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何か変ですよ! 83: 何が問題か? 6


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今の若者の政治離れと右傾化の一端を探ってみます。

そこには単純で普遍的な理由があったのです。

若者は好んで苦境から目をそらしているわけではない。

 

 

はじめに

先進国では軒並み、熱烈な政党支持者が減り、無党派層が増え、少数政党分立の傾向を深めた。

これは日本も同じです。

 

なぜこのようなことが起きたのでしょうか?

以前、私のブログでもこの問題を取り上げました。

この原因は、長引く経済と社会の低迷、例えば格差拡大や失業者の増大などに有効な手立てを打つことが出来ない政府にあった。

同時に、国民は長らく政治を牛耳る議員や官僚、また彼ら操っているエスタブリッシュメントに怒りを覚える一方で打破する手立てを持てず、諦めていた。

国民は、自分たちの希望や意思が政治に反映されないことに苛立ち、閉塞感を持っていた。

 

その一方、日本に限っては、長期低迷の経済にあっても国民はまだ格差拡大を深刻に捉えておらず、また社会は混乱もなく平和でした。

そして国民は概ね社会に満足している。

 

多くの日本人は閉塞感を抱いていないのだろうか?

私の見る所、政府を信じていると言うよりは日本社会への安心感のようなものがあるようです。

つまり、「何とかなる」と感じているのでしょう。

 

 

 

 

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< 2. 非正規雇用比率の推移、ガベージニュースより >

 

このグラフから若年労働者の非正規が増加傾向にあることがわかります。

 

 

 

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< 3. 男性の非正規雇用の状況 >

上のグラフはガベージニュースより、下のグラフは非正規雇用フォーラム・福岡より借用しています。

 

現時点では中高年層の非正規は少ないが、将来、景気の浮き沈みで多少変化するものの、中高年層にも拡大するのは間違いない。

それに応じて大半の労働者の所得は増加することなく横這いとなり、巷には低所得者が蔓延することになる。

こうならないとする根拠も政策もない。

 

実は女性の方が非正規率が高く、賃金も安く、状況は深刻です。

 

 

 

なぜこのような意識のズレが起きるのでしょうか?

今までも指摘して来ましたが、ここ20~30年の経済データーは明らかに低迷を示しています。

 

例えば、現実の社会を見てみましょう。

将来、労働者の数割が生涯非正規雇用になり、定期的に首を切られ、年収が0か200万円前後で一生暮らさざるを得ないとしたら将来の見通しが立つでしょうか?

これは若年労働者ほど厳しいが、今の自由放任主義経済のシステムが続くなら将来さらに深刻さを増すことになる。

そしてこのことが経済を更に低迷させることになる。

 

先ず、生活に不可欠な大きな生涯費用としては住居費5000万円(家賃購入共)、二人の子供の教育費3000万円、一人の医療介護費の自己負担額700万円(総額3100万円)が最低必要になり、合計8700万円でしょうか。

非正規の彼が運よく80年の生涯で、30年間毎年200万円稼げたとして、計6000万円です。

ここから税金(所得税、消費税)と社会保険料(医療・介護・年金)が徴収され、食費・衣料・水道光熱費を出費したら、収入がある時でも可処分所得は年間100万以下で計3000万円以下でしょう。

これで収入の無い時の生活費を賄い、さらに住居費と子供の教育費、医療介護費を支払うことは不可能です。

 

とてもじゃないが、結婚ができず住居や子供を持てず、医療介護も受けられない。

逆に結婚し、収入を合算して助け合う道もあるが、やはり生活はできないでしょう。

さらに彼らが退職の年齢になっても退職金は無く、年金は雀の涙です。

これでは結婚出来ないホームレスが1千万人を越える時代が来るかもしれない。

 

ここで不思議に想うのは、最も被害に合うと分かっている若年労働者が今の政治に無関心でこれを放置し、さらに右傾化に惹かれ肯定までしていることです。

さらに、不思議なのはより恩恵を受けている高齢者の方が政治に不満を持っているのです。

 

 

 

次のグラフから上記の理由が見えて来ます

 

 

 

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< 4. 日本の若者の人口比率 >

 

このグラフは日本の人口に占める15~24歳の割合の推移を示しています。

この15~24歳の割合は1965年にピークを示しています。

 

当時の社会はこれに同期するように大きなうねりを経験しました。

1960年代半ばから反戦運動、1968年頃から東大闘争、そして日本の学生運動は1970年まで燃え盛りました。

また1960年代半ばからフォークソングがブームとなりました。

世界的な流れがあってのことですが、日本の若者は呼応したのです。

 

実は戦後の復興期、1947年からの3年間に806万人と言う大量の子供が生まれ、彼らが20歳になったのが1967~1969年だったのです。

彼らを団塊の世代と言い、彼らの中には「学生は世の中をよくするために身を挺して立ち上がるべきだ」との信念に共感する者が少なからずいたのです。

 

 

 

 

 

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< 5. 日本の経済成長率 >

 

学生運動が盛り上がった1965~1970年は高度経済成長期(1954~1973年)でした。

けっして、この時代は沈滞した希望の無い時代では無かったのです。

むしろ、彼らは戦後の貧しさから抜け出す為に必死に働き、また苦悩しながら社会を変革しようとした希望多き時代だったのです。

その彼らは現在、退職し70~72歳になっています。

 

つまり、若年層が多い時代、彼らは政府を批判し、社会を改革しようとしたのです。

そして年をとっても、まだ社会を変えるべきだと思っている人がいるのです。

 

 

 

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一つだけ指摘するなら

結局、今の若者は平和と安逸に慣れてしまい、社会に対する若者らしい情熱を失ってしまったように見えるが、その大きな要因の一つは、単純に若年層の人口割合が学生運動華やかりし頃の半分にも落ち込んでしまったからと言えそうです。

この相関は人口統計学で指摘されています。

 

今の若い人に知って頂きたいことは、かつて若い世代(団塊の世代)が社会問題に立ち上がった事実です。

そして、あなた方の将来は団塊の世代の将来と比べものにならないほど劣悪なのです。

 

もう一つ指摘するなら、あなた方はかつての学生運動の反動で、政府(文科省)の通達により、学校で政治的なことから目を逸らすように教育されてしまつたのです。

これがさらに日本の政治文化を劣化させることになったのです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ 73: 日本の問題、世界の問題 9: 今、何を始めるべきか?


 

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今、選挙が始まろうとしています。

これは、まさに世界が加速度的に劣化していくことを象徴しています。

なんとか劣化を食い止めたいものです。

 

 

  •  はじめに

日本の首相は野党の体たらくにつけ込み、勢力拡大を狙い解散を行いました。

彼は実に政治の駆け引きが巧で、まさに独走態勢です。

一方、野党は未熟の一言に尽きます。

先進国では珍しいと言うか、世界はこの潮流に呑み込まれつつあります。

 

おそらく、選挙後、首相は憲法改変や軍事力増強を行い、短期的には周辺諸国との紛争突入の可能性が高まり、中期的には世界で火種が増し、長期的には国内で所得格差が拡大し、経済破綻が起こるかもしれません。

 

もしかすると、彼が采配を振るうことにより、逆に世界はより平和となり、やがて起こる経済成長が格差を縮め、経済破綻も防げるかも知れません。

 

ここが思案のしどころとお悩みの方も多いことでしょう。

 

検討すべきポイントは二つです。

一つは現政権の政策を押し進めて良いのか、または避けるべき政策があるのかと言うことです。

そうだとしても頼りない野党を選んで良いのかと言うジレンマもあります。

 

 

 

  •  現在の問題

この連載で、これまで様々な問題を指摘して来ましたが、最大のものは何でしょうか?

 

世界に関しては、際立つものとしては自由放任主義のグローバル化と米国の身勝手な軍事行動でしょう。

これを仕向けて来たのは一部の超富裕な金融資本家達の強欲と言えるでしょう。

このことを指摘するのは良識ある学者に留まらず右派・左派の論客にもいます。

 

日本に関して、放置すれば致命傷となるのは労働人口減と米国追従でしょう。

これらがなぜ放置されて来たかと言えば、戦後レジームの惰性、つまり長期与党の安逸な日々が続いたからと言えるでしょう。

 

あまりにも単純な指摘ですが、現在のように放置し続けると、痛いしっぺ返しを受けるでしょう。

つまり、今の政策以前に現与党の姿勢と、その背景にある世界の潮流に杭を打ち始めることが肝要です。

 

残念ながら、これらは即効性のない提案ばかりです。

とりあえず現政権の経済と軍事の暴走防ぎ、後は世界と共に手を打ち始めることから始めなければならない。

 

要点を以下に述べます。

 

 

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  •  世界を危険に陥れている問題
    1. 自由放任主義のグローバル化

既にこれまで説明して来ましたが、要点を述べます。

 

これが各国の所得格差を拡大させたことにより、多くの低所得層だけでなく中間層までが不満を持つようになった。

また金融セクターのエゴによって起こる金融危機は、各国の財政を悪化させ、緊縮財政による福祉の低下と大量失業が貧困層を増大させた。

 

 

  1. 米国の身勝手な軍事行動

米国だけが身勝手な軍事行動を行っているわけではないが、世界を戦火に巻き込み、内戦や難民を最も多く出しているのは米国です。

また米国は経済や諜報活動でも、世界に悪影響を与え続けている。

例えば、地球温暖化条約破棄やクーデター支援(政府転覆)などがこれにあたる。

 

この二つのことが半世紀以上続いたことにより生じた難民や移民が流れ込む先進国では高失業と重なり不平不満が高まり、エゴ剥き出しの排外主義が横行するようになった。

このことが、米国ではトランプ現象となり、EUや日本では右傾化が進んでいる。

これを象徴するスローガンが「米国一番」「都民ファースト」であり、人々を魅了することになった。

 

不思議な事に、日本では失業や難民問題が深刻でないにも関わらず、米国と中国・北朝鮮との対立に煽られて、キナ臭さから焦げ臭くなりつつある。

 

このまま進めば、先進国を含む世界はどうなるのだろうか?

はい、悪化するだけです。

このまま勝手に世界が正常に戻る理屈はない。

 

そうは言っても、各国の努力は無駄なのか?

米英日以外にうまくやっている先進国(北欧やドイツなど)もあるが、世界は一連托生にならざるを得ない。

景気刺激策が功を奏したら、必ず良くなると信じたいのは皆同じですが、同じ事が繰り返されるだけです。

 

上記、二つのこと放置したままでは、他の施策を行っても焼け石に水か、破綻を先延ばしするだけで、むしろ傷を深めることでしょう。

待ち受けるのは世界を巻き込む巨大な金融危機か資源獲得紛争、ついには核戦争でしょう。

 

 

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  •   日本を窮地に追い込む問題
    1. 労働者人口減

これは単純明解で、経済にマイナスです。

日本も遅れて、いくらか対策を嵩じてはいるが、あまりにも遅い。

また移民に対して嫌悪感があり、このまま行くと、長期減退は免れない。

 

  1. 米国追従

「米国追従の何が悪いのか?」と責められそうです。

また「お前は、反日か!」と罵られそうです。

 

これまでのように日本が米国追従を続けるなら、前述した「世界を危険に陥れている問題」を方向転換するどころか、英国と共に米国の身勝手をさらに加速させることになる。

 

一番の問題はこれらを無視して来た与党の姿勢であり、これを見過ごして来た国民にも責任の一端はある。

米国の意向に沿った原発促進や莫大な公共投資が何を招いたでしょうか?

前者の功罪は世界の判断から明確になった。

後者は日本の経済成長を呼び起こすはずのものだったが、その結果、零成長と世界でも群を抜く累積赤字となった。

これらは「NOとは言えない」与党政府が招いた結果の一部にしか過ぎない。

 

 

 

米国追従を望む人々は、米国の核の傘に入れば安心だと思っているようです。

 

しかし、私は技術的見て日本列島を核攻撃から守れるとは思えない。

むしろ、火種が増し、紛争の最前線となるのは極東の端にある日本列島でしょう(米国にとって防波堤)。

また米国との同盟強化による抑止力を期待する人もいるが、この効果は良くもあり、悪くもありと言うところです。

簡単に言うと、敵国が冷静で正確な情報を持っていれば抑止力は増すが、そうでない場合は、敵国は戦意を煽られ暴挙に出る可能性が高まる。

米国のおかげで防衛費が少なくて良かったと言う意見もあるが、現状の軍事費(GDP比率も)の国はいくらでもある。

 

重要なのは、大戦以降、米国の軍事行動の大半が世界中に戦火を広げ混迷の種を撒いて来たと言う事実です。

ましてトランプの下では危険性は高まるだけでしょう。

 

なぜ日本政府が米国追従なのか様々な憶測が飛び交っているが、戦後、政府の政策を見ていると、経済(構造協議)、金融(市場開放)、産業(民営化)、為替(プラザ合意)、軍事(海外派兵)すべてに米国の言いなりと言える。

おそらく密約やCIA等により日本政府が牛耳られていると言うよりは、単に自発的な交渉で米国(政府や議会)の機嫌を損なうよりは、言いなりが楽と言うことに尽きるのだろう。

この手の押し付け、自由放任主義の拡散は世界中に行われたが、日本は最も従順に受け入れて来た。

 

例えば、沖縄返還では、その結果によりノーベル賞を受賞した首相もいれば、その秘密交渉に尽力した外交官は、その結果に後悔して服毒自殺していた。

それでも対外交渉の矢面に立つ外務官僚は徐々に変わって来ているようだが、旗振り役の政治家はやはり国民受けのアピールを狙い、旧態依然とした手法に頼ることになるだろう。

 

 

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  •  現政権の長短
    1. 首相の長所

首相は政治駆け引きとリーダーシップに優れ、与党内からの反発が少なく、長期政権を担える。

また彼は外交にやりがいを感じており、日本はとりあえず目立つ存在になった。

 

  1. 首相の短所

今回の解散や消費税撤回、憲法改正の進め方、身内問題(加計など)などを見ていると、信頼出来る人物ではない。

つまり、国民の願う方向に向かうとは限らない。

麻生の言うように、いつの間にかナチスに牛耳られたと言うことになるかもしれない。

 

最も不安なのは、彼の認識の偏りとある拘りです。

かつての日本の戦争の評価や戦争回避の手法、また経済や政治運営において、今までの与党にもあった制約がなし崩しになって来た。

単に、右翼と言ってしまえばそれまでだが、それだけではない。

その目立つ強引さに比べ、将来招くことになる様々な弊害についての目配りが不足している。

ふるさと納税や年金の株式運用など、問題を訴えた官僚達は外され、顧みられることはない。

 

もう一つは、岸おじいさんへの極度の愛着で、これが彼を振る舞いの淵源だろう。

 

 

  1. 政策の問題

他の事で目立っても、自由放任主義のグローバル化や米国追従に積極的なのでは何ら解決にならない。

 

本来、円安誘導は米国を怒らすはずだったが、今回それが無かったのが不思議です。

考えられるのは、軍事的な追従で帳消しにされているのか、大量の米国債を買うことで許されているのかもしれない(将来、ドル安になれば大損害となる)。

 

アベノミクスによる経済効果はあっても一時的でしょう。

現内閣は誕生時から、世界の金融危機後の立ち上がりと言う幸運に恵まれていた。

もし効果があったとしても、その後、どこかで金融危機が起これば、膨大な貨幣供給により大きなしっぺ返しを被ることになるでしょう。

結局は、米国や英国の二の舞になるだけです。

 

結論としては、現政権の延長は、戦争と経済に関して危険が増すと言うことになる。

 

 

 

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  •  国のトップの資質について
    1. トランプに期待する人の意見

期待する理由は彼が財を成し得たのは優れた交渉術のおかげだと言うものです。

これが米国の再生を救うと信じている。

 

しかし、彼の事業手腕のポイントは法(破産、公共体からの融資、脱税など)を犯罪すれすれで悪用し、一方で悪徳で名高い弁護士によって事業を拡大して来たと言える。

つまり、極論すれば自分で法を犯しながら、国法に守らて来たと言える。

このような手法が、法を率先垂範すべき国のトップ、ましてや信頼が欠かせない各国間で通用するとは思えない。

各国間の懸案は脅しと軍事力でしか解決しないと考えれば、トランプは良い選択かもしれない(その結果は恐ろしいが)。

 

 

  1. 保守が期待するトップ像

ある日本の保守論客(元外交官)は、敵を作り紛争を繰り返す米国を悪の権化と言い募る。

さらに彼は欧米は国際金融勢力による傀儡であり、そのマスコミも牛耳られ、逆らうロシアなどを食い物にしようとしていると指摘する。

 

彼の指摘は事実も混じっているので面白いが、最大の難点は論理の飛躍があることです。

不思議なことに、日本政府はその害毒に毒されず、ましてや現首相は毅然とそれに立ち向かえると言うのです。

つまり、世界を救うのは今の首相しかいないと言うのです。

 

百歩譲って、それを認めたとして、現実の動きはどうでしょうか。

首相はトランプを諫め、暴挙を抑えようとしているでしょうか。

 

例え、互いに同意見だから協力しているとしても、最初の前提とは甚だしく異なっているように思えるのだが。

私にとってこの手の論説は、唯の好き嫌いを長々と述べているに過ぎないと思うのだが。

 

 

 

  •  世界と国内の関係について

自由放任主義のグローバル化が悪いと解っても、それを正す方法に問題がある。

 

ある識者は言う、自由を求めて広がるグローバル化を規制や税で制御すること自体に無理がある。

大半の経済学者も、これに賛同するだろう。

一理はあるが、明らかに災厄の原因が判明しているのに放置して良いことにはならない。

 

確かに、現状では多国間の貿易交渉さえまとまり難いのに、まして世界を統一された規制や税制で網羅しようとすることは不可能に近いかもしれない。

そうは言っても、世界は徐々に主要20カ国リーダー会議とか、フロン規制などで成果を積み上げて来ている。

 

ここで見方を変えて、災いの根源となっている超大国の横暴を抑えることが出来れば、世界は一歩前進するのではないでしょうか。

つまり、超大国に追従するばかりでなく、独仏が行っているように、友好国ではあるが、その都度是々非々で対応を判断するぐらいの自主性を持つことが、これからの日本に求められるのではないでしょうか。

 

もっとも大事なことは、少なくとも超大国の身勝手を、他の先進国と一緒になって抑えるようにならなくてはならない。

つまり、グローバル化の災いを招いている金融セクターの独走を米国から正すことです。

 

我々が、現状の世界経済の行く末を正すには、世界規模の改変か、米国(一部EU含む)を諫めて行くことから始めるしかない。

 

 

 

  •  今回の選挙にあたって

とりあえず、何を選んではならないかは見えて来ました。

しかし、それではどの政党を選べば良いのでしょうか?

 

残念ながら、私にも見えて来ない。

既存の野党はバラバラで、新しい政党に実力があるようには思えない。

 

また現実的に考えて、アベノミクス(リフレ策と財政出動)や自由放任主義のグローバル化を、日本から変えて行くことは困難でしょう。

改善策の経済政策が一部の経済学者により提唱されているが、残念ながらそれが広まる雰囲気はまだないように思う。

ましてや、追従か拒否かの両極端にある日本の政治家に、それを実行出来る豪胆さはないだろう。

 

そうなれば、ここは消極策で行くしかない。

つまり、現首相に「暴走するな!」と伝えるぐらいだろう。

それ以上の事を望めるとは思えないし、後は悪化が急速に進まないことを祈るぐらいしかないでしょう。

 

戦後の日本の政治を見ていると、反対する野党の存在が長期与党の独走を防ぎ、欧米流とは異なる大きな政府を生み出して福祉や医療制度で世界に誇れる国になったと私には思える。

 

 

皆さんの健闘と幸運を祈ります。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ 71: 日本の問題、世界の問題 7: 人はなぜ気が付かないのか?


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これまで、世界を覆っている混迷と波乱の予兆を経済問題を中心に見て来ました。

今回は、なぜ国民がこの濁流に流され続けても平気なのかを考察します。

 

 

  •  はじめに

身近な人に、「世の中はどうですか?」と聞けば、多くは怪訝な顔をし、せいぜい「景気は良くならないですね」と答えるぐらいでしょう。

また「将来、不安ですよね」と聞くと、「そうですね」と答えるぐらいです。

 

さらに「このままでは行けないですよね」と投げかえると、ほとんどの人は逆に「日本ほど素晴らしい国はない」と答え、暗に政策転換を否定することになる。

 

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< 2. 主要国の失業率の推移 >

 

灰色枠は米国の景気後退期(バブル崩壊)を示し、これでせっかく の金融緩和で稼いだ失業率低下を毎回帳消しにしている。

このグラフでは分からないが、この繰り返される大幅な金融緩和で 累積債務(将来世代への借金)は各国で史上最大になった。

 

 

 

 

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< 3. 日本の相対貧困率 >

 

簡単に言えば、所得格差の拡大が未来を担う子供を窮地に追い込ん でいる。

 

 

 

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< 4. 主要国の貧困率 >

 

ここで重要な事は、日本が米国の政策に追従している内に、貧困率 は先進国でもトップに近づきあることです。

さらに日本に特徴的なことは、片親家庭(おそらく母子家庭)の貧 困率が群を抜いていることです。

これは男女の賃金差と福祉政策の拙さに起因している。

 

 

日本と米国だけでなく他の先進国も押しなべて、失業率の乱高下、高まる貧困化率、繰り返す金融危機、巨大化する累積債務など、経済の悪化が続き、鬱積した不満と苛立ちは移民排斥や人種差別、右翼化などに結び付き、社会はきな臭くなっている。

 

多くの国民は、この悪化状況が今後、改善されると期待しているのだろうか?

この状況は一時的なもので、米国流の政策を真似ていれば解決すると思っているのだろうか?

それとも、先のことは考えたくないだけなのか?

 

今まで述べて来たように、現状の悪化は高々1980代から始まった先進国の政策「自由放任主義によるグローバル化」が引き起こしたものです。

そうであるならば、この政策を反転させない限り、世界はさらに混迷を深めることになる。

 

国民はなぜこのことに違和感を持たないのかを考察します。

 

 

  •  疑念を抱かない不思議

昔では考えられなかった事だが、私達の子供世代(30代)の大半は非正規で働いてる。

このことを同世代の親に問うても、すべての答えは「残念です」ぐらいで、せいぜい言葉が添えられても「息子、娘が不運だった」または「息子、娘が至らなくて」ぐらいです。

 

これには日本人の奥ゆかしさが出ているとも言えるが、自己責任で納得してしまう特有の文化がある。

しかし、これでは問題の解決にはならない。

相変わらず、お上にお任せから抜けきれない。

 

この状況は、かつて規制されていた非正規雇用が規制緩和により、あらゆる職種で自由になったことにあり、さらに規制緩和は拡大中です。

 

 

 

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< 5. 主要国の労働分配率 >

 

日本の労働者賃金の企業の付加価値に占める割合は、格差拡大が著 しい米国(青線)より著しく低下している。

付加価値には企業の利益、税金、人件費などが含まれる。

 

 

なぜ国民はこれを受け入れるのでしょうか?

 

理由は簡単で、多くの経済学者に始まり、政府・官僚や保守系マスコミ(米国寄り)までがあるドグマに囚われ、さらにその絶大な効果(?)が喧伝され続けて国民に完全に浸透してしまったからです。

 

これは米国に追従した原発推進のパターンと同じです。

そのドグマとは1980年代から流布した「自由放任主義こそが経済を活性化する」です。

つまり、あらゆる規制を取り除き、資本や労働、商品などが、世界中の自由市場で競争すれば、経済効率が上がり、コストは下がり、所得は増えると言うものです。

 

40年近く、このドグマに従い、米国を筆頭に多くの先進国がこれを実施して来ました。

しかし、その結果、米国やEU、そして日本の現状が示す通り、沈滞と失望が蔓延するようになったことは、既にこの連載で見て来ました。

 

それではなぜ、誰もこのドグマが悪化の原因だと疑わないのでしょうか?

 

 

 

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< 6. 下位50%の所得割合い >

 

下位50%の所得割合が全体の50%であれば平等な社会です。

米国は経済成長を続けて来たが、その 内実は大半の国民を置き去 りにしているのです。

1980年代より、米国は一気にその傾向を強めている。

フランスは不平等の進行を食い止めている。

 

 

 

  •  不思議がまかり通る原因

その大きな理由の一つは、見かけでは景気が良くなるからです。

 

米国で顕著なのですが、自由放任主義が進んだ結果、金融セクターが巨大化し、これがバブルを煽り、株価高騰に見られるようにGDPの上昇が起こるからです。

 

しかし実体は、長年のGDP上昇にも関わらず、大半の米国民の所得は横這いか低下しただけです。

残ったのは、実体経済(製造業など)の衰退、膨大な累積債務、所得格差の拡大だけと言えるでしょう。

 

もう一つは、多くの経済学者や政府首脳、マスコミが、今や経済の首根っこを押さえている最大の受益者となった金融セクターに追従し安住しているからです。

米国のホワイトハウスとゴールマンサックスの関係を見れば明らかです。

 

さらに付け加えると、自由放任主義が当時広がりを見せていたグローバル化と一体化したことにより、一国が採りうる政策の幅が狭くなったことにあります。

例えば、ある競技で、参加者はどんな有利な道具を用いても良いとするなら、一人だけ何ら道具を用いず競争するなら負けるのは当然です。

今の世界経済は、このように競争に対して無秩序、無制限に近いのです。

 

これらのことにより国民は反論出来なくなり、泣き寝入りするだけなのです。

 

このように言い切ってしまうと、国民の見識を貶めているように思われるかもしれません。

そうではなくて、皆さんは洗脳されていることを疑ってください。

そこで少し、皆さんに見方を変えることをお勧めします。

 

 

 

  •  自分の首を絞める偏見の例

二つの具体例を取り上げます。

 

  1. 最低賃金を上げれば景気は悪くなる

政府や企業は、最低賃金をむやみに上げると、先ず中小企業が倒産し、景気が悪化すると言う。

また賃金上昇は海外との価格競争で不利となり、これも経済を弱めるとする。

 

一方、現代の経済学では、最低賃金の上昇は消費需要を高め、この結果、景気が良くなり、企業も潤うとする。

 

皆さんはどちらの説を採用すべきと思いますか?

 

実は、半世紀前まではこの逆が実際に起こっていたのです。

 

 

  1. 従業員の育児休暇が増えると企業の体力が弱まる

これは、つい昔の日本の政府や企業の考え方でした。

もし育児休暇で1回に1年間も休まれると、その穴を埋めるために余分に人材を要し、人件費増となり、経済にはマイナスでしかないと言う。

皆さんの多くはこれを当然のように思っていたはずです。

 

一方、ヨーロッパでは遥か以前から、国が主導して育児休暇を取らせて来ました。

フランスではなんと3年間もあり、さらに保育所の完備、充分な育児手当の支給で、出産を奨励して来ました。

これにより、フランスは2009年には、人口維持が出来る合計特殊出生率を2.0へと回復させた。

フランスは労働者不足(人口減)を補うためにヨーロッパの中でも早くから移民を取り入れて来た国で、積極的に対策を講じて来たのです。

 

翻って日本はどうでしょうか?

この年の日本の合計特殊出生率は1.37で、これでは人口減は必然です。

もし日本政府が、労働者にもっと目を向けていれば、現在の労働者人口減や高齢化のマイナスを緩和出来ていたはずです。

そうすれば急速な高齢化による年金給付や医療費の不安がかなり軽減され、ゼロ経済成長もここまで長引くことはなかったでしょう。

 

 

これらは単に政策ミスと言うより、政府の思考に問題があるのです。

そこに共通するのは労働者軽視であり、企業優先が蔓延ってしまっていることです。

 

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  •  愚かな自虐労働観

皆さん、周囲を見渡して、労働者(定年後も)とその家族でない人がどれだけいるでしょうか?

日本の経済―供給と需要(消費)、を支えているのは労働者とその家族なのです。

しかし、いつの間にかその重要な労働者が低く扱われ、所得の低下に見舞われ、さらに真っ先に増税の対象(消費税)となり、将来は益々不安になりつつあるのです。

 

もっとも哀れなのは、労働者自身が労働権(ストや組合活動など)を軽視し、まるで自虐労働観に苛まれてしまっていることです。

 

この自虐労働観の最たる間違いについて考察しましょう。

 

以前、取り上げましたが、企業の内部留保が増える一方で家計の貯蓄が減っている現状がありました。

 

皆さんは、企業がたくさん利益を挙げなければ景気が良くならないと思われているかもしれませんが、これは少し違います。

当然、賃金上昇の原資になりますので企業の利益は必要です。

だが企業の利益や内部留保自体には景気を良くする直接効果はなく、この資金が設備投資に向かって初めて、景気が良くなるのです。

残念ながら、現在、企業の多くは設備投資より金融商品への投資に血眼ですので、株価は上がっても、実体経済への効果は期待できません。

 

むしろ景気(GDP)の上昇にもっとも寄与するのは家計の消費支出(国内総固定資本形成の住宅投資も含まれる)です。

つまり労働者の所得が上昇してこそ景気が持続的に上昇するのです。

このことが日本の高度経済成長時に起こったのです。

 

ではなぜこのような愚かな逆転現象が起きたのでしょうか?

 

 

 

8-5

< 8.日本の労働組合 >

 

日本の労働組合の組織率は1970年代後半から凋落傾向が始まった。

しかし、これは日本に限ったことではなかった。

 

 

9

< 9. 主要国の労働組合組織率 >

 

つまり、1980年代から世界が変わったのです。

 

 

  •  きっかけは反動でした

一番大きい理由は、かつての政策への反動が起こったからです。

 

この連載で既に述べたように、1970年代までの先進国経済は「ケインズの有効重要説」(代表例、世界恐慌後のルーズベルトのニューディール政策)に従っていたことにあります。

米国では、これにより労働者の権利は擁護され、賃金が上昇し続け、これが需要を喚起し、経済発展が続いたのです。

他にも公共投資や大戦による軍需が景気を押し上げた。

 

しかし、1970年代の石油高騰等の要因が加わり、スタグフレーション(不況とインフレの同時進行)が世界を呑み込みました。

この時、主に貨幣供給量の制御でこの問題を解決出来たのですが、同時にこの発案者(フリードマン)の保守的な経済学(自由放任主義)が主流になる切っ掛けとなりました。

 

これを期に、企業側と資本側が逆襲を始めたのです。

自由競争と言う名目で、労働者の権利を弱め、賃金を抑えることで利益を生むことに味を占めてしまったのです。

その後、これも自由競争の名の下に規制緩和と金融緩和(通貨増発)で、金融セクターが莫大な利益を得るようになった。

さらにグロ―バル化は、海外移転が容易な企業や資本に有利に働き、その一方で移住にコストがかかる大半の労働者には不利に働くことになった。

 

こうして世界の労働者は、経済学からも、政府からも、さらに世界からも軽く扱われるようになった。

その国の民主化度の差によって多少悪影響は異なりますが。

 

 

 

10

< 10. 米国のCEO(経営責任者)と労働者平均の給与比 >

 

いまでこそ、米国のCEOの給与は高値に跳ね上がったが、1980 年代以前は、それほどではなかったのです。

 

 

 

  •  労働者が軽視されることで起きたこと

以前、ハーバード大学の熱血授業で米国の高額所得が論じられていました。

最後まで聞いたのですが、得るところはありませんでした。

それは高額所得者がなぜこうも増加したかを説明出来ていなかったからです。

 

一般には、米国経営者の高額所得はストックオプション(自社株購入権利)やM&A(企業買収)が可能にしており、米政府がこれらを解禁して来たことによると考えらている。

また巷では、これらが会社経営を活性化させているとし、高額所得は黙認されているようです。

 

しかし、経済学者のピケティやスティグリッツ、経済評論家のマドリックなどは、最近の実証的研究を挙げて否定している。

先ず、経営者の高額所得と企業業績との間には相関が無いと言う。

 

ここが重要なのですが、こんな無駄な事が起きた理由は、これらをチェックし牽制出来る労働組合の弱体にあると言うのです。

私は、この研究結果を知って、やっと高額所得の増加現象を納得することが出来ました。

 

 

 

  • 日本の事情

日本の労働事情が本格的に劣化し始めたのは、世界の流れを受けて中曽根内閣の時代からでしょう。

国鉄民営化、非正規雇用の拡大、確定拠出年金(米国の401Kのコピー)などが代表例です。

 

非正規雇用と確定拠出年金は多くの労働者にとって待遇の悪化を招きましたが、その一方で企業や金融セクター(退職金運用手数料稼ぎ)にとっては非常に好都合でした。

そして、保守系の報道や政府発表は、これらのメリットを謳うばかりで、マイナスには一切触れなかった。

むしろ、徹底的に労働者の怠慢や労働組合の横暴をあげつらっていた。

 

こうして労働組合は弱体化していったが、これは米国も同じでした。

これには日本では非正規雇用が影響し、米国では法制度や裁判などが影響がした。

 

すると日本では、労働組合の縮小と共に野党勢力は凋落し、中小企業の商工会議系に支えられた与党は勢いづくことになりました。

 

 

こうして、この世は魑魅魍魎が跋扈するようになってしまったのです。

 

 

  •  まとめ

日本は素晴らしい国であり、多くの人が変革で危険を冒す必要が無いと考えるのも無理がありません。

しかし、日本の良さは自然、文化伝統、治安の良さなどであり、極論すると地理的に隔絶していることにあります。

これは長所なのですが、一方で危険でもあります。

 

私達日本人は井の中の蛙になり易く、どうしても安逸が続くと、海外の変化に疎くなり、惰性に走りがちです。

戦後の日本は最初、米国に助けられ、その後は脅され(プラザ合意、日米構造協議など)、また長らく追従して来ました。

 

しかし、そろそろ状況の悪化に目を向け、自立した視点を持っても良いいのではないでしょうか?

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ 70: 日本の問題、世界の問題 6: バブル崩壊の果てに待ち受けるもの


 1

< 1. 1980年代、世界を変えた首脳達 >

 

 

前回、バブル崩壊と救済が繰り返されて深刻な事態になっていることをみました。

今回は、なぜこのようになったかを探ります。

これでバブル崩壊の考察を終えます。

 

 

 

 2

< 2. 世界の緩和マネー >

 

上のグラフ: 茶色の線がOECD+BRICsの合計マネーサプライで、青線が世界のGDP。

 

マネーサプライが上昇している時に3回のバブルが起きている。

そして2008年以降、歴史上はじめて先進国全体がGDPを超えるマネーサプライを供給し続けている。

現在は中央銀行バブルの最中だと警鐘を鳴らすエコノミストが増えている。

 

下左のグラフ: 大国はベースマネー(マネタリーベース)を競うように拡大している。

 

下右のグラフ: 赤線は世界のマネーサプライ。

 

 第一章 はじめに

先進国(日米など)に格差拡大と累積財政赤字の増大が深刻化していることがわかりました。

これが緩和マネーの増大と金融セクターの膨張と関係していることもみました。

さらに、この始まりは高々1980年代に始まったことも知りました。

 

この異常な事態は最近の人為的なこと、つまり国と中央銀行の政策の変化が起因してることも知りました。

事の起こりは米国にあり、さらに経済理論が様変わりしたことにある為、理解することは難しい。

 

ここでは、先進国の政治経済の大きな変化を取り上げ、何が元凶なのか、何が経済と金融政策を変えてしまったのかを探ります。

 

 

 

3

< 3. 世界のヘッジファンド >

 

第二章 なぜこのようなことになったのか?

皆さん、不思議に思いませんか?

世界を巻き込む巨大なバブル崩壊を繰り返し、また国内の所得格差を著しく拡大させている国は何処でしょうか?

それは民主主義と資本主義の先進国である米国です。

その結果、トランプ大統領が誕生したも言えるのです。

 

これは他人事ではなく、放置すればいずれ我が身に起きることなのです。

この事態は米国がリードでして来た二つの金融政策に端的に現れています。

 

バブルが起きる原因はどこにあったのか?

 

大きな要因の一つは、緩和マネーの巨大化でした。

中央銀行はバブル崩壊後の景気刺激策として大量の緩和マネーを市場に供給して来た(マネーサプライ)。

 

バブルが過熱する時は、必ず投機家が巨額資金(自己資金の20~30倍の借金)を金融商品に投じて高騰を煽っていました。

単純に考えて、彼らが自己資金内で運用する分には、高騰はそれほど起こらず、例え暴落が起きても破産の可能性は著しく低くなります。

つまり、バブルの過熱も崩壊もなくなります。

 

それではなぜ投機家はそのような莫大な借金が可能になったのでしょうか?

 

大きな要因の一つは、政府が高レバレッジ率を許して来たからです。

政府は金融セクターの要望に従ってあらゆる規制緩和をこれまで行って来た。

 

それではなぜ政府と中央銀行はこのような危険を冒すようになったのでしょうか。

 

 

 

 

4

< 4. 2007年度、米国の資産格差 >

 

上位1%の金融資産は、米国の42%になった。

 

 

第三章 危険を冒す政府、肥え太る人々

なぜ政府と中央銀行は危険を冒してまで、巨大な緩和マネーを投じ、金融の規制緩和を行うようになったかを見てみましょう。

 

この様変わりした政策については経済学派のケイジアンとマネタリスト、米国の民主党と共和党、ドイツと米国、日銀総裁の白川(元)と黒田(現)で意見が対立し、賛否が別れています。

これら論争を理解することは困難でも、現実に悪化する状況を直視すれば、また背景を理解出来れば、自ずと答えは見えて来るはずです。

出来れば良質な経済書をお読みください。

私が読んだ参考図書を末尾に紹介します。

 

 

政策が変わっていった背景を簡単にみます。

 

第一段階 1970年代より、先進国が金本位制を止めたことにより、緩和マネーの巨大化が可能になった。

 

最初に1971年のニクソン・ショックで米国が金本位制を止め、1978年から先進国が続いた。

これにより各国の中央銀行が金の備蓄量を気にせず貨幣を発行出来るようになった。

中央銀行は貨幣供給量の調整で物価対策と通貨対策、景気刺激策を自由に出来るようになった(マネタリズム)。

 

これ以前、各国は金本位制を幾度も止めては、また復帰を繰り返して来た。

 

 

 

第二段階 1979年から米国のFRBが貨幣供給量を制御するマネタリズム(フリードマンが唱えた経済政策)により、スタグフレーション(失業率上昇と物価上昇が併進)を収め、景気を回復させた。

 

これ以前の経済政策は、米国のニューディール政策に代表される、政府が市場に介入し公共投資や賃金アップ(労働組合奨励)などで需要を喚起するケイジアンが主流であった。

第二次世界大戦まではこれが功を奏したと言えるのですが、戦後の世界経済は好調後に、インフレからスタグフレーションへと突入した。

 

先進国の産業・経済界と保守派は、これをケイジアンからマネタリズムへの転換の絶好の機会と捉えた。

 

 

第三段階 1980年代より、先進国は「自由放任主義」を掲げる保守的な政策に転換した。

 

 

スタグフレーションの原因の一つに、強い労働組合による旺盛な賃金上昇があったとされ、先進国の産業・経済界はこぞってこの抑制を政府に訴えた。

彼らにとって、経済疲弊の病根は強い労働組合と公営企業の赤字であった。

また第二次世界大戦後の英国や米国は、日増しに高まる日独の輸出攻勢で経済は勢いを失っていた。

 

これを挽回するために、英国のサッチャー(1979~)、米国のレーガン(1981~)がマネタリズムと自由放任主義を推し進め、やがて他の先進国も追従した。

自由放任主義とは、市場は規制を受けない自由競争状態であればあるほど経済の効率が高まり、発展するとの考えです。

すべてを自由競争に委ねれば、企業家は意欲を増し、商品価格は低下し、経済効率は上昇し、経済は発展すると信じた人々は、また政府の裁量と財政規模を縮小すべしとした。

 

彼ら指導者は国営企業の廃止や労働組合の制限、産業・金融の規制緩和を推し進め、景気刺激策として公共投資から貨幣供給へと軸足を移した。

日本だけは後者のマネタリズムへの転換を日銀が拒んでいたので、公共投資を継続した。

 

確かに、経済を安定的に発展させるには成長に見合ったマネーサプライは不可欠ですが、行き過ぎた緩和マネーが問題であり、その限度、効能と弊害について意見が分かれています。

 

 

 

第四段階 米国では金融家達が徐々に政治を支配するようになっていた。

 

米国の金融家(銀行家)と大資産家らは、ロービー活動と選挙応援を通じて20世紀初頭より政治力を高めており、レーガン以降、その力は強力になっていた。

 

彼らは米国の経済復活には世界的な競争に勝つ必要があり、この為に世界大恐慌後(1929年~)の数々の経済・産業・金融の規制を撤廃すべしと政府に規制緩和を求め続けた。

保守的である共和党の方がより規制緩和を行い自由放任主義的な政策を採ったが、多くの民主党政権でも後退には至らなかった。

 

この規制緩和は多岐にわたりますが、そのポイントは国民の犠牲を防止する規制の廃止、一方で金融家の自由な投機を阻害する規制や監督を廃止したことです。

一例としてはシャドーバンキング(ヘッジファンド)の暗躍、高レバレッジが最近の金融危機の大きな要因になっている。

他に自由放任主義の施策としては企業経営者の報酬アップ(ストックオプション)、労働運動の制約、富裕層減税による累進課税のなし崩しがある。

 

 

現段階 こうしてバブル崩壊がほぼ10年毎に起こり、中央銀行は膨大な緩和マネー、政府は財政出動で金融救済と景気刺激策を繰り返すようになった。

 

こうして金融セクターが潤い巨大化し、富める者は益々富むようになり、さらなる政治支配が可能になった。

例えば、バブル崩壊後の2009年から2012年までの収入増加のじつに91%が、米国の最富裕層上位1%の懐に収まった。

このような状況では、米国の多くの政治家も経済学者も現状の自由放任主義とマネタリズムに追従することで主流に成り得る。

これになびく日本も同様です。

 

これが米国と、米国に追従する日本や他の先進国の状況です。

 

 

 

5

< 5. 2013年度、子供の貧困率 >

 

米国は世界で2番目に高く、日本は9番目に高い。

 

第四章 まとめ

結局、ここ40年ほどの金融家らによる政治と経済の転換は、著しい所得格差と莫大な累積赤字を生んでしまった。

そして多くの先進国では高い失業率と低経済成長がほぼ定着した。

さらに政治には国民の意向が反映されなくなり、失望の果てに日本、米国、ヨーロッパで右翼や国粋主義が台頭するようになった。

 

我々が今行わなければならないことは、先進国の金融セクターの横暴を止める政策を政府に採らせることです。

その対策の為には世界が一致団結して新たな金融政策、秩序ある競争を生み出す適切な世界的な規制と累進課税を採ることです。

 

経済学者スティグリッツは「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」で、抜本的な改革案を提示しています。

 

 

次回に続きます。

 

 

6

*6

 

 

参考図書

 

*「国家は破綻する 金融危機の800年」カーメン・M・ラインハート著、2011年刊。

内容: 世界中の国家の破綻、デフォルト、金融危機、通貨暴落、高インフレの全体像をデーターで俯瞰させている。

感想: 破綻が頻発している事実に驚かされたが、破綻のメカニズムの定性的な解説がなく、経済の素人には面白くないかもしれない。

 

*「ささっと不況を終わらせろ」ポール・クル-グマン著、2015年刊。

内容: バブル崩壊後の不況対策について、幾多の事例を参考にしながら主に米国について批判的に解説している。

感想: 様々な破綻が読みやすく語られ理解し易い。またクル-グマンの立ち位置が見えてくる。

 

*「2020年 世界経済の勝者と敗者」ポール・クル-グマンと浜田宏一著、2016年刊。

内容: 二人が米国、EU、中国の経済、アベノミクスについて対談している。

感想: 対談集なので底が浅く、二人の議論が噛み合っていないように思う。

クル-グマンは概ねアベノミクスが最善の方策であり期待もしている。

気になるのは彼が日本の達成を困難と見ていることと、次のバブル到来を危険視していないことです。

 

*「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」スティグリッツ著、2016年刊。

内容: 米国の経済政策(自由放任主義とマネタリズム)を批判し、米国と世界経済の復活を目指す改革案を提示している。

感想: 現状の経済の問題点を多角的に分析し、それぞれに対策を提言している。

しかし要点を絞って書いている関係で、専門の経済用語の知識がなければ理解が困難です。

 

 

 

 

 

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何か変ですよ 69: 日本の問題、世界の問題 5: バブル崩壊 3


1 

*1

 

 

前回、バブル崩壊のメカニズムと被害についてみました。

これが繰り返されることにより先進国社会の深部が蝕まれています。

今回、この状況を確認します。

 

 

 2

*2

 

 

第一章 はじめに

これまで3回にわたり、世界各国が如何に経済的な破綻に見舞われて来たかをみました。

お読みになった皆さんは、おそらく世界が金融的な破綻に益々晒されつつあると感じたはずです。

先進国、資本主義国に何か変調が起きているとも感じられたことでしょう。

 

一方で、一気に世界を巻き込むバブル崩壊は必然だとも思ったに違いない。

 

そうであればこそ、バブルが過熱しないようにするしかない。

この為にはバブルを過熱させる要因を世界から取り除くしかない。

この要因は各国政府が、ここ40年ほどで作り出して来たものです。

所詮、作り出したものですから取り止めることが出来るはずです。

 

傍観している内に、我々の世界は大きな濁流に飲み込まれるはずです。

 

 

 

 

3

< 3. 米国のマネーサプライと負債 >

 

上のグラフ: 青線はマネーサプライM2の推移、左目盛り、10億ドル。

マネーサプライが急伸しているのがわかる。

(マネーサプライは中央銀行(FRB、日銀など)や金融部門全体から経済に対して供給される通貨の量で、一般の事業会社や個人、地方公共団体などが保有するお金の量を示し、国や金融機関が持っている現金は除きます。)

黒の破線は下のグラフの合計負債額/GDPの推移、右目盛り、%。

 

 

下のグラフ: 家計(青色)、非金融(赤色)、金融(緑色)の部門毎の債務残高/GDPの推移、%。

金融の負債がサブプライムローン危機の折に威勢よく上昇している。

しかも三部門の合計額は優にGDPの2.5倍になっていた。

この合計額がGDP(100%)を超えたのは、規制緩和とマネタリズムが隆盛になった1980年後半以降で、その後急伸している。

 

 

第二章 現在、バブル崩壊時に繰り返されている事

ここ40年ほど、先進国はバブル崩壊時に、金融危機の拡大を防ぐために莫大な救済金を金融機関に拠出して来ました。

 

この救済を行わない選択肢もあるのですが、しなければ1929年のウォール街大暴落に始まる世界大恐慌のようになります。

この時、米国の一人当たりの国民所得は最大35%低下し、元に戻るのに10年を必要としました。

失業率は一時約25%まで上昇した。

これがドイツや日本を経済的な窮地に追い込み、第二次世界大戦の引き金にもなりました。

 

 

 

4

< 4. 世界大恐慌時の米国 >

 

上の写真: 当時の取り付け騒ぎ。

下のグラフ: 米国民一人当たりのGDP推移。

 

 

それまでの恐慌では多くの場合、政府は銀行の倒産を放置し、不良な銀行を淘汰することが良策と考えていた。

しかし、この放置策では恐慌による傷が深まるので、現在は政府と中央銀行が、大規模な金融機関を集中的に救済するようになった。

 

このことは、当初、国民から反発があったものの、現在では受け入れられるようになった。

しかし、これが二つの深刻な問題を引き起こし、社会を歪める大きな要因になってしまった。

 

このポイントは二つある。

 

一つには、この救済資金が政府の累積財政赤字の急伸を招いている。

これを前回、見ました。

 

いずれこの負債を国民が広く負担せざるを得なくなります。

言い換えれば、バブルで救済される一部の大規模金融機関と大資産家を、犠牲になった国民が等しく救済することになる。

 

 

注意すべき事!!

リフレ策(アベノミクスなど)によって、累積財政赤字が霧散すると断言するエコノミストもいるが、私にはむしろ大きな破綻を呼び込む可能性があると考える。

世界のどこかでバブル崩壊(金融危機)が起きてしまうと、金余り(緩和マネー、溢れるマネーサプライ)が多ければ多いほど崩壊の被害は甚大になる。

つまり、ヘリコプターマネーによる膨大な金余り状態が最も危険だと言える。

現在、日本では、行き場を失った緩和マネーが株式投資、不動産投資、サラリーマン金融に向かっている。

 

 

 

5

< 5. 日本の不動産の値上がり >

 

上のグラフ: 値上がりは東京だけでなく全国に広がりつつある。

下右のグラフ: 銀行の不動産向け貸し出しの増加が値上がりに繋がっている。

 

 

二つには、救済されるのが大規模な金融機関に限られていることです。

 

救済される金融機関ほど、バブルの中核であったとも言える。

一方、救済対象から外されるのは圧倒的に大多数の被害者です。

かつて日本では自己責任が声高に叫ばれたことがあるが、これは真逆です。

 

崩壊と救済が繰り返される内に、以下のことが慢性化し深刻さを増しています。

特に米国において。

 

金融機関や資産家、特に大規模であればあるほど「モラル・ハザード」(倫理感の欠如)が浸透しています。

救済されることが分かっている彼らは悪辣な手で暴利を貪り食うことを厭わなくなりました。

金融機関は更なる大規模化を目指し合併を繰り返し、大資産家もこれに群がります。

 

大規模金融機関と大資産家は、バブル崩壊で失業し賃金低下に苦しむ大多数の人々をしり目に、救済策で破産を逃れます。

しかしそれだけではない。

 

景気刺激と金融安定化の為の大規模な金融緩和策で、崩壊後いち早く所得を増大させることになります。

これが繰り返されることにより顕著な所得格差が生み出されました。

これは米国の所得格差拡大の要因の一つに過ぎないが、根は一緒で、次回説明します。

 

 

さらに富を蓄え政治力を持つようなった大規模金融機関と大資産家は、国際競争と経済活性化と称する金融の規制緩和を政府に実行させて来ました。

1929年の世界大恐慌への反省から制定された規制が、なし崩しに廃止されて来ました。

 

こうしてここ40年ほどの間に、金融セクターが世界の繁栄を掌中に収めるようになったのです。

例えば、1950~1980年の間、米国の金融セクターは総企業収益の10~20%であったが、2001年には46%に成長している。注釈1.

その後、サブプライムローン危機で平均32%に低下している。

 

 

これが所得格差の元凶であり、結果であり、今後もバブル崩壊が繰り返さずを得ない理由なのです。

 

 

 

第三章 データーで確認します

 

 

6

< 6. 米国の所得の推移 >

 

上のグラフ: トップ1%の所得(赤)と平均賃金(青)の推移。

平均賃金は生産性(緑線)よりも伸びが低い、つまり正当な分配とは言えない。

一方、トップ1%の所得は鰻登りで、バブル崩壊の度にその差は開いていく。

 

下のグラフ: 年収5分位の年収推移。

上位になればなるほど上昇し、下位になればなるほど伸びなくなり、両者の差は開くばかり。

この格差は規制緩和とバブル崩壊のみで起こっているのではなく、逆累進課税や労働組合の衰退、法人優遇なども影響している。

 

 

 

 

7

< 7. 日本のマネーサプライと所得階層別の所得推移 >

 

上のグラフ: 緑線がマネーサプライ(マネーストック)、青線がマネタリーベース、赤線が名目GDP、紺色線が東証時価総額です。

 

通常、マネーサプライを増やせば、インフレや景気刺激を可能にし、抑えれば逆効果となります。

しかし不思議なことに、マネーサプライが続伸しているにも関わらず、GDPは増えず、停滞を続けている。

このGDPとマネーサプライのギャップ(緩和マネーの増大)が気になります、米国で起きたサブプライムローンの前兆を感じさせる(図3のグラフ)。

 

日銀が金融緩和などでコントロールするのはマネタリーベース(民間の金融機関が預金準備率に従って中央銀行に預けた貨幣総額)で、その何倍かが市中に出回るマネーサプライになる。

中央銀行がマネタリーベースをコントロールしたからと言って、マネーサプライを確実に調整することは出来ない。

 

ただここ数年の日銀のマネタリーベースは各段に多いので、株価を押し上げている。

株価上昇は日銀や政府機関が株購入していることも影響している。

 

 

下のグラフ: 赤線が下位90%の所得の推移で、橙色線は最上位0.01%の所得です。

下位90%の所得は3回のバブル崩壊で低下していったが、最上位0.01%の所得はバブルの度に上昇している。

米国ほどではないが、同じ傾向が見て取れる。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

注釈1.

スティグリッツ著、「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」2016年刊、p75より。

 

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何か変ですよ 66: 日本の問題、世界の問題 2: 金融の罠


1

*1

 

 

前回、日本企業の繁栄と労働者の衰退を確認しました。

これからバブル崩壊などの金融がもたらす災厄をみます。

これら三つは世界的な根で繋がっています。

 

 

2

*2

 

 

はじめに

実は、バブル崩壊など金融がもたらす災厄や善処策について語るのは厄介なのです。

 

その理由を以下に記します。

 

一つ目、日本において、学者から政府、国民に至るまで金融がもたらす災厄に対して無関心に近い。

 

二つ目、金融がもたらす災厄を研究する経済学者は少ない(特に日本)。

 

三つ目、現在、最も収益を上げている業界は金融業界で、かつ加速度的に巨大化している(特に米国)。

 

少し解説します。

 

ここ半世紀の間に、主に金融家による富の集中が起きた為、彼らは莫大な銭をばら撒き議員や政府、研究や広報を手玉に取るようになった。

ここで言う金融家とは、生産行為より資金を動かすことで利益を得る人々を指す。

これを米国が先導している

 

すると優秀な経済学者や研究所は自身が稼げる金融テクニックの開発か、金融家に都合の良い研究と報告書作成に躍起になります。

こうして金融行為で生じた社会の損害に目を向ける学者は少なくなります。

議員達は莫大な選挙資金を求めて、金融家に都合の良い規制緩和に積極的となり、政府も同様となります。

 

こうなると国民は金融行為による莫大な損失から目を逸らされ、政府は金融家がより繁栄する政策を推し進めることになった。

 

国民は当然の如く、バブル崩壊などの発生メカニズムに疎くなり、これによる巨大な災厄を運命の悪戯と捉え、泣き寝入りすることになる。

これが先進国中、とりわけ日本の現状でしょうか。

 

 

ここで金融がもたらす災厄を簡単に見ておきます

国民に大きな被害をもたらす金融的な破綻としては、銀行危機や高インフレ、通貨暴落、デフォルトがあります。

これらは経済的な災厄なのですが、現状では金融の罠とも言えるメカニズムが大きく関わっています。

 

3

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  •  銀行危機

これはバブル崩壊、金融危機、恐慌とほぼ同義語です。

最初に産品や株価、不動産などの価格暴落が起こり、次いで破産や失業が広がり、経済は急激に落ち込むことになる。

 

これが起きる前、銀行を介して貨幣流通量の増大(信用創造)が起きており、価格暴落を切っ掛けに、一気に貨幣の回収(信用収縮)が始まる。

この回収が出来ずに多くの企業や銀行が倒産し、失業者が大量発生し、消費の急減が起こり、この悪循環が一国の経済をどん底に突き落とすことになる。

 

 

4

*4

 

 

  •  高インフレ

インフレは物価が上昇し続ける状態で、貨幣価値の下落が起こっているとも言える。

 

インフレがおおよそ年率5~10%を越え、さらに大きくなればなるほど社会にダメージを与える。

高インフレが起きる場合、以下の弊害が起きる。

金融資産(預金や保険満期金、現金)は見る見るうちに減価していくことになる。

(10%のインフレが20年続くと、100万が15万円に目減する。)

通常、物価上昇が先行し賃上げが遅れるので、労働者の生活は苦しくなる。

インフレに乗じて、投機で儲けることも可能だが、多くはバブル崩壊で自滅することになる。

スタグフレーションと呼ばれるインフレと景気後退が同時に起ることもある。

 

 

  •  通貨暴落

通貨の対外的な価値(ドル/円などの為替相場)が急激に下がることです。

 

国や経済への信用不安が起きると、海外の投資家はこの国から資金を引き上げる為に通貨を売り急ぎ、通貨安を加速させる。

 

国内の発展を支えていた外資が途絶えることにより経済が急停止することになる。

また通貨安になることで外貨建て海外債務の元利払いは急増することになる。

(例えば日本国内の企業がドルで借金し、円/ドルが100円から120円への円安になると、この企業の1億ドルの借金は100億円から120億円へと増加する)

こうなると国の経済は大打撃を受けることになる。

 

 

 

5

*5

 

 

  • デフォルト(債務不履行)

ここでは国が国内外の債権者に元利の返済が出来なくなったことを指す。

 

債務は地方自治体や民間、個人にもあるが、ここでは中央政府が発行した債券(国債、ソブリン債)や銀行からの借入金について問題にする。

多くの場合、国はまったく返済しないのではなく、協議の上で返済条件の緩和を行い、返済し続けることになる。

 

デフォルトが起きる切っ掛けは様々だが以下のものがある。

累積債務の増大による信用不安が発生し、海外からの資金引揚げ(債務国が発行した外債の売りなど)が集中し、国は返済不能になる。

また発展途上国が産品輸出の好調などによる好景気時に、先進国の金融業から高金利で融資を受けていたが、産品価格暴落や先進国連動の金利高騰などにより、返済不能となる場合です。

 

この結果、さらなる債権発行や借り入れが困難になり、経済発展に必要な資金が枯渇することになる。

また信用低下により借り入れ金利が高騰し、新規・既発債権の負担が重く圧し掛かる。

こうして国は急激な信用収縮と急激な経済低下を起こし、さらに緊縮財政(福祉切り捨てなど)と増税が国民を襲うことになる。

 

 

6

*6

 

 

日本の著名な経済学者の認識

政府に近い経済学者は金融がもたらす災厄をどのように見ているのでしょうか?

 

 

1.以前、実業家兼経済学者の竹中平蔵がこのような趣旨の事をテレビのインタビューでが言っていったと思う。

 

「累積債務が巨大になったからと言って国家が破綻したことはかってない。」

 

 

 

2.経済学者の竹森俊平が2008年刊「資本主義は嫌いですか」でバブルについて書いている。

 

「その結論を要約すれば、『バブルの頻発』は世界経済全体の高い成長率を維持する為に、経済システムの『自動制御装置』が働いた結果であった。

高成長率の維持が難しくなる局面に来ると、民間や政府が、様々な手段を動員して高成長の維持を図る。

そのことが繰り返され、結果としてバブルが生まれた。・・・・

 

・・・。

バブルの発生に歯止めをかけるということに重点を置いた調整がなされるのである。

その結果、バブルの頻発もさすがにストップする。

その代わり、世界経済の成長率は低下する。・・・。」p4~5.

 

著者は、この一冊で長々とサブプライム危機を語っているが、私の見たところ、「バブルは調整の失敗に過ぎず、経済に必要不可欠なもの」とみなしている。

 

 

3.日銀総裁黒田東彦が2005年刊「通貨の興亡」でアジア通貨危機について書いている。

 

「・・・・・。

 

短期の外貨を取り入れて、それを為替ヘッジも十分せずに、内貨で長期貸しをしていたということも問題であった。

ジョージ・ソロスが為替投機を行ったといって批判されたが、為替投機は確かにあったかもしれない。

しかし、やはり本質的には、タイを中心に、経済にいろいろな問題がたまっていて、それが一挙に爆発したということだと思う。」p.78.

 

著者は、3頁ほどでこの通貨危機の原因と過程を簡明に述べているが、この危機がもたらした甚大な被害は念頭になく、当然、問題意識はないようである。

 

 

この三人の認識には、経済主体の一方である国民への眼差しが欠如しているようです。

彼らの念頭にあるのは経済成長などの成果であって、必ず起きている副作用(バブル崩壊の後遺症や格差など)には無関心なようです。

後に紹介する世界的に著名な学者に比べれば、彼らは本分を置き去りにした学者に思える。

さらに感じるのは、1980年代から米国の政治経済を支配している概念(今後説明予定)に憑りつかれ、まったく疑いを持っていないようである。

 

国民にとって重要なことは、国民が被る災厄への問題意識が欠如している人物が行う改革では、けっして良い結果は生まれないと言うことです。

 

 

 

7

*7

 

 

それでは皆さんに質問があります

過去200年間、世界の国々がデフォルト(債務不履行)をどれぐらい行ったかを想像して下さい。

 

答えは10回、50回、300回のいずれでしょうか?

 

「1800年から2009年にかけて、ソブリン・デフォルトは対外債務について少なくとも250回、国内債務でも68回はあった。」

 

つまり318回以上あった。

この記述はカーメン・M・ラインハート&ケネス・S・ロゴフ著の「国家は破綻する」(2011年刊)p.77にあります。

 

この事実は常識とはかなり異なるはずです。

まだ、これは金融的な破綻の一部に過ぎないのです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 62: 偏狭なものの見方


1

*1

 

 

今回は、巷に溢れる偏った歴史観を取り上げます。

日本の憲法や敗戦に関わる問題をみます。

 

 

 

結論は・・

一見、ここでも右派と左派、またはタカ派とハト派の違いがあるように見える。

しかし、より重要なのは単純に視野が狭いか広いか、より広い範囲の他者の気持ちに寄り添えるかです。

 

こうは言っても、視野が広いとは何を指すのか、また他者とは誰なのかは人によって異なります。

ここでは二三の例を挙げ、簡単に視野の狭さや他者との境界を指摘しながら、偏狭なものの見方の悲しさをみます。

 

 

ある人々が言い募る説とは

第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦にまつわる恨み節が、今またぶり返している。

当時の米国による酷い仕打ちを盛んに言い募っている。

さらに言えば、相も変わらず侮辱感に囚われたままで、そこから脱皮出来ないようです。

 

「日本国憲法はマッカーサーの押し付けで、不当だ!」

「東京裁判は勝者による報復の茶番劇だ!」

「日本人の能天気な平和感は、米国の洗脳だ!」

 

目立つのは、こんなものでしょうか?

これからの話は、あまりまじめに考えて頂かなくて結構です。

どこに可笑しさがあるか判って頂ければ充分です。

 

 

2

*2

 

 

何が変なのか?

敗戦時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本の占領政策を推進し、様々な改革を行った。

GHQを取り仕切ったのは米国のマッカーサーでした。

彼は公の場で「日本人は12歳だ」と発言していた。

 

そして、彼が日本国憲法案を日本に押し付けたとされている。

ある人々は、これを日本人が考えた憲法では無いから、けしからんと言い、作り変えるべきだと言う。

 

しかし、私はこれを聞いて不思議に思う。

当時、大日本帝国憲法(1889年公付)を後生大事に守り大失敗をしておきながら、明治に始まる神権的な前近代的制度から抜け出せずにいた為政者達が、果たして現代に通じる民主的な憲法を発案出来ただろうか?

 

確かに市井には進歩的な草案もあったが、政府は受け入れるはずもない。

軍事大国化し大陸進攻を図る過程で、反対する声は一部にはあったが、もみ消されたように。

 

情けないことなのだが、当時、日本の体制が自ら民主的な憲法を作り出すことは困難だったでしょう。

地主制、女性の選挙権などをみれば如何に遅れていたかが一目瞭然です。

 

それでは同じ占領されたドイツ(西ドイツ)はどうだったのでしょうか?

ドイツは第一次世界大戦の敗北を経験して、当時世界で最も民主的なヴァイマル憲法を1919年に制定していた。

これがあって、第二次世界大戦後の分断された占領下にあっても、各州代表による憲法制定会議が開催され、連合国によって批准されたのが今の憲法です。

つまり、下地が既に出来ていたのです。

 

 

3

*3

 

可笑しさはこれだけに留まらない

それほど屈辱感にさいなまれるなら、そんな横暴な米国の庇護の下から離脱すれば良いと思うのは私だけでしょうか?

安保法制、為替などの経済・金融政策、特定秘密保護法など、どこまで米国追従に深入りしていくのか?

 

ある人々は、現在の「寄らば大樹の陰」は必要だが、かつての横暴な仕打ちだけは許せないと言う。

この手の人が言う大人の態度とは、どちらも結果が良ければ良しだと思うのですが。

 

さらにこんな反論が出るかもしれない。

今の米国とかつての米国は違うはずだと!

少し、話が怪しい。

 

世界を見れば、侵略国や戦勝国の態度はどこも似たり寄ったりでした。

植民地支配された国は、当時、欧米から尊敬されたでしょうか?

もちろん侮蔑され差別された。

 

戦勝国は、占領国に対して侮蔑感をまったく持たずに接したでしょうか?

一部にはいたでしょうが、大勢は憎しみとの裏返しで侮蔑感を持つものです。

それが戦争です。

日本人も大陸に進攻し、現地を支配するようになると同じ轍を踏んでいった。

 

つまり、この屈辱感は何時でも何処でも敗者が勝者から受けるものなのです。

よくもまあ自国のことは棚に上げる身勝手な神経が私には理解できない。

 

もっとも、自分達の懐古趣味(天皇制や明治時代への回帰)を満足させるために難癖をつけているだけとしたら、これも悲しい。

 

 

4

*4

 

 

この御説はどうでしょうか?

東京裁判への批判も同様に狭量で身勝手な感情の基づいたものがある。

「戦犯はでっち上げで、無実だ!」と。

 

もし、連合国側が強硬に裁判を開き、戦時下での事実を公開しなければ、日本の国民は未だに真実を知ることはなかったでしょう。

当然、この裁判にはパール判事らが指摘したような問題―事後法の適用と植民支配の反省を棚上げする大国、がなかったとは言えない。

しかし、戦争事態が超法規的な行為であり、場合によっては事後法も止む得ない。

どちらにしても、当時、問題を含みながらも、世界が戦争の再発防止に協同し、従来よりは一歩前進した。

 

ここで指摘したいことは、同じ戦犯裁判(ニュルンベルク裁判)を受けたドイツの変化です。

これが行われていた当時、ドイツ国民は概ねヒトラーに騙された被害者としか考えていなかった。

しかし、それから十年ほどど経つと、国民の中から自らも戦犯を裁くべきとの世論が沸き起こった。

そして、真にヒトラーやナチスとの決別を図ることが出来たのです。

 

一方、日本はどうでしょうか?

いまだに、外国(主に米国)の謀略に嵌ったと言う被害者意識から抜け出せない人々がおり、さらに悪いことに、これら人々に支えられた人物が政治のトップになることが出来たのです。

 

実に、不思議な国があるものです。

 

 

 

さらに、これはどうでしょうか?

もっと単純な例として「日本人の能天気な平和感は、米国の洗脳だ!」があります。

 

結論から言うと、日本人の平和感は先天的です。

これは日本列島の地政学的な理由、歴史的に日本海の軍事的な障壁と唯一の大国中国からの距離に依存していた。

 

GHQが軍国主義復活を恐れて、平和の礎を強制的に植え付けようとしたのは確実です。

しかし、それが戦後70年を経た今まも、悪霊に取り付かれたかのように言うのは、国民を馬鹿にしている。

 

逆に言えば、米国の軍事戦略に乗って、日本を極東の防波堤にしようとする手段に利用されているように思える。

 

もし、70年前の出来事が、一国の心を支配し続けるとしたら、日本がかつて支配した東アジアの国々も同様に恨みを持つ続けることになりますが?

おそらく「米国の洗脳だ!」と指摘する人々は、これとは違うと言い逃れるでしょう。

 

 

まとめ

ざっと諸説の可笑しさを見て来ました。

何が可笑しさを生み出しているのでしょうか?

 

一つは「自分が、自分が、・・・・」にあります。

別の言い方をすれば、狭い身内、広くて日本列島本島(大和民族)しか念頭にないからです。

このような考え持つ人は、身びいきで、同調する人や付き従う人々には寛大で有難い存在です。

つまり、他者との境界が非常に狭いのです。

 

もう一つもこれと関連すのですが、都合の良い事実しか見ないのです。

つまり、世界の歴史は当然、都合の悪い自国の歴史も否定します。

 

おそらく最も本質的な事は、他者への共感が苦手なのでしょう。

この手の人々は身内には共感出来るのですが、地球の裏側の人々への共感が無理なのでしょう。

これは本質的な心性のひとつです。

 

分かり易い例があります。

実は動物は、本来、同種であっても縄張り外の者(他者)に対して敵意をもつように進化しました。

一番、鮮明なのはチンパンジーです。

チンパンジーは同じ群れであれば、最高度に協同して狩りなどを行います。

しかし、部外者が縄張りの近く現れると、大声で恐怖の声を挙げ、下痢をしながら飛び回るのです。

 

しかし、進化した人類はこれと異なり、縄張り外(国外)の人、言語や人種の違いを乗り越えて協力することができるからこそ、今の発展があるのです。

時たま、チンパンジーより残酷になるのがたまに傷ですが。

 

 

5

*5

 

 

 

最後にお願い

どうか皆さん、くれぐれもおかしな風潮に流されないでください。

 

 

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何か変ですよ! 60: 残念なこと


 1

*1

 

 

私は、日本の野党が残念でしかたがない。

日本が良くなるためには、健全な野党が是非とも必要です。

それが叶えられそうにない。

 

 

はじめに

今、現政権に憤慨している方は少なからずおられるでしょう。

しかし、現政権が倒れても、次に誰が日本のトップになるのか?

9分9厘、与党の中から少し見栄えの違う人物がトップになるだけだろう。

母体が何ら変わらない限り、結果は五十歩百歩と思いませんか?

 

野党は森友や加計の不正暴露に全精力を注ぎ込んで、トップを引きずり降ろそうとしているが、与党が引き続き政権を担うなら、それこそ元の木阿弥ではありませんか。

では、野党が政権を担えるのですか?

おそらく国民の大半は、今の野党にそれを望まないでしょう。

これでは、結局、今までと変わらない堂々巡でしょう。

 

今、我々にとって最重要課題は経済と平和であり、希望の未来を手に入れることです。

その足場を作る時です。

 

今日は、この問題を考えます。

 

 

残念な野党

多くの国民が政治に期待することは、景気が良くなることでしょう。

他に近隣諸国との軋轢とか、軍事的なこと、憲法改正もあるでしょうが、大多数はこれらを差し迫った問題とは捉えていない。

 

それでは野党に経済政策を託して良いと思う人がどれだけいるでしょうか?

私は、野党の個々の政策、大企業より国民優先、教育や育児負担の軽減などの施策は良いと思うが、大きなものが欠けていると思う。

それは景気を良くする金融と財政の一貫した施策です。

 

私は、野党に格差拡大と金融危機を招かない着実な成長戦略を持って欲しいのです。

今まで、野党はまったくこの姿勢が欠如していた。

只々、与党の政策を批難し、あわよくば国民の批難が高まるのを望んでいる節がある。

左翼系のマスコミも同様です。

この繰り返しでは、日本の政治は旧態依然のままです。

 

とは言っても、野党が与党の悪い政策を批難することには意味がある。

日本の与党(保守)は米国の保守(共和党)などに比べ、大きな政府の政策(福祉重視など)を取り入れており、良い結果を出している。

これが野党のおかげだと言い切れないが、批難していなければ、こうはならなかっただろう。

ここはやはり、二大政党の実現が不可欠です。

 

重要なことは、国民が野党に政権を担わせても良いと思えるように野党が変わることです。

与党を批難するだけでは、先はない。

 

 

2

*2

 

 

現政権の経済政策を考える

当然、与党には長期政権に付き物の弊害や、現政権の目に余る危さもある。

しかし、野党が反省すべき点を現政権から見出すことが出来る。

 

アベノミクス―インフレ目標、円安誘導、金融緩和、財政出動について見ます。

 

*インフレ誘導はインフレが安定し金利高騰が起きなければ、景気は良くなり、膨大な累積赤字が減ることになる。

先を予測することは難しいが、インフレ目標がいつまでも達成出来ないのは何か決定的なマイナス要因があるのだろう。

 

*円安誘導は、輸出を増やす効果を出している。

しかし一方で物価を上げ、結果的に賃金低下になるので、もう少し様子を見ないと分からない。

私が期待していなかったのは米国が円安誘導を許さないと考えたからでしたが、これは免れたようです(米国追従で)。

 

*金融緩和をかなりやっているが、効果が出ていない。

現時点では問題もなさそうだが、他国発の金融危機が日本に大惨事をもたらさないか心配です。

 

*財政出動は景気刺激に必要だが、相変わらず土建屋優先なのが問題です。

野党が唱えている人やサービスにもっと費やすべきです。

 

個々に長所短所はあるが、全体としてみれば米国の経済学者クルーグマンが唱える論理的な景気浮揚策に近いと思う。

たしかに、財政赤字の増大や大企業と土建屋優先は気になるが、狙いは良いと思う。

 

 

消費増税を見送ったことは良かったのか?

平気で嘘をつくことは許せないが、景気を交代させないためには良かった。

ただ、国の累積赤字は増えるばかりで止まる気配がないのが心配です。

本来なら無駄な出費を減らし、増税するなら累進性のある所得税が良い。

 

アベノミクスは、現状、効果が乏しく、目立ったマイナスも無いと言ったところでしょうか。

現状の経済指標の良し悪しには海外要因(石油、米国の景気)が大きく関わっている。

また日本では、高齢労働者の退職がピークを迎え、今後、労働者人口の減少を加速させていることが、失業率の低下と経済成長率鈍化を招くことになる。

 

ざっと現政権の経済・金融政策を振り返りました。

これほど大胆に景気浮揚を目指したことが国民の人気を得た大きな要素でしょう。

しかし、これら経済・金融政策で抜け落ちている重要な事がある。

 

 

与党に出来ない経済政策を目指せ

たとえ与党の経済政策が一時上手くいったとしても将来に大いに不安がある。

 

それは繰り返す金融危機と経済格差の拡大、増大する累積赤字です。

現状の欧米が進めて来た資産家・金融業優遇策が続く限り、被害が深刻になる一方の金融危機と拡大し続ける経済格差が大問題になる。

この為に既に欧米で火が付き、世情は不安になっており、やがて日本にも及ぶでしょう。

これらは規制緩和と税制改悪が招いたもので、また野放しのグローバル化によって世界中が巻き込まれ、競合するように悪化を深めている。

米国はこの推進の主役で、良くなる兆候はまったくない。

 

累積赤字の問題は、景気拡大が永続すれば薄らぐでしょう。

しかし、ほぼ10年ごとに繰り返している金融危機によって、その効果は打ち消される可能性がある。

またインフレが高進するだけなら、累積赤字の目減りと同時に庶民の生活は苦しくなる。

この問題はリフレ策をもっと検証しないと判断出来ない。

 

 

少し話題を変えましょう。

国民が経済面で望むものとは何か?

おそらく働き続けられること、低賃金からの脱出、将来の年金・社会保障制度の確保でしょう。

 

このためには経済成長が欠かせません。

 

安直な非正規雇用や首切りを規制することは必要ですが、現状のグローバル化した経済では、企業がすんなりと認めないでしょう。

年金・社会保障制度の確保には、当然、政府支出の見直しは必要ですが、これも持続的な経済成長が前提となります。

 

確かに、これからの時代は経済成長やGDP一辺倒ではなく、精神面重視に転換すべしとの意見があり、私もそうあるべきだと思います。

だからと言って、経済が低迷して良いわけではありません。

 

例えば、精神的な充足に必要なサービスを豊かにするにはその業界を支える経済成長が必要です。

例えば育児や教育のサービスを充実させるには、その産業の発展拡大が必要です。

つまり、箱物ではないサービス重視に移行すれば良いのです。

 

これらのことを野党は真剣に取り組み、実施可能な論拠を国民に示して欲しい。

 

 

3

*3

 

 

なぜ今の与党に期待できないのか?

与党が上記問題を解決する可能性はあるのか?

ゼロでは無いが、ほぼ無理でしょう。

 

東京都の選挙、米国やフランスの選挙からわかるように、国民は長く政権を担っていた政党を見限っている。

これには大きな潮流があるように思う。

 

この潮流とは何か?

私の見る限り、これは1980年代に始まった欧米の変革が発端でした。

これはサッチャー、レーガン、中曽根らによる大きな政策転換でした。

中でも大きいのは国営企業の解体とマネタリズムの採用でした。

この政策自身が悪いとは言えないが、これらにより労働組合の衰退、金融の規制緩和が進み、巨大な金融資産家が頻出した。

こうして金融資産家らのモラルハザード(節度を失った非道徳的な利益追求)と莫大な資金を使った政界支配と世論操作が常態化した。

これは米国において圧倒的な経済格差を生み出し、米国主導のグローバル化によって、世界と日本に伝染することになった。

 

こうなると国民の声は政治に届かず、やがて政治と政党に失望した国民は新しいものに飛びつくことになる。

これが現状です。

 

特に日本の場合、与党はまったくの米国追従なので、米国発の伝染病―経済・金融の悪弊による格差拡大と繰り返す金融危機、に罹患せざるを得ない。

これを打破できるのは、しがらみのない与党外と言える。

当然、官僚も同様ではあるが、官僚を排除してはならない。

 

大きな政策転換は可能なのだろうか?

19世紀末から米英を筆頭に労働運動が盛り上がり、労働者や女性の権利が向上した。

これが賃金上昇と格差拡大の是正に向かわせた。

そしてルーズべルトによるニューディール(ケインズ的な経済政策)が追い風となった。

残念ながら、国民が等しく経済成長を享受出来たのは1970年代までとなったが。

 

言えることは、良くも悪くも国と国民が、ここ百年の間に2回、政策転換を図ったのです。

今は、3回目の時なのです。

 

 

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野党が頑張るしかない

現状、日本は失業率が低く、格差も少なく、安全で福祉制度に大きな欠点はない。

 

今の与党の姿勢を放置すれば、金融危機を深め、格差を拡大させ、さらに浪費が続けば年金・社会保障制度の存続が脅かされる。

 

最大の経済低下の要因は労働者人口の長期減少でしょう。

これを補うには与党の箱物中心の財政出動ではなく人材・育児・移民への投資が不可欠です。

 

したがって野党は、与党に対抗して景気浮揚策を真剣に練り上げ、国民優先の政策に向かうべきだ。

それでなければ、いつまで経っても反対だけの野党で終わってしまう。

せっかく小選挙区にして、二大政党に向けた改革を行って来たのです。

今回の安部一強も、前向きに解釈したら、これまでのころころ替わる首相の状況から脱したとも言える。

 

どうか国民の皆さんも、二大政党を育て、まともな議論が国会で出来るような世の中にしようではありませんか。

 

 

どうもお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

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何か変ですよ! 59:  惜しい人


 1

*1

 

 

私は今の首相の豪胆さに感服しています。

端的にはアベノミクスと憲法改正です。

ここまでやれる人物は他にいないでしょう。

事の良し悪しは別ですが。

 

 

 2

*2

 

 

まえがき

私はアベノミクスの意気込みを評価します。

 

成功すれば首相は日本史に燦然と輝いたことでしょう。

それまでの日本の金融トップ―官僚、エコノミスト、日銀とは真逆の施策をぶち上げた。

彼は著名なクルーグマンが唱えた政策を即刻2013年から実施した。

狙い通りに行くと、苦労無く莫大な累積債務は消え失せ、経済は復活するのですから、私も成功を願ったものでした。

 

円安は確かに輸出大手企業を潤してはいるが、いまだに目標インフレ値は達成できず、好況の実感はない。

後5年じっと我慢すれば景気は好転すると信じたいが、当のクルーグマンが2015年秋に異次元緩和は失敗だったと言っている。

 

もともと、私はすんなりとは行かず、行ってもより大きなバブル崩壊を招くだけだと推測していた。

実際、アベノミクス(リフレ策など)の多くは欧米先進国が既に実施している施策で、その結果、欧米の状況は良くなったと言えるでしょうか。

アベノミクス前の日本の経済状況(失業率など)でも経済成長率を除いて欧米より良かったと言える。

今の状況を見ると、クルーグマンの後の指摘が正しいのでしょう。

 

それでも私は首相の豪胆さに感心する。

ひょっとすると自信過剰か無鉄砲なだけかもしれないが。

もに一つ気になるのは、せっかく恵まれた家系や政治基盤を持ちながら、従わない人に対して下品なところです。

惜しいような気がする

 

 

 

3

*3

 

彼の行動パターンに不安がある

国民が望んでもいない憲法改正に、自分の歴史観を前面に押し出し、突き進む姿勢には驚かされます。

 

これに関連し、憲法改正について御贔屓の読売新聞を読んでくれと国会で答弁する神経は凄い。

正に、お友達(加計学園)や右翼の同志(森友学園)への身びいきは強烈だ。

かつて品格ある首相はたとえ思っていても、ここまで贔屓を露骨に言い募ることは避けるでしょう。

明らかに、これは国のトップが自ら公明正大で無いことを吹聴しているのですから。

 

もっとも、彼にとっては自分に付き従うものこそが正義であり、反対するものは偏向している悪なのでしょう。

だが、世界の報道マンは読売新聞を、日本の新聞の中でどう評価しているのでしょうか?

決して上位には見られていません。

 

しかし、ここで一考が必要です。

なぜ現首相は、このようなことが出来るのでしょうか?

よく一強だと言われます。

それはそれで間違いはないのですが。

それは小選挙区制や与党が取り組んできた官邸支配の結果とも言えますが、やはり一番はポピュリズムでしょう。

 

先の民主党の失敗、長い経済低迷、ころころ変わるトップ、さらに加えて先進国の同様の状況があります。

端的な例は、現首相がポピュリズムの権化トランプ大統領と気が合い、さらに大統領はタカ派ルペン党首と気が合うことで、正に右翼ポピュリズムの大合唱です。

 

一番のポイントは、現首相が圧倒的な人気を保持していることに尽きる。

人気があれば、与党議員は当然付き従う。

また官僚も民主党のように敵と見なさいのであれば組みやすい。

 

 

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*4

 

しかし、ここに問題があります

結論から言うと、国民は真実を知ることが出来ずに、国家が暴走することを防げなくなることです。

既にこのことを危惧している方もいるでしょうが、安心している方に何が問題かを示します。

 

視点は三つあります。

A: 国会審議での政府や官僚の答弁に難点あり。

 

つまらない森友学園や加計学園の問題です。

日本の国家予算は100兆円ほどあり、この両者による無駄な出費は自治体分を入れても200億円以下でしょう。

首相にすれば、たかだか1/5000のロスに過ぎない。

 

そんな小さなことでも政府はまともに答弁せず、また官僚も記録が無いとか、全面黒塗りの資料を出す始末です。

つまり、政府や官僚にとって都合の悪い情報は一切出さなくて良いと開き直っている。

特定秘密保護法がこれに加わるのですから鬼に金棒です。

要は、国民が真実を知る権利より、首相の面子が重要なのでしょう。

 

これがまかり通れば今後、為政者は国民を偽って思いがままに振る舞うことが出来る。

 

 

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*5

 

B: さらに日本の組織文化が災いを生む。

 

日本人は村意識が強く、トップや集団の意向に盲従し易い。

俗に言う、忖度や気配りで人は動き、悪く言えば「赤信号、皆で渡れば怖くない」に陥る。

企業で働いた経験のある方は、このことに納得できるでしょう。

 

もっとも、これにも良い所があり、組織が一丸となって秩序を維持し、また事に当たることです。

しかし、これがまた問題を生む。

それは、社会正義に基づいた内部告発であっても、組織やトップへの裏切りと見なされることです。

この意識は日本では根深く、加計学園の前前川事務次官でも激しい。

 

つまり、この組織文化は良いこともあるが、トップや組織が悪い方向に向かっているのに是正する力が働かず、大きな災いを生むことになる。

原発や食品偽装の内部告発などにもその例があった。

 

 

C: この問題は幾度も不幸な歴史を生み続けて来た。

 

日本の組織は都合の悪い情報や記録を残さない、出さない傾向が強い。

大戦時、米英は日本より遥かに戦場の情報を国民に流すように努めた。

日本はドイツほどではないが、偽情報を意図的に流した。

また軍部は徹底して記録隠滅を図った。

 

米国政府は政策決定過程を記録し保存し、後に為政者の判断が正しいかを検証する歴史があるが、日本には乏しい。

日本には、お上のやることに口出ししない雰囲気が残っている。

隠蔽状況は、現政権により強化され、昔に逆戻りしている。

 

 

 

 

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今後、何が起きるのだろうか?

このような場合、歴史上、一番起きやすいのは戦争でしょう。

 

世界の戦史を見ると、本当に敵国が一方的に攻めてくることもある。

だが往々にして自ら口火を切った戦争や、小競合いから始まり、互いに戦火を拡大させた戦争もある。

 

後者の場合、国民が些細な戦闘などの事実でもスピーデイに入手出来れば、早期に為政者や軍隊の暴走を防ぐことができる。

当然、マスコミが御用新聞でないことも重要ですが。

しかし、これが政府により捻じ曲げられたり、伝わらなけらばどうなるのでしょうか?

今回の二つの問題や南スーダンの自衛隊日報のような政府答弁では・・・。

 

その先に来るものは80年前に歩んだ道であり、今まだ御存命の戦争経験者の悲願を無にすることになるかもしれない。

歴史は、大惨事に至る道が準備されていることを教えてくれています。

 

 

今、私達に求められているのは先の大惨事を予見することです。

 

 

 

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France, Félicitations! France, Congratulations! フランス、おめでとう! 


 

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I am honestly happy about the birth of President Macron.
Above all, this exploit was the victory of the conscience of France.
Moreover, this is also a moment that France protected a light of world peace.

 

マクロン大統領の誕生を心からお祝い申し上げます。
この快挙は、何よりもフランスの良心の勝利です。
さらにはフランスが世界平和の灯を守ってくれた瞬間でもあります。

 

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Now, the world is being bombarded with disasters that has been scattered by human action, people are increasing hatred and the society is deepening antipathy.
It is eroding Japan, the United States, the UK, China, the Soviet Union, and the EU.
Also in France, people that are hostile to globalization enlarging terrorism, immigrants, and inequality is increasing.

However, the French people may have kept in mind that former conflicts and divisions caused major disasters (a panic and war).
And the people stopped the rightward tilt.

France added one more glory to the honor of the world’s first citizen revolution.
Congratulations from Japan in a corner of Asia.
Thank you from the bottom of my heart.

 
今、世界は人類自ら招いた災厄に翻弄され、憎しみを増し、対立を深めつつあります。
それは日本、アメリカ、英国、中国、ソ連、そしてEUを蝕みつつあります。
そしてフランスにもテロと移民、格差拡大などのグローバル化を敵視する人々が増大していた。

しかし、ここに来てもフランス国民は、かつての対立や分裂が大きな災厄(恐慌や戦争)を起こしたことを肝に銘じたのでしょう。
そして国民は右傾化にノーを突き付けた。

フランスは世界初の市民革命の誉れにまた一つ、栄光を加えた。
アジアの片隅の日本から、お祝いし、心から感謝します。

 

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There is only one wish.
In both Japan and the United States, there was a time when we entrusted hope for political renewal ten years ago.
However, now the back action has begun to grow.
New president and citizens should beware of it.

I am going to visit France for the next couple of weeks and I want to share this joy with you.

 
一つだけ、お願いがあります。
日本もアメリカも、10年前は政治刷新に希望を託した時期がありました。
しかし、今はその反動が押し寄せている。
どうか、新しい大統領も国民もくれぐれも注意してください。
尚、私はフランスをこれから2週間巡って、共に喜びを味わいと思っています。

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何か変ですよ! 56: 今ある恐怖 1


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< 1.米財務長官 >

 

 

今、私は漠然とした恐怖を感じている。

それは日本だけでなく米国、中国、ヨーロッパなど世界に通じるものです。

これから、この巨大で徐々に姿を現しつつある恐怖について語ります。

 

 

はじめに

日々のニュースから、私は日米欧先進国の社会で大きな濁流が起きているように思える。

しかも、それが益々巨大化しているにも関わらず、多くの人々はその兆候と恐ろしさに無頓着のように思える。

私はこの世界の行き着くところを想像すると恐ろしくなる。

 

歴史を振り返ると、まったく同じ状況は存在しないが、不幸へと突き進む同じメカニズムが働いているように思える。

それは一度、蟻地獄に落ちると、もがけばもがくほど抜け出せなくなる状況と似ている。

 

それでは幾つかの恐怖の正体を見て行きましょう。

 

 

米国で起きていること

如何に大統領が変わろうと、世界最大級の投資銀行ゴールドマン・サックスの幹部が必ずホワイトハウスで経済と金融政策を担当することになる。

クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプなどが、選挙戦で如何に綺麗ごと―金持ちの味方ではなく庶民の味方だと、言っていても同じ結果になる。

それはなぜなのか、ゴールドマン・サックスの彼らが、ずば抜けて優秀で強欲だからか、それとも経済運営と選挙資金集めに不可欠だからか。

 

細かい解説は専門家に任せて、我々は全体を俯瞰することで米国の空恐ろしい状況を知ることが出来るはずです。

これから語ることは厳密さよりも大きな流れを感じることを目指しています。

 

 

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< 2. 米国の大統領選挙費用の推移 >

 

選挙費用は年を追って巨額になっている。

集金能力の高い人か、はたまた自分のポケットマネーで選挙費用を賄える超金持ちしか大統領になれない。

結局、選挙を制するのは資金の多寡かもしれない。

 

 

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< 3.ゴールドマン・サックスの業績 >

 

この20年間、この投資銀行の業績はうなぎ登りと言える。

この間、この企業は大きな問題だけでも、1998年のLTCMヘッジファンドの破綻、2007年のサブプライムローン、2010年のゴールドマン・ショックなどに関わって来た。

この手の金融企業大手(ビッグ・シックス)は、米国だけでなくメキシコ、ロシア、アジア、ヨーロッパなど、それこそグローバルに世界経済を危険に陥れる投機に走り、その都度ホワイトハウスに助けられ飛躍し、我が世の春を謳歌している。

尚、クリントン政権の誕生は1993年でした。

 

 

例えばヘッジファンドに限て見てみよう。注釈1.

米国のファンドマネージャーが2015年の1年で1700億円を稼ぎました。

これは一つの産業の売り上げではなく一個人の収入なのです。

米国のヘッジファンドの運用総額は300兆円弱あり、毎年の運用益10%、マネージャーの成功報酬20%として6兆円をマネージャーが山分けすることになります。

当然、投資・投機の運用総額はこれの数倍あり、これに釣られて強欲に走るのは無理のないことかもしれない。

誰かが監視すべきだが・・・・。

 

なぜ毎年運用益の実績が10%近くあるのでしょうか?

通常、莫大な資金を製造業に投資してこれだけの利益を出し続けるのは不可能です。

方法としては、画期的なコンピューター・プログラムで株等の自動取引を行い莫大な利鞘を稼ぐか、はたまた企業買収を繰り返す手があります。

しかし最も稼いだのは一国の為替取引やサブプライムローン(不良債権を紛れ込ました証券)の売買でした。

その売買はレバレッジ(担保なしの高額の借金)を利かせた先物取引等で行われます。

 

この一見合法的な取引の果てに、毎回、世界各国は金融危機に陥り、多くの失業者と命を縮めた人々を生み出して来たのです。

不思議な事に彼らが成功しても失敗しても、ほぼ同じ結果になります。

言い換えれば、そこには必ず強奪された莫大な資金か、強奪に失敗した莫大な借金があるからです。

 

彼らは優秀な頭脳によって日々新たな方法を開発し、儲かるとあればどのようなものでも互いに先を競って売買します。

その結果が国家や国民を如何に破綻に追い込むかは、彼らには無縁で、責めを受けることもほとんどありません。

金額が巨額なだけに失敗した時、国は必ず彼らを助け、多少見逃してくれるし、頼めば規制を取り除いてくれる(政治家に見返りが入る)。

 

しかし彼らが稼ぐ為に最も不可欠なものとは何でしょうか?

それは国が貨幣供給量を増やし続けることです。

一度、貨幣発行をゼロにすればその効果がわかるのですが、他の経済活動も停止してしまうので出来ません(恐慌)。

もっとも中国のように強引に投機資金を制御すれば別ですが。

 

 

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< 4.米国の貨幣供給量 >

 

Ⅿ2(赤い線):現金通貨と国内銀行等に預けられた預金を合計したもの。

簡単に言えば、景気が良くて経済成長する時は赤線の貨幣供給量が増大します。

しかし増加し過ぎるとバブルが発生しますので、中央銀行は調整します。

 

現在、世界の多くが貨幣供給量を増やし続ける政策を採っていますが、中でも米国は際立って多い。

日本はアベノミックスの前までは、長らく貨幣供給量を押さえてバブル発生を抑えて来ました。

 

 

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< 5.米国の商業銀行の収益 >

 

貨幣供給量が増え始める1980年代から、金利以外(投資・投機)による収入が増加しているのがわかる。

最近のデーターはないのだが、その後を予想することは可能です。

これが金融界に富をもたらし、この富によって大統領選挙を通じてホワイトハウスが支配され、さらに富が一部の金融家に集中するようになったと考えられる。

尚、この端緒は1981年のレーガン大統領誕生でしょう。

 

20世紀の始め、世界は米国発の大恐慌とそれに端を発する世界大戦を経験し、米国は先頭を切って元凶となった無謀な金融行為を禁止する法を制定した。

しかし米国の規制緩和、俗に言う金持ち優先の政策はその後、表面を繕いながら着実に進められて来た。

米国民はなぜこの経済・金融政策の転換を傍観して来たのか?

一つには、ホワイトハウスが「米国の経済・金融がグローバルな競争に生き残る為の規制緩和が必要」と説明して来たからでした(他にも理由はある)。

この1933年に制定されたグラス・スティーガル法(規制法)は、1999年ついに廃止された。

 

 

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< 6.米国政府の債務 >

 

国民は米国の金融が世界をリードすれば米国経済は復活すると信じ込まされて来た。

国民は確かにバブル絶頂期の度にそれを確信することが出来ただろうが、必ず訪れるバブル崩壊後、また裏切られることになる。

 

この裏で、国民がおそらく実感していない深刻なことが起こっていた。

世界経済を幾度も破綻寸前まで追い込んだ金融家達を、ホワイトハウスは恐慌にしない為と言い、莫大な公的資金をつぎ込んで救って来た。

それは数百兆円の国債発行となって累積債務が膨らみ続けている。注釈2.

現在、一人で毎年数十億円を越える所得を得る強欲な金融エリート達が蔓延る一方、将来、その後始末として国民はその借金を広く負担することになる。

おそらくインフレか増税で、これは所得の低い人ほど厳しく圧し掛かる。

 

こうして、危険な博打うち(投機的な金融家)ほど高収入を得て、博打が失敗したら国が助け累積債務を増大させて来た。

 

 

 

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< 7.米国の所得 >

 

一方、米国民が選挙で必死に選んだ大統領は何をしてくれたのだろうか。

馬鹿げたことに、1980年代から米国の富がほんの一部の金持ちだけに集まる仕組みをホワイトハウスが作っただけだった(税制と金融政策が大きい)。

 

これでは溺れるも者は藁をも掴むとの諺通りであって、トランプを選んだ人々を責めるのは酷かもしれない。

別の選択もあったかもしれないが・・・・。

 

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問題を要約してみよう

一つの問題は、あたかも地球が強欲な金融資産家らによって牛耳られるようになったことです。

 

この端緒は20世紀始めの米国に遡るが、1980年代より本格化し、欧米が自由主義経済圏の中で競っている内に、各国がこの泥沼から抜け出すことが出来なくなってしまった。

 

各国は競争の為に労働者の賃金や法人税、為替で叩き売りをせざるを得なくなった。

またあらゆる企業は巨大化し、規制を外すことで競争に勝たなければならなかった。

 

さらにインフレ退治と兌換紙幣の制約から逃れる為に、世界各国は自由な貨幣供給体制を選択し、自国の経済成長を自在に制御することを目指した。

この過程で、金融資産家が米国を筆頭に幅を利かせるようになっていった。

そして現在の状況に陥ってしまった。

 

この状況は、今までになかった新しいタイプの災厄だろう。

 

歴史を紐解くと、ロ―マの衰亡に似ているかもしれない。

ローマは初期に共和制だったが、軍によって領土拡大と成長を続ける内に軍が実権を掌握し、帝政へと変貌する。

しかし、軍の維持と特権層による富の集中(圧倒的多数になった貧困層)はやがて社会を疲弊させた。

そしてあれほど巨大さを誇ったローマは、いとも簡単に野蛮な民族に打ち破られた。

 

これからの米国は軍産共同体だけでなく、むしろ自己増殖する金融資産家らに益々支配されていくことだろう。

このメカニズムはまったくローマと一緒と言える。

 

つまり自己崩壊するか、他者により止めを刺されるまで暴走し続けるしかないのかもしれない。

 

 

もう一つ恐れていることがある

上記の状況分析は心ある学者により既に指摘され続けていたことで、私はこのブログで幾度も書いて来た。

一言で言えば、後ろから押されて崖っぷちに追い込まれているのに身動き出来ない恐ろしさです。

 

問題は、現代文明をリードする国民が、この自明とも言える状況を今まで何ら改善出来ず、むしろ加速させて来たことです。

そしてついにトランプと言う危険なカードを引いてしまった。

無害で済めばよいのだが。

米国の状況は今後、雪だるま式に歪が拡大することになるか、予想外に早く崩壊するかもしれない。

その引き金がトランプでなければ良いのですが。

 

なぜ人々は、この状況を変えることが出来なかったのか?

考えられるのは米国民がこの事実を知らないからか、またはカモフラージュされて見えていないからか。

それとも例え皆が知っていても、現状の大統領選挙制度等では国民の望む改善が出来ないと諦めているからか。

 

 

 

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< 9. 米国のGDPと失業率 >

 

トランプが非難したNAFTA(1994年の北米自由貿易協定)は逆に米国の失業を減らしているように見える。

失業を増やしたのはバブル崩壊です。

 

 

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< 10. 米国の人種別失業率 >

 

このグラフからは、今回、トランプを選んだラストベルトの白人労働者が訴えた、移民によって職を奪われたと言うことを確認出来ません。

むしろ白人の失業率は低く、アジア人を除いてヒスパニックや黒人の失業率が拡大している。

 

つまりメキシコが悪の元凶だとは言えないのに、スケープゴートすることにより国民を真の問題から遠ざけているように思える。

そして大半の人々がその手に乗せられたと言える。

 

この状況で思い当たるのは、ナチスの行ったことです。

ヒトラーがドイツ国民を煽動する為に訴えたのは「ユダヤ人排斥、共産主義排除、軍事力による帝国の再興」でした。

この内、ユダヤ人排斥は帝国の再興に最も意味をなさないように思えるが、国民の憎悪を高め、国民を一つにまとめるには有効だった。

これでヒトラーは力を得たが、その一方で無実の人々が多数死んでいった。

 

歴史上、このような壮絶な例は他にはないだろうが、国内問題や真の問題から目を逸らす為に為政者はスケープゴートを繰り返して来た。

トランプの成功の一つは、この巧みさにあったと言える。

この手のまやかしが上手いことと、国民の為の政治を上手く行えることとは別です。

 

残念なことに、今、現代文明をリードする先進諸国で、あたかも共鳴するように同じ扇情、スケープゴート、が起こっている。

 

私はこの扇情に踊らされている状況を恐れています。

 

 

実は、世界はこれと関わりながら新たな恐怖に晒されつつあるのです。

そのことについて次回考察します。

 

 

 

注釈1.

「超一極集中社会アメリカの暴走」小林由美著、p76-79.

 

注釈2.

「大統領を操るバンカーたち」ノミ・プリンス著、p350.

 

 

 

 

 

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平成イソップ物語 15: 「津波とモグラ」の補足


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< 1.津波で残った一本松 >

 

 

前回投稿した「津波とモグラ」が何を意味しているのか解らないとの意見がありました。

ご指摘の通りだと思います。

ここに陳謝し、蛇足ながら説明したいと思います。

 

 

私が言いたかったこと

 

人々は今ある恐怖や不安に囚われて、往々にして理性的な判断が出来ず、目先の安心に飛びついてしまうことがある。

 

これは危機を先延ばするだけでなく、より深めることになる。

 

この手の愚を、社会は幾度も繰り返して来ました。

 

そして、この傾向は今の日本や欧米で顕著です。

 

 

 

 

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ミサイル防衛について

ここ数日、北朝鮮のミサイルに関して政府や与党からミサイル防衛や日米同盟の必要性が強調されています。

この意味を考えてみましょう。

 

例えば、迎撃ミサイルシステム(サード、パトリオット)を考えます。

日本が無数のイージス艦を日本海に配備し、陸上配備の迎撃ミサイルを全土に20km毎に配備しようが、北朝鮮のミサイルを完全に防ぐことは出来ません。

それはなぜでしょうか?

 

色々、想定できますが、一つは偽装船による近海からのミサイル発射です。

北朝鮮がこの技術を獲得するのは簡単です。

こうなれば、首都ぐらいは守れても本土全体を守ることは出来ないでしょう。

 

この手の落とし穴や矛盾はかつての米ソの核開発競争を振り返れば歴然としています。

核兵器の進歩はその都度、米ソの核ミサイル防衛構想を無に帰して来ました、例えば潜水艦発射ミサイルの普及のように。

結局は、互いに完全に破壊し尽くす体制をとることで、互いが馬鹿な攻撃を自制するだろうと言うことに落ち着いた。

米国の核戦略担当者から見ればこれも立派な抑止力でしょうが。

そして膨大な数の核兵器を作り、現在、大量の核ゴミに困っている。

 

ミサイル防衛は完璧ではなく、その後の多国間のミサイル開発競争を促進させるだけなのです。

例えば、イスラエルに核兵器を持たせたことによりイランが対抗して核開発を望んだように、またインドとパキスタンの関係も同じで、連鎖し拡大するのです。

一方、完全な迎撃ではなく抑止力を高める為に核兵器を保有する話もあります。

そこには相手が良識ある判断をするものと想定している落とし穴があるのです。

例えば、狂気のヒトラーにそれを期待出来たでしょうか?

特に核ミサイルについては、残念ながら物理的な迎撃手段は絶望的でしょう。

 

つまりミサイル防衛システム「モグラの堤」を作って、一時期のミサイルの脅威「津波」を防いだとしても、次の脅威の発生を招くことになるだけなのです。

むしろ抜本的な手を打つべきなのです。

そして新たな危機の前兆が「地中の水の流れ」であり、新たな危機が「洪水」でした。

一番の問題は、一時の安心の為に根本的な解決策を遠ざけてしまうことなのです。

この手の愚行は、かっての世界も現在の世界でもまかり通っているようです。

 

「モグラの母子が高台に逃れた」のは消極策のように見えるが、扇情に惑わされず、「津波と洪水」のどちらに対しても完璧な策を選んだことを示しています。

 

 

それであればどうすれば良いのでしょうか?

私は中国を動かすしかないと考えています。

中国は得体の知れない国ですが、例えば発展途上国への援助姿勢に良い変化が見られるように、私達は中国のすべてを拒否すべきではないでしょう。注釈1.

 

北朝鮮をいままで支えて来たのは、かつてはロシア、そして今は中国です。

中国にとっての北朝鮮は、かつての大日本帝国の防波堤であった朝鮮半島のような存在なので、中国はそう簡単には手放さないでしょうが。

しかし北朝鮮の暴挙を封じ込めるには中国しかないでしょう。

 

残念ながら、今の日本には中国を動かす力もなければ、相手も応じないでしょう。

なにせ現在、最も敵対しているのですから。

 

 

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少し全体像を俯瞰してみましょう

今、世界はイスラム国のテロに翻弄され、益々敵愾心むき出しの危険な状況に陥ろうとしています。

 

何がこの状況を作ったのでしょうか?

良く知らているように、この発端は9.11事件後の米国のイラク進攻にありました。

 

要点を言えば、米国がイラクの国家機能を完全に破壊したことにより、無法と無秩序の中からイスラム国が増殖して来ました。

私の連載「中東に平和を」でも解説しています。

この愚かな進攻は、大統領の人気、軍需産業と石油産業に恩恵をもたらしただけです。

これにより中東と世界が混迷しただけでなく、米国自身も莫大な国税(300兆円)を使い、この後、マスコミはホワイトハウスに従順になると言う大きな代償を払うことになりました。

 

リーダーの受け狙いの行動が、世界を困惑させた最も分かり易い例と言えるでしょう。

米国は世界の警察として重要な役割を果たしたこともあるが、一方でベトナム戦争のようにとてつもなく愚かな戦争もしている。

 

この点を鑑みれば、いつまでも米国に盲従して行くことは危険です。

きっとこのように言えば、誰が日本を守ってくれるのだとお叱りを受けることになるでしょう。

 

その答えは、米国が守ろうとしたベトナムの末路を見ればわかります。

米国は、南ベトナムの傀儡政権を守る為に、ベトナム全土を焦土にし、800万人が死にました。

 

なぜなら米国にとって最大の関心事は共産化を太平洋の果てで食い止める事にあったのですから。

もっとも北ベトナムと言う敵があってのことですが。

どちらにしてもこの愚かな戦争拡大の経緯は私の連載「戦争の誤謬:ベトナム戦争」で解説しています。

 

いざ有事の時に何が日本列島で起きるかは容易に予想がつくはずです。

もっとも小規模な衝突で紛争が止まるなら、日米同盟は役に立つかもしれませんが。

 

私が心配する大きな危機の一つがこれです。

 

 

最後に

上記に示したような危機への対応を寓話に例えることに無理がありました。

しかし、理詰めで説明するだけでは、今起きている危機を身近に感じることが難しいとも思っています。

 

これからも世界の歴史、社会、経済、文化について懲りることなく書いていきますが、よろしくご理解のほどをお願いします。

ご意見と批判を歓迎しますので、どしどし御寄せください。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

注釈1.

JICAの研究員が指摘されていました。

この人は、世界各地の開発支援をつぶさに視察されたそうです。

以前は、中国が発展途上国に融資し建設し始めると、多くの中国人労働者が現地で工事をしていた。

その後、現地からの指摘があって中国は方針を変更し、現在は建設現場に中国人がほとんどいないそうです。

中国の融資額は増えているそうです。

私達の知らないところで、中国に変化が起きているのです。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 54: 捨てることが出来るか


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誰しも既存のものに固執していると、発展のチャンスを失うことがある。

しかし、なかなか馴れ親しんでいるものをキッパリと捨て去ることは難しい。

今の社会について、少し考えてみましょう。

 

 

はじめに

手描きで行っていたデザインを、これからパソコンで描きなさいと言われれば、特に年配者には苦痛だろう。

慣れたやり方を捨てるのは辛いものです。

 

一念発起して海外に飛躍を求めるなら、人は友や故郷と別れなければならない。

サラリーマンは定年退職すると、それまでの収入や地位を捨てなければならない。

買った物を捨てることが出来ない人は、やがて家中が不用品で一杯になってしまうだろう。

 

捨てることは、結構辛い意思決定を伴います。

 

しかし今日、皆さんと考えたい問題は、社会や人類の未来についてです。

 

私達は多くの新しい技術や社会システム、思想を得て進歩して来ました。

一方で、私達は同時に多くのものを捨てて来ました。

 

我々が特別に意識せずとも、古いものが自然と廃れていくこともありますが、逆になかなか捨てることが困難な場合もあります。

 

知って頂きたい事は、かつて人類が捨てることを英断し、新しい局面を切り開いて来た事実です。

これなくして今の人類社会はなかったのです。

 

 

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人類は何を捨てて来たのか?

最も古いものとしては、四足歩行ではないでしょうか。

二足歩行で手が使えるようになった化石人類は、早く走れて安定性のある四足歩行を捨てることになりました。

 

歴史時代になって、人類は科学的な思考を取り入れたことにより多くの事を捨てて来ました。

それまで人々は病気や不幸の多くは、遥か昔の因果や実体のない穢れなどによると考えていました。

医学や技術の進歩と共に、これらは迷信と見なされ廃れて行きました。

新しい宗教を生み出したイエスや釈迦、孔子でさえ、一歩進んだ科学的理解を持っていました。

 

これらは長い年月をかけて発展し人類に多大な影響を与えました。

 

身近なもので、陳腐になってしまったものにはどのようなものがあるでしょか?

レコード盤、そろばん、戦艦大和などは明快な例でしょう。

いずれもこれら道具や武器は性能が劣ってしまったので使われなくなりました。

これらの転換を止めることは難しい。

 

逆に転換が困難なものもあります。

フロンガス、洗浄用の有機溶剤、自動車の排ガスなどです。

 

フロンガスはオゾン層を破壊することがわかり、現在、世界が協力して使用制限を行っています。

毒性の強い有機溶剤や排ガスも規制されるようになりました。

これらの規制は、社会の安全性の点からは必要なものでしたが、経済コストとの兼ね合いで、産業界から強い反対がありました。

 

逆の事例もあります。

日本が石炭から石油に転換を図る時、落命の危険がありながらも失業を恐れた労働者側は転換に反対しました。

一方、産業界側は石油の方がコスト的に優位だったこともあり、大きな労働争議となったが、結局、転換が図られました。

これで良かったのですが。

 

 

今の社会の礎となっているもので、大きな発想の転換が必要だったものには何があったでしょうか?

 

土地所有、特許状、株式会社、金本位制などは大きな転機となりました。

 

古くは、部族社会において土地は概ね共有であり私有ではありませんでした。

 

かって特許状の主なものは、王が恣意的に商人などに独占権を与えていたのですが、やがて、画期的な発明に対して国が発明家に独占権を与えるようになりました。

 

以前、事業者は負債を全額返済すべきでしたが、株式会社になると出資金(資本)の範囲だけの返済責務を負うだけになりました。

 

現在の経済と産業の発展は、この三つの要素が機能してこそだと言えます。

 

かつて金本位制は国家経済の安定に不可欠だと考えられていました。

貨幣が金に兌換出来ることで信用が得られ、また国も金保有量に応じた歳出しか出来ず、野放図を抑えることになりました。

現在は、これを放棄することにより経済成長(金融)を比較的自由にコントロール出来るようになりました。

 

我々は個人から国家、世界まで多くの事と決別して来たのです。

 

 

何が問題なのか?

人類と社会はより良くなるために、かつての栄光や習慣的なもの、また危険で害を及ぼす物など使用を止めるようになりました。

 

規模の大きい転換はけっして容易ではなく、あらゆる既得権益層(産業側や労働側など)の抵抗がありました。

また人々の意識転換が必要なものもありました。

 

今、私が問題だと思うのは二つです。

 

一つは原子力産業です。

福島の原発事故被害の甚大さ、東芝の原子力事業の膨大な負債を見れば、これからも国が原子力産業を推し進めてくべきものとは思えません。

これは単純に既得権益層の擁護と惰性から続けているだけに過ぎない。

 

人類が幾度も乗り越えて来た捨てることの英断を、今こそ行うべきです。

 

 

いま一つは、トランプ現象と関わる問題です。

米国が主導して来た野放図なグロ―バル化によって、米国の中間層以下の労働者は仕事を無くして来ました。

 

グローバル化は世界にとって必然であり、国全体として経済的メリットを享受することは明らかです。

しかし、各国の競争力のない産業はやがて衰退する運命にあることも明白です。

この部分が、あたかも自己責任として放置されて来た結果、不満が爆発した。

 

ここに二つの問題があります。

一つは、グローバル化の恩恵が偏在しており、逆にそのしわ寄せが労働者にのしかかり続けていたのです。

つまり所得格差で拡大であり、米国は特に大きくなっています

これは政府サイドの問題です。

 

もう一つは、労働者側の問題です。

誰しも仕事していれば理解出来るはずです。

皆さんは作業方法の変化や、製品と業種の栄枯盛衰を身に染みて感じているはずです。

すべて国任せで、仕事や企業の衰退を補うことは出来ません。

 

やはり、自ら変化や衰退に備えて、自己の革新を日頃から行わなければなりません。

今や米国は、かっての英国病のように、国力の衰退だけでなく、精神的にも衰退しているようです。

 

 

何が大事なのか?

国政でも、個人でも、既成や惰性と決別し、前に向かっていく心意気をもたなくてはいけない。

 

それが出来ない社会は衰退するしかいないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 52: トランプの評価を巡って


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不思議なことがある。

大衆はなぜ突如として極端な行動に出るのだろうか?

トランプ大統領の選択がその好例です。

 

不思議なこと

私はトランプに関する本を6冊読んだが、トランプ大統領の評価は混乱している。

 

彼の就任は悪化している米国の現れか、彼の希代の才能ゆえか、それとも何かの間違いか?

我々は彼に期待すべきか、はたまた最悪の事態に備えるべきか?

これは世界にとって吉兆なのか、それとも凶兆なのか?

 

これら相矛盾する評価から、米国社会と世界の混沌が見えて来ます。

 

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相矛盾する評価

 

*トランプ氏に対する評価

意見は大きく二つに分かれる。

 

トランプを高評価する人は、彼は群を抜いた交渉力を持ち、幾多の困難を乗り越えたビジネスマンで、機を見るに敏だと言う。

また彼は自己資金で戦ったので既成勢力と無縁で、正直者だからと期待されている。

 

彼を否定する人は、彼は感情的、ナルシスト、守銭奴だから信用出来ないと言う。

また彼は政治経験がなく、極右で、煽動家だから危険だとされている。

 

 

*トランプ氏が選ばれた背景

概ね以下のように要約できる。

 

幾多の有力候補やヒラリーが嫌われ、投票率が低い背景に、ホワイトハウスへの根深い不信感があり、大衆は既成政治との断絶を求めた。

さらに白人層の危機感と女性蔑視が大きく作用した。

 

彼は大衆の不満(移民、ムスリム、派兵、失業など)を積極的に取り上げ、既成概念に囚われない解決法を示した。

それをデマゴーグと非難するマスコミと他候補に対して、彼は悪態とメール発信でやり込めることが出来た。

 

彼はテレビ番組の人気者であったが、当初、泡沫候補と見られていて、マスコミは興味本位に彼を扱ったことより、露出度が非常に高まった。

マスコミは彼の人気が出てから批判を始めたが、既成勢力と非難され、逆効果となった。

 

他に、米国における闇の支配者などの陰謀説もある。

 

 

*著者たちのトランプ大統領の評価

 

彼をレーガンやエリツインになぞらえ、彼こそが米国で創造的破壊を起こしてくれるとの期待がある。

確かに、他の候補では超富裕層による支配、戦争継続、移民増大、格差拡大が続く可能性がある。

 

当然、危険視する意見もある。

彼のほとんどの解決策はデタラメで、特に経済政策、結局は米国と世界を混乱に陥れる可能性が高いと見られている。

 

結局、ジリ貧になっていく白人層は、溺れる者は藁をも掴む心境のようだ。

日本もこうならないように願いたいのだが。

 

 

様々な疑問

 

A: 経済に創造的破壊は必要だが、大統領が旗を振ってうまく行くのだろうか?

 

歴史的には、イギリスの産業革命などのように、良い創造的破壊が起きる時は、それぞれの利益を代表する集団が交渉し妥協しながら自由裁量権を得て、イノベーションへの意欲が持続する時です。

残念ながら、現状は金権政治(超富裕層による支配)で社会の調整機能が失われているのですが。

 

彼が進める公害防止や金融規制などの緩和・撤廃、また相続税廃止などの富裕層減税は、明らかに弱者を増やすだけで、創造的破壊とは別物です。

 

世界を牽引している米国の情報通信などのイノベーションは政府の関与とは言えない、また移民も大きく関わっている。

 

 

 

B: 大統領に破壊を期待すると、何が起きるか?

 

レーガンの経済政策により、後に米国は双子の赤字と格差拡大で苦しむことになり、日本は円高を飲まされることになった。

 

エリツィンの経済政策により、ロシアはハイパーインフレを起こし経済破綻し、プーチンの独裁を招くことになった。

 

ヒトラーの例は既に述べました。

 

レーガンはインフレを抑制し冷戦終了を導いた、またエリツィンはソ連崩壊と共産経済の低迷からの脱出を導いたと言える。

 

結局、国民は混乱に備え、相当の覚悟が必要です。

 

 

 

C: 大統領に人格や見識は必要ないのだろうか?

 

例えば、彼は数度の倒産にもめげず大富豪に成り得たのだから素晴らしい胆力と能力を持っていると評価される。

見方を替えれば、幾度も借金を踏み倒し、従業員を路頭に迷わせたのだから、無計画で無責任な人間とも言える。

 

実際、彼のビジネス手法には違法まがいが目立ち、また脱税(節税)しているらしい。

はたしてこのような人物に国を任して良いのだろうか。

 

 

D: トランプを期待する心理の不思議。

 

概ねトランプを評価する著者らは共和党寄りのように思える。

彼らは民主党政権には辛辣だが、共和党への悪口がまったくない共通点がある。

逆も真なりですが。

 

例えば、ヒラリーは多額の献金を受け、戦争を拡大させ、裏で汚い事をしていると罵る。

また民主党政権は中東で手を打たなかったから戦火が拡大したと言い、一方でトランプは外国に干渉しないから、世界は平和になるとも言う。

中東を大きく混乱させたのはブッシュ親子だと思うのだが。

 

私は、どっちもどっちで、まだ民主党の方が少しましなように思えるが。

 

また、盛んに陰謀論を唱える福島隆彦は2016年7月出版の本で、ロックフェラーがトランプに決めたと自慢げに書いている。注釈1。

キッシンジャーとトランプの娘婿の父親は共にユダヤ系の大物であり、彼らが仲介したと説得的でした。

 

しかしその年の4月の彼の本を見ると、ロックフェラーがヒラリーに決めたと書いていた。注釈2.

 

陰謀論は読んでいてワクワクするが、少し考えれば腑に落ちないことが見えてくる。

 

 

まとめ

やはり、米国は病んでいる。

米国主導のグローバリズムによって世界も病んでいる。

グローバリズムが悪いわけでは無いが、自由放任が悪い。

 

いつしか、既得権益層が社会を牛耳り、格差拡大が蔓延し、大衆の団結を防ぐ為に疑心暗鬼が煽られ、分断が深まった。

そして社会を変えられない大衆が焦り、そしてポピュリズムによる大きな左右への揺れが起きた。

 

この状況は、帝国主義やファシズムを生み出した社会と酷似しているように思えるのだが。

この時も、ナショナリズムと保護主義が世界に蔓延して行き、2度の大戦へと繋がった、

 

皆さん、どうか自分の身を守る術を考えておいてください。

 

 

 

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参考文献の紹介

*「トランプがはじめた21世紀の南北戦争: アメリカ大統領選2016 」

渡辺由佳里著、2017年1月刊。

 

彼女は米国で長年暮らしているジャーナリスト。

この度の大統領選の集会などを直に取材し、市民の眼からレポートしている。

トランプを支持する人々(主に白人)の実態が良く伝わってくる。

彼女はヒラリー寄りで、リベラル派の惨敗に気落ちしている。

 

 

*「トランプ政権でこうなる! 日本経済 」

岩崎博充著、2016年12月刊。

 

彼は日本在住の経済ジャーナリスト。

この大統領選挙を取材ではなく資料や本から分析しているようです。

トランプが選ばれた背景を妥当な情報で分かりやすく解説している。

私の感じでは、中立的な立場で、トランプ政権の今後を占っている。

彼はトランプによって災いが起きることを恐れている。

 

 

*「なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか? 」

佐藤 則男著、2015年11月刊。

 

彼はニューヨーク在住40年を超えるジャーナリスト。

書かれたのが序盤戦(予備選)の時期なので切実感はないが、米国大統領選の裏表を見せてくれる。

また序盤でのトランプへの悪評とヒラリーへの嫌悪感がよく伝わってくる。

彼は共和党寄りです。

 

 

*「トランプ大統領とアメリカの真実」

副島隆彦著、2016年7月刊。

 

彼はアメリカ政治思想研究の第一人者と自称している。

大統領選が混沌としている中で、早々とトランプで決まりと発言している。

本は読んでいて面白い。

米国の政治思想史や支配層の人脈を縦横に駆使しながら大統領選を鮮やかに分析している。

陰謀説で、踏み込んで断定する割には、2017年2月20現在において、多くが外れている。

極端で眉唾ものと思って読む分にはよい。

なぜか、この手の本はアマゾンでは評価が高い・・・。

 

 

*「『闇の支配者』最後の日々」

ベンジャミン・フルフォード著、2016年4月刊。

 

彼はカナダ出身のジャーナリストで日本に帰化。

この本ではトランプは扱われていませんが、米国の裏側を知りたいと思って読みました。

日本、米国、世界を股にかける闇の支配者が出て来ます。

私には、真贋を検証する力がありませんので、途中で放棄しました。

これもアマゾンでは評価が高い・・・。

 

 

*「トランプ・シフト これからの世界経済に備える14のこと」

塚口直史著、2016年12月刊。

 

彼は大成功しているヘッジファンドマネージャーで、世界の政治史にも見識がある。

この本は、トランプ後の世界の経済・金融を理解するには必見です。

経済用語が出て来て読みづらいところはあるが、読めば世界の現状と混乱の広がる様子を知ることが出来ます。

日本のアベノミクス、日銀政策についても明快な判定を下しています。

 

彼は、現実に大きな資金を運用する立場にある為、この危機にあって、今は様子待ち(手元流動性を高め)を行い、しっかりと備えるべきと警鐘を鳴らしています。

 

私がトランプの次に恐れているのは、中国経済の崩壊ですが、これがトランプによって更に悪化するかもしれない。

世界の悲運は、政府の些細な判断ミスや外交ミスの積み重ねで訪れるものです。

 

これで終わります。

 

 

注釈1

既述の「トランプ大統領とアメリカの真実」

 

 

注釈2

「マイナス金利「税」で凍りつく日本経済」副島 隆彦 著。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 51: 忠犬の何が悪いのか?


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日本の未来は安倍首相の肩にかかっている。
去年まで、日本の政治は規定路線の延長から右旋回を始めたぐらいに思えた。
しかし、今回の日米首脳会談で、ある恐れが現実のものになった。

 
何が恐ろしいのか?
アベノミクスは変化があっても、せいぜいバブルの後に、より深い経済と財政の悪化を招くだけでしょう。
それは欧米の長年の悪戦苦闘の結果を見ればわかります。
それを遅れて真似ただけなのですから。

私が最も恐れるのは日本の安全保障です。
ここで二つの視点があります。

一つは、アジア大陸からの侵略です。
仮に中国や北朝鮮、ロシアが攻めて来た場合、まして核弾頭が撃ち込まれれば一たまりもありません。注釈1.
米国が後ろ盾になっていれば安心と思うのも無理はありません。

一方で、大戦後を振り返ればあることに気付きます。
戦争は核弾頭によるものではなくて、大国の周辺で果てしなき代理戦争が行われたことです。

ここで問題になるのは、日本の立位置です。
米国と敵対するのは危険ですが、さりとて、かつて侵略した中国と敵対するのも危険です。
やはり、ここはEUのように米国から一歩引いて民主主義と平和を守る自由主義圏の同胞として付き合うのが無難でしょう。

最大の問題は別にあります。
それは米国への従属です。
これは今までも議論されて来ましたが、今回、その懸念は現実のものとなった。

米国への従属がなぜ悪いのでしょうか?
中東やベトナム、アフガンの紛争を見ていると、米国は現地に親米政権(傀儡政権)を作り、望んでいたとまでは言えないが、代理戦争の一方の旗頭に祭り上げ、その結果、国民はどん底に叩き落された。
始めは米兵が世界の正義のために血を流してくれていたのですが、徐々に様変わりし、現在、現地は最新兵器の償却の場となった観がある。
歴史的に見て、欧米は異民族、異教徒を最後には利用するだけになった場合が多い。

 

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日本は米国の属国になったのか?
これが問題です。
簡単に言えば、米国に操られ、言いなりになり、挙句は捨て駒になってしまうことが悲しいのです。

実は、私はこの手の情報を様々な本から知る機会があっても、今まで確証はなかった。
しかし、今は確信に近いものがあり、放置すると危険であり、早急に手を打つべきと考えます。

安倍政権になってからの米国寄りの姿勢、ましてや今回の首相の訪米を見ていると、露骨な米国追従です。
トランプ氏の発言を聞く限り、大方のEU首脳の反応こそが世界の平和と安全には正しいと思います。

しかし、今の日本はやわな指摘では済まされない状況にある。

特定秘密保護法や共謀罪の強引な成立には裏があったのです。
この一連の法整備には違和感があった。
かつての治安維持法の恐ろしさを知っていれば、強行採決など出来なかったはずです。

実は、これは米国から日本への指示だったのです。
小笠原みどり著「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」2016年11月刊(p90)でスノーデンが暴露しています。

彼は米国のアメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の優秀な元局員で、横田基地のNSAでも業務していた。
彼は米国の悪辣な諜報行為、米国民だけでなく同盟諸国すら盗聴し監視する体制の底なしの闇に恐怖と怒りを持った。
最初、彼は長官に事実の公表を求めたが、否定されたので暴露せざるを得なくなった。

私はグリーンウォルド著「暴露:スノーデンが私に託したファイル」も読んでいますが、彼の米国を想い、将来を憂う真摯な態度に感銘を受けた。

一方、日本はこのように扱われても米国に対して全く異論を唱えない。
当然、防諜対策も米国への逆の諜報活動もしない。
実に今の日本政府は従順な忠犬というところでしょうか。

 

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忠犬のどこが悪いのか?
きっとこんな指摘をする人がいるはずです。

実は、忠犬が悪いのでは無く、国民が知らない内に米国に操られていることなのです。

例えば、米情報機関は電話やメールをすべて盗聴しているので、政府にとって都合の悪い官僚や政治家の秘密を握り、マスコミに情報を流して、簡単に追い落とすことが出来ました。
現実に、米国ではベトナム戦争反対派の封じ込めなどの常套手段でした。

当然、日本でも行われており、確証とまでは言えませんが、野党や中国寄りの政治家などの追い落としは孫崎享著「戦後史の正体」で指摘されています。
日本での米情報機関による大々的な盗聴は揺るがない事実ですが、日本政府が何処まで積極的に追従しているかは闇の中です。

これを陰謀説と一笑に付することも出来ますが、ロシアのKGB出身のプーチン大統領、かつての東欧共産圏の監視社会などを思い起こせば、空恐ろしくなるはずです。
これは世界各国の政治史、宮廷ドラマではありふれた謀略に過ぎない。

米国の監視社会は世界にとっても危険の極みにあり、他山の石ではない。

 

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結論
日本は米国への盲従を止め、少なくとも米国の監視下から脱して、EUの首脳並みの態度が取れるように方向を修正すべきです。
放置すれば、やがて大陸の境界に位置する日本列島は代理戦争の大きな災厄に見舞われるでしょう。

どうか、歴史を自力で確認し、何が真実かを見極めて頂きたい。

唯々、祈るばかりです。
「南無阿弥陀仏、アーメン、アッラー・・・」

 

 

注釈1.
迎撃ミサイルによる防御には限界があり、非現実的です。
このことは他の記事で幾度も解説しています。
実際問題、米ソの核開発競争を振り返れば、答えが無くて、その結果、核弾頭の廃棄物が山のように溜まっただけでした。

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Bring peace to the Middle East! 68: Why was it exhausted ? 6: The period background of imperialism 1


中東に平和を! 68: なぜ疲弊したのか 6: 帝国主義の時代背景 1

 

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We have seen who has scattered the disaster to the world until now.
It seemed like ordinary people fascinated by demons.
However, this eventually will push our world into the mire.

これまで誰が世界に災厄を撒き散らしたのかを見て来ました。
それは悪魔に魅入られた普通の人々のように思える。
しかし、このことがやがて世界を泥沼に突き落とすことになる。

 

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< 2. colonial countries that were once controlled by Western Europe >
< 2. かつてヨーロッパの植民地だった国 >

 

Introduction
Later, we see that the imperialism which colonized almost all countries of this earth was deeply involved in the confusion and conflicts of present developing countries.
But before that, there is something we need to confirm.

That is to say, why was the imperialism that was selfish, violent and ruthless done by the people.
Why did the people do the inhumane exploitation?
Why could the people be cruel to indigenous people?
This was at most half a century ago.

Until now, we’ve looked at some cases, but people easily sacrifice other people.
If the imperialism was done by not so much demon but consensus of ordinary people, even now, their minds do not change, it may be a possibility of repeating easily.

 

はじめに
後に、地球上のほぼすべての国を植民地化した帝国主義が、現在の発展途上国の混迷と止まない紛争に深く関わっていることを見ます。
しかし、その前に確認したいことがあります。

それは身勝手で、暴力的で、無慈悲であった帝国主義がなぜ行われたのかと言うことです。
なぜ人々は人道に反する搾取を行ったのか?
またなぜ人々は先住民に対してあれほど残虐になれたのか?
これはたかだか半世紀前のことです。

今まで、事例を見て来ましたが、人々はいとも簡単に他者を犠牲にします。
もし、帝国主義が悪魔ではなく普通の人々の総意で行われていたとしたら。
今でも、その心性は変わらず、容易に繰り返す可能性があるかもしれません。

 

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What is the imperialism?
It is a policy to make other country a colony and dependent country by military power.
Although there was an expansionism and conquestism from a long time ago, especially it refers to the policy done by nations that became a monopoly capitalism stage since the end of the 19th century.
It began with the African division of Western Europe and then spread to the world.

The essential point is like that, but strangely the opinion of historians about it has divided.
The imperialism is an undeniable fact, but they can not identify its motive.
It is largely divided into three opinions. Annotation 1.

A: A capitalist state developed through the industrial revolution was seeking many export destinations for not only goods but also excessive capital to the world.

B: At that time, economic depression repeatedly had occurred, income disparity was bigger than now, the dissatisfaction was accumulating in the countries.
In addition, the reversal of economic power was occurring among countries having many colonies (Britain) and countries no having it (Germany).
Thus, the Western European countries tried to divert the public’s dissatisfaction by making an advance outside the area, and it became a competition.

C: The imperialism progressed sequentially by the interaction between the ruling side and the colonial side, and the factors differed from region to region.
In addition to the two above-mentioned reasons, the major factors were for recovering the losses due to prohibition of a slave trade, and the resistance and looting in the locale against the Westerners’ residents and immigrants.
After all, it was tangled with the past Western intervention, and it headed for further intervention.

In other words, rather than that the imperialism was initiated for a purpose, it can be said that it occurred as a result of various factors overlapping.

 
帝国主義とは何か

軍事力で他国を植民地や従属国にする政策。
古くから膨張主義や征服主義はあったが、特に19世紀末以降、独占資本主義段階に至った国家が行った政策を指す。
これは西欧のアフリカ分割から始まり、その後、世界に蔓延していった。

要点はこうなるが、不思議なことに歴史学者の意見が分かれている。
帝国主義の事実は動かせないのですが、その動機を確定出来ないのです。
大きく三つに分かれています。注釈1.

A: 産業革命を経て発展した資本主義国家は、商品だけでなく過剰な資本の輸出先を世界に求めていた。

B: 当時、恐慌が繰り返し発生し、今より所得格差は大きく、国内に不満が鬱積していた。
また植民地を多く持つ国(英国など)とそうでない国(ドイツ)で経済力の逆転が起こりつつあった。
こうして西欧諸国は、域外に進出することで国民の不満をそらそうとし、競争することにもなった。

C: 帝国主義は支配側と植民地側との相互作用で順次進行し、地域ごとで要因が異なる。
主要な要因としては、上記二つの理由に加えて、奴隷貿易の禁止による損失挽回の動き、西欧人の居留民や移民に対する現地の抵抗や略奪などがある。
これにしても、以前からの西欧の介入で紛糾し、さらなる介入を招いたことになる。

つまり、帝国主義は目的を持って始められたと言うよりは、対立国との競争、国内の不満回避、植民地との紛争を巡って、いつしか泥沼に突き進んだしまったと言える。

 

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Something seen from a misunderstanding
There are persons who say that the former action is not exploitation against East Asia because the Empire of Japan made huge investments (dam and railroad) for it.

Actually, the imperialist countries of the Western Europe came to have large loss due to deployment of troops and investment in the locale, and the people disliked it in the late stage.
Even so, the governments continued to take the policy for securing the colonial security and prestige of the state.

Similarly in Japan, the people amassed a huge debt (foreign bonds) for the war, lost everything in the defeat, and had to keep returning the foreign bonds even after the war.

In other words, in the time of the imperialism, it expanded because there were people got profit even though the government and the people were suffering.

 

This continues to the next time.

 
誤解の先に見えるもの
かつて大日本帝国は東アジアに莫大な投資(ダム、鉄道など)をしたのだから、搾取ではないと言う人がいる。

実は、西欧の帝国主義国家も軍隊派遣や現地への投資で、政府としては損失が大きく、末期には国民に嫌われていた。
それでも植民地の安全確保や国家の威信の為に続行された。

日本も同様で、戦争の為に莫大な借金(外債)を行い、敗戦ですべてを失っただけでなく、戦後も外債を返却し続けなければならなかった。

つまり、帝国主義の時代、政府と国民は苦しんでいても、利を得る存在があるからこそ拡大していったのです。
次回に続きます。

 
注釈1.
この説明は主に「講座/世界史5 強者の論理/帝国主義の時代」p.44を参考にしています。

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ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅 32: ワルシャワ2


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今日は、快晴の旧市街を紹介します。

前回紹介した早朝歩いた場所と幾分重なりますが、ガイドの説明を聞くと印象はがらっと変わりました。

 

 

 

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< 2. 地図 >

 

上の地図: 早朝歩いたルートです。上が東側です。

緑線が行きのルートで、青線が行きと異なる帰りのル-トです。

緑字のSはホテルで、赤字のSはツアーの徒歩観光の起点です。

赤字のDは城壁で囲まれた旧市街の中心に位置するマーケット・プレイスです。

上の川はポーランド最長のヴィスワ川です。

 

中央の地図: ツアーの徒歩観光のルートです。上が東側です。

S:起点。 A:ワルシャワ・ゲットの記念碑。 B: キュリー博物館。 C:城門バルバカン。 D: 旧市街のマーケット・プレイス。 E: 展望台。 F:聖ヨハネ大聖堂。

 

下の地図: ポーランドとワルシャワを示す。上が北側です。

 

 

 

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< 3. クランシスキ宮殿とワルシャワ蜂起記念碑 >

 

上の写真: 左にクランシスキ宮殿、右に最高裁判所。

 

下の写真: 最高裁判所の前のワルシャワ蜂起記念碑。

ワルシャワ蜂起については後で解説します。

地図のS地点から撮影。

 

 

 

 

 

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< 4. ワルシャワ・ゲットの記念碑 >

 

上の写真: 最高裁判所の横。

 

下の写真: ワルシャワ・ゲットの境界跡と記念碑。

地図のA地点で撮影。

ワルシャワ・ゲットの解説は次回行います。

 

 

 

 

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< 5. 新市街 >

 

上の写真: 北側を見ている。

地図のB地点で撮影。

すぐ右手の白い建物はキュリー博物館です。

彼女は放射能の研究で最初のノーベル賞をもらった。

彼女はここで生まれ、青春時代を過ごし、学業と研究の為にポーランドを出てパリに移り住んだ。

当時、ポーランドは帝政ロシアに併合されており、教育者だった両親ら知識層は行動を制約されていた。

 

下の写真: 南側を見ている。

ここを真っすぐ行くと旧市街の城門に至る。

 

 

 

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< 6. 旧市街の城門 >

 

上の写真: 旧市街の城門バルバカン。

最初は16世紀に造られたが、第二次世界大戦で破壊され、1952年に17世紀の様式で再現された。

地図のC地点で撮影。

 

下の写真: 旧市街の広場に向かう通路。

 

 

 

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< 7.マーケット・プレイス  >

 

上下の写真: マーケット・プレイス。

18世紀末までワルシャワの中心でした。

1944年のワルシャワ蜂起に対するドイツ軍の報復で完全に破壊されたが、1950年代に再建された。

地図のD地点で撮影。

 

 

 

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< 8. 旧市街のたたずまい >

 

上の写真: ハトが青空に舞い上がる。

この地は幾度も強国ロシア(ソ連)とドイツに交互に、または同時に蹂躙されて来た。

今度こそは平和が長く続きますように祈ります。

 

下左の写真: これは何の変哲もない古い民家の門に見えるのですが、再建時、瓦礫となった石材や美術記録など頼りに忠実に再現されたものです。

戦火の傷跡が生々しい。

 

下左の写真: 屋根に取り付けられたドラゴン。

 

 

 

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< 9. 展望台 >

 

上の写真: マーケット・プレイスの裏手にある展望台からヴィスワ川を望む。

地図のE地点で撮影。

 

中央の写真: 展望台から聖ヨハネ大聖堂の裏手に行く途中。

バルコニーの支えの部分に銃弾の跡が見える。

これはワルシャワ蜂起の激戦の痕跡です。

 

下の写真: 聖ヨハネ大聖堂の裏手。

地図のF地点付近。

 

 

 

 

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< 10. 聖ヨハネ大聖堂周辺 >

 

上左の写真: 右のレンガ建築が聖ヨハネ大聖堂の側壁です。

塔の下のトンネルを抜けると聖ヨハネ大聖堂の正面の通路に出ます。

地図のF地点付近。

 

上右の写真: 指さしているのはポーランド抵抗の印です。

上述のトンネルの中ほどにありました。

至る所に見られます。

 

下の写真: 上述の聖ヨハネ大聖堂の側壁に埋め込まれた軽戦車のキャタピラ。

ワルシャワ蜂起のものです。

 

 

 

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< 11. 聖ヨハネ大聖堂の正面 >

 

すぐ右が聖ヨハネ大聖堂の正面です。

この通路を行くとマーケット・プレイスに出ます。

地図のF地点付近。

 

 

 

ワルシャワ蜂起

第二次大戦末期に起こったポーランド地下軍とワルシャワ市民によるドイツ占領軍に対する蜂起。

ソ連軍によるワルシャワ解放が目前と思われた1944年7月下旬に一斉蜂起した。

8月1日、ほとんどの市民が蜂起に参加し市の中心部が解放された。

ソ連は進軍するかに見えたが、ヴィスワ川対岸で停止して、いっさいの援助をしなかった。

ようやく9月10日以降、ポーランド人部隊の渡河作戦を許したが、蜂起を救うには遅すぎた。

孤立した蜂起軍と市民はドイツ軍によって徹底的に全市を破壊され20万の死者を出した。

ついにワルシャワ蜂起は10月2日の降伏で無惨に終わった。

 

この時のソ連(スターリンがトップ)の行動は、反ソ感情の強いポーランドが衰弱してから占領する方が得策と考えたからでした。

 

 

 

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< 12. ワルシャワ蜂起 >

 

A: 赤枠はポーランド地下軍が蜂起した場所。

黒の四角は私達のホテル、黒の円枠は旧市街の城壁。

 

B: ドイツ軍が占領しているビルを銃撃するポーランド兵士。

 

C: ワルシャワ蜂起62周年の再現シーン。

 

D: 当時の若いポーランド兵士。

 

E: 旧市街で戦うポーランド兵士。

写真9や10で見た戦闘の傷跡はこの時のものです。

 

F: ドイツ軍によって破壊され炎上する旧市街。

 

G: 完全に破壊されたワルシャワ。

 

 

現在のワルシャワの人はこの蜂起をどのように見ているのだろうか?

直接、一人のポーランド女性と日本語で話すことが出来ましたので、質疑を要約します。

 

質問1:

「皆さんはドイツとロシアについてどう思っているのでしょうか?」

 

答え:

「ポーランド人にとって両国は長年の侵略国であるが、ロシアを嫌っています。

ドイツは戦後、謝罪したが、ロシアはその事実を否定しているからです。」

 

参考:

<カチンの森事件>不誠実な一例として。

1940年、ソ連軍はポーランド侵攻時、ポーランド将兵らの捕虜を2万人以上銃殺した。

ソ連は事件発覚後もドイツの犯行としていたが、ゴルバチョフが再調査し、1990年、事実を認め遺憾の意を示した。

 

 

質問2:

「皆さんはワルシャワ蜂起をどう見ているのですか?」

 

答え:

「毎年、議論されているが評価が分かれています。

 

悪いとする意見

将来ある多くのインテリゲンチャが若死にし、生き残った青年では将来を担うには力不足であった。

また関係のない多くの人が巻き添えになって死んだ。

 

良いとする意見

戦う伝説が作られた。

人々は、これからも他国の理不尽に対し戦う勇気を持つことが出来るだろう。」

 

 

私の感想

リトアニアでも同様でしたが、大国の侵略に対し蜂起したことに自画自賛だけで終わらない姿勢が素晴らしい。

 

ワルシャワ蜂起は、結局、ソ連に支配され続けただけなので、私には無駄死に思える。

しかし、今回巡って来た東欧四ヵ国の異民族支配への強い抵抗に、私は想像以上の篤い想いを見た。

だからと言って、私達日本人は経験したことのないこの想いをたやすく理解出来るとは思えない。

 

私達が、この想いを少しでも理解しょうとするなら、他国を戦争で侵略した後に取るべき態度とは何かが自ずと解るはずです。

それはこの女性が言った「謝罪したドイツを許している」からも明白です。

 

残念ながら日本は島国で平和に暮らして来たことが、他者への理解で災いしているように思える。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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Bring peace to the Middle East! 63: Why was it exhausted ? 1: Introduction


中東に平和を! 63: なぜ疲弊したのか 1 :はじめに

1afu

*1
From now on, we are going to pursue the troublesome problems related not only to the Middle East but also to the world.
It is about many societies that had to be exhausted.

これから中東だけでなく世界に関わる厄介な問題を追います。
それは疲弊せざるを得なかった多くの社会のことです。

 

2reisenn

*2

 

Introduction
We have seen the conflict of the Middle East until now and if keeping track of its origin and background, you must notice the tremendous darkness.
Many people seem to know it, but actually don’t know it.

About ten years ago, I have asked three men about some conflicts.

Question 1, “Why are there many civil wars in Africa?”

The answer, “I am sure the reason is because each tribe is blocked by jungle.”

Question 2, “Why are there less conflicts in Southeast Asia (Continent)?”

The answer, “I think it is because each country is blocked by several mountain ranges.”

Question 3, “Do you think it was good that the Cold War ended?”

The answer, ” The world got worse. The world was peaceful because the United States and the Soviet Union were facing each other, but the civil wars began to occur in various places since then.”

Those who answered were ordinary men, but I think their social consciousness was somewhat high.
What do you think of their answers?
It seems to be like certainly true.
At that time, in the process of looking for the answer, I felt a little query about the answers, but I could not deny it.

After all, it is necessary to know the truth to understand the problems of the Middle East.

 
はじめに
今まで中東の紛争を見て来ましたが、その起源や背景を追って行くと、途方もない闇に気付くことになります。
多くの方は、このことを知っているようで知らない。

十年ほど前、私は身近な三人に紛争について質問したことがあります。

質問1 「なぜアフリカに内戦が多いのでしょうか?」

答え 「それは各部族がジャングルで遮らているからに決まっている。」

質問2 「東南アジア(大陸部)はなぜ紛争が少ないのでしょうか?」

答え 「それは各国が幾つもの山脈によって遮られているからだと思う。」

質問3 「冷戦が終わって良かったと思いますか?」

答え 「悪くなった。米ソが睨み合っているからこそ世界は平和だったのに、タガが外れたから各地で内戦が起きたではないか。」

答えた方は一般の人ですが、社会意識は若干高いと思います。
皆さんはこの答えをどう思いますか。
一理あるようにも思えますね。
当時、私は答えを模索中で、この答えに疑問を持ったのですが否定出来なかった。

やはり中東問題を理解するには真実を知る必要があります。

 

3tai

*3

 
What does it mean to know this truth?
There are three stages.

A: There are structural factors that certain society (nation) continues to be exhausted.

B: Many of its origins occurred by external pressure.

C: Everyone else is indifferent to the external pressure.

You can consider two examples.

Case 1
A large earthquake hit an island and half of the houses collapsed.
On the other hand, the fields and the fishing ground were safe.
All residents were able to help each other, receive assistance from nearby islands, and the island returned to normal living.

Case 2
A gold mine was discovered on an island, and eventually struggle began.
A continental merchant who knew it sold the islanders weapons and the battle became decisive.
This winner and the merchant gained wealth.
Later, when a massive earthquake struck the island, nobody helped each other, and it turned into a battlefield again.

This simple cases illustrates the mentioned three stages.
I think you roughly understand about the stage A and B.
I think it is difficult to understand the stage C.
The problem is to say that people of the continent do not know the acts of the merchant and are indifferent about it.
But actually, the people of the continent indirectly got the economic benefit, and the islanders were holding a grudge against it.

 

この真実を知るとは、どのような事なのか?
三つの段階があります。

A 社会(国家)が疲弊し続ける構造的要因がある。

B その起源の多くは外圧によって起こった。

C 他者はその外圧に無頓着である。

二つの例で考えてみます。

事例1
ある島を大地震が襲い、家屋の半分は倒壊した。
一方、田畑や漁場は無事だった。
住民は助け合い、近隣の島からも援助を受けて、やがて島は平常の暮らしに戻った。

事例2
ある島で金鉱が発見され、やがていがみ合いが始まった。
それを知った大陸の商人が武器を売り、勝敗は決した。
この勝者と商人は富を得た。
その後、大地震が島を襲った時、誰も助ける者はなく、また戦場と化した。

この単純な事例は前述の三つの段階を説明しています。
段階AとBについては雰囲気が分かっていただけると思います。
段階Cは分かり難いと思います。
問題は、その商人の行為を大陸の人は知ることもなく、無頓着だと言うことです。
実は、大陸の人は間接的に経済的に潤い、かつ島の人からは恨まれているのです。

 

4pos
*4

 

What I want to clear
From now on, we pursue the disasters brought by colonization (imperialism) for centuries and the Cold War for half a century.
Countries that didn’t suffer this disaster doesn’t seem to exceed 10 among 200 countries.
The important point is not the hugeness of the casualties and deprivation but what reason a lot of societies had to continue to be exhausted.

Unless we can understand this, human beings deepens the breakup, and there is a possibility of entering the century of war again.

My way of doing deals with some representative facts and will summarize its structure.

This continues the next time.

 
これから明らかにすること
これから私達は、数百年間の植民地化(帝国主義)と半世紀の冷戦がもたらした災いを追います。
この災いを受けなかったのは世界200国中、10カ国を越えないでしょう。
重視すべきは、死傷者や収奪の甚大さではなく、どのようして多くの社会が疲弊し続けることになったかと言うことです。

これを理解できない限り、人類は分裂を深める、再び戦争の世紀に突入する可能性があるからです。

進め方は、幾つかの代表的な事実を扱い、その構造を概括することになります。
次回に続きます。

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Bring peace to the Middle East! 62: Religion and Politics 2


中東に平和を! 62: 宗教と政治 2

1ko

*1

 
Last time, we thought about religion and politics.
We think about contemporary relationship between religion and law this time.

前回、宗教と政治について考えました。
今回は現代の宗教と法の関係について考えます。

 

2binrada

*2

 

About Holy War (Jihad)
The problem that we are most concerned about the Islam of the Middle East seems to be jihad.

Extremism advocating jihad is abnormal beliefs from a standpoint of moderate beliefs being the overwhelming majority of Muslim.
However, the extremism (rigorism) continues to live historically, and then is in Saudi Arabia now.
Although, biased beliefs such as fundamentalism are also in other religions.

What is the problem?
First of all, currently, it is to admonish the jihad ( fatwa for starting an armed struggle) very easily.
Furthermore, there is no end to the number of men who participate in it with indignation and support it.
In the past, there were many cases that voluntary armies contributed in the world, but the current state of the Middle East is a lawlessness without controlling, and the some groups may be a group of thieves.

 

聖戦(ジハード)について
私達が中東のイスラム教で一番気になる問題はジハードでしょう。

ジハードを唱える過激思想は、穏健なムスリム全体から見れば異常なものです。
しかし、過激思想(厳格派)は歴史上も、現在のサウジアラビアにも生き続けています。
もっとも、他の宗教でも原理主義など偏向した思想は存在します。

何が問題なのでしょうか。
先ず、現在、ジハード(武力闘争開始のファトワー)がいとも簡単に発せられていることです。
さらに、それに義憤を感じて参加する人、また支援する組織が後を絶たないことです。
かつて世界には義勇軍が貢献した例は多々ありますが、中東の現状は統率なしの無法状態で、盗賊団になり下がている場合もある。

 

3abu

<3. Father of liberation of Algeria >
< 3. アルジェリア解放の父 >

Jihad is one of the obligations for Muslim, and means “effort” and “struggle”.
Once, it was declared at a defense of their community and an attack on enemy, and it is something they can’t do without.
However, the current jihads only expand many conflicts and deepen cracks between people.

The problem is not interpretation of the jihad (holy war) or the extremism beliefs.
The essence is “Islamic law can not punish jihad involving violence as a crime”.
Looking back on legal history of the world, most society has been advancing the concept of justice in time with the change, and unifying it in time with the unity of countries.
Then, people has been creating a social system for achieving the justice.
In conclusion, it is necessary to move away from the Islamic law to go to the national law.
In other words, the society has to be controlled by a legal system built by a democratic regime (separation of the three branches of government),
ジハードはムスリムにとって「努力」「奮闘」の意味で義務の一つです。
かつて、共同体の防衛や進攻に際し宣言され、共同体に無くてはならないものでした。
しかし、現状のジハードは紛争を拡大させ、亀裂を深めるだけです。

問題はジハード(聖戦)の解釈や過激思想にあるのではない。
本質は「イスラム法では暴力を伴うジハードを犯罪として処罰出来ない」ことにあると考えます。
世界の法制史を振り返ると、社会は発展と統合に合わせて正義の概念を変え、かつ統一し、それを実現する社会体制を造り挙げて来たのです。

結論を言うと、イスラム法から国法への脱皮、つまり民主的な政体(三権分立)で築かれた法制度に社会を委ねることです。

 

4pa-ru

< 4. Radhabinod Pal >
< 4. パール判事 >

Indian Pearl Judge who advocated Japan’s innocence in the Tokyo Tribunal of War Criminals said as below.

“The law is a dynamic human force that allows to survive our human society”

He said that the law must express “truth” (Hindu law), but to keep the social order, and it is essential that humans continue to improve the law.

There is a possibility that current Islamic legal system(the relationship between Sharia and national law)can not adapt successfully to real society.
Especially as for violence involving people in conflict, it is necessary to apply strict law, and it can’t be said that it is merely the difference of interpretation.
For this purpose, people have got to consolidate the democratic administrative body that has a consistent legislation, judicature, and section getting tough on crime.

This is a secular politics.

However, it may not be necessary to accomplish this at a stroke.
Even in Iran of a Islamic Republic, the status of women is improving.
I think lots of Ulema widely cooperate and should begin from improving application of jihad.

I start another theme from next time.

 

東京裁判で日本無罪論を唱えたインドのパール判事はこう述べています。

「法は人間社会の存続を可能とする動的な人間力である」注釈1.

彼は、法は「真理」(ヒンドゥー法)を表現しなければならないが、社会秩序を保持する為に、人間が法を改善し続けることこそが必要不可欠と言っている。

現在のイスラム圏の法制度、シャリーアと国法の関係は、現実社会に対応出来なくなっている可能性があります。
特に社会を紛争に巻き込む暴力に対しては、厳格な法の適用が必要で、解釈の違いで済まされないのです。
この為には民主的で一貫性のある立法、裁く司法、犯罪を取り締まる行政が整備されなければならない。

これは政教分離と言えるでしょう。

但し、これを一気呵成に成し遂げるこ必要はないかもしれません。
イスラム共和制のイランでさえ、女性の地位は向上しつつある。
広くウラマーが協力し、ジハードの適用から改善していくべきだと思います。
次回からは別のテーマで始めます。

 
注釈1.
この文は1984年の東京裁判研究会からの引用です。
彼はヒンドゥー法を専攻し、インドの法学部教授や裁判所判事、国連国際法委員長を歴任した。
彼の日本無罪論は、日本に戦争や虐殺に対する責任はあるが、法的に侵略罪を問うことが出来ないと言うものです。

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Bring peace to the Middle East! 45: Now, something I think. 1


中東に平和を! 45: 今、思うこと 1

1

*1

 

I widely have investigated the problems of the Middle East till now.
Here, I marshal the problems and show next evolvement.

 

私は、今まで多方面から中東問題を見て来ました。
ここで、少し問題を整理し、今後の展開を示します。

 

About the problems of the Middle
The most important problem is civil wars and terrorism that keep happening in the Middle East.
Next problem is exhaustion, refugees, and worsening security in whole Middle East.
Furthermore, it is terrorism that keeps happening all over the world by Islamic extremists.
It is a serious problem that enormous casualties, refugees, and destruction of living area by bombing.
However, it doesn’t seem that the problems stop and peace comes.
For us being outsider, the damages will have become familiar objects.

 

On the other hand, Europe and America limit refugees of from the Middle East and regard more and more Muslims with hostility.
I am worrying whether it doesn’t cause further worsening.

 

The situation only gets more serious.

 
中東問題について
やはり一番の問題は、中東で起き続けている内戦とテロです。
次いで、中東全体の疲弊と難民、治安悪化です。
さらにイスラム過激派による世界各地のテロです。
膨大な死傷者や難民、爆撃による生活圏の破壊は甚大です。
しかし、これらが止み平和が来る兆しは見えません。
部外者である私達にとって、この被害も見慣れたものになってしまった。

 

一方、欧米では中東からの難民を制限し、ムスリムへの敵視しが深まっています。
これが更なる悪化を招かないかと心配です。

 

事態は深刻さを増すばかりです。

 

2

*2

 

What an absurd world
At first, I wanted to clarify who worsened the Middle East.
Is there a fault in the Middle East?
Or, is there a fault in Europe and America?

 

In sum, the Middle East became impoverished by the colonization by Ottoman Empire, and by next Empires of Britain and France, and became a undemocratic society.
Furthermore, after World War II, the Britain and the United Nations left a cause of a conflict in Palestine at the time of its withdrawal from the Middle Eastern colony.
After the conflict began, Europe and America, and the Soviet Union supplied a large amount of weapon to both opposing group, for weapon sale and leadership competition in the Cold War and to protect their own interest.
Thus, the war enlarged and came to continue.

 

On the other hand, if the Middle East merged together and cooperated with the world, this situation would not become so terrible.
However, it was approximately impossible because of the aftereffects of the colony times.
The society was divided to prevent people’s solidarity of the nation and a lot of ignorant people was made by the colonial rule like always.
This still continues to bring evil in the world.
In the world, many countries that have an internal trouble and remain stagnant are almost the countries that became the colony once.

 
不条理な世界
私はこの連載を書くにあたって、誰が悪いのかを明らかにしたかった。
中東に非があるのか?
はたまた、欧米に非があるのか?

 

要約すると、オスマントルコ、次いで英仏による植民地化で中東は疲弊し非民主的な社会になってしまった。
さらに第二次世界大戦後、中東植民地からの撤収時、英国と国連はパレスチナに紛争の種を残した。
紛争が始まると、欧米とソ連は権益確保、武器販売と冷戦の覇権争いの為に、敵対する両方に武器を大量供給し、戦場は拡大し継続するようになった。

 

一方で、もし中東が大同団結し、世界と協力していればここまで事態は酷くならなかっただろう。
しかし、これも植民地時代の後遺症の為にほぼ不可能だった。
植民地支配によって、国民の団結を防止するために社会は分断され、また愚民化されたのです。
これは今でも世界に害悪をもたらしている。
世界で内紛を続け低迷している多くの国は、概ね植民地になっていた国です。

 

3
*3

 

Who is bad? Who should take responsibility? 
In simple terms, one that damaged the Middle East is bad, and the responsibility of reviving is clear.
However, ethnic groups to have invaded and countries to have colonized didn’t once achieve appropriate responsibility.

 

Whom should we impose the obligation on to even if it is clear what is bad?
It will be impossible to impose the obligation of 500 years ago on current Turkish people, or impose the obligation of 100 years ago on current people of Britain and France.
By doing this, Spaniard may demand the compensation for damages of 700 years ago to the Middle East.
And, do you impose the obligation on Bush and Blair who bombed Iraq for Iraqi imputed crime?

 

It is hard to say, I think that to forget the grudge as Arab was unlucky is fast road to lucky.
Actually, defeated countries forgot the grudge, and achieved reconstruction by the help of large country of the winner.
In Asia, Vietnam and Japan will be the fine examples.

 

I feel so empty now.

 

This continue the next time.

 
誰が悪いのか? 誰が責任を取るべきか?
単純に考えれば、中東に損害を与えた方が悪く、回復させる責任も明確なはずです。
ところが、過去に侵略した民族や植民地を作った国が応分の責任を果たしたことはない。

 

仮に悪いとしても、誰に責任を取らせば良いのでしょうか?
500年前の責任を現在のトルコ国民に、100年前の責任を現在の英仏国民に、これは無理でしょう。
これを言えば、スペイン人は700年前の損害賠償を中東に請求するかもしれません。
また13年前、無実のイラクを爆撃したブッシュとブレアに責任を取ってもらいますか?

 

言い難いことですが、アラブの人は運が悪かったと諦め、気持ちを切り替えることが幸せへの近道だと思います。
実際、幾つかの敗れた国は過去を水に流し、勝者の大国の援助により復興を果たして来た。
アジアではベトナムと日本がその好例でしょう。

 

まったく空しい気持ちになります。

 
次回に続きます。

 

 

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