隣国と亀裂を深めるばかりです。

米国との同盟から上手く離脱出来れば前に進めるだろうが望み薄です。

 

こうして見ると、日本の「報道の自由」も、隣国同士との正常な理解も不可能なように思える。

 

 

 

* 日本に未来はないのか

 

日本が政治腐敗から無縁になるためには「報道の自由」、さらに平和であり続けるには積極的な隣国との交流が必要です。

そして今、これは危機的状況にあります。

 

しかし、皆さんが現状を正しく認識出来ればまだチャンスはある。

 

・ 日本の報道の欠点と現状を知ってください。

 

日本の報道水準は完全に先進国以下になり、さらに悪化を続けています。

先ずは最大の元凶であるアベを早急に辞めさせ、続いて自民党、中央官庁、記者クラブ等の悪弊を正さなければならない。

 

 

・ 日本の組織文化と孤島の欠点を自覚してください。

 

これが戦前のファシズムや現在の企業・官庁の腐敗蔓延を生み出している。

また自浄作用をもたらす情報公開や内部告発も期待出来ない。

これは息長く教育と法整備で改善するしかない。

 

 

・ かつて日本の御用新聞は微力だったことを知ってください。

 

明治以降、薩長軍閥主導の政治を民主制に引っ張ったのは反政府新聞だった。

満州事変までは毎日や朝日などが政府と対決して政党政治を切り開いた(失敗したが)。

 

当時、御用新聞の読売は国民から相手にされていなかった(部数極小)。

しかし、軍部が政権を担い始めると、一気に形勢は逆転した。

今はその延長線上にあると言えるでしょう。

 

 

 

これで終わります。

 

 

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何か変ですよ! 106: 未来の壁 4


 

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< 1. 嘘の国と真実の国 >

下の写真は北欧5ヵ国の首相。

 

 

前回、かつて日本は報道の自由が無くなり自滅したことを見ました。

同じ状況がアベの下で進んでいることも確認しました。

今回は、報道の自由が高い国ほど国民が幸福であることを見ます。

 

 

はじめに

 

日本の報道の自由度ランキングはかつて11位(民主党政権下)が最高でしたが、2回のアベ内閣で下がり、現在はついに180ヵ国中72位まで下がりました。

西欧諸国で日本より低い所は無く、既にアフリカのボツワナ48位やニジェール61位よりも低いのです。

とても先進国とは言えない状況です。

 

このままアベ政権が続くと、国連の勧告を拒否したことでもわかるように、さらに報道の自由を制限し、国政を私物化することになるでしょう。

恐ろしいことに、既にNHK始め、多くのマスコミが真実を報道しなくなり、官僚は事実を捻じ曲げるようになったので、益々国民は蚊帳の外に置かれることになる(3月29日、NHKの報道統制が国会で暴露)。

 

しかし、今なら政権交代で良くなる可能性があります。

かつて第一次アベ内閣の後は良くなったのですから(この時は短期だった)。

 

 

ここで視点を変えてみましょう。

報道の自由が脅かされると、国家が暴走したり国が権力者に私物化されることを皆さんは理解したとしましょう。

しかし、一方で報道の自由を手に入れてもメリットが無いと思われるかもしれません。

 

そこで、報道の自由度が高い国ほど国民に幸福をもたらしていることを見ます。

 

 

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< 2. 報道の自由度が高い国 >

 

上記表はすべて2017年の180ヵ国中の「報道の自由度」「一人当たり名目GDP」「男女平等」の上位ランキングです。

橙、緑、茶色の線が相互の繋がりを示しています。

 

 

* 報道の自由度が高い国では何が起きているのか?

 

これから幾つかの客観的な指標を使って、「報道の自由度」が高い国は世界と比べて何が優れているかを見ます。

 

上の表の「報道の自由度」上位にある北欧、1位ノルウェー、2位スウェーデン、4位デンマークを見ます。

この三ヵ国は隣国同士で、かつてバイキングの国であり、同じ民族圏に属します。

 

するとどうでしょう、この三カ国は「一人当たり名目GDP(USドル)」は上位12位まで、「男女平等」は上位14位に入っているのです。

ちなみに日本は22位、114位で、経済高く、人権低いでしょうか。

 

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< 3.民主主義指数 >

 

これはイギリスのエコノミスト誌傘下の研究所エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが世界167ヶ国を対象に2年おきに発表しているものです。

上位にあるほど民主主義度が高い。

 

黄色マークは北欧5ヵ国を示し、国名右側の順位は「報道の自由度」の順位を示す。

当然ですが、「報道の自由度」が高いほど「民主主義指数」は高い。

日米は「報道の自由度」が低いので、当然、欠陥のある民主主義と言うわけです。

 

 

4

< 4. 経済民主主義指数 >

 

英グラスゴー大学の教授が2017年に発表したもので、OECD加盟国のうちトルコやメキシコを除く32カ国を対象に「経済民主主義指数」を算出した。

 

重視した調査項目は「職場および労働者の権利」、「経済に関する決定権の分配」、「マクロ経済政策における決定権の透明性と民主化度」です。

これは金融セクターの強さや徴税権の中央集権化の度合い、また腐敗、説明責任、中央銀行の透明性、政策決定の過程に社会の多様な構成員が関与しているかどうかも調査した結果が含まれている。

 

上表の上位6位までに北欧4ヵ国(青線)が入っている。

ちなみに米国は最下位から2位、日本は4位になっている(赤線)。

 

 

 

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< 5. ジニ係数 >

 

ジニ係数は所得の不平等度を示す指標で、所得が完全に均等に分配されている場合は0となり、1に近づくほど不平等度が高いことを意味する。

 

上のグラフ: 2008年の再分配後のジニ係数を示す。

北欧4ヵ国は上位から11位に入っている。

ここでも米国は30ヵ国中下位から4位、日本も下位から11位、つまり所得格差が大きいことを示す。

 

下のグラフ: 北欧を含めて概ね世界の主要国でジニ係数が上昇し、所得格差が拡大している。

 

これは世界が自由貿易で繋がっており、北欧も資本主義で貿易依存度が高い為に、どうしても悪貨が良貨を駆逐するようにな状況にある。

これは世界が一緒になって対処しなければ格差が拡大し続けることを示している。

対策としては1980年代から始まった自由放任経済に終止符を打つことであり、具体的にはピケティやスティグリッツらが対策を提案している。

 

6

< 6. 世界幸福度報告 >

 

これは国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する幸福度調査のレポートです。

2016年、157ヵ国が対象になっている。

 

表の青印は北欧5ヵ国で、その内の丸印は北欧3ヵ国を示し、幸福度は上位10位に入っている。

一方、赤丸の日本は53位に過ぎない。

ちなみに報道の自由度ランキング43位の米国は幸福度で14位です。

 

 

* 報道の自由度が高い国は国民にとって良い国と言える

 

上記の結果をまとめます。

 

「報道の自由度」が世界トップレベルの国(北欧5ヵ国)は、「一人当たり名目GDP」、「男女平等」「民主主義」「経済の民主主義」「所得格差(ジニ係数)の低さ」、さらに「幸福度」もトップレベルでした。

7つの指標を見る限り、疑義を挟む余地はなさそうです。

つまり国民にとって良い国なのです。

 

一方、「報道の自由度」が低い日本は、とても先進国とは言えない。

「報道の自由度」が低い米国も似たようなものです。

しかし日本は、これから「報道の自由度」の劣化がボディブローのように効き、さらに上記指標が悪化していくことでしょう。

 

これで「報道の自由度」が国民にとって重要であることを感じていただけたでしょう。

 

しかし、まだ信じられない方もいるでしょう、疑いは当然です。

北欧5ヵ国の大戦の被害、天然資源の豊富さ、大国との関係、民族と歴史など様々に異なります。

それでもここまで似通った結果が出ることは驚きです。

 

 

* なぜこのような結果が生まれたのか

 

「報道の自由度」がなぜ国民に幸福をもたらすのか。

 

もしあなたが誰かと交渉する時、相手が嘘つきで騙すことが平気な人物であればどうでしょうか。

善良なあなたでも、この人物を避けることが出来なければ、家族を守る為にはったりや嘘もつくことになるでしょう。

どちらにしても協力し合える仲にはならない。

 

私達の社会では、あらゆる集団(様々な力の異なる場合も)が関わりながら共に暮らしています。

主要なものとして政府と国民、企業家と労働者があります。

もし一方が真実を伝えず嘘をつくようであれば結果は明らかで、互いに反発し協力することは無い。

 

実は、北欧の政治社会が上手く機能しているのは、政府と国民、企業家と労働者が協力し合えるからなのです。

 

その為には互いに嘘と隠し事がないように、「報道の自由度」を高くし、いつでも真実を知ることが出来るようにしているのです。

逆に、これが脅かされると国民や労働者は激しく抗議し、是正を求めるのです。

 

こうして「報道の自由度」が確保された社会では、話し合いを通じて互いに協力し合えるのです。

そして弱者や様々な人権を守りながら、国際競争力を高める為に、必要な競争も受け入れることが出来るのです。

このことがスウェーデンのマイナンバー100%や労働組合組織率70%に結び付くのです。

ちなみに日本ではそれぞれ8%と18%です。

 

残念ながら、「報道の自由度」「男女平等」「民主主義」「経済の民主主義」「所得格差」が劣る国では、政府と国民、財界と労働界、男性と女性、与党と野党は対立するばかりで、共に協力して社会を発展させることが出来ない。

 

だから日本の政権のように、国民に真実を告げて批判に晒されるより、虚偽発言や文書改ざん、そして報道を弾圧して事を進めようとするのです。

 

特にアベのように、極端に右傾化する場合、「報道の自由度」がないがしろにされてしまうのです。

始めこそ悪意が無くても、協力が得られず事が順調に進まなくなり、やがて嘘に嘘を重ねるようになり、更に酷い状況に落ちるのが歴史の常でした。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 105: 未来の壁 3


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*1

 

 

 

今回は、深刻な政治の暴走を招く要因を取り上げます。

それは国民に真実が伝わらないこと、つまり報道の自由が奪われることです。

多くの場合、真実が隠されていても国民は気づかない。

しかし一番の問題は、国民が「報道の自由」を気にかけないことです。

 

 

* 「報道の自由」の何が問題なのか?

 

これから数回に分けて以下の問題を明らかにします。

 

A: 「報道の自由」が無くなると、政府が独善的になり暴走を始め、遂には国家の破綻や破滅を招く。

 

B: 政府は都合の悪い情報流失を制限し、また国民に知られずに報道の自由を制限することが出来る。

 

C: 逆に自由が確保されていると国は幸福で豊かになる。

 

D: 日本に固有の危険要因があり、これが災いをより深刻にする。

 

E: 一度、報道の自由が低下すると正常に戻すことはほぼ不可能です。

 

今日はAとBの問題を取り上げます。

 

 

 

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< 2. NHK番組改ざん事件と報道ステーション >

 

 

* 今、報道の自由が危機に晒されている

 

現在、アベらがやっている報道の自由を脅かす圧力(批判封じ込め、情報隠蔽)を列挙します。

 

 

A: 2001年、安倍官房副長官がNHK放送局長を呼びつけ、制作済み番組を大幅に改変させた。

2005年、朝日新聞がこの「NHK番組改ざん事件」を暴露した。

 

B: 2013年、アベ内閣が特定秘密保護法を成立させた。

日本の安全保障に関する秘密情報の漏えいに罰則などを定めた。

 

C: 2015年、古賀茂明が報道ステーションで安倍首相のイスラム国問題への対応を批判すると、菅義偉官房長官の秘書官が「古賀は万死に値する」とメールを送りつけた。

さらに、後に菅は放送法(電波停止)を楯に恫喝を加え、この後、古館と古賀は番組を去ることになった。

 

D: 2016年、高市早苗総務相は衆院予算委員会で、放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合の電波停止の可能性に言及した。

 

E: 2016年の池上彰の暴露によると、アベが政権に着くと、自民党からニュース報道への毎日のような抗議、そして自民党が作ったネットウヨから番組スポンサーへの抗議電話が殺到するようになった(一次、二次共)。

 

F: 2017年なら2018年にかけて、政府と官僚らが国会での追及を逃れる為に、証拠書類の隠蔽、破棄、機密扱い(黒塗り)、そして虚偽答弁を繰り返している。

自衛隊、厚労省、財務省など多くの中央官庁が事実を隠し、公文書改ざんまで行っている。

 

G: 2018年2月、自民党文部科学部会長の赤池議員が文科省を通じて、政府批判を繰り返す前川前事務次官に講演を依頼した学校に圧力(検閲)をかけた。

 

H: 2018年2月、アベは予算委員会で放送法改革を匂わせ、3月、共同通信が「政治的公平」(放送法第4条第1項第2号)の規制を撤廃するという政府の方針案をスッパ抜いた。

これについて野田聖子総務相 「放送法4条を撤廃した場合、事実に基づかない報道が増加する可能性」があるとして慎重な態度をとった。

 

 

これら政府と官僚、自民党の動きを見れば、一貫した意図が見えて来る。

それは政府批判の封じ込めであり、その為に国民には真実が隠され捏造されて来た。

 

現政権は歴代政権の中でも非常に露骨であり、裏では一層複雑巧妙に行っている。

 

 

 

* 政府批判の封じ込め策は繰り返されて来た

 

今の凄い封じ込め手口は、これまでの自民党さえ実施したことはなかったはずです。

 

アベ政権の手口をまとめます。

 

A: 育成されたネットウヨが批判的な報道機関に嫌がらせを行い、報道自粛に追い込ませた(個人攻撃も)。

 

実際、放送各局は批判的な報道を抑制し、今回の森友事件での「改ざん」用語さえなかなか使用せず、国会前のデモも放送しなかった。

 

実は、この手法は、戦前の反権力新聞(朝日、毎日)への抗議や不買運動を煽った在郷軍人会と一緒です。

つまり、軍部(政府)が裏で在郷軍人会を操っていた。

 

米国のティーパーティー運動(保守派ポピュリスト運動)は今や共和党を支えるまでになったが、これとネットウヨが似ている。

ティーパーティー運動の初期、オバマに反感を持つ実業家や企業が資金を提供し、人々のまとまりのない不安や敵意を煽り、大きな運動へと組織化していった。

 

 

B: 放送局への電波停止を匂わせる恫喝は、戦前の新聞紙条例と同じです。

 

当時の手口は、政府の検閲に従わない場合は新聞紙を供給しないと言う脅迫だった。

これは世間から隠れて行われたので、国民は知らず知らずの内に、検閲されたものだけしか読めなくなっていた。

 

 

C: 特定秘密保護法は1925年の治安維持法の再現を思わせる。

 

治安維持法成立以降、特高や警察によって手当たり次第に政府批判者が捉えられ、多くが国家転覆罪や天皇侮辱罪で獄死し、闇に葬られることになり、社会は急速に沈黙していった。

この結果、政府(軍部)の暴走を止めるものが無くなり、1931年の満州事変で大陸進出の口火が切られることになった。

 

治安維持法は当初、共産主義革命への恐れから制定されたが、すぐに政府批判を封じ込める手段として猛威を振るうことになった。

 

 

D: アベの露骨で執拗なマスコミ支配。

 

アベ首相による読売絶賛と朝日批難の大合唱、政府や自民党らが裏で行う報道機関への執拗な圧力、政権批判者への執拗な嫌がらせ、「政治的公平」の規制撤廃案などがある。

 

これらは先進国から見れば常軌を逸した行為とみなされる。

しかし日本の国民はこれらにあまり違和感を感じない。

 

これこそが第三の未来の壁なのです。

 

この露骨な支配について米国を例にみましょう。

 

 

 

* 米国のマスコミから見えるもの

 

ベトナム戦争時、1960年代の米国でホワイトハウスとマスコミは対立していたが、マスコミはこの干渉をはねつけた。

そして米国民はこのマスコミの姿勢に信頼を置いていた。

 

 

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< 3. クロンカイト >

 

CBS「イヴニング・ニュース」の有名キャスターのクロンカイトは仕事を終えると、度々大統領から電話(干渉)を受けることがあった。

戦争終結の5年前の1968年、彼はベトナム戦争でアメリカは勝利しないとニュースで宣言した。

ジョンソン大統領は、「クロンカイトを失えば、アメリカの中核を失う」とその影響力を高く評価し、圧力を加えることが出来ず、撤退を考えざるを得なかった。

 

当時の米国のジャーナリズムは健在だった。

 

しかし、今は違います。

それは、1980年代に始まった規制緩和の流れの中で、報道にも規制緩和が進んだことによる。

 

巨大企業によるマスコミの買収、グループ化したマスコミの娯楽優先姿勢、政治的公平の規制撤廃、さらにインターネット普及による新聞(特に地方紙)の衰退などが、米国のマスコミ・報道の自由を蝕んでいる。

 

その結果、日米の報道の自由度は低下し続けている。

 

 

 

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< 4.主要国の報道の自由度ランキング >

 

ちなみに、報道の自由度ランキングでは、2002年、米国は上位から17位、日本28位でした。

しかし2017年には米国43位、日本72位へと大幅に下げている。

一方で、北欧4カ国はこの15年間、上位4位から10位で安定している。

 

つまり、政府が報道の自由を守る気がないから低下しているのです。

 

 

 

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< 5. 日本の報道の自由度ランキング >

 

 

* まとめ

 

報道の自由が圧迫されると、国民は真の問題が見えなくなり、政府はやがて都合の良い方向に国民をリードする。

多くの場合、政府は政策の失敗をごまかそうとして嘘で塗り固めて行く内に取返しのつかないことになる。

よくあるのは、政府が国民の不満を逸らす為に戦争を始め、また経済不調を他国や移民のせいにして来た。

 

この結末はいずれも悲惨なものでした。

 

よく保守論客は、報道の自由度ランキングの算定がいかがわしいので信じるに足らないと言う。

しかし、このランキングを時系列で見、海外と比べ、かつ現実の手口を見ると、概ね評価が間違っていないことがわかる。

 

次回は別の視点から「報道の自由」を見ます。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 98: 恐ろしい腐敗力


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今、国民が取り組むべきは政府の腐敗一掃です。

しかし、これが恐ろしいほど深く根を張っている。

この辺りを噛み砕いて話します。

 

 

* 腐敗の現状

 

現在判明している状況を要約します。

 

A: 中央省庁が軒並み不正を働いている

 

財務省、厚労省、文科省、警視庁、会計検査院など多くの省庁で隠蔽・公文書改ざん・虚偽答弁などが組織的に繰り返され蔓延している。

 

 

B: 上記不正のほとんどが首相の意向に沿うか縁者を利している。

 

不正は閣僚や与党議員に有利なものもあるが、圧倒的に首相の意向と縁者に有利である。

 

目立つ省庁の隠蔽・公文書改ざん・虚偽答弁はすべて首相や閣僚を守る為になされた。

また森友事件(偽ゴミ報告)や加計事件での各省庁による裏工作、口止め、嫌がらせ、圧力も、最終的に首相を守ることになる。

強姦容疑者逮捕寸前での逮捕状執行停止は首相に最も近い番記者(容疑者)と首相側近が関与。

 

 

C: 政府は数々の追及に対して1年以上否定し続け、さらに真相の追及を妨げた。

 

森友、加計事件の国会で厳しい追及があったにも関わらず、首相と閣僚は所轄部署の不正が完全に露見するまで否定し続けた。

 

例えば、ここ数日の麻生大臣の国会答弁が示すように、否定していた「忖度」をやっと認め、さらに驚くべきは、あれほど疑念を持たれていた「決裁書改ざん」を自ら命じて調べることがなかった。

 

このことから現時点の証拠だけでも、過失ではなく故意の隠蔽に限りなく近く首相を含む閣僚の責任は重大です。

 

 

 

* 実は、腐敗の根はさらに深い

 

確かに、現時点では首相らが直接に不正行為を指示した証拠はない。

しかし、日増しに不正関与の疑いは濃厚になりつつある。

 

この連載で既に述べて来たことですが、官僚だけでなく日本の組織は上層部に忖度し組織的に不正行為を働く可能性が非常に高い。

この状況は、強権的なトップ、省庁の存続危機(過去の不正への追及)、恣意的な報酬・制裁人事が行われ始めると、さらに酷くなる。

これが安倍政権になってから省庁の不正行為が頻出した理由と言えます。

 

 

だが、さらに首相らから直接不正行為を促す圧力があったと言える。

 

かつて「忖度」を説明した際、上層部は非常に巧みに部下に不正行為を促すことが出来ると説明しました。

事細かく指示しなくとも「鈍感な奴だな」と恫喝するだけで、部下は意向に沿ってバレないことを願いながら不正行為を行います(理不尽だが現実です)。

 

ただ、今回の文書改ざんのように財務省本省の理財局次長ら18人の印があり、組織的であることから佐川理財局長が知っていることは確実だろう(太田現理財局長の発言)。

また当時、国会答弁を行った佐川は麻生財務相の本省直属の六人の部下の一人であり、事前に麻生と佐川がまったく不正行為について話さなかったのは不合理です。

 

また佐川にとって、暴露は前任の迫田理財局長の時の便宜供与(森友8億値引き)が発覚するだけだが、改ざんすれば自分がより重い罪(公文書偽造、共謀罪)を負うことになる。

いくら国税庁長官に出世出来るからと言って、こんな危険で馬鹿げた不正を、それも組織を巻き込んでやるはずがない。

 

つまり、麻生は真っ黒、おそらく安倍も一連托生だろうが、残念なことに証拠がない。

 

 

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* ここからが問題

 

おそらく、佐川の証人喚問だけではらちが明かないだろう。

佐川は「検察取り調べ中に付き、証言を拒否する」として、国会の調査は進展しない。

(既に不正が明白な状況で、彼は麻生に義理立てして嘘を続ける必要がなく、むしろ自白の方がメリットがあるはずだが)

当然、麻生も自白するはずがない。

 

残念ながら、安倍の人気が続く限り、他の証人喚問(明恵、迫田など)は不可能で、真実は白日の下に晒されることはないだろう。

このような時、何か軍事的脅威や注意をそがれる事件でも起きれば、腐敗に対する危機感は霧散霧消してしまう。

 

そうなれば、また安倍の支持が回復し、腐敗が加速することになる。

 

 

* 安倍恐怖の始まり

 

安倍政権になって進行している恐怖の実態を確認します。

 

問題は中央官庁の腐敗だけではないのです。

安倍個人の性向(直情径行、タカ派、独善)が社会を蝕んでいる。

 

 

例えば、前川前事務次官が今年2月に中学校で講演していたが、講演を依頼した市教委に文科省が露骨な検閲と嫌がらせを行っていた。

文科省は前川氏を誹謗中傷し圧力をかけた。

 

これが官邸の指示かどうかは不明だが、これは彼が加計事件で内部告発し職を辞した後も官僚と首相らを批判し続けることに対する制裁と口封じです。

 

これは首相の批判者を徹底的に叩く性向が中央官庁に沁み込みつつある例です。

 

 

3

*3

 

 

しかし、この状況は社会全体に既に蔓延している。

 

2001年、NHK番組改変問題が起きました。

政府が日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷に関する番組に干渉し、NHKは大幅な改変を行った。

2005年、朝日新聞がこの改変を暴露した。

 

この干渉の主役が安倍官房副長官でした。

当時NHK放送総局長の松尾氏は安倍から呼び出され、必死に説得したが、理解が得られず、局に戻って大幅な番組の改変を指示することになった。

 

後に彼はこの間違った対応への後悔を含め、安倍から「勘ぐれ」と言われ、忖度を強要されたこを証言した。注釈1

 

つまり、安倍は忖度を強要する常習犯だったのです。

 

 

この後、NHKは更なる政府からの干渉に喘ぐことになる。

経営委員会に、安倍友の百田尚樹、長谷川三千子が送り込まれた。

極め付きは経営委員に選ばれた籾井勝人でした。

発言「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」

 

こうしてNHKは沈黙していった。

 

 

* 安倍の恐怖は留まるところを知らない

 

実は安倍の恐ろしさはこんな生やしいものではない。

 

 

 

4

< 4. 日本の報道の自由度は安倍人気と共に低下中 >

 

2017年、ついに日本の順位は世界72位に輝きました(涙)。

(あの中国に抑圧されている香港73位よりはマシなのが救い。笑い)

今年、アベ政権は「報道の自由」についての国連勧告を拒否した。

つまり堂々と認めたのです。

 

これは何かの間違いでしょうか、それとも安倍の実力なのでしょうか?

 

 

5

*5

 

 

答えは、2016年7月の池上彰の暴露にあります。

 

要旨は、テレビ局の報道抑制、つまり真実を語らないのは「忖度」と言うような生易しいものではなく、裏に安倍政権の圧力がある。注釈2

 

以下に抜粋要約します。

 

「かつて、権力サイドは『メディアに圧力をかけてはいけない』というのが共通認識でした。

しかし、安倍政権になってからは、自民党はおもなニュース番組をすべて録画して、細かい部分まで毎日のように抗議し、訂正を求め、注文をつけてくる。

こうして次第に『文句を言われない表現にしようか』となってしまうのです。」

 

「さらに深刻なのは『電凸』です。

『電話で突撃する』という意味のインターネット用語ですが、一般の読者や視聴者が、気に食わない報道があると、スポンサー企業に一斉に抗議電話をかける。

『不買運動をする』なんて言われるとビックリするんですね。

昨年6月に自民党の議員が、マスコミを懲らしめるためにスポンサーに圧力をかけることを提案して、問題になりました。

それも実際にはすでに行われているんです。」

 

「この『電凸』にしても、自民党、とくに安倍氏周辺が下野した時代に、自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)というかたちでネトウヨを組織し、その下地をつくってきたものだ。」

 

「第1次安倍政権(06〜07年)の時に、メディアへの抗議が増えたんです。

ところが、安倍さんが辞めた後にパタリとなくなりました。

福田政権、麻生政権、民主党政権の時は抗議が大量にくるようなことはなかった。それが第2次安倍政権(12年〜)になって復活しました。」

 

以上です。

 

 

* 最後に

 

こうしてマスコミが政府や右翼に牛耳られて行く状況は、正に祖父岸信介が活躍した、大陸進出に至る言論抑圧の時代に酷似しているのです。

本当に、安倍は戦前を取り戻したいようです。

 

 

結論は、安倍首相を政治から排除する以外に、日本を再生する手段はないのです。

 

 

終わります。

 

 

 

 

注釈1

*長井暁さんの記者会見発表文書(全文)

http://www.moo-azumino.com/main/Diary/kakono_nikki/nhk.html

 

*「NHKよ、安倍さんがそんなに怖いのか!」 2015.8.27

https://iwj.co.jp/wj/open/archives/259892

 

*森達也(映画監督・作家)のツイートより、13 Mar 2018

2001年のNHK番組改変問題がメディアへの圧力の原点。

 

 

 

注釈2

池上彰がテレビ局の「忖度」の裏に安倍政権の圧力。http://lite-ra.com/2016/07/post-2389.html

 

 

 

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何か変ですよ! 94: 今、国民が問われていること


1 

*1

 

 

ついに懸念していた森友問題で役人が犠牲になった。

いつものように命じた上層部は安穏としている。

 

これを看過すれば失われた命、彼の無念が無駄になる。

国民は、憂うべき事態を真摯に受け止めるべきだ。

 

 

 

2

< 2. 何が起きているのか >

 

* 何が問われているのか

 

与党は政権を死守し、野党は政権転覆に必死だ!

しかし、最も重要なことは今の政治を国民が正しく見極め、良識を持って是非の判断を下すことです。

 

この機を逃せば、二度と国民の望む政治への刷新は不可能になるでしょう。

なぜなら、政権主導で国民の権利が軽んじられ、全体主義(情報隠蔽、恣意的な行政、言論統制など)に大きく舵を切っているからです。

 

この状況が進んでしまえば、政治は一部の人々に握られ、多くの国民は蚊帳の外に置かれることになる。

 

 

 

* 憂うべき事態

 

ここ数年の社会経済の悪化を概観します。

 

3

< 3.国民の資産がバブル崩壊で・・・>

 

4

< 4.バブルが崩壊すれば経済はさらなる・・・ >

 

 

長期与党の政策により悪化と困窮が進行している

 

* 経済悪化: 賃金低下、非正規拡大、円安・・・

* 生活困窮: 格差拡大、貧困率の増大、エンゲル係数上昇・・・

* 将来不安: 進みつつある年金、福祉のカット。

* 財政破綻: 迫る累積赤字増大によるデフォルト。

 

現政権によって急速に悪化したもの

 

* 失われた報道の自由: 放送局への圧力、御用新聞以外への威嚇・・・

* 軍事優先で先鋭化: 対立を扇情、米国との軍事同盟強化、軍事大国化・・・

* 行政の腐敗: 露骨な便宜供与、審議拒否(否定・隠蔽・拒否・改ざんなど)・・・

* 政治家の劣化: 強行、腐敗、私物化(縁故者の優遇・免責)、傲慢・・・

* バブル崩壊: 日銀と年金基金による株式運用の巨大損失、金融危機後に来る長期停滞と高失業率・・・

* 日銀の後始末: 国債500兆円の市場への放出による弊害、損失。

 

 

5

< 5.何が起きようとしているのか >

 

 

現政権の存続が招く最大の危機

 

* 民主主義の崩壊: 三権分立や議会制を破壊、批判勢力を抑圧・・・

* 前近代への回帰: 緊急事態条項や1世紀前の体制復帰をもくろむ憲法改正、人権や自由を軽視・・・

 

ここ数年の日本の悪化を数えればきりがない。

 

 

 

* 体制擁護派の弁護について

 

巷で言われるように現政権によって本当に社会と経済は良くなったのだろうか?

この件については既に説明して来ましたが、ここでは要点だけ触れます。

 

* 大多数の国民、労働者、社会保障の対象者にとって悪化の方が勝る。

 

* 経済(株価、GDP、企業利益、失業率)は良くなった。

これは幾多の要因が重なってのことだが現政権の役割も大きい。

しかしバブルが弾け、世界同時金融危機ともなれば、今回の政権と日銀政策が災いとなり、今までに無い巨大損失と長期景気後退を招くことになる。

下手をすれば100兆円を越える財政赤字の上乗せが起きるかもしれない。

 

* 敵対的で派手なパフォーマンスは、北朝鮮問題でも役に立つことはなかった。

今回の転機は中国の経済封鎖と中国と韓国の対話姿勢が生んだものです。

大盤振舞の海外援助も内実は資金や生産の海外移転で、大手が海外で儲けるだけです。

 

* 政権は現実的な政策を矢継ぎ早に行い、安定感があるように見える。

しかし内実は既存政策の焼き直しに過ぎず、緻密さや公平性に欠け、ほとんどが財界や富裕層優遇で早晩格差拡大が深刻化する。

原発推進が好例です。

 

よくよく注視すれば問題点が見てくるのですが、残念ながら有力な経済紙や御用マスコミの影響が目隠しになっている(そうでない経済紙「東洋経済」もある)。

 

 

6

*6

 

 

* 今回の事件が教えてくれること

 

森友問題は1年前に朝日新聞が報じ、政府と与党そして御用新聞の執拗な攻撃を受けながらも、やっと今日の解明にこぎ着けた。

 

政府と官庁の徹底した情報隠蔽、非協力(証人喚問)で解明は困難を極めた。

 

私も含め多くの国民は、一連の首相近辺で起こる下劣な事件に嫌悪感を持ってはいたが、野党の進まぬ解明と追及にもうんざりしていた。

 

だが、ついに二大新聞の良心と執念が突破口を開いた。

おそらくは、命を賭けた内部告発こそが最大の功労者だった。

出来ることなら死なずに名乗り出て白日の下に罪業を明らかにして欲しかった。

そして、彼は国民から讃えられながら家族共に末永く生きて欲しかった。

 

しかし、日本の組織文化(部下が責任を被り、内部告発者が虐げられる社会)にあってこれを望むことは無理だろう。

おそらくは、今回の朝日新聞の報道姿勢はこの内部告発者を守る為だったのでしょう。

 

 

今回の事件は、大きな教訓を示してくれた。

 

A: 日本には悪政を批判し、不正を暴くマスコミが不可欠です(御用新聞ではない)。

 

B: 政府や官庁の独走を牽制し、腐敗を未然に防ぐには野党が不可欠です。

 

これらを目障りとする体制側の抑圧が進み、もし本当にマスコミや野党が潰されていたらと考えると背筋が凍る。

 

今回の事件は、腐敗政治の危機を救った一撃として日本史に残るでしょう。

 

 

もう一つ、今後、野党が中心になって取り組むべきことがある。

 

C: 官僚と内閣の腐敗構造を断ち切る制度確立と、腐敗の再発を常時監視するオンブズマン制度が不可欠です。

おそらく、他の首相周辺の事件も同様に暴かれていき、国民はさらなる腐敗の広がりに驚くことになるだろう。

 

先ずは、この困難な解明を成し遂げた快挙に祝杯を!

 

 

* 良識ある国民は立ち上がって欲しい

 

このまま現政権が突き進むと、日本は早晩、戦火と破局を迎えるか、衰退と混乱を味わうことになっただろう。

 

この事件の解明が進んだことにより、想像を絶する暗黒面が浮き彫りになった。

首相の絶大な人気と官僚人事の掌握によって、中央官庁に腐敗と劣化が短期間に広範囲に及んでしまった。

 

首相の絶大な人気に、与党議員は完全に一色に染め上げられ、首相の常軌を逸した言動に異論を唱えるものはなくなり、おべっかが目立つようになった。

さらに御用新聞、放送局、記者、コメンテーター、学者の多くが政府による飴と鞭により、体制批判から擁護へと舵を切った。

 

このまま事件が暴露されることがなかったら、この全体主義に比肩できる悪化は留まることが無かっただろう。

 

巷では、公文書改ざんは単に書類の書き換えに過ぎないと指摘する声がある。

おそらく、手をこまねいていると尻尾切りによって一見落着となるだろう。

今の隠蔽体質と、自己責任など感じないトップの下ではその可能性が高い。

また現状ではトップに法的な責任を取らすことは困難だろう。

 

しかし、既に見たように今の状況を放置すれば日本の将来はない。

 

思い出して欲しい。

第二次世界大戦の切っ掛けとなったナチスの台頭は、いみじくも麻生大臣が指摘したように最も民主的な憲法下の議会で、国民の熱烈な支持によって始まったのです。

民主主義で平和な日本だから安心とは言えないのです。

少しでも気を許すと、独裁者ヒトラーを生んでしまうのです。

 

今はその危険が迫っており、社会はまさに激情化し沸騰しつつあるのです。

例えば、ツイッターでは扇情的で右翼的な暴言が、正論で穏やかな発言よりも100倍ほど拡散しています(維新の足立議員のツイートなどは超人気)。

 

国民が無関心を決め込んでいる間に、このような扇情され易い人々が政権を支え、政治が悪化していくのです。

ナチスが台頭する初期、過激な若者が「突撃隊」などに参加し、ヒトラーを支える力となった。

 

国民は良識を持って現政権続行に対して是非の判断を下して欲しい。

法で裁くことは出来なくても、世論や選挙でノーを突き付けることは出来る。

 

 

 

7

*7

 

 

* 大事な気付き

 

ここ数年で起きた、森友だけでなく一連のアベ友に関わった事件、首相の横柄で下卑た言動、官僚やマスコミの尻尾振り、ネットウヨの大合唱、世界の嫌われ大統領との親密な交友・・・。

 

これらはけっして首相の人気低下には繋がらなかった。

与党や御用新聞の援護もあるが、やはり首相の強権的な言動と目立つパフォーマンスが人気を博したからです。

 

翻って考えて欲しい。

多くの国民の安易な期待、無関心と傍観が、このトップの驕りを増長させ、怪物(独裁)を生んでしまったことです。

このことがやがて政治や社会をかつてのような地獄に追い込むことになるかもしれなかったのです。

 

この手の激情がドイツでヒトラー、日本で東条内閣を生み育てたのです。

これは一度加速すると、後戻りは出来ないことを歴史が示しています。

しかし、今なら間に合うでしょう。

 

冷静で客観的な対応こそが社会の悪化を留めるのです。

 

 

終わります。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 26: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 5


 1

*1

 

 

今回はまとめになります。

世紀末の呪縛から脱する手立てはあるのか?

未来を変えるには・・・

 

 

* はじめに

 

結局、多くの人は豊かさと平和に慣れてしまい緊張感を無くしている。

 

日本が大戦後、無一文の焼け跡から未来を信じ全員が一生懸命働き、画期的な復興を成し遂げた。

この時、人々は希望を持ちながらも将来の不安に備え、少ない稼ぎに関わらず貯蓄を行った。

この資金が国土建設や設備投資に向かい高成長を実現させた。

 

今はどうでしょうか。

日々、今を楽しむと言えば聞こえは良いが、夢に向かって挑戦し続ける若者は激減している。

あり余る資金は国内投資や賃金上昇に向かわず海外証券に向かうだけになった。

若者の海外志向の低下や資金の海外流出は英国没落時の正に再来です。

 

本当に刹那的な社会になってしまった。

 

これでは身も蓋もないが、回生の手立てはあるのだろうか。

 

 

2

*2

 

 

* 日本には素晴らしい歴史がある

 

かつて日本は長期的な展望を持つ民族だった。

この平野の少ない国土に1億以上の人間が暮らせる不思議がそれを物語っている。

 

これを可能にしたのが、共に社会や資源を守る文化です。

特筆に値するのは乱獲や乱伐を規制した漁業や林業の資源保護です。

世界にはこれらの枯渇を経験した地域が数多くありました。

 

また日本は海外の変化に素早く適応する力を持っていた。

明治維新では、それまでの中華文明一色から、攘夷すべきとした欧米に対し一転して、この文明を積極的に取り入れた。

地球上で、これほど遠方にある異文化の強国、しかも名うての侵略国相手にほぼ無傷で通商を結んだ国は、日本とタイぐらいでしょう。

 

また富国強兵の中で、初期には大英帝国に組し、ドイツが隆盛してくれば英国と手を切り、一度負かしたドイツと早々と軍事同盟を結んだ(二つの大戦で)。

この変わり身の早さは特筆ものです(親米も変わるかも)。

 

まして今は北欧と言う、素晴らしい次世代の社会モデルが存在する。

日本は真似るのが得意なのだから、今の疲弊と劣化から抜け出し、新たな道を進むことが出来るはずです。

 

しかし留意すべきことが一つある。

それは大陸の端にあり、巨大な人口を有する島国ゆえの宿命か、常軌を逸し無謀に走り易いことです(注釈1)。

 

 

 

3

*3

 

 

* 人類の素晴らしい足跡

 

人類は幾度も破局を乗り越えて来た。

破局とは、外敵や自然の驚異ではなく、社会が内包し放置すれば遂には崩壊に至るものです。

破局の最たるものに、既に述べた感情(貪欲と敵愾心)の暴走がある。

 

人類は如何にして社会の破局を未然に防いで来たのだろうか?

それこそが法制史であり、宗教だったと言えます。

要点をみます。

 

 

法制史の代表例を見ます。

 

古くはハンムラビ法典に同害同罰(同害報復法)が規定されていました。

これは貧富の差による罰則の不公平を是正し、民衆を公平に扱うことを目指した(紀元前2000年頃)。

 

仇討ちを禁止し、復讐の連鎖を防止した。

本来、限定された仇討ちは偶発的な殺人から部族間への戦闘拡大を避ける手段でした。

しかし、これを刑法で裁き決着させることにより殺人と憎悪の連鎖を断ち切った。

 

私有権が認められたことにより財産の侵害が明確化され、犯罪として禁止することが出来た。

 

税の徴収により公共投資が行われ、社会の安全、快適、衛生などの公共政策が進んだ。

 

三権分立により、政治の独裁や腐敗を抑制した。

 

国民が憲法を制定し、政治制度を規定することにより独裁を防止した。

 

化学兵器の禁止条約や不戦条約が結ばれるようになった。

 

 

こうして人類は長い年月をかけて因習や既成概念を打破し、社会の平和と幸福の為に法制度を発展させて来た。

さらに国家間、次いで世界が協働するようにもなった。

 

決して人類は規制緩和を進め、公共政策を縮小して来たのではない。

今の逆行―エゴや欲望の放任―は単に既得権益層の私腹を肥やすゆえの口実に過ぎない(すでに根を張っている)。

これら法制度がなかったら今の世界はなかったでしょう。

 

 

こうして破局を誘発する行為(犯罪)を制限するようになったが、法律だけでその欲望や心理を抑えることは困難です。

それを担ったものの一つが宗教でした。

 

世界宗教の多くは欲望の自制を促し、より大きい隣人愛を奨励して来た。

 

キリスト教を例にみます。

キリスト教は愛の対象を隣人から異民族まで拡大させ、暴力を否定した(パウロの貢献大)。

(ユダヤ教の旧約を引き継いでいるので一部暴力を肯定しているが、全体としては暴力よりも隣人愛を優先している)

しかも、政治を忌避しなかったことで、中世まで政治と強く繋がり大きな影響力を与えた(後に政教分離)。

(原始仏教は政治を忌避し、精神修行に重きを置いたので、政治力が弱くなった)

ヨーロッパ史には、キリスト教の暗黒面も目立つが、熱心な信徒によって奴隷解放などの人道的な革新や平和構築が多く行われた。

 

こうして見ると、人類は法制度と宗教を通じて、本能や欲望をコントロールし、社会の破局を防止して来たと言える。

 

我々は、その気になりさえすればまた豊かな道を進むことが出来るはずです。

 

 

 

* 最後の望み

 

今の日本を一言で言えば「無知、無関心、惰性、そして敵意」が社会を覆い尽くしている。

 

無知: 歴史を学ぼうとせず、都合の悪い歴史事実を無視する。

 

無関心: 未来を展望せず、現状の国際状況や国内の政治社会の動きを表面的に見るだけでメカニズムを理解しようとしない。

 

惰性: 不満や不安があっても現状維持からの脱却(改善さえ)に臆病になっている。

社会経済のメカニズムを理解しようとしないので、見栄が良ければ何ら中身の無い政策でも歓迎してしまう(注釈2)。

 

敵意: 既に解説しました。

 

この風潮を正さないといけない。

 

 

結論は、これ以上の悪化を食い止め、そして世界が手を握り、感情の暴走などの破局を防止する規制(法や条約)を始めることです。

 

その為には、惰眠を貪っている日本の大半(中間層)が覚醒し、政治を変え始めることです。

 

今なら政治の劣化は一部の過激な人々と煽るマスコミに留まっている。

しかし放置すれば、いずれ偶発的で小さな衝突事件を切っ掛けに破局へと進むでしょう(既に仕掛けられた歴史がある)。

 

 

 

4

*4

 

 

そこで期待出来る人々がいる。

年老いたと言え、団塊世代は青春時代、国家や戦争を論じデモに加わり篤い血潮をたぎらせた。

どうか日本の為、最後に人肌脱いでいただき、周囲に清風を吹き込み、改革に立ち上がる雰囲気を盛り上げていただきたい。

どうか団塊の世代は未来を生きる子供や孫の為に率先していただきたい。

 

東京裁判(~1948年)でインドのパール判事が願ったように世界が共同して戦争を裁き、平和を構築出来る日が来ることを望みます。

 

後退ではなく、一歩でも改革に踏み出そうではありませんか。

 

 

終わります。

 

 

 

注釈1

 

この列島は、古くは中華文明から程よい距離にあったことで文明を摂取出来るが侵略を逃れることが出来た。

次いで、欧米から遠く、魅力的な産物に乏しく、軍事的に重要で無い孤立した列島であったことが、帝国主義の災禍を受け難くした。

 

こうして巨大な人口を抱える日本は、一度世界の覇者を夢見ることなった。

もし当時の人口が数百万人以下であれば、敢えて帝国主義に対する自衛と称して大陸進攻を企てることはなかっただろう。

 

 

 

注釈2

 

ふるさと納税は、結果的に富裕者の税金逃れを加速させ、課税の逆進性をもたらす。

これは寄付行為に多額の返礼品があるからですが、これは当初予想された。

政権はこの指摘を無視し、見栄えさえ良ければ後先考えず施行した。

多くの人は、楽しみが増え、景気上昇に繋がると感じているが、必要な税収が減り、それを他の国民の税収で補っているだけです。

景気を良くする為なら他の有効な手段は幾らでもある。

 

日本の公共投資と言えば、政治屋の地元の土建屋が潤うものでしかないが、福祉(人件費など)などの投資の方が社会的に有意義であり、かつ経済効果は同じです。

日本では話題に上らないが、北欧の公共投資とは後者なのです。

 

現在、日本では低所得の非正規雇用が増えているが、これを加速させているのがこの度の「働き方改革」など、これまでの与党の一連の政策です(米が主導し1980年代から始まった)。

 

難しい理屈は不要です。

実際に、悪化し続けている事実に目を向ければ納得できるはずです。

 

極論すれば、流動性の高い労働者の存在はあっても良いのです。

問題は補償の無い首切り、特に論外は同一労働同一賃金が無視されていることです。

政府はこれを野放にし、国民も嘆くだけで政権に拒否の態度を示さない。

北欧ではこれらが守ら、かつ最も幸福な国であり経済成長も続けているのです。

 

国民が目を覚ます以外に道はないのです。

 

 

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 24: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 3


1 

*1

 

 

前回に続き、怪しい戦争予防策を採り上げ、次いでバブル崩壊と戦争勃発に共通する要因を考えます。

これが今、社会に蔓延り、放置すれば取返しのつかいないことになる。

 

 

 

 2

*2

 

 

* 危なげな戦争予防策

 

前回見た日独の事例だけでなく経済封鎖は往々にして逆効果を生むことがあります。

例えば、1991年の湾岸戦争後の長期の経済封鎖は、イラクを疲弊させ次の暴挙を生み出す背景ともなった。

(イスラム国ISの台頭を例に、様々な戦争の予防策がむしろ危険を増大させてしまったことを注釈1で説明します)

 

現実に即して見るなら、北朝鮮はなぜ核兵器や長距離ミサイル開発に踏み切ったのだろうか?

経緯から察するに、それは日本や中国が標的ではなく、米国の攻撃を抑止するのが目的と考えられます。

これはイスラエルの核保有に対抗したイランやイラクの核開発、インドとパキスタンの関係と同様です。(核拡散について、注釈2で簡単にみます)

それがこのまま進むと、片棒を担ぐ日本も北朝鮮の標的になる可能性が高まります。

これは当然の成り行きなのですが、問題にならないのが不思議です。

 

また海に囲まれた細長い日本列島においてミサイル迎撃がほとんど不可能なだけでなく、この防衛システムが整った段階で米国と中国、ソ連を巻き込んだ核ミサイル配備競争になることは間違いない(不可能な理由、注釈3)。

1962年の核戦争危機を招いたキューバ危機は、米国が1959年にソ連に隣接するトルコへのミサイル配備が発端になった。

つまりソ連はキューバへのミサイル配備で抑止力の均衡を図ったのです。

これもよく起こる軍拡競争のパターンですが、危険この上ないものでした。

 

数年前まで、日本の右派の評論家は口を揃えて、中国は北朝鮮への経済封鎖に協力しないと断言していたが、今はどうだろうか?

常識的に見て、これしか次善策は無かったのだが、嫌中が足枷となり大局を見誤ってしまった。

 

どちらにしても、平和維持は武器だけで出来るほど単純ではない(米国の銃蔓延が好例)。

だからといってまったく武器が無くても良いとは言えないが。

別の手段と知恵がより重要なのです。

 

 

 

*二つの破局に共通するもの

 

これまでバブル崩壊と戦争勃発のメカニズムを簡単に見て来ました。

 

バブル崩壊では、真っ先に崩壊の被害から逃れようとする心理が市場をパニックに陥れていた。

そして、崩壊の大きさは溢れた投機資金が多ければ多いほど巨大になりました。

さらに被害は、元凶の投機家だけでなく、一国に留まらず世界までを窮地に追い込むのです。

 

戦争勃発では、戦争を回避しようとして軍拡競争が始まり、これが疑心暗鬼を一層駆り立て、一触即発になるのです。

また様々な安易な戦争予防策(軍事援助、軍事介入、経済封鎖など)も、逆に火に油を注ぐことになった。

 

そして勃発の可能性と被害の甚大さは、軍事力の巨大化や兵器の拡散、軍事同盟、国民の疲弊(敵意増大)によって高まるのです。(軍備増強の落とし穴、注釈4)

さらに核兵器による戦争ともなれば被害は地球上すべてに及ぶことになる。

 

 

3

*3

 

* 破局を招く感情の暴走

 

上記二つの破局は、ある感情が広く社会を覆い尽くしてしまったことよる。

 

バブル崩壊では、投資家の旺盛で短絡的な金銭欲がバブルを生み、そして抜け駆けの心理が崩壊を招いている。

(短絡的な金銭欲とは、地道な生産活動ではなく賭博で儲けようとする心根です。抜け駆けの心理とは、他人が損をしてこそ自分が儲かる、つまりエゴであり公共心の逆です。)

 

戦争勃発では、恐怖心が敵意となって軍拡競争を加速させ、そして相手国への無知による疑心暗鬼が戦端を開くことになります。

軍拡などの威嚇合戦が始まると、敵意が増し相互理解がより遠のくことは社会心理学が明らかにしています。

民主国家間でもこの過程を経て、やがて戦争に突き進む可能性が増すのです。

 

問題は、金銭欲と抜け駆け、または敵意と疑心暗鬼の感情が社会で連鎖反応を起こし暴走し始めると制止することが困難になることです。

現在、人々はこれらの感情をありふれたものと見なし、この感情の暴走に何ら疑念を持たなくなってしまっている。

放置しておくと破局を招くことは既に見た通りです。

 

これこそが厄介なのです。

これら感情の暴走を止める必要があるのです。

 

 

4

*4

 

* この感情の暴走がなぜまかり通るのか

 

先ずは、この感情の暴走が危険であり、これを看過する今の社会が異常である事を認識する必要があります。

 

実は、この不感症さはここ数十年の間に生じたものなのです。

この間に、人々は刹那主義に陥り、理性を麻痺させてしまった。

 

バブル崩壊で言えば、金銭欲と抜け駆けの欲望は留まるところが無い。

ここ半世紀、自由放任主義(規制緩和と累進課税放棄)がもてはやされ、やりたい放題(累積赤字と格差の増大)なのです。

しかし、20世紀初頭から世界大恐慌後しばらくの間は、先進国(英米筆頭)においてこの欲望を制限して来た。

北欧は当初から別の手段(社会保障)によって、この難を逃れている。

 

戦争勃発で言えば、現在、敵意と疑心暗鬼の感情が益々剥き出しになっています。

現在はこの感情を抑制することが軽蔑の対象すらなる(平和ボケ、国賊と呼ばれる)。

大戦後しばらくの間は、反省からこの感情を抑制し平和の構築を目指していました(EU統合、国際連合平和維持活動が始まり、北欧の平和貢献は続いている)

 

 

次回はなぜ、今の社会が理性を麻痺させてしまったかをみます。

 

 

 

注釈1

イスラム国が誕生した背景に何があったかを簡単に見ます。

 

様々な要因が絡んでいるのですがポイントを振り返ります。

 

まず、直近は2003年のイラク戦争によるイラク社会と経済の崩壊でした。

特に米軍占領下で報復としてスンニ派で占められた軍人を大量解雇し、これがイスラム国に加担した(シーア派を敵とすることで一致)。

 

これに遡って米国はアフガン戦争において、中東イスラム圏からの義勇兵(アルカイダ)をソ連に対抗できる近代兵器を有する武装集団に育成していた。

これがアフガン戦争後、イラクやシリアに戻って来た。

 

既にイラクでは、1991年の米国主導の湾岸戦争とその後の経済封鎖で極度に疲弊していた。

またイスラエルとの中東戦争に介在した欧米、キリスト教国への憎しみが中東で蔓延していた。

 

これら欧米の施策がイスラム国の台頭を招いたと言える。

つまり安易な大国の戦争予防策が裏目に出てしまっている。

 

 

注釈2

イスラエルはフランスより核施設を導入し、米国が黙認し核兵器を保有することが出来た。

これを脅威としてイランとイラクは核開発(平和利用だけかは不明)を進めた。

これに対してイスラエルはイラクの核施設を空爆し、イラクは開発を断念した。

またイスラエルはイランの核科学者を多数暗殺し、研究工場と研究者を爆殺し、またイランも核開発を放棄した。

このイスラエルの犯行はモサドによって秘密裏に行われたので、確たる証拠はないが公然たる事実です。

 

インドとパキスタンの核兵器保有の発端は、中国と国境紛争を起こしていたインドが中国の核への対抗策として行ったと見られている。

そしてインドが保有すると、これまた国境紛争を起こしていたパキスタンが対抗して核兵器保有に走った。

 

こうして連鎖的に核拡散は進んだ。

 

 

注釈3

近海の潜水艦や偽装船から複数のミサイルによる攻撃が同時に行われれば完全な迎撃は不可能です。

これは単純な理屈で、日本列島はほぼ無数に近い迎撃ミサイルの配備と2~3分以内の発射が不可欠です。

攻撃側には楽な手段なのだが、防衛側には想像したくない悪夢となる。

かつての米ソの核開発競争も、このような状況を経て膨大な保有数となった。

 

 

注釈4

歴史上、戦争は巨大な軍事力を保有する国が始めるものでした。

次いで、それは経済力にとって代わられた。

しかし、ここ1世紀あまりの間に、状況は様変わりしている。

 

小国日本が日露戦争で勝利できたのは、実は巨額の外債発行が可能になったからです。(ユダヤ金融家がユダヤ人を虐待したロシアを憎んで斡旋)

かつてヨーロッパの大国は自国の富豪から借金し戦費を調達出来たが、日本では不可能でした。

今は、経済力が小さくても借財(国債)によって戦争を始めることが可能になった。

元来、借金は困難なのですが、何らかの取引条件(軍事同盟など)で合意できれば簡単なのです。

 

こうして現在は弱小国やテロ集団も軍事力を持つようになり、さらに軍事援助が加わり、戦火は至る所で起きているのです。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 23: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 2


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*1

 

 

今回は、戦争勃発のメカニズムを考えます。

 

 

* 戦争勃発のメカニズム

 

戦争勃発までの経緯をここ1世紀半ほどの歴史から集約してみましょう。

初めに民主国家間の戦争を想定します。

独裁者が戦争を始める場合は後で検討します。

 

この場合、ほとんどの国は相手より少しでも軍事上優位を望み、仮想敵国同士が軍拡競争を始めます。

中立国で軍備を保有する場合はありますが軍拡競争に陥ることはない。

 

軍拡競争で劣勢に立たされた国は軍事同盟を求めて挽回を図ります。

やがて国々は二つの軍事同盟に収斂し、世界は対立する巨大軍事同盟による緊張状態に晒されます。

これがここ1世紀半の間に起こり、世界は二度の大戦と代理戦争に巻き込まれました。

 

これを避ける為に中立政策を採る国(北欧、スイスなど)があり、ほぼ戦火を逃れることが出来ました。

もっとも中立を宣言するだけで助かると言うものでもありませんが。

(中立国の軍備について注釈1で検討します)

 

 

上記のケースで、最初に戦端を切った国(侵略国)も初めは議会制の民主国家でした。

しかし日独のように軍拡競争に奔走する過程で民主主義を放棄し暴走することになりました。(ソ連も革命当初は議会制でした)

歴史上、一度軍拡競争が始まると暴走は必至であり、さらにその過程で軍部独裁が誕生し易くなります。

(軍拡競争と軍部独裁について注釈2で説明します)

 

 

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* 独裁国家の戦争

 

独裁者が牛耳る国の場合はどうでしょうか?

残念ながら今なお地球上に独裁国家が存在しますので、独裁者が狂気を帯びていると思えば不安は高まります。

 

ここでは二つの実例から、軍部独裁による戦争勃発の経緯を考えます。

独裁者や軍部が軍事権を握っていれば、例えばヒトラーや日本帝国のような場合はどうだったのでしょうか?

 

ヒトラーの台頭を許した要因に、初期のドイツ国民の絶大な期待、欧米列強の対ロシア牽制への期待があり、ドイツの軍備増強があまり危惧されなかったことがある。

これを放置し、融和策さえ採ったことが問題を大きくしたと言えるでしょう。

その後、チャチールのように強く出ても既に手遅れで、結局、ヒトラーを死に追いやるまでヨーロッパ全土は破壊と殺戮に晒された。

 

しかし、なぜ聡明なドイツ国民が暴虐で狂気のヒトラー(ナチス)に希望を託してしまったかが問題です。

様々な要因はあるが、発端になった最大の理由はフランスが報復的な経済制裁をドイツに課し、経済を疲弊させたことにある。

国民はどん底から這いがるためなら武力による他国侵略すら容認するようになり、国の指導者に剛腕な人物(見かけは清廉で内実は凶暴)を選んだのです。

こうなってからの融和策は手遅れでした。

(集団が外部に強い敵意を抱くように仕向けると、人々は人格的に問題があっても剛腕なリーダーを選ぶことが社会実験から知られています。逆に言えば、敵意を煽れば煽るほど下劣なリーダーでも人気が上昇するのです。この手の事例は特に最近頻出しています)

 

 

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日本帝国の膨張を考えます。

当初、欧米列強は海軍力の軍縮条約履行(軍艦保有量の制限)で日本の膨張を抑えられるとしていたが、日本の大陸進攻を契機にそれまでの経済封鎖を強化し、石油の禁輸によって日本の戦意を挫こうとした。

しかし、これが逆効果となったのは周知の事実です。

それは日本帝国が、石油が枯渇するまでに勝利すれば良いとして短期決戦へと踏み切ったからでした。

 

これらの例からわかるように狂気の前では、抑止力の設定(軍縮条約)と経済封鎖がまったく意味をなさないか、逆効果にもなったのです。

いずれにしても、このような客観的な判断が出来ない指導者を相手に、単純で通り一辺倒の策は役に立たないか、むしろ逆効果なのです。

 

多くの場合、相手国が正常なら軍縮条約と経済封鎖は功を奏し、安全で効率の良い方法と言えます。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

注釈1.

戦争に巻き込まれない策として、中立政策があります。

簡単に見ておきます。

 

中立とは非同盟を指しますが、これは歴史的に軍事同盟が多くの戦争を引き起こしたと言う反省に基づいています。

つまり、我が国は自ら戦争をしないし、他国の戦争にも協力しないと言う宣言なのです。

これは相手国に敵意や脅威を与えないことを目的としています。

 

 

しかし、そうは言っても独裁的で狂気に走る国なら中立国に武力侵攻する可能性があります。

事実、大戦時ドイツとソ連は中立である北欧4ヵ国に侵攻した。

この時、スウェーデンだけは地政学条件と外交手腕によって、戦火から逃れることが出来た。

他の国は戦火にまみれたが、日独のように自ら膨大な軍事費と人命を浪費し、徹底来な破壊を被ることはなかった。

永世中立国のスイスも戦火を免れることが出来た。

 

このような経緯を踏まえてスイスやスウェーデンなどの中立国は専守防衛に徹した軍備を保有しています(先制攻撃力の保有は他国に脅威を与えるので中立国とみなされない)。

ただ小国(ルクセンブルグ、モナコなど)は大国や同盟に防衛を依存しています。

 

このテーマは非常に重要ですので、いずれ扱うつもりです。

 

 

 

注釈2.

軍拡競争と軍部独裁はなぜ起きるのか?

 

軍拡競争は抑止力とも関わるのですが、敵国同士が客観的に双方の軍事力を評価出来ないことに起因します。

当然、敵国は自国の兵力を秘密にする一方、相手に過大評価させようとします。

 

また、敵愾心が嵩じて来ると、軍事的に劣勢に立たされていても、多くの指導層は精神論を持ち出し、甚だしい場合には軍事力や経済力が敵対国の1/10であろうと勝利を確約します(かつての日本帝国)。

残念なことに、このような場合、国民もこのような指導層に期待していたのです。

これでは抑止力は無きに等しく、軍拡競争は行き着くところまで行くと、遂には弱小国は窮鼠猫を嚙むで、突飛な行動に出ます。

 

このような場合、概ね弱小国は軍事力を補うために軍事独裁に走ることになります。

実はすべての国がこうなるわけではなく、独裁者を仰ぎやすい精神文化を持った社会に起きやすいのです。

例えば長子相続の社会であり、ドイツと日本が正に適合していたのです。(エマニュエル・トッドの説)

 

大国は大国で安易な軍備増強の道を進みます。

これもまた歴史が示すところです。

理由は、一度得た権益―植民地や従属する同盟国での経済上の特権など、を守る為です。

この過程で、軍産共同体が台頭し政治力を持ちます。

そして軍事費の増大が、遂には国力を弱め、かつての帝国がすべてそうだったように衰退していったのです。(植民地政策や軍事大国の維持は一部の者の利益にはなっても、国家としては出費や損失が大きいいのです)

 

実は、北欧の経済が順調な理由の一つに、二度の大戦において中立を守り、軍事費増大と大きな被災を逃れたことがあるのです。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 22: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 1


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これから、二つの悲惨な結果に至るメカニズムを考えます。

バブル崩壊と戦争勃発はまったく異なるように見える。

しかし実は同じようなメカニズムが働いているのです。

三回に分けて説明します。

 

 

* バブル崩壊と戦争勃発について

 

なぜバブル崩壊が起きるのでしょうか?

誰かが裏でバブル崩壊を煽っているのでしょうか?

残念ながら経済学は崩壊をうまく説明できない。

 

概ね投資家達(市場参加者)はバブルを好調とみなし歓迎します。

しかし一方で彼らは破産に至るバブル崩壊を恐れます。

一部、間違いなく救済される巨大銀行や崩壊の先頭を切って売り逃げた投資家は別です。(毎回、自分だけは別だと夢想している)

 

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なぜ戦争は起きるのでしょうか?

誰かが裏で戦争を煽っているのでしょうか?

この手の話はいつも巷に溢れています。

しかし多くの真実は戦争が終わってからでしかわからない。

(これを第2次世界大戦とベトナム戦争を例に注釈1で説明します)

 

平和時であっても、概ね国家は戦争を避けようとして軍備を整えます。

まして緊張が高まると増強へと舵を切ります。

概ね指導者は膨大な人命と破壊が起きてしまう戦争を望まないはずです。

少なくとも国民は戦争が二度と起こらないことを強く望むはずです。

一部、戦争をしても被害の少ない大国や支持率が上がる指導者、莫大な利益を得る軍産共同体は別です。

 

バブルを煽る投資家達も軍備増強を推し進める国家も共にその悲惨な結果を恐れることでは共通しています。

それでは、なぜ望まない悲惨な結果が生じるのでしょうか?

 

 

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* バブル崩壊のメカニズム

 

バブルは経済好調と紙一重ですが、ほぼ確実にバブルは崩壊します。

 

これは投機家らが株価(金融商品)の高騰が続かないと不安を抱くことが引き金になります。

このタイミングは微妙です。

バブル崩壊の直前まで、多くの経済指標(生産高や失業率)は良好だったのですから。

 

一つ明確なことは、暴落する時、最初に売り逃げた者は利益を得るが、後になればなるほど投機家達は莫大な負債を背負う運命にあることです。

暴落が始まると、手のひらを返すように貸し手(銀行)が投資資金の回収を急ぎ、逃げ遅れた投機家は莫大な含み資産の所有者から一転して莫大な借金を背負うことになります。

(これを土地投機を例に注釈2で説明します)

 

この被害は投機資金のレバレッジが効いているほど、中央銀行によるマネーサプライが多いほど起き易くなります(巨額の借金を安易に入手出来る為)。

 

この時、投資家や金融業が破産するだけでなく、必ず国民も大不況の被害(不景気、失業、福祉カットなど)を長期に被ることになります。

これは銀行の倒産などに端を発する金融危機、つまり巨大な信用収縮が起きるからです。

この深い傷を放置すれば、過去のバブル崩壊(恐慌)後の景気後退のように、設備投資や消費が回復するのに何十年かかるかわかりません。

深刻だったのはヨーロッパの1857年から、米国の1929年から、日本の1991年からの二十年を越える景気後退でした。

 

このため崩壊後、政府と中央銀行は数十兆円から数百兆円を主に金融市場に投じるのです。

この金額で暴落時の全金融商品(株価など)の評価損を幾分なりとも補うのですが、悲しいことに国民が負担する税金と赤字国債で賄われます。

 

実はリーマンショック時の全金融商品の評価損はよく分からない。(不明な理由はシャドウバンキングの取引額が分からないためです)

しかし当時のクレジット・デフォルト・スワップ(金融商品の保険)の取引額が6800兆円に上っていたので評価損は見当がつきます(想像を越えますが)。

 

つまりバブルで儲け、崩壊を引き起こすのは投資家(市場参加者)なのですが、その結果、その痛いツケを強制されるのは傍で浮かれていた国民なのです。

 

 

次回は戦争勃発のメカニズムについて説明します。

 

 

注釈1

ベトナム戦争は誤解から始まり、深みに嵌った戦争の代表例です。

 

戦争の発端は第二次世界大戦後に始まる冷戦の敵対感情の高まりにあった。

さらに離れた大陸にあり、異質の文化を持った米国とベトナムは互いに相手国をまったく知らなかった。

 

初期の接触、ベトナムでの小さな戦闘でこじれたことにより、その後は疑心暗鬼から大戦を凌ぐ爆撃量になるまでエスカレートしていった。

そして米国では大統領が替わるたびに停戦を志向するが、選挙を意識し敗戦の将の不名誉を避けようとして益々深みに嵌っていった。

終わってみると、この戦争で800万人の死者と行方不明者が出ていた。

 

後に、両国の当時の最高指揮官達が会談して初めて互いの誤解に気づくことになった。

この会談は1997年、ケネディ大統領の下でベトナム侵攻の采配を振るったマクナマラ元国防長官が、ベトナム側に要請して実現したものです。

詳しくは私のブログ「戦争の誤謬 7、8: ベトナム戦争1、2」を参考にしてください。

 

第2次世界大戦を引き起こしたヒトラーは外部に凶悪な敵がいると扇情し国民を魅了した。

その敵とは主に共産主義者、ユダヤ人、フランスやロシアの周辺国でした。

しかし、やがてドイツ国民は真の破壊者が誰であるかを知ることになるのですが、それは戦争の末期になってからでした。

多くの国民は戦後10年間ほど、ヒトラーに騙された被害者であると感じていたようです。

その後、加害者の自覚が生じ反省と償いが本格化した。

 

一方、共に戦端を開いた日本では国民が軍部に騙されたと気づいたのは敗戦後でした。

しかもドイツと違って、未だに誰が真の破壊者であったかを認めない人が多い。

極め付きは、国の指導者でさえ相変わらず過去の美化に懸命です。

 

これでは誰が戦争を始めたかを理解出来ないので、当然、戦争を食い止めることなど出来ない。

おそらくは同じ過ちを繰り返しても気づかないでしょう。

 

 

 

注釈2

身近な企業経営者が1880年代のバブル時にハワイの別荘を買い、バブル崩壊と共に夜逃げしたことがありました。

この過程を説明します。

 

バブルが始まると最初に工場を担保にし、1億の手持ち資金で国内不動産を購入し、これが数年で2億の評価額になりました。

次いで、これを担保に借金し、別に買った物件がまた4億円に高騰しました。

これを繰り返して行くうちに、遂にはハワイの不動産を買うことが出来た。

 

絶頂期に彼は総資産20億、借金10億で純資産10億となったことでしょう。

(ここで売れば良かった!!)

しかしバブルが崩壊し、すべての不動産価格が購入時の半値になりました。

彼の総資産は1/4以下に減価し、不動産をすべて売却し返済に充てても借金5億が残りました。

こうして彼は破産しました。

 

金融商品投資でレバレッジを30倍効かせれば、暴落時の借金はこんな少額では済まない。

ここ半世紀、規制緩和でレバレッジが上がり、金融緩和でマネーサプライが巨大になって投機資金が膨大になり、その尻ぬぐいで累積赤字が天井知らずになっている(減税と公共投資も追い打ち)。

 

毎回のバブル崩壊で、このように土地、株、商品取引などの高騰と暴落が繰り返されている。

資本主義国だけでなく中国も不動産(マンション)と株で同様の高騰な続いています。

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 21: 抑止力と規制緩和に共通する危さ


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今、二つの危機、核戦争と経済破綻が迫っています。

しかし、この対処方法に真逆の説があり折り合いがつかない。

このままだと遂には破滅に至る可能性がある。

人々は漫然とかつて歩んだ道を進むのだろうか?

 

 

*抑止力と規制緩和に共通するもの

 

この2月2日には米国は核軍縮から小型核使用に方向を転じた。

また2月3日にはNYダウが1日で2.5%下落した。

これがリーマンショックを上回るバブル崩壊の始まりかどうかはまだ定かではないが、可能性は高い。

 

ある人々は、この二つは世界を破滅に導くと警鐘を鳴らす。

この破滅とは、核戦争と大恐慌(著しい経済格差と国家債務不履行も含む)です。

 

しかし一方で、これこそが破滅を防ぐ最善の策だと唱える人々がいる。

戦争を防止するには小型核、恐慌を回避するには景気拡大の為の規制緩和こそが絶対必要だと言うのです。

 

この二つの危機とその対処方法は一見次元が異なるように見える。

しかし、この二つの対処方法には不思議な共通点があります。

小型核は抑止力、規制緩和は自由競争を前提にしているのですが、実は共に相手(敵国や競合者)の善意を信じない一方で理性に期待しているのです。

 

抑止力は、敵意剥き出しの国がこちらの軍備力を的確に把握したうえで抑制出来る理性を有する場合のみ成立するのです(太平洋戦争時の日本軍が反証の好例)。

規制緩和は、個々の市場参加者が利己的に行動しても、市場全体としては最適な方向に落ち着くと信じているのです。

何か不思議な信念に基づいた論理なのです。

 

実際の社会は、悪意も善意も、感情的にも論理的にも動いているのですが。

 

さらにもう一つ、共通していることがあります。

 

例えば「抑止力は無効だ!」「自由競争は不完全で弊害が多い!」と否定したらどうでしょうか?

実は困って激怒する人々がいるのです。

前者では軍需産業、後者では金融業界や富裕層で、大きな実害を被るからです。

逆に否定して利を得る人々は特に見当たりません。

 

具体的に抑止力と規制緩和の危さについてみていきます。

 

 

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*抑止力の罠

 

兵器による抑止力は有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

先ず、抑止力が有効な場面は身近な事から類推できるでしょう。

しかし抑止力が効かなくなる場合を理解することは少し難いでしょう。

 

単純に二つのケースがあります。

競合国(敵対国)が共に軍拡競争に突入した場合です。

一方が軍備増強を行えば相手は脅威を覚え、必ず軍拡競争が始まります(初期の米ソの冷戦)。

これは歴史上至る所で見られ、多くは大戦へとエスカレートしました。

 

もう一つは、兵器が無数に拡散した場合です。

分かり易いのは、米国の銃社会です。

国民一人に1丁以上の銃があることによって、銃による殺人事件や自殺が非常に多くなっています。

ここでは安易な兵器使用が抑止力の効果を上回っているのです(大国の中東などへの安易な軍事介入なども)。

 

この二つの例からだけでも、使いやすい小型核の普及は抑止力よりも危険の増大が予想できるはずです。

 

これに加えて、核兵器ならではの危険を増大させる要因があります。

一つは被害が非常に悲惨なことです。

このことは見落とされがちですが、多くの戦争は燃え上がる復讐心が高ければ高いほどエスカレートし、停戦は不可能になります。

だからこそ人類は悲惨な被害を与える対人地雷やナパーム弾などの兵器の使用を禁止してきたのです。

残念ながら世界は原爆の被害をまだ知らない(日本が先頭切って知らすべきなのですが)。

 

もう一つは、兵器のコストパフォーマンスが高いことです。

もし手に入れることが出来れば数億から数十億円で相手一国を恐怖に陥れることが出来るのです(抑止力と呼ぶ国もある)。

これまでは膨大な軍事費を賄える経済力こそが大きな抑止力を可能にしたが、核兵器なら小国でも可能になります。

 

結論は、小型核のような兵器は抑止力を期待出来るどころか、取返しのつかない状況に追い込んでしまうのです。

銃が蔓延し殺人が多いにも関わらず、銃規制が出来なくなってしまった米国がその好例です。

 

米国では治安と平和は高額で買うしかなく、金が無ければ治安が悪い所に住み、命を危険にさらさなければならないのです。

核兵器の下では、これすら不可能です。

 

 

*規制緩和の罠

 

規制緩和は経済活性化に有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

皆さんの多くは規制緩和が経済を活性化させると信じているはずです。

一方で規制緩和が経済や社会に弊害をもたらす事例も数多くあるのですが、なぜか見えなくなっています。

これは今の日本で、有効だとする情報が大量に流されているからです。

 

幾つかの事例をみてみましょう。

 

 

 

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*米国の規制緩和がもたらしたこと

 

先ずは米国で40年近く行われて来た規制緩和が如何にバブル崩壊と経済格差を生んだかを簡単に説明します。

専門用語が出て来ますが、全体の流れを知って頂ければありがたいです。

 

  •  先ずストックオプションが1980年代から急増した。

これにより経営者は短期に高騰させた自社株を安く手に入れ、彼らの所得は鰻登りなっていた。

このことが企業経営を投機的で短期的なものにし、従業員との所得格差も開いた。

 

  • グラス・スティーガル法が1999年に廃止された。

この法律は1929年の大恐慌の再来を防止するために銀行業務と証券業務を分離し、投機行動を監視し抑制するのが目的でした(1932年制定)。

しかし、これが廃止されたことにより、監視が行き届かないシャドウバンキング(証券会社やヘッジファンド)が好き放題に投機をおこなった。

 

  • 投機時のレバレッジ率が上昇した。

これは証券、商品、為替などへの投機時に自己資金の数十倍まで投資が可能になることです。

これによって投資家は価格が高騰した時は桁違いの儲けが出るのですが、暴落すると巨額の負債が発生し、バブルと崩壊が繰り返されることになった。

このことが2項の監視されない状況で起こった。

 

  • クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が2000年頃から急拡大した。

これは金融派生商品の一種ですが、リーマンショックの巨大なバブル崩壊を招いた大きな原因の一つでした。

これは金融取引時の損失を補償する新手の保険で、当時、危険な投資案件でも金融機関はこの保険があれば救済されると信じていた(赤信号皆で渡れば怖くない)。

 

バブル崩壊前年の2007年末にはその取引額は6800兆円になっていたが、6年間で100倍にも膨れ上がっていた。

この年の米国の名目GDPは1500兆円で、如何に膨大かがわかる。

当然、崩壊時の補償など出来るはずもなく、米国政府は税金と国債発行で300兆円を金融危機終息の為に注入せざるを得なかった。

出来もしない補償であろうがCDSを販売すれば儲かったのです(6800兆円の数%の手数料でも莫大)。

 

大雑把ですがポイントは以上です。

この悲惨な状況を生み出した最大の馬鹿げた理由は、貪欲な投機家や資産家、経営者達を野放したこと、つまり規制をしなかったことによるのです。

もうひとつ見落としがちなのは、資金力や情報力、政治力などの差により完全な自由市場などは存在しないことです。

 

この話は、少し分かり難いかもしれません。

しかし規制や取り決めがなく好き勝手にした為に社会が壊滅した事例は歴史上多いのです。

 

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* 歴史上、破滅した例

 

典型的な例はイースター島とアイスランドです。

 

人々が最初にこれらの島に入植した時は、木々が茂る緑豊かな所でした。

しかし、燃料などの為に伐採が進む内に自然は再生不能となり、イースター島では部族同士が激しく争い、人口は激減し、逃げ出すにもカヌーを作る木材さえなくなっていた。

アイスランドは木々の無い島となり、それこそ火と氷の島となったのです。

 

 

* 日本の事例

 

最後に日本の規制緩和の惨めな例を一つ挙げましょう。

労働者派遣法の適用拡大により、非正規雇用が拡大し続けています。

 

これも賛否両論があります。

ある人々は産業の競争力を高める為に、また産業や企業の盛衰に合わせ人材は流動的でなければならないと言う。

一方で、安易な首切りや低賃金の横行は基本的人権を侵害すると言う。

 

おそらく多くの人は、経済側の言に耳を傾け、泣き寝入りするするしかないと感じていることでしょう(これは日本人の奥ゆかしさかもしれない)。

 

この問題のポイントは是か非かではなく、どちらも正しいのです。

企業の競争力を高め、労働者の価値を高めるためには、人材の流動性が必要です。

当然、簡単に首を切られ、低収入や無収入に甘んじなければならないのは論外です。

 

つまり、労働者は失業中も収入が確保され、転職のための再教育や訓練が充分行われ、就職すれば当然、同一労働同一賃金であるべきなのです。

 

こんな夢のようなことは不可能だと思われるかもしれませんが、北欧(スウェーデン、デンマークなど)ではこれが当然のように行われているのです。

 

日本の悲しさは、産業競争力の責任を一方だけが背負い甘んじているのです。

 

 

 

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*まとめ

 

抑止力と規制緩和の問題点を簡単に見て来ましたが、ここで確認して欲しいことがあります。

 

抑止力については歴史的に見て完全なものではなく、むしろその強化を放置すれば災いを招くことがあったことを知ってください。

 

また規制緩和はここ半世紀ほど米国を筆頭に行き過ぎており、多くの問題が生じていることを知ってください。

 

抑止力と規制緩和の推進は軍需産業や金融業界、資産家に取って実に旨味のあることなのです。

東北大震災の福島原発事故のように、大きな産業と関係省庁が癒着してしまうと、体制維持に都合の良い情報だけが国民に流され続け、問題点が見え無くなってしまうのです。

 

 

* 日本が今歩んでいる道

 

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< 6.銀行の金融資産と自己資本の比率、OECDより>

 

金融資産/自己資本は金融セクターの財務安定性を見るためのものです。

上のグラフ: 2004~2016年の金融資産/自己資本の推移。

 

多くの国、例えば英国、デンマーク、米国はリーマンショック後、健全化を進めているが、日本だけは悪化している。

 

下のグラフ: 2016年、この日本の比率はOECD35ヵ国の内、下位から

三番目です。

 

もし大暴落が始まればどの国が最も影響を受けるのでしょうか?

 

 

 

参考文献

「米国の規制緩和がもたらしたこと」に詳しい本

 

「世界金融危機」金子勝共著、岩波書店、2008年刊。

「世界経済を破綻させる23の嘘」ハジュン・チャン著、徳間書店、2010年刊。

「世界を破綻させた経済学者たち」ジェフ・マドリック著、早川書房、2015年刊。

「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」ジョセフ・E・スティグリッツ著、徳間書店、2016年刊。

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 92: 何が問題か? 15: なぜ改革から逃げるのか?


1

*1

 

 

日本の社会経済の指標、評価ランキングは益々低下の一途です。

にもかかわらず日本は一時しのぎを繰り返すだけで、痛みの伴う成すべき改革から逃げています。

この不思議を探ります。

 

 

*今の日本の状況を概観します

 

以下のグラフから、日本の所得水準、幸福度、経済力の低下が見て取れます。

 

 

2

< 2.悪化する日本 >

 

上のグラフ: 日本のワーキングプアは年々増加し、OECD内でも順位を落としています。

ワーキングプアはまともに働いても貧困線以下の所得しか得られないことを指します。

 

中央のグラフ: これは主観的な幸福度の世界ランキングで、日本は60位です。

 

下のグラフ: 主要国の中でも日本だけは特許出願件数は低下の一途です。

 

上二つのグラフで必ず上位にある国は北欧(デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)です。

 

 

 

*改革から逃げる様々な言い訳

 

*A: 改革は漸進的であるべきだ!

 

これは保守論客の西部邁が指摘した保守思想の一つです。

 

このことは理解できます。

人間は不完全なものであり、未経験で画期的な社会改革は危険と言えます。

漸進的であることは、確かに大きな失敗を犯す可能性を低下させます(共産主義国家の失敗)。

 

しかし、これとて完全でないことは明白です。

例えば、次の事を考えれば分かり易いでしょう。

 

衰退する企業が、いくらコストダウンを続けても、漸進的な改善では存続することは難しい。

つまり技術や商品にブレイクスルー(飛躍的な革新)が必要なのです。

 

それでは社会や政治についてはどうでしょうか?

前回、英国の19世紀末の衰退で見たように、権力を握った勢力(金融資産家)は利益拡大(海外投資)に励みこそすれ、たとえ国が衰退(産業停滞)しようが既得権益(金融の自由)を制限するようなことはありませんでした。

 

このような場合、たとえ漸進的であっても効果ある改革が出来ないから国や文明は衰退し、または暴動や革命が起きるのです。

 

結論から言えば、保守も革新も程度問題であり、状況に応じた改革手法を選択すべきです。

 

 

*B: 万年野党が頼りないから、与党に任せるしかない!

 

野党が頼りないのは事実です。

野党はひたすら反対か批難するだけで、理想は語るが具体的な対案を持たない。

これも一面正しいと言えるでしょう。

 

しかし、これで済む問題でもないはずです。

大きく二つの理由があります。

 

一つは、今の凋落は日本の万年与党の政策のつけだと言うことです。

もう一つは、これを牽制出来る健全野党が育っていないことです。

 

 

3

< 3. 1990年代に起きた事 >

 

上のグラフ: 日本の公共投資は1990年代に猛然と増加しています。

青棒、左軸が金額を示す。

 

下のグラフ: これまた非正規雇用率(赤折れ線)が1990年代から急伸しています。

 

この時期に起こった二つのことは密接に関係していた。

 

 

 

*政策のつけとは何か?

それは凡そ1985年から始まったと言えます。

プラザ合意による円高誘導で日本は経済が低迷し、政府はこの挽回の為に突出した公共投資と金融緩和を来ない、やがてバブル経済に突入します。

そして1991年のバブル経済崩壊が、経済を長期低迷させることになった。

この一連の出来事は、貿易摩擦と円高に喘ぐ米国が日本に圧力をかけ、これに従った与党政権のあがきの結果だと言えます。

この間、政権は米国が要求する構造改革、金融ビッグバンを行い、米国の望む自由主義経済圏に完全に突入していきます。

ここまでは野党政権であっても同じことをしたかもしれませんが。

 

しかし、このバブル崩壊後の不景気のさなかの1995年頃から、万年与党らしい政策の影響が今の日本社会を作りだすことになりました。

それは先進国中のあらゆる順位(幸福、経済、貧困、報道、男女平等、労働等の評価)が低下し続けていることに如実に現れています。

 

目立つものとしては非正規雇用の増加と賃金低下、一方でやや遅れて起きた企業の内部留保の増加でした。

これは今も更新中です。

これらは労働の規制緩和などに代表される企業優先の姿勢がもたらしたものです。

まさに1994年の「舞浜会議」で財界が望んだ方向に事が進んでいます。

 

この与党の一連の政策は、米国追従と財界優先の姿勢から生じたもので、さらには自由主義経済への固執にあります(言い替えれば惰性と既得権益擁護でしょうか)。

 

この結果、日本は長期のデフレ、低経済成長、ワーキングプア増加に陥りました。

さらに世界に類を見ない累積赤字の増大、米英に続く格差拡大が急速に進行しています。

また少子化対策の遅れによる労働人口減と高齢化社会の到来が重なります。

この結果、現在進行中の年金などの福祉政策の大幅な縮小がある。

 

万年与党が政権に居座り続けたことにより、つい30年前まで誇ることの出来た日本の快進撃は、単に思い出に過ぎなくなった。

1980年代、多くの人が別荘地、リーゾトやゴルフ場の会員権を買い漁り、いつまでも景気上昇が続くと信じたはずです。

しかし、それは束の間の夢であり、長い喪失感と借金返済が現実に続くことになったのです。

 

つまり、与党には政権を担った実績はあるのですが、このまま舵取りを任せることは没落を深めることになるのです。

しかし野党のだらしなさは頂けません。

 

 

 

4

< 4. その後に起きた事 1 >

 

上のグラフ: 賃金が1997年から低下し続けています。

下のグラフ: 企業の内部留保が1999年頃から急激に伸びていることがわかります。

 

つまりこれらは与党が長年積み上げて来た成果なのです。

 

 

 

5

< 5. その後に起きた事 2 >

 

これも成果と言えるでしょうが、残念ながら日本の衰退を物語っています。

 

日本の累積債務(赤い棒グラフ)はGDP比率で世界最大級でかつ増加中です。

一方、日本は世界一の対外純資産国(=資産―借金、青い棒グラフ)です。

 

楽観論者はこの資産によって債務を減らすことが出来るはずだと訴える。

しかし、それは不可能です。

誰が、海外の高利回りの証券から利率の低い内国債に買い替えるでしょうか。

(もし国債の金利が上がれば、余計に悲惨な状態になります。)

そんな善意に期待出来ないことは、世界一の対外純資産国であった英国が19世紀末に衰退した事実を挙げるまでもなく、常識で分かるはずです。

結局、体制擁護派は無責任に煽っているだけなのです。

 

 

*万年野党の悲運

先進国は概ね二大政党を目指し、少数政党乱立や一党独裁を避ける選挙制度を取り入れています。

これは長年の民主主義獲得の経緯から生まれたもので、政策論議を深め、多数決による弊害を避ける為のものでした。

残念ながら、日本では戦後まもなくしてこれが機能しなくなりました(戦前が良かったわけでもないが)。

 

日本の万年与党は自由主義経済を国是とする保守政権(米国共和党など)にあって、珍しく財政支出の大きな政府になっているが、これは万年野党が反対し対案を出し続けることでなったとする見方もある。

しかし、私は別の理由によるものだと思う。

 

ところで、やはり万年野党の存在はどう見ても民度の高い国、先進国の中では異常であり、適切な役割を果たしていない。

つまり長期に及ぶ与党政策の歪を是正するためにも、民主主義の危機を防ぐ為にも、強い野党の存在が不可欠です。

 

現実は非常にお粗末ですが、志ある人も、芽も僅かばかりではあるが残っている。

 

 

*なぜこのようなことが起きているかについて考えます。

 

結論から言えば、日本には未だにパトロネージが強く根付いているからだと考えます。

 

「パトロネージ・システムとは権力を持つ個人(パトロン)が、その特権を利用して、資源を恣意的な決定によって、自己を支援する集団(クライアント達)に分配するシステムです」

 

少し馴染みが薄い言葉かもしれませんが、世界中の後進国や南欧ではよく見られる政治状況です。

洋画で言えば「ゴッドファーザー」、日本で言えば議員の「世襲」や「看板、地盤、鞄」に代表される状況です。

 

もっと分かり易く言えば、「日頃お世話になっている顔役に投票する村人」のイメージです。

 

私は都会の郊外で生まれたが、現在、のどかな自然に恵まれた所に住んでいます。

ここで都市部と田舎の政治意識の違いをいやと言うほど知らされました。

皆、良い人なのですが、政治感覚や選挙行動に驚かされます。

 

先ず、人々は政治談義をほとんどしないのですが、あってもその範囲は村や町ぐらいまでで、中央政治を語る人は稀で、まして世界情勢とは無縁です。

しかし選挙では彼らは熱心になります。

そして、思わぬ人から投票を依頼されることもあり、断わりでもしようものなら、「村の恩人に恥じないのか!」と恫喝されることもあります。

つい最近まで買収もよく起きていました。

 

二大政党制を目指した小選挙区制度改革ではあったが、派閥を崩す効果だけで留まってしまい、逆にパトロン(総裁や首相)の権力を巨大化させてしまった。

そのあげく、先進国の議会制民主主義では起こるはずのないことが権力者周辺で頻発している。

つまり取り巻きや取り入ろうとする輩が犯罪やたかりを平然と行い始めた。

 

 

*なぜパトロネージ・システムが蔓延るのか?

 

二つの要因があると思います。

 

一つは、政治意識、歴史観、社会意識が未発達なことです。

これらが低い一因は、以前も指摘しましたが1970年代の学生運動後、学校教育の場で、政治が禁句になったことにあります。

政府は学生運動の再燃を抑える為に行ったのだが、これが今大きな災いとなっているのです。

例えば、北欧では小学生から環境問題、さらに上級では政治活動も教育の一環としておこなわれており、これが民主主義を支え好循環を生んでいるのです。

 

今一つは、帰属意識が高いことで、これは田舎ほど高いようです。

これは古い農耕民の心性の名残であり、良さもあるので、一概に否定することは出来ません。

しかし、その欠点は良識を失う会社人間や自殺の多さ、また内部告発が出来なく自浄作用が働ない組織を生み続けることになる。

 

分かり易い事例としては、村人に行事に対する意見を求めた時、極端な場合は個人の意見は控えたい、隣近所との協議の上でと逃げられることがある。

 

またワンマン企業では、従業員は陰で社長のパワハラを嘆きながら、一方で、依存しており、従順ぶりを装うことになる。

 

これらの社会や組織は一致団結して行動する分には効果を発揮するが、社会変化への不適応を起こしやすく、また暴走を食い止めることが困難です(1920年代のドイツ、イタリア、日本が好例)。

 

残念なことに、私にはこの政治文化を改善する方法が見つからない。

ただ地方の選挙制度と国会議員の育成方法に何らかのステップアップの術があると思う。

 

 

 

*C: 資本主義以外に進むべき道はない!

 

私がブログで日本の現状を憂い、体制の転換を図るべきだと指摘すると、資本主義は完璧であり、他は無いと反論されることがあります。

 

結論から言えば、資本主義は空気のようなもので否定する必要はありません。

大体、資本主義が唯一無二の完璧な政体と考えることもおかしい。

帝国主義は資本主義から生まれ、さらには互いにおぎなっていたのです。

つまり、国民が資本主義をコントロールすることが必要なのです。

 

ここ1世紀だけを見ても、資本主義社会の欧米の状況、格差や福祉は国よっても、時期によっても大きく差異がありました。

1950~1970年代の日本や米国、西欧は概ね格差が少なく経済成長を遂げた時期でした。

その前後は逆の時代でした。

それは反動の時代と呼べるかもしれません(当然、一部の層には良い時期でしたが)。

 

今の反動の時代は、自由主義経済の復活と更なる金融業重視によってもたらされたものです。

これによる弊害は、これまでに説明して来ました。

 

問題は、これらを改めることに不安を抱く多くの人と、それを不可能で危険な行為と反対するエスタブリッシュメントとこれに連なるエコノミストの存在です。

既得権益を脅かされるエスタブリッシュメントが反対するのは当然です。

 

しかし国民は、かつて国民を守る為の規制と権利擁護により、社会が今より順調な時代、1950~1970年代があったことを知って頂きたい。

 

重要な事は、多数の日本国民が英米をお手本とする狭窄な視野から脱することです。

北欧やドイツ、フランスは同じ資本主義国でも異なった道を歩み、豊かさと繁栄を手に入れています。

特に北欧は1930年代頃から、高福祉政策を採り始め、高負担ながら高い所得と権利の尊重と幸福を共に得ています。

このために北欧は世界から孤立するのではなく、旺盛な貿易をやり、有名な多国籍企業が活躍し、PKO派遣でも貢献しています。

 

 

 

6

< 6. 北欧の経済 >

 

上のグラフ: 2004~2008年平均の輸出などのGDP比率。

如何にスウェーデンが国際的(開放経済)であるかがわかります。

 

下のグラフ: 如何に北欧各国が日本より高い経済力を維持しているかがわかります。

 

これだの開放経済であっても国内の労働者の権利を守り、経済発展を遂げることが出来ているのです。

 

 

つまり、「国民の権利を重視する政策は、自由主義経済が蔓延するグローバルな世界では取り残され、やがて破局を迎える」と恫喝する多くの体制擁護派のエコノミストの指摘は嘘なのです。

 

 

 

*まとめ

 

これまで見てきたように、日本が改革出来ないとされる理由は実に他愛ないものでした。

多くは体制擁護派、既得権益層、自由主義経済信奉者らの必死のアジテーション(煽動)で、想定外を無視した無責任な発言に過ぎない。

しかし、残念なことにこちらの方が訴える力はある。

 

最後に、私が皆さんに望むことは、今後日本が衰退していくことを諦めたとしても、万年野党を生む政治文化だけは何としてでも突き崩して頂きたい。

しかし、これとて国民の意識が高まらない限り不可能で、これでは堂々巡りです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 91: 何が問題か? 14: 英国はなぜ衰退したのか?


 

1バンコク博覧会

< 1. ロンドンの万国博覧会、1851年 >

 

 

今回は、繁栄を享受していた大国がなぜ没落したかを見ます。

そこでは今の日本とまっく同じことが起きていた。

誰しも自分の不幸の予兆を知りたくはないが、知れば心構えが変わるかも!

 

 

 

 

2a

< 2.栄枯盛衰 >

 

上は1876年のロンドン、下は20世紀初頭の米国の写真です。

 

 

*はじめに

かつて大英帝国は軍事的・経済的に世界を席巻し西欧文明、いや人類文明の模範でした。

しかし、その絶頂期にあった19世紀の後半からわずか数十年、急激に生気を失い、覇者の座を失った。

覇権国の栄枯盛衰は世の習いではあるが、資本主義社会で起こったその衰退過程が日本の低迷と恐ろしく似ているとしたら、どうでしょうか?

 

皆さんにこの英国の歴史から感じて頂きたいことが三つあります。

 

A: 衰退の原因はその社会が作り出していた。

B: 衰退の渦中にいながら人々はその欠陥を正すことが出来なかった。

C: 間違った手段で起死回生を企て一層社会は衰退し、さらに世界大戦へと突き進んだ。

 

歴史は過ぎ去ったものであり、まして外国のことなど関りがないと思われるかもしれないが、恐ろしいほど似たことが起きていたのです。

 

 

 

3a

< 3.英国の繁栄と衰退 >

 

赤枠は繁栄を極めた英国が19世紀後半から転落していく様子を示す。

 

 

*繁栄を極めた英国

17世紀、英国はピューリタン革命と名誉革命を経験し、いち早く議会が王権を牽制するまでになった。

16世紀以来、海外の領土を拡張していたことと、上記の社会体制の変化が相俟って、世界で最初の産業革命が英国で1760年代に興った。

19世紀半ばには「世界の工場」と称され、1851年にロンドンで始めて開かれた万国博覧会はその自信の現れだった。

 

 

 

4a

< 4. 帝国主義に拍車がかかる >

 

上は1886年の英国の植民地、下は1921年のものを示す。

この間に英国は中東とアフリカに侵略を開始した。

英国では何が起きていたのか?

 

 

*一方で破滅への道が準備されていた

1825年、過剰生産による恐慌が英国で始めて起こり、その後ほぼ10年ごとに恐慌は起こったが、19世紀前半の恐慌は主として英国内にとどまっていた。

しかし1857年に初の世界恐慌が勃発し、1873年の恐慌ではヨーロッパ(英国も)は22年間にわたる経済不況へと突入した。

 

一方、ヨーロッパ大陸ではフランス革命(1789年)が起こっていたが、その後のナポレオン戦争への勝利が列強による軍事同盟(ウィーン体制)を生み、逆に国内の自由主義を19世紀半ばまで抑圧することになった。

 

恐慌の翌年の1874年、英国では総選挙で帝国主義的外交を唱える保守党(貴族、大資本家が支援)が圧勝し、スエズ運河買収(1875年)、インドを直轄領からなる帝国化(1877年)へと推し進めることになった。

 

こうして英国を含めたヨーロッパ諸国は競い合って世界を植民地化し、ついには二度の世界大戦へと突き進んだ。

 

 

 

5

< 5. 英国の衰退要因 >

 

上左のグラフは1914年の英国の資本輸出、上右のグラフは英国の資本輸出の推移(1816-1914年)を示し、下のグラフはその結果として工業生産高が伸びなくなっている状況を示す。

英国が衰退した最大の理由は膨大な資本輸出(他国の建設や設備への投資)にあり、これが国内投資を激減させ、国内産業の競争力の低下を招き衰退に至った。

 

 

 

*英国は自ら衰退の道を歩んでいた

二度の大戦で多くの国は戦火を被ったが、衰退する英国を尻目に米独日などは経済大国へと躍進することになる。

英国の衰退は1880年代には始まっており、20世紀の初頭には米独に追い抜かれていた。

衰退は英国で進行していた社会・経済の変化にうまく対応できなかったことによる。

 

英国は産業革命をやり遂げてはいたが、鉄と石炭の産業が中心であり、次代を担う電気やガスを中心とする重化学工業には対応出来ていなかった。

これは新規技術導入に消極的だったことによるものだが、かつての企業家精神は半世紀余りの間に完全に廃れていたからでした(保護政策)。

 

何が英国で起きていたのか?

産業革命により貿易は拡大し、人口は都市に集中し、都市労働者の生活スタイルが変わり、食料品や日用雑貨の大量輸入が不可欠になり、自由貿易が進められた。

すると国内生産の農作物価格が暴落し、大規模農場経営は行き詰まり、貴族(ジェントルマン)は資産を不動産から金融資産へと変えていった。

一方、勃興した産業資本家も金融資産を増やしていた。

 

産業革命当初、英国の輸出は旺盛で貿易黒字は優勢であったが、やがて輸入が上回り万年赤字になった。

しかし、世界トップシェアを占める海外貿易に伴う船賃収入や、それまでに蓄えた外貨(貿易黒字)による海外投資の利益が貿易赤字を上回るようになった。

こうして英国は世界の新興国や発展途上国に投資し、ますます資本家は貪るように海外投資で利益を得るようになっていった。

こうしてロンドンシテイは世界の金融をリードするようになったが、英国内への産業投資は尻すぼみとなり、競争力は衰えるばかりだった。

金融資本家は急成長し資金が不足する米国やドイツの産業や産業基盤(鉄道)に競って投資し、競合国の経済成長を助け、自国産業の衰退に加勢すらした。

 

さらに植民地への投資資金と植民者の安全確保の為と称して、植民地への軍事行動が国民の合意の下に行われることになり、帝国主義は国を挙げて行われていった。

 

 

*英国社会では何が起きていたのか

大英帝国の貿易と経済、植民地のシェアは世界で群を抜いてトップだった。

また大英帝国には莫大な資本蓄積があり、多数の大金融資本家(ロスチャイルド家)がおり、人々は繁栄を謳歌していた。

 

19世紀末から20世紀初頭の英国の人々の暮らしや意識を追ってみます(注釈1)。

 

・大都市の暮らしに憧れ、都市生活を享受した。

・その一方で地方暮らしや海外赴任を嫌い、遂には外貨を稼ぐ船員も激減した。

・添乗員兼通訳付きの海外向けパック旅行が大ブームとなった。

・国内旅行では温泉がブームになった。

・都市では展覧会、博覧会、スポーツ競技などのイベントが花盛りになった。

・古典は疎まれ、イラストの無い読み物は敬遠されるようになった。

・健康ブームとグルメブームが興った。

・理想主義、犠牲や粘り強く行うべき改革は嫌われ、「勝手気まま」が合言葉のポピュリズムが持てはやされた。

 

この時代は英国が築き上げた繁栄から半世紀以上が経過し、所得の増加や福祉向上が進み、都市生活が定着し、大量の中産階級が生まれていた。

しかし19世紀後半には経済が陰り始めたが、人々(中産階級)は更なる繁栄を求め、保身と海外展開に望みを託し保守化していった(注釈2)。

 

残念なことに、1世紀前の苦労やかつての克己心は忘れ去られ、快楽追及や利己的なものが重視されるようになっていた。

 

 

 

6

< 6. 今繰り返されようとしている英国の世紀末 >

 

上のグラフは19世紀末の資本(投資利益)が労働(賃金収入)よりも如何に稼いだかを示し、凡そ7倍あった。

中央のグラフは、その結果として20世紀初頭、如何に所得格差が開いていたかを示し、両グラフから21世紀初頭も同じことが起こりつつあることを示している。

下のグラフは、最近の日本の民間資本の肥大化を示している。

 

この三つのグラフは、日本を筆頭に差はあるものの先進国では莫大な資本が百年前の世紀末を再現しつつあることを物語っている。

 

 

*日本と比べて

おそらくここまで読まれた方は、あまりにも現在の日本に似ていることに驚かれるはずです。

政治家、企業家や資本家、中産階級の嗜好と目指すものは両国で酷似しています。

 

内憂(恐慌や衰退)を国内で解決するのではなく、海外の植民地拡大に矛先を転じていました。

実は植民地政策は搾取する割には軍隊派遣や植民地への投資で赤字になるだけでなく、多くの自国民の血も流した。

現在の日本も似ていますが、1910年代の好景気を経て30年代に大陸進出する大正から昭和の初めとも似ています。

 

企業家や資本家はやがて保守的になり、蓄積した膨大な金融資産は国内に向かわず、海外に利を求め、国内投資は漸減し、自国の競争力は失われた。

これは国としては自分で自分の首を絞めるに等しいのですが、個々には最適な利殖行動の結果なのです。

 

中産階級の浮かれ具合は両国でまったく同じです。

しかも当時、この英国の浮かれ具合を古代ロ―マの衰退期と同じだと指摘した出版物が出たと言うから、歴史は繰り返すようです。

 

実は、もう一つ共通していることがあります。

それは社会が本当に衰退している時ほど、楽観論(衰退を無視)がまかり通るようです。

 

 

*まとめ

冒頭で述べた以下の三点について皆さんはどのように感じられたでしょうか?

 

A: 衰退の原因はその社会で生まれていた。

 

経済発展が経済(産業や金融)と社会(主力の階層)を変え、今度はこの社会が経済の不具合(業界保護と国内投資減)を制御出来なくなってしまった。

 

 

B: 衰退の渦中にいながら人々はその欠陥を正すことが出来なかった。

 

国の発展を牽引するはずの企業家や資本家は利益を求めるだけで、社会や国の衰退を顧みることはなかった。

 

C: 間違った手段で挽回を企て一層社会は衰退し、さらに世界大戦へと突き進んだ。

 

政治家や資本家は、国内経済の低迷打破に安易で国民の反発が少ない海外進出に舵を切った。

そして植民地の関係は泥沼化し、また列強との競争が激化し、やがて戦端を開くことになった。

 

 

*あとがき

英国の衰退を説明し、かつ日本の現状との類似を指摘することは難しい。

したがって、分かり易さと大きな流れを掴んで頂くために、かなりの歴史的事実や経済データーなどを割愛して、極端に論理を圧縮しています。

関心のある方は、以下の参考文献を参照してください。

 

 

次回に続きます。

 

 

注釈1: 文献「なぜ国家は衰退するのか」中西輝政著、1999年刊。

記事は主に第三章から抜粋。

 

注釈2: 文献「概説 西洋社会史」野崎直治編、1994年刊。

この分析は、Ⅳ-17の「帝国主義時代のイギリス社会」に詳しい。

 

ドイツ国民がナチスに傾倒して行った過程でも、保守化した中産階級(定義は異なるかも)が主役を成した(別の文献)。

 

 

参考文献

*「21世紀の資本」トマ・ピケティ著、2015年刊。

*「新版 概説イギリス史」青山吉信共編、1995年刊。

*「図説 イギリスの歴史」昭博著、2002年刊。

*「概説イギリス経済史」米川伸一編、昭和61年刊。

今回の英国経済衰退について最も詳しく書かれている。

*「概説世界経済史Ⅱ」ロンド・キャメロン共著、2013年刊。

今回の英国経済衰退についての要約と世界経済の関係が分かる。

*「現代のイギリス経済」中村靖志著、1999年刊。

今回の英国経済衰退について第一章に少し書かれている。

*「世界の歴史25 アジアと欧米世界」中央公論社刊、1998年刊。

今回の英国衰退期の歴史(社会、貿易、帝国主義)について詳しい。

*「世界経済の成長史1820~1992年」アンガス・マディソン著、2001年刊。

今回の英国経済衰退について世界経済の関係が分かる。

*「イギリス病・イタリア病・日本病」中村忠一著、昭和52年刊。

 

 

 

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