uncategorized

デマ、偏見、盲点 22: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 1


 1a

*1

 

 

これから、二つの悲惨な結果に至るメカニズムを考えます。

バブル崩壊と戦争勃発はまったく異なるように見える。

しかし実は同じようなメカニズムが働いているのです。

三回に分けて説明します。

 

 

* バブル崩壊と戦争勃発について

 

なぜバブル崩壊が起きるのでしょうか?

誰かが裏でバブル崩壊を煽っているのでしょうか?

残念ながら経済学は崩壊をうまく説明できない。

 

概ね投資家達(市場参加者)はバブルを好調とみなし歓迎します。

しかし一方で彼らは破産に至るバブル崩壊を恐れます。

一部、間違いなく救済される巨大銀行や崩壊の先頭を切って売り逃げた投資家は別です。(毎回、自分だけは別だと夢想している)

 

2a

*2

 

なぜ戦争は起きるのでしょうか?

誰かが裏で戦争を煽っているのでしょうか?

この手の話はいつも巷に溢れています。

しかし多くの真実は戦争が終わってからでしかわからない。

(これを第2次世界大戦とベトナム戦争を例に注釈1で説明します)

 

平和時であっても、概ね国家は戦争を避けようとして軍備を整えます。

まして緊張が高まると増強へと舵を切ります。

概ね指導者は膨大な人命と破壊が起きてしまう戦争を望まないはずです。

少なくとも国民は戦争が二度と起こらないことを強く望むはずです。

一部、戦争をしても被害の少ない大国や支持率が上がる指導者、莫大な利益を得る軍産共同体は別です。

 

バブルを煽る投資家達も軍備増強を推し進める国家も共にその悲惨な結果を恐れることでは共通しています。

それでは、なぜ望まない悲惨な結果が生じるのでしょうか?

 

 

3a

*3

 

 

* バブル崩壊のメカニズム

 

バブルは経済好調と紙一重ですが、ほぼ確実にバブルは崩壊します。

 

これは投機家らが株価(金融商品)の高騰が続かないと不安を抱くことが引き金になります。

このタイミングは微妙です。

バブル崩壊の直前まで、多くの経済指標(生産高や失業率)は良好だったのですから。

 

一つ明確なことは、暴落する時、最初に売り逃げた者は利益を得るが、後になればなるほど投機家達は莫大な負債を背負う運命にあることです。

暴落が始まると、手のひらを返すように貸し手(銀行)が投資資金の回収を急ぎ、逃げ遅れた投機家は莫大な含み資産の所有者から一転して莫大な借金を背負うことになります。

(これを土地投機を例に注釈2で説明します)

 

この被害は投機資金のレバレッジが効いているほど、中央銀行によるマネーサプライが多いほど起き易くなります(巨額の借金を安易に入手出来る為)。

 

この時、投資家や金融業が破産するだけでなく、必ず国民も大不況の被害(不景気、失業、福祉カットなど)を長期に被ることになります。

これは銀行の倒産などに端を発する金融危機、つまり巨大な信用収縮が起きるからです。

この深い傷を放置すれば、過去のバブル崩壊(恐慌)後の景気後退のように、設備投資や消費が回復するのに何十年かかるかわかりません。

深刻だったのはヨーロッパの1857年から、米国の1929年から、日本の1991年からの二十年を越える景気後退でした。

 

このため崩壊後、政府と中央銀行は数十兆円から数百兆円を主に金融市場に投じるのです。

この金額で暴落時の全金融商品(株価など)の評価損を幾分なりとも補うのですが、悲しいことに国民が負担する税金と赤字国債で賄われます。

 

実はリーマンショック時の全金融商品の評価損はよく分からない。(不明な理由はシャドウバンキングの取引額が分からないためです)

しかし当時のクレジット・デフォルト・スワップ(金融商品の保険)の取引額が6800兆円に上っていたので評価損は見当がつきます(想像を越えますが)。

 

つまりバブルで儲け、崩壊を引き起こすのは投資家(市場参加者)なのですが、その結果、その痛いツケを強制されるのは傍で浮かれていた国民なのです。

 

 

次回は戦争勃発のメカニズムについて説明します。

 

 

注釈1

ベトナム戦争は誤解から始まり、深みに嵌った戦争の代表例です。

 

戦争の発端は第二次世界大戦後に始まる冷戦の敵対感情の高まりにあった。

さらに離れた大陸にあり、異質の文化を持った米国とベトナムは互いに相手国をまったく知らなかった。

 

初期の接触、ベトナムでの小さな戦闘でこじれたことにより、その後は疑心暗鬼から大戦を凌ぐ爆撃量になるまでエスカレートしていった。

そして米国では大統領が替わるたびに停戦を志向するが、選挙を意識し敗戦の将の不名誉を避けようとして益々深みに嵌っていった。

終わってみると、この戦争で800万人の死者と行方不明者が出ていた。

 

後に、両国の当時の最高指揮官達が会談して初めて互いの誤解に気づくことになった。

この会談は1997年、ケネディ大統領の下でベトナム侵攻の采配を振るったマクナマラ元国防長官が、ベトナム側に要請して実現したものです。

詳しくは私のブログ「戦争の誤謬 7、8: ベトナム戦争1、2」を参考にしてください。

 

第2次世界大戦を引き起こしたヒトラーは外部に凶悪な敵がいると扇情し国民を魅了した。

その敵とは主に共産主義者、ユダヤ人、フランスやロシアの周辺国でした。

しかし、やがてドイツ国民は真の破壊者が誰であるかを知ることになるのですが、それは戦争の末期になってからでした。

多くの国民は戦後10年間ほど、ヒトラーに騙された被害者であると感じていたようです。

その後、加害者の自覚が生じ反省と償いが本格化した。

 

一方、共に戦端を開いた日本では国民が軍部に騙されたと気づいたのは敗戦後でした。

しかもドイツと違って、未だに誰が真の破壊者であったかを認めない人が多い。

極め付きは、国の指導者でさえ相変わらず過去の美化に懸命です。

 

これでは誰が戦争を始めたかを理解出来ないので、当然、戦争を食い止めることなど出来ない。

おそらくは同じ過ちを繰り返しても気づかないでしょう。

 

 

 

注釈2

身近な企業経営者が1880年代のバブル時にハワイの別荘を買い、バブル崩壊と共に夜逃げしたことがありました。

この過程を説明します。

 

バブルが始まると最初に工場を担保にし、1億の手持ち資金で国内不動産を購入し、これが数年で2億の評価額になりました。

次いで、これを担保に借金し、別に買った物件がまた4億円に高騰しました。

これを繰り返して行くうちに、遂にはハワイの不動産を買うことが出来た。

 

絶頂期に彼は総資産20億、借金10億で純資産10億となったことでしょう。

(ここで売れば良かった!!)

しかしバブルが崩壊し、すべての不動産価格が購入時の半値になりました。

彼の総資産は1/4以下に減価し、不動産をすべて売却し返済に充てても借金5億が残りました。

こうして彼は破産しました。

 

金融商品投資でレバレッジを30倍効かせれば、暴落時の借金はこんな少額では済まない。

ここ半世紀、規制緩和でレバレッジが上がり、金融緩和でマネーサプライが巨大になって投機資金が膨大になり、その尻ぬぐいで累積赤字が天井知らずになっている(減税と公共投資も追い打ち)。

 

毎回のバブル崩壊で、このように土地、株、商品取引などの高騰と暴落が繰り返されている。

資本主義国だけでなく中国も不動産(マンション)と株で同様の高騰な続いています。

 

 

 

 

Advertisements
Categories: culture+society, economy, history+evolution, <japanese language, opinion, politics, Series: False rumor, prejudice, blind spots, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

デマ、偏見、盲点 21: 抑止力と規制緩和に共通する危さ


1

*1

 

 

今、二つの危機、核戦争と経済破綻が迫っています。

しかし、この対処方法に真逆の説があり折り合いがつかない。

このままだと遂には破滅に至る可能性がある。

人々は漫然とかつて歩んだ道を進むのだろうか?

 

 

*抑止力と規制緩和に共通するもの

 

この2月2日には米国は核軍縮から小型核使用に方向を転じた。

また2月3日にはNYダウが1日で2.5%下落した。

これがリーマンショックを上回るバブル崩壊の始まりかどうかはまだ定かではないが、可能性は高い。

 

ある人々は、この二つは世界を破滅に導くと警鐘を鳴らす。

この破滅とは、核戦争と大恐慌(著しい経済格差と国家債務不履行も含む)です。

 

しかし一方で、これこそが破滅を防ぐ最善の策だと唱える人々がいる。

戦争を防止するには小型核、恐慌を回避するには景気拡大の為の規制緩和こそが絶対必要だと言うのです。

 

この二つの危機とその対処方法は一見次元が異なるように見える。

しかし、この二つの対処方法には不思議な共通点があります。

小型核は抑止力、規制緩和は自由競争を前提にしているのですが、実は共に相手(敵国や競合者)の善意を信じない一方で理性に期待しているのです。

 

抑止力は、敵意剥き出しの国がこちらの軍備力を的確に把握したうえで抑制出来る理性を有する場合のみ成立するのです(太平洋戦争時の日本軍が反証の好例)。

規制緩和は、個々の市場参加者が利己的に行動しても、市場全体としては最適な方向に落ち着くと信じているのです。

何か不思議な信念に基づいた論理なのです。

 

実際の社会は、悪意も善意も、感情的にも論理的にも動いているのですが。

 

さらにもう一つ、共通していることがあります。

 

例えば「抑止力は無効だ!」「自由競争は不完全で弊害が多い!」と否定したらどうでしょうか?

実は困って激怒する人々がいるのです。

前者では軍需産業、後者では金融業界や富裕層で、大きな実害を被るからです。

逆に否定して利を得る人々は特に見当たりません。

 

具体的に抑止力と規制緩和の危さについてみていきます。

 

 

2a

*2

 

 

*抑止力の罠

 

兵器による抑止力は有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

先ず、抑止力が有効な場面は身近な事から類推できるでしょう。

しかし抑止力が効かなくなる場合を理解することは少し難いでしょう。

 

単純に二つのケースがあります。

競合国(敵対国)が共に軍拡競争に突入した場合です。

一方が軍備増強を行えば相手は脅威を覚え、必ず軍拡競争が始まります(初期の米ソの冷戦)。

これは歴史上至る所で見られ、多くは大戦へとエスカレートしました。

 

もう一つは、兵器が無数に拡散した場合です。

分かり易いのは、米国の銃社会です。

国民一人に1丁以上の銃があることによって、銃による殺人事件や自殺が非常に多くなっています。

ここでは安易な兵器使用が抑止力の効果を上回っているのです(大国の中東などへの安易な軍事介入なども)。

 

この二つの例からだけでも、使いやすい小型核の普及は抑止力よりも危険の増大が予想できるはずです。

 

これに加えて、核兵器ならではの危険を増大させる要因があります。

一つは被害が非常に悲惨なことです。

このことは見落とされがちですが、多くの戦争は燃え上がる復讐心が高ければ高いほどエスカレートし、停戦は不可能になります。

だからこそ人類は悲惨な被害を与える対人地雷やナパーム弾などの兵器の使用を禁止してきたのです。

残念ながら世界は原爆の被害をまだ知らない(日本が先頭切って知らすべきなのですが)。

 

もう一つは、兵器のコストパフォーマンスが高いことです。

もし手に入れることが出来れば数億から数十億円で相手一国を恐怖に陥れることが出来るのです(抑止力と呼ぶ国もある)。

これまでは膨大な軍事費を賄える経済力こそが大きな抑止力を可能にしたが、核兵器なら小国でも可能になります。

 

結論は、小型核のような兵器は抑止力を期待出来るどころか、取返しのつかない状況に追い込んでしまうのです。

銃が蔓延し殺人が多いにも関わらず、銃規制が出来なくなってしまった米国がその好例です。

 

米国では治安と平和は高額で買うしかなく、金が無ければ治安が悪い所に住み、命を危険にさらさなければならないのです。

核兵器の下では、これすら不可能です。

 

 

*規制緩和の罠

 

規制緩和は経済活性化に有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

皆さんの多くは規制緩和が経済を活性化させると信じているはずです。

一方で規制緩和が経済や社会に弊害をもたらす事例も数多くあるのですが、なぜか見えなくなっています。

これは今の日本で、有効だとする情報が大量に流されているからです。

 

幾つかの事例をみてみましょう。

 

 

 

3

*3

 

 

*米国の規制緩和がもたらしたこと

 

先ずは米国で40年近く行われて来た規制緩和が如何にバブル崩壊と経済格差を生んだかを簡単に説明します。

専門用語が出て来ますが、全体の流れを知って頂ければありがたいです。

 

  •  先ずストックオプションが1980年代から急増した。

これにより経営者は短期に高騰させた自社株を安く手に入れ、彼らの所得は鰻登りなっていた。

このことが企業経営を投機的で短期的なものにし、従業員との所得格差も開いた。

 

  • グラス・スティーガル法が1999年に廃止された。

この法律は1929年の大恐慌の再来を防止するために銀行業務と証券業務を分離し、投機行動を監視し抑制するのが目的でした(1932年制定)。

しかし、これが廃止されたことにより、監視が行き届かないシャドウバンキング(証券会社やヘッジファンド)が好き放題に投機をおこなった。

 

  • 投機時のレバレッジ率が上昇した。

これは証券、商品、為替などへの投機時に自己資金の数十倍まで投資が可能になることです。

これによって投資家は価格が高騰した時は桁違いの儲けが出るのですが、暴落すると巨額の負債が発生し、バブルと崩壊が繰り返されることになった。

このことが2項の監視されない状況で起こった。

 

  • クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が2000年頃から急拡大した。

これは金融派生商品の一種ですが、リーマンショックの巨大なバブル崩壊を招いた大きな原因の一つでした。

これは金融取引時の損失を補償する新手の保険で、当時、危険な投資案件でも金融機関はこの保険があれば救済されると信じていた(赤信号皆で渡れば怖くない)。

 

バブル崩壊前年の2007年末にはその取引額は6800兆円になっていたが、6年間で100倍にも膨れ上がっていた。

この年の米国の名目GDPは1500兆円で、如何に膨大かがわかる。

当然、崩壊時の補償など出来るはずもなく、米国政府は税金と国債発行で300兆円を金融危機終息の為に注入せざるを得なかった。

出来もしない補償であろうがCDSを販売すれば儲かったのです(6800兆円の数%の手数料でも莫大)。

 

大雑把ですがポイントは以上です。

この悲惨な状況を生み出した最大の馬鹿げた理由は、貪欲な投機家や資産家、経営者達を野放したこと、つまり規制をしなかったことによるのです。

もうひとつ見落としがちなのは、資金力や情報力、政治力などの差により完全な自由市場などは存在しないことです。

 

この話は、少し分かり難いかもしれません。

しかし規制や取り決めがなく好き勝手にした為に社会が壊滅した事例は歴史上多いのです。

 

4

*4

 

 

* 歴史上、破滅した例

 

典型的な例はイースター島とアイスランドです。

 

人々が最初にこれらの島に入植した時は、木々が茂る緑豊かな所でした。

しかし、燃料などの為に伐採が進む内に自然は再生不能となり、イースター島では部族同士が激しく争い、人口は激減し、逃げ出すにもカヌーを作る木材さえなくなっていた。

アイスランドは木々の無い島となり、それこそ火と氷の島となったのです。

 

 

* 日本の事例

 

最後に日本の規制緩和の惨めな例を一つ挙げましょう。

労働者派遣法の適用拡大により、非正規雇用が拡大し続けています。

 

これも賛否両論があります。

ある人々は産業の競争力を高める為に、また産業や企業の盛衰に合わせ人材は流動的でなければならないと言う。

一方で、安易な首切りや低賃金の横行は基本的人権を侵害すると言う。

 

おそらく多くの人は、経済側の言に耳を傾け、泣き寝入りするするしかないと感じていることでしょう(これは日本人の奥ゆかしさかもしれない)。

 

この問題のポイントは是か非かではなく、どちらも正しいのです。

企業の競争力を高め、労働者の価値を高めるためには、人材の流動性が必要です。

当然、簡単に首を切られ、低収入や無収入に甘んじなければならないのは論外です。

 

つまり、労働者は失業中も収入が確保され、転職のための再教育や訓練が充分行われ、就職すれば当然、同一労働同一賃金であるべきなのです。

 

こんな夢のようなことは不可能だと思われるかもしれませんが、北欧(スウェーデン、デンマークなど)ではこれが当然のように行われているのです。

 

日本の悲しさは、産業競争力の責任を一方だけが背負い甘んじているのです。

 

 

 

5

*5

 

 

*まとめ

 

抑止力と規制緩和の問題点を簡単に見て来ましたが、ここで確認して欲しいことがあります。

 

抑止力については歴史的に見て完全なものではなく、むしろその強化を放置すれば災いを招くことがあったことを知ってください。

 

また規制緩和はここ半世紀ほど米国を筆頭に行き過ぎており、多くの問題が生じていることを知ってください。

 

抑止力と規制緩和の推進は軍需産業や金融業界、資産家に取って実に旨味のあることなのです。

東北大震災の福島原発事故のように、大きな産業と関係省庁が癒着してしまうと、体制維持に都合の良い情報だけが国民に流され続け、問題点が見え無くなってしまうのです。

 

 

* 日本が今歩んでいる道

 

6c

< 6.銀行の金融資産と自己資本の比率、OECDより>

 

金融資産/自己資本は金融セクターの財務安定性を見るためのものです。

上のグラフ: 2004~2016年の金融資産/自己資本の推移。

 

多くの国、例えば英国、デンマーク、米国はリーマンショック後、健全化を進めているが、日本だけは悪化している。

 

下のグラフ: 2016年、この日本の比率はOECD35ヵ国の内、下位から

三番目です。

 

もし大暴落が始まればどの国が最も影響を受けるのでしょうか?

 

 

 

参考文献

「米国の規制緩和がもたらしたこと」に詳しい本

 

「世界金融危機」金子勝共著、岩波書店、2008年刊。

「世界経済を破綻させる23の嘘」ハジュン・チャン著、徳間書店、2010年刊。

「世界を破綻させた経済学者たち」ジェフ・マドリック著、早川書房、2015年刊。

「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」ジョセフ・E・スティグリッツ著、徳間書店、2016年刊。

 

 

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, culture+society, economy, history+evolution, <japanese language, opinion, politics, Series: False rumor, prejudice, blind spots, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

何か変ですよ! 86: 何が問題か? 9: 常識は非常識?


1

*1

 

 

前回は、今話題の忖度を巡る馬鹿々々しさを取り上げました。

今回は、トランプ大統領の評価を巡る奇妙さを取り上げます。

この二つから日本の常識が見えて来ます。

 

 

はじめに

この12月6日、トランプ氏は「エルサレムはイスラエルの首都」を承認した。

中東の荒廃と経緯を知る人々にとって、この宣言は平和を破壊する以外のなにものでもない。

彼は単に「私は選挙公約を実行した」と言っている。

ここでも大国の無自覚な横暴がまた繰り返された(ベトナム戦争、イラク戦争)。

 

主要国と近隣諸国の首脳、ローマ法王らはこの宣言に嫌悪感を示した。

 

そんな中で、日本の中枢はトランプ氏と親密な首相に忖度し(おもねり)だんまりを決め込んでいる。

 

日本では安倍首相は外交に長けており、米国のトランプ大統領との親密さに現れていると評価する向きがある。

その一方で、危なっかしいトランプ大統領に付き従うなどはもってのほかと、首相のスタンドプレーを危惧する向きもある。

 

この違いは概ね、右派と左派の違いと言えそうです。

本来、右派がポピュリズムのトランプ氏に好感を持つ理由は無いように思えるのですが(理由は後にわかります)。

 

ここでは、日本の右派が高評価するトランプ氏は海外からどのように評価されているかをみます。

このギャップを通じて、トランプ現象と彼との親密さを喜ぶ日本の危険性を考えます。

 

 

トランプ氏への世界の評価

 

 

 

2

< 2. 2017年、トランプ氏の低い信頼度、by PEW 注1. >

 

カーキー色の左側横棒はトランプ氏を信頼しないパーセント、緑色の右側横棒は信頼のパーセントを示す。

西欧諸国や南米、日本でさえ圧倒的に彼を信頼していないことが歴然としている。

逆にロシアやイスラエル、フィリピンでは彼への信頼度が高いが、これらは強権的な国家で共通している。

アフリカのナイジェリアは政治の腐敗が深刻で混乱しており、強い大統領が求められているのかもしれない。

 

こうして見ると世界の大勢は、トランプ氏に不信任を突きつけているように思える。

 

 

3

< 3. どの大統領が世界に正しいことをするでしょうか、by PEW >

 

韓国やカナダ、英国、オーストラリアはトランプ氏(茶色)よりもオバマ氏(赤色)を断然評価している。

ここでもイスラエルとロシアでは逆転している。

イスラエルは今回のトランプ氏の首都発言を期待していたのだろうか。

 

 

 

4

< 4. 西欧におけるトランプ氏の評価はジュニア・ブッシュ氏と同様、by PEW  >

 

三人の米国大統領に対する西欧の評価の明暗が一目瞭然です。

 

 

結局、世界の良識(民度が高い国の国民)はトランプ氏をかなり低く評価している。

 

 

 

一方で高く評価する人々もいる

実は、違った見方がある。

安倍首相がトランプ氏と肝胆相照らす仲であるように、西欧各国のあるグループはトランプ氏を高評価している。

 

5

< 5. ヨーロッパで右翼を支持する人々はトランプ氏を支持する、by PEW >

 

ヨーロッパ各国の代表的な右翼ポピュリスト政党を支持する人々のトランプ氏への評価は緑色の丸で示されるている。

この右翼を支持しない人々のトランプ氏への評価はカーキー色の丸で表示されている。

 

結局、すべての国で右翼に好感を持つ人々はトランプ氏にも好感を持つ。

ここでも、トランプ氏への評価が高い国は社会が疲弊している傾向がある。

これらの理由の一端が下のグラフからわかる。

 

 

6

< 6. 世界37ヶ国によるトランプ氏の性格評価、by PEW >

 

世界の性格評価は、1位傲慢、2位不寛容、3位危険でかなり否定的に見られている。

続いて強いリーダーやカリスマ性で高評価を得ている。

 

如何にもトランプ氏はタカ派や右派が親しみを感じる性格を持ち合わせ、疲弊困憊している社会では彼に期待もするのだろう。

 

 

それでは米国民はどう見ているのだろうか

 

 7

< 7. 米国のトランプ氏への支持と不支持 >

 

トランプ氏は2017年1月20日の就任直後から不支持が増大し続けている。

 

つまり、世界だけでなく米国でもトランプ氏への人気と信頼は非常に低い。

 

 

まとめ

これらのことから推測出来ることをまとめます。

 

*トランプ氏は民度の高い先進国の首脳からは忌避されている。

*トランプ氏は世界中から世界の危険要因と見なされている。

*トランプ氏は右翼的な人々からは好感を持たれている。(疲弊しているか強権的な社会の人々も同様)

 

これから以下のことが言える

*トランプ氏に追従する首相は外交や戦争などで国を危険に陥れるか、強権的な体制へと導くかもしれない。

 

首相にすれば、米国の軍事的な庇護を得るにはこの道しかないと信じているのでしょう。

しかし私にはこのことすら危険性を孕み、ましてオバマ氏と合わず、トランプ氏と合うとの理由で追従することは更に危険だと考える。

 

 

さらに言うと

*米国はなぜこのような不人気で危険な大統領を自ら選択したのか?

 

これこそポピュリズムのなせる業であり、一度この罠にはまると取返しのつかないことになる好例です。

どうか破綻が訪れる前に米国民が良識を取り戻す日が来ることを望みます。

 

当然、世界が協力して、トランプ氏の暴走を食い止める必要がありそうです。

少なくても日本は暴走の片棒を担ぐことだけは止めましょう。

そうでないと日本はテロの再重要な標的になることでしょう。

 

次回に続きます。

 

 

 

注釈1

PEW(Pew Research Center)はアメリカ合衆国のワシントンD.C.を拠点としてアメリカ合衆国や世界における人々の問題意識や意見、傾向に関する情報を調査するシンクタンクです。

http://www.pewresearch.org/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

何か変ですよ! 85: 何が問題か? 8: 摩訶不思議な言葉遊び


 1

*1

 

 

前回は、日本だけでなく世界が右傾化している背景を見ました。

右傾化はハンチントンが指摘した文明の衝突が大きく影響している。

今回は、今起きている不思議な言葉遊びを見ます。

 

 

はじめに

今の日本の経済と政治は凋落を深めているように思える。

しかし、多くの人にはそうは映らない。

この違いを「何が問題か?」で解明したいと連載を始めました。

 

今まで、日本の経済先行きと所得格差、右傾化を取り上げて来ました。

しかし、これとて反対の立場から見れば正常に見えるらしい。

今回、この反対の立場の一端をみます。

 

 

2

*2

 

 

忖度を巡って

ある田舎の役場を退職した人に、私は「役場で忖度(そんたく)はどのような感じですか?」と聞きました。

彼は「そんなものは無いよ! 第一、忖度と言う言葉は急に出て来たものだから・・・」とあっさり否定されてしまった。

 

マスコミでは森友・加計問題、詩織さん事件で「忖度」が毎日のように騒がれています。

私は彼の口から、忖度の事例が聴きたかったのですが、拍子抜けでした。

 

忖度と言う言葉はあまり使われていなくても、出世を望む人の多くは上司の意向を汲み取り仕事をするのが当然で、実際に忖度はまかり通っているはずです。

これが出来ないと上司から「気配りの出来ない奴」と相手にされなくなるでしょう。

 

敏感な彼は、とっさに私の質問に政府批判を汲み取り(忖度し)、否定したのでしょう。

彼は如何にも強面で独断専行タイプでした。

 

「忖度」はあまり使われない言葉ですが、その意味するところは大概の人には分かり、日本の社会に定着した精神文化です。

どちらかと言うと良い意味で使われ、その意味は他者への配慮、気配り、推察などでしょう。

 

ある新聞記者が2003年に投稿した文に忖度を使っていた。

 

「・・。あえて忖度すれば、そのような錘(おもり)を心の中にぶら下げた人々が、数多く戦後の数十年を生きて来たのではないか。」

 

これは戦後、親しい人物が誰にも従軍中の体験を語らなかったことについて触れたものです。

 

3

*3

 

 

あるテレビのニュース番組で

以前、二人のコメンテーターが森友問題に関して答えていました。

 

司会者が「官僚は忖度するものですか?」とこの二人に尋ねました。

すると、一人は「忖度は当然あるはずです」と答えた。

もう一人は、「上級の官僚は忖度なんかしないですよ」と明言した。

 

私は聞いていて、奇異な感じを受けた。

忖度自体が悪いのではなくて、上司や利害関係にある人物の便宜を計り、法や手続きを曲げて、不公正なことをする事が悪いはずです。

このことは自明なのに、簡単に忖度を否定し、しかも下級の官僚ならやるでしょうとはぐらかす返答に、この人物の悪い忖度例(権力者へのおもねり)を見た。

 

この人物とは田崎史郎氏でした。

 

 

面白い座右の銘

ある官僚の座右の銘が「面従腹背」だそうです。

この意味は「うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと」で、通常悪い意味で使われます。

 

この官僚なら上の者(権力者)に忖度をするはずはなく、自ら便宜を計らない潔癖な官僚と言える。

それこそ田崎氏の弁に従うなら、正に上級官僚の手本と言えるかもしれない(笑い)。

もっとも出来る官僚達は政治屋を馬鹿にしているので、このような風潮が生まれと言え、やはり良い状況とは言えないが。

 

この官僚とは前文部科学省事務次官の前川喜平です。

 

 

これに輪を掛けて不可思議な事

実は、この前川氏を「官僚のクズ」と言い放った元官僚がいた。

 

この元官僚は「面従腹背などと言って逃げず、官僚なら正々堂々とクビを覚悟で仕事をしろ!」と前川氏を罵倒する。

私もそうあって欲しいと願うが、そうでないのが日本の悲しさ!

官僚組織は縦割社会の典型で、残念ながら長いものには巻かれろは日本の風土です。

 

かの田崎史郎氏は忖度しないのが上級官僚と言い放ったのに、ここではそれが仇になっている。

 

この元官僚とは岸博幸氏です。

 

 

 

4

*4

 

 

何がおかしいのか

おそらく私のこの説明を読んでも、二つの異なる立場は対立したままでしょう。

現政権内で忖度が災いを生んでいると考える人と、忖度など無いと考える人の溝は埋まらないでしょう。

 

簡単に言えば、忖度はありふれた日常の行為で、これを否定することに無理がある。

むしろ日本では出生する人ほど(仕事が出来る人ではない)、忖度出来るのが常識です。

重要なことは、忖度により不正が行われることです。

 

先述の役場の退職者や田崎氏、岸氏の立場は「忖度があった」ことを否定することにより、配下の不正行為を権力者(上司から首相まで)と切り離すことにあるようです。

つまり彼らは誰かの立場が悪くならないように忖度しているのです。

残念ながら、この態度も日本の組織でよく見られるトカゲの尻尾きりで、幾度も繰り返されて来ました。

 

 

悲しい事

今の日本の政治では不毛な口論が延々と続くだけです。

 

不毛なのは追及する側と追及される側だけではない。

それらに加勢し、さらにつまらない口論と煽動を行うマスコミに生きる人々が居る。

この人々の言説に留飲を下げ、憂さを晴らす人々が、さらに大勢居る。

これが最も悲しいことだろう。

 

 

私の知る限り、革新が続き、成長し続ける会社の社長は、部下が上司への無駄な忖度、おべっかなどをしないようにさせている。

小さな不正も積もれば、やがて山となるの例えです(笑い)。

日本の政治も私利私欲(党利党略)を離れ公正でありたいものです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

Categories: <japanese language, opinion, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , | Leave a comment

フランスを巡って 43: シャンポール城に向かう


 

1DSC06885-1

*1

 

今日は、同じロワール地方にあるシャンポール城までの車窓の景色を紹介します。

走ったのは、2017年5月25日(木)の午後でした。

 

 

2

< 2.地図、上が北 >

 

バスがシュノンソー城を出発したのは13:20頃で、シャンポール城に到着したのは16:30でした。

この時も快晴で、雲一つなかった。

地図の青線は走行ルートを示しますが、この道を通過したかは確信がありません。

ただロワール川沿いを走ったことは確かです。

 

以下の写真のほとんど撮影順に並んでいますが、数枚は異なります。

 

 

3

*3

 

4

< 4. ロワール川 >

 

フランスの幾つかの大河沿いを走ったが、セメントでの護岸工事がなされていないことに感心した。

それは都市周辺でも変わらない。

そして河原の自然の緑が至る所、憩いの場となっていた。

 

なだらか地形がこの川の風景を許すのか、おそらく生活を楽しむ人々の思いが、この景観を守り育ているのだろう。

フランスの経済は良くはないが、国民はそれを凌ぐ生活の場を得ており羨ましい気がする。

 

 

5

< 5. ロワール川沿いの城 >

 

 

 

6

< 6. ロワール川沿いでサイクリングを楽しむ人々 >

 

 

7

< 7. 乗馬を楽しむ人々 >

 

 

8

*8

 

 

 

9

*9

 

 

10

*10

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: 連載中 フランスを巡って, <japanese language, travel+photo, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

何か変ですよ! 81:  何が問題か? 4


1

*1

 

 

前回、日本の賃金が下がり続けている状況を知りました。

その一方、企業は空前の利益を上げ続けています。

それでは企業の好業績は私達に恵みをもたらすのでしょうか?

 

 

豊かになった企業は日本経済を救うのか?

政府は大企業が儲けなければ、庶民に恩恵が行かないと言う。

今後、企業が賃金を上げ、設備投資をしてくれればそうなるのだが。

この可能性を調べてみましょう。

 

 

 

 

2

< 2. 豊かになった企業がしていること >

 

 

上のグラフ: 東洋経済 山田記者のグラフ。

 

労働分配率が長期低下傾向にあり、さらにリーマンショック後も低下し続けている。

こうして企業は労働分配率(付加価値に占める賃金)を下げ続ける一方で、内部留保を長期にわたり積み上げている。

もっともこの内部留保が設備投資に向かえば日本経済は浮上するのだが・・・・

そこで下のグラフを見てください。

 

下のグラフ: 日本政策投資銀行 田中氏のグラフ。

これは民間企業の設備投資額のGDPに占める割合を示している。

一目瞭然だが、企業は内部留保(資金)が潤沢にあるにも関わらず、設備投資を抑えている。

これでは生産性向上は見込めない(設備投資だけが生産性の要素ではありませんが)。

 

これでは踏んだり蹴ったりだ!

 

 

それでは企業のあり余った資金は何処に向かっているのか?

 

 

 

3

< 3. 企業が目指していること >

 

上のグラフ: 日本政策投資銀行 田中氏のグラフ。

これは企業家が抱く期待成長率と設備投資の関係を示す。

 

このグラフは、設備投資が少ないのは企業家マインドの冷え込みに起因していることを示している。

 

政府は声高に法人減税は景気浮揚策と説くが、どうだろうか。

米財務長官時、ポール・オニールは「まともな経営者は法人税が減税されたからと言って、むやみに設備投資を行わない。」とブッシュに進言していた。

企業や富裕層への大減税は米国のレーガンや子ブッシュの例が示すように、概ね赤字を増やしただけでした。

だがこの手の減税は米国主導により先進国は安売り競争の状態に陥っている。

 

 

下のグラフ: 内閣府の国民経済計算(GDP統計)より。

これは設備投資と財貨の輸出、海外からの所得の推移を示している。

このグラフから日本経済の成熟度、悪く言えば衰退の始まりが見える。

 

設備投資(青線)は横這いなのに、海外に資金(赤線)がドンドン流れ、そして海外に蓄積された資金のもたらす利益(灰色)がドンドン還流し、その傾向が益々強まっている様子が分かる。

(但し、このグラフの資金は家計と企業の分を含んでいる)

 

この状況を肯定するエコノミストもいるが、これが続けば企業は国内ではなく海外に投資し続けることになり、やがて国内産業が衰退することになる。

実は、これは19世紀、英国が衰退した状況と似ている。

 

しかし政府は意欲の萎えた企業に法人減税や公共投資、金融緩和で大量のカンフル剤(通貨供給)を大量投与し続けて来た。

一方で、消費者には消費増税、賃金低下、非正規雇用、低金利、円安(生活用品高)で負荷をかける一方です。

 

この結果、労働者減とも重なり消費が増えず、膨大な資金は実需に繋がらず、巨大な投機資金となって世界を駆け巡り、いずれどこかでバブル崩壊が起こり、金融危機が繰り返される。

こうして、軒並み先進国は膨大な累積赤字を積み上げ、破綻の道を進むことになる。

 

 

最後に日本経済を俯瞰してみましょう

 

 

 

4

< 4.GDPと消費と賃金の推移、内閣府の国民経済計算(GDP統計)より >

 

このグラフは、企業が所得と内部留保を増やす一方で、労働者が賃金低下によって貯蓄分を減らすことで消費を続けている状況を反映している。

この間、家計の貯蓄の伸び率はドンドン低下している。

 

国内総生産の半分を占める家計消費が伸びなければ、国内総生産は伸びず、経済成長はあり得ない。

さらに低調な設備投資が足を引っ張る。

21年間で賃金が10%低下するなかで、国民は家計消費を6%増やしたが、国内総生産は2%低下した。

 

皆さんは、何が問題なのかが見えて来たでしょうか?

 

 

まとめ

上記の説明は大雑把な説明ですが、大まかに日本が何をして来たか、そして何を重視し何を放置して来たかがわかったと思います。

 

今の状況を作りだしている三つの政治経済の潮流とは何か?

A: 1980年代からの米国主導による自由放任主義経済の潮流。

B: ここ半世紀の与党の企業優先の政治の潮流。

C: 2013年からのアベノミクスの潮流。

 

今の日本の経済状況は、上記三つの潮流が合流したものですが、結局、この三つは米国の圧力(構造改革要求、プラザ合意など)と米国主導による自由放任主義経済で繋がっています。

 

日本国民としては、「先ずは企業が豊かになり、やがてトリクルダウンの恩恵を受ける」と言う政府の言葉を信じたいでしょう。

しかし、米国と日本の過去40年間の実績から、今後もバブルが繰り返され、賃金低下と所得格差の悪化は必然です。

 

 

私達は疑いの目を持ち、自ら検証する姿勢を捨てるべきではありません

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: economy, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

何か変ですよ! 80:  何が問題か? 3


1

*1

 

 

前回、日本の失業率低下と賃金上昇の背景を見ました。

しかし、何らかの天井が賃金の上昇を遮っているようでした。

また、今回の景気好転には手放しで喜べない事情があります。

 

 

はじめに

前回、今回の失業率低下と賃金上昇はアベノミクスの効果と断定出来ないことを見ました。

また、この二つの指標は単に景気好転で決まるものでないことも見ました。

 

これから日本の経済状況を規定している三つの政治経済の潮流と、賃金の

上昇を抑えている正体を明らかにします。

 

 

景気好転の切っ掛け

前回のNo4のグラフから、失業率は2009年で、就業者数は2010年で底を打ち、その後上昇を始めました。

所定内給与は2010と2011年に上昇したが、2012と2013年に一度低下し、その後また上昇しています。

この背景を簡単に確認します。

 

 

 

2

< 2. 日本の輸出・輸入額の推移、日本貿易会HPより >

 

グラフ中の番号⑧で示すように、2010年にはリーマンショック後の景気回復が世界的に進んだことにより、貿易が急伸した。

しかし⑨で示すように、2011年から2012年にかけてはEUの金融危機と東北大震災で輸出が減り、金融危機回避による円安と復興需要で輸入額が急増した。

 

つまり、アベノミクスの効果を否定出来ないが、大きな流れとしては株価上昇や円安と同様に世界経済の立ち直り時期と一致したことが一番でしょう。

 

しかし実はこれが大きな不安要因でもあるのです。

今回の景気回復は、リ―マンショック後の米欧中による歴史的な巨額の貨幣供給が呼び水となっており、実体経済の10倍を越える資金が投機の為に世界中を駆け巡っています。

 

おそらく1~3年以内にバブルが破裂し、世界はより深い金融危機に見舞われ、日本は巨大な金融緩和の反動で今までにない倒産規模と大量の失業に見舞われるでしょう。

こうして、次のグラフ「賃金と企業所得の推移」の青の直線の延長が暗示するように労働者の賃金は更に低下することになる。

このことは、過去40年間の米国の所得の推移からも明白です。

この間のメカニズムは連載「日本の問題、世界の問題」で説明しています。

 

この世界的な不安要因は、三つの内で最も大きな政治経済の潮流、自由放任主義経済がもたらしたものです。

 

 

 

なぜ日本の賃金は天井につかえてしまったのか?

世界経済が好調で、欧米の中央銀行が金融緩和からの出口戦略を取り始めたと言うのに、日本の賃金はなぜほんの少ししか上がらないのだろうか?

 

何が災いしているのだろうか?

労働者の働きが悪いのか、それとも経営者の財布の口が閉まったままのか?

 

 

 

3

< 3. 日本の賃金はなぜ下がるのか? >

 

上のグラフ: みずほ総合研究所高田氏のグラフ。

日本と米国、ドイツの賃金の伸び率とその寄与度がわかる。

 

日本の賃金の伸び率は、2005~2010年に下降から上昇に転じたが、微々たるものです。

米独と大きく異なるのはインフレへの期待が低いことで、これはデフレだから当然です。

かつて世界に誇った日本の労働生産性は低下の一途で、これが問題です。

さらに2010~15年に関しては、労働分配率の低下が賃金を抑制している。

 

 

下のグラフ: 内閣府の国民経済計算(GDP統計)より。

左軸は賃金、右軸は民間企業の所得で、単位は共に10億円です。

 

このグラフから、国民の賃金はバブル崩壊の度に下がり続け、長期低下傾向にあることがわかる。

青の直線は賃金の線形近似で、概ね21年間で10%低下(約23兆円低下)している。

それに比べて、民間企業の所得は21年間で218%上昇(33兆円増加)している。

 

つまり答えは簡単で、民間企業は法人減税などの優遇策により所得を増やす一方、労働者は非正規などの解雇容易化で賃金を抑えられて来たのです。

(賃金低下のメカニズムはもっと複雑ですが、これが主要な要因でしょう)

更に悲しいことに、労働者は逆累進課税の極みの消費税でも苦しむのです。

 

この労働者軽視で企業優先の政策、つまり日本の長期政権による政策が二つ目の潮流です。

 

ところが問題はこれだけでは済まないのです。

 

 

次回は、この企業優先の政策がもたらす結果について考察します。

 

 

 

 

 

 

Categories: economy, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

何か変ですよ! 75: 戦いの始まり 2


 1

*1

 

 

前回、北朝鮮の挑発行為、ミサイル発射は三ヵ国の首脳交代と時を同じくし、彼らが不思議に似た者同士である事も見ました。

しかし更なる深い理由があり、その一つが核兵器とミサイル開発です。

 

 

2

*2

 

はじめに

重要なことは核弾頭ミサイル(核兵器とミサイル)は小国でも製作可能で、かつ大国を威圧するには好都合な兵器どと言うことです。

 

これほど危険な兵器ですが、国のGDPが数兆円でも開発と製造が出来てしまう。

一方、例え一発の核弾頭ミサイルであっても全土を被弾から守る為には膨大な迎撃システムが必要です。

なにせ被弾する国では一発で数十万人が死に、中心部は廃墟と化し、永久に住めなくなります。

一方、攻める方は偽装船や潜水艦で近海から偽装弾と共に発射すれば、すべてを迎撃されることはない。

これでは国土が広い大国は数十兆円かけても完全な迎撃は不可能です。

 

こうして核弾頭ミサイルはコストパフォーマンスの高い兵器となりました。

この核兵器は今までになかった危険性を持つ厄介な兵器なのです。

それではどうすれば良いのでしょうか?

そのヒントは、現在の核拡散にあります。

 

 

 3

*3

 

核拡散が示すもの

世界で最初に核兵器を開発し所有したのは米国でした。

その後、ソ連が米国に対抗して保有、次いで英仏もソ連に対抗して保有した。

これに続いて中国が、米ソに対抗して保有した。

遅れてインドがパキスタンに対抗して保有、するとパキスタンも保有した。

イスラエルはアラブに対抗して保有し、これに対抗してイランが一時、開発していたようだがイスラエルの破壊工作で断念したようです。

そして現在、北朝鮮が開発中です。

 

 

4

*4

 

 

ここで注視すべきは、後続の核保有国は米国、ソ連(ロシア、ウクライナ)、フランス、中国のいずれかからの援助か情報により開発を終えていることです。

 

ミサイルは通常兵器より少し高くなる程度でどこの国でも保有可能です。

核爆弾には濃縮ウランと起爆技術が必要ですが、一発の費用は数億円と高額ではありません。

濃縮ウランは国内に原子炉があれば、後は遠心分離機で作れます。

核兵器に関わる部品や設備、技術は闇市場で出回っている。

これは当然で、世界は膨大な核兵器を保有し、日々、更新の為に核兵器産業を育成しなければならないわけですから。

もし、ソ連のように国の崩壊が起これば、その兵器産業はいとも簡単に技術や部品を売り出すことになる。

こうして、各国は抑止力を高める為と称して、簡単に核兵器を保有することが出来てしまうのです。

 

核開発を自発的に辞める国も幾つかありましたが、あまり期待できないでしょう。

 

 

5

*5

 

 

何が問題なのか?

お察しの通り、世界に核兵器産業が現存する限り、更には原子力発電所がウランを使い続ける限り、今後も、核兵器は拡散していくでしょう。

やはり、ここは核に関わる闇市場を撲滅し、各国の核査察を徹底する為には、核兵器産業を零にするしかないでしょう。

大国のエゴを許す限り、今回のように必ず痛いしっぺ返しが続くことになる。

 

米国で銃が蔓延し乱射事件が頻発しているように、これからさらに核兵器が拡散し、テロが恫喝を繰り返し、人類の生き残りは益々望み薄になるでしょう。

 

 

次回に続きます。

 

 

Categories: <japanese language, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

何か変ですよ 73: 日本の問題、世界の問題 9: 今、何を始めるべきか?


 

1

*1

 

 

今、選挙が始まろうとしています。

これは、まさに世界が加速度的に劣化していくことを象徴しています。

なんとか劣化を食い止めたいものです。

 

 

  •  はじめに

日本の首相は野党の体たらくにつけ込み、勢力拡大を狙い解散を行いました。

彼は実に政治の駆け引きが巧で、まさに独走態勢です。

一方、野党は未熟の一言に尽きます。

先進国では珍しいと言うか、世界はこの潮流に呑み込まれつつあります。

 

おそらく、選挙後、首相は憲法改変や軍事力増強を行い、短期的には周辺諸国との紛争突入の可能性が高まり、中期的には世界で火種が増し、長期的には国内で所得格差が拡大し、経済破綻が起こるかもしれません。

 

もしかすると、彼が采配を振るうことにより、逆に世界はより平和となり、やがて起こる経済成長が格差を縮め、経済破綻も防げるかも知れません。

 

ここが思案のしどころとお悩みの方も多いことでしょう。

 

検討すべきポイントは二つです。

一つは現政権の政策を押し進めて良いのか、または避けるべき政策があるのかと言うことです。

そうだとしても頼りない野党を選んで良いのかと言うジレンマもあります。

 

 

 

  •  現在の問題

この連載で、これまで様々な問題を指摘して来ましたが、最大のものは何でしょうか?

 

世界に関しては、際立つものとしては自由放任主義のグローバル化と米国の身勝手な軍事行動でしょう。

これを仕向けて来たのは一部の超富裕な金融資本家達の強欲と言えるでしょう。

このことを指摘するのは良識ある学者に留まらず右派・左派の論客にもいます。

 

日本に関して、放置すれば致命傷となるのは労働人口減と米国追従でしょう。

これらがなぜ放置されて来たかと言えば、戦後レジームの惰性、つまり長期与党の安逸な日々が続いたからと言えるでしょう。

 

あまりにも単純な指摘ですが、現在のように放置し続けると、痛いしっぺ返しを受けるでしょう。

つまり、今の政策以前に現与党の姿勢と、その背景にある世界の潮流に杭を打ち始めることが肝要です。

 

残念ながら、これらは即効性のない提案ばかりです。

とりあえず現政権の経済と軍事の暴走防ぎ、後は世界と共に手を打ち始めることから始めなければならない。

 

要点を以下に述べます。

 

 

2a

*2

 

 

  •  世界を危険に陥れている問題
    1. 自由放任主義のグローバル化

既にこれまで説明して来ましたが、要点を述べます。

 

これが各国の所得格差を拡大させたことにより、多くの低所得層だけでなく中間層までが不満を持つようになった。

また金融セクターのエゴによって起こる金融危機は、各国の財政を悪化させ、緊縮財政による福祉の低下と大量失業が貧困層を増大させた。

 

 

  1. 米国の身勝手な軍事行動

米国だけが身勝手な軍事行動を行っているわけではないが、世界を戦火に巻き込み、内戦や難民を最も多く出しているのは米国です。

また米国は経済や諜報活動でも、世界に悪影響を与え続けている。

例えば、地球温暖化条約破棄やクーデター支援(政府転覆)などがこれにあたる。

 

この二つのことが半世紀以上続いたことにより生じた難民や移民が流れ込む先進国では高失業と重なり不平不満が高まり、エゴ剥き出しの排外主義が横行するようになった。

このことが、米国ではトランプ現象となり、EUや日本では右傾化が進んでいる。

これを象徴するスローガンが「米国一番」「都民ファースト」であり、人々を魅了することになった。

 

不思議な事に、日本では失業や難民問題が深刻でないにも関わらず、米国と中国・北朝鮮との対立に煽られて、キナ臭さから焦げ臭くなりつつある。

 

このまま進めば、先進国を含む世界はどうなるのだろうか?

はい、悪化するだけです。

このまま勝手に世界が正常に戻る理屈はない。

 

そうは言っても、各国の努力は無駄なのか?

米英日以外にうまくやっている先進国(北欧やドイツなど)もあるが、世界は一連托生にならざるを得ない。

景気刺激策が功を奏したら、必ず良くなると信じたいのは皆同じですが、同じ事が繰り返されるだけです。

 

上記、二つのこと放置したままでは、他の施策を行っても焼け石に水か、破綻を先延ばしするだけで、むしろ傷を深めることでしょう。

待ち受けるのは世界を巻き込む巨大な金融危機か資源獲得紛争、ついには核戦争でしょう。

 

 

3a

*3

 

 

  •   日本を窮地に追い込む問題
    1. 労働者人口減

これは単純明解で、経済にマイナスです。

日本も遅れて、いくらか対策を嵩じてはいるが、あまりにも遅い。

また移民に対して嫌悪感があり、このまま行くと、長期減退は免れない。

 

  1. 米国追従

「米国追従の何が悪いのか?」と責められそうです。

また「お前は、反日か!」と罵られそうです。

 

これまでのように日本が米国追従を続けるなら、前述した「世界を危険に陥れている問題」を方向転換するどころか、英国と共に米国の身勝手をさらに加速させることになる。

 

一番の問題はこれらを無視して来た与党の姿勢であり、これを見過ごして来た国民にも責任の一端はある。

米国の意向に沿った原発促進や莫大な公共投資が何を招いたでしょうか?

前者の功罪は世界の判断から明確になった。

後者は日本の経済成長を呼び起こすはずのものだったが、その結果、零成長と世界でも群を抜く累積赤字となった。

これらは「NOとは言えない」与党政府が招いた結果の一部にしか過ぎない。

 

 

 

米国追従を望む人々は、米国の核の傘に入れば安心だと思っているようです。

 

しかし、私は技術的見て日本列島を核攻撃から守れるとは思えない。

むしろ、火種が増し、紛争の最前線となるのは極東の端にある日本列島でしょう(米国にとって防波堤)。

また米国との同盟強化による抑止力を期待する人もいるが、この効果は良くもあり、悪くもありと言うところです。

簡単に言うと、敵国が冷静で正確な情報を持っていれば抑止力は増すが、そうでない場合は、敵国は戦意を煽られ暴挙に出る可能性が高まる。

米国のおかげで防衛費が少なくて良かったと言う意見もあるが、現状の軍事費(GDP比率も)の国はいくらでもある。

 

重要なのは、大戦以降、米国の軍事行動の大半が世界中に戦火を広げ混迷の種を撒いて来たと言う事実です。

ましてトランプの下では危険性は高まるだけでしょう。

 

なぜ日本政府が米国追従なのか様々な憶測が飛び交っているが、戦後、政府の政策を見ていると、経済(構造協議)、金融(市場開放)、産業(民営化)、為替(プラザ合意)、軍事(海外派兵)すべてに米国の言いなりと言える。

おそらく密約やCIA等により日本政府が牛耳られていると言うよりは、単に自発的な交渉で米国(政府や議会)の機嫌を損なうよりは、言いなりが楽と言うことに尽きるのだろう。

この手の押し付け、自由放任主義の拡散は世界中に行われたが、日本は最も従順に受け入れて来た。

 

例えば、沖縄返還では、その結果によりノーベル賞を受賞した首相もいれば、その秘密交渉に尽力した外交官は、その結果に後悔して服毒自殺していた。

それでも対外交渉の矢面に立つ外務官僚は徐々に変わって来ているようだが、旗振り役の政治家はやはり国民受けのアピールを狙い、旧態依然とした手法に頼ることになるだろう。

 

 

4a

*4

 

 

  •  現政権の長短
    1. 首相の長所

首相は政治駆け引きとリーダーシップに優れ、与党内からの反発が少なく、長期政権を担える。

また彼は外交にやりがいを感じており、日本はとりあえず目立つ存在になった。

 

  1. 首相の短所

今回の解散や消費税撤回、憲法改正の進め方、身内問題(加計など)などを見ていると、信頼出来る人物ではない。

つまり、国民の願う方向に向かうとは限らない。

麻生の言うように、いつの間にかナチスに牛耳られたと言うことになるかもしれない。

 

最も不安なのは、彼の認識の偏りとある拘りです。

かつての日本の戦争の評価や戦争回避の手法、また経済や政治運営において、今までの与党にもあった制約がなし崩しになって来た。

単に、右翼と言ってしまえばそれまでだが、それだけではない。

その目立つ強引さに比べ、将来招くことになる様々な弊害についての目配りが不足している。

ふるさと納税や年金の株式運用など、問題を訴えた官僚達は外され、顧みられることはない。

 

もう一つは、岸おじいさんへの極度の愛着で、これが彼を振る舞いの淵源だろう。

 

 

  1. 政策の問題

他の事で目立っても、自由放任主義のグローバル化や米国追従に積極的なのでは何ら解決にならない。

 

本来、円安誘導は米国を怒らすはずだったが、今回それが無かったのが不思議です。

考えられるのは、軍事的な追従で帳消しにされているのか、大量の米国債を買うことで許されているのかもしれない(将来、ドル安になれば大損害となる)。

 

アベノミクスによる経済効果はあっても一時的でしょう。

現内閣は誕生時から、世界の金融危機後の立ち上がりと言う幸運に恵まれていた。

もし効果があったとしても、その後、どこかで金融危機が起これば、膨大な貨幣供給により大きなしっぺ返しを被ることになるでしょう。

結局は、米国や英国の二の舞になるだけです。

 

結論としては、現政権の延長は、戦争と経済に関して危険が増すと言うことになる。

 

 

 

5

*5

 

 

  •  国のトップの資質について
    1. トランプに期待する人の意見

期待する理由は彼が財を成し得たのは優れた交渉術のおかげだと言うものです。

これが米国の再生を救うと信じている。

 

しかし、彼の事業手腕のポイントは法(破産、公共体からの融資、脱税など)を犯罪すれすれで悪用し、一方で悪徳で名高い弁護士によって事業を拡大して来たと言える。

つまり、極論すれば自分で法を犯しながら、国法に守らて来たと言える。

このような手法が、法を率先垂範すべき国のトップ、ましてや信頼が欠かせない各国間で通用するとは思えない。

各国間の懸案は脅しと軍事力でしか解決しないと考えれば、トランプは良い選択かもしれない(その結果は恐ろしいが)。

 

 

  1. 保守が期待するトップ像

ある日本の保守論客(元外交官)は、敵を作り紛争を繰り返す米国を悪の権化と言い募る。

さらに彼は欧米は国際金融勢力による傀儡であり、そのマスコミも牛耳られ、逆らうロシアなどを食い物にしようとしていると指摘する。

 

彼の指摘は事実も混じっているので面白いが、最大の難点は論理の飛躍があることです。

不思議なことに、日本政府はその害毒に毒されず、ましてや現首相は毅然とそれに立ち向かえると言うのです。

つまり、世界を救うのは今の首相しかいないと言うのです。

 

百歩譲って、それを認めたとして、現実の動きはどうでしょうか。

首相はトランプを諫め、暴挙を抑えようとしているでしょうか。

 

例え、互いに同意見だから協力しているとしても、最初の前提とは甚だしく異なっているように思えるのだが。

私にとってこの手の論説は、唯の好き嫌いを長々と述べているに過ぎないと思うのだが。

 

 

 

  •  世界と国内の関係について

自由放任主義のグローバル化が悪いと解っても、それを正す方法に問題がある。

 

ある識者は言う、自由を求めて広がるグローバル化を規制や税で制御すること自体に無理がある。

大半の経済学者も、これに賛同するだろう。

一理はあるが、明らかに災厄の原因が判明しているのに放置して良いことにはならない。

 

確かに、現状では多国間の貿易交渉さえまとまり難いのに、まして世界を統一された規制や税制で網羅しようとすることは不可能に近いかもしれない。

そうは言っても、世界は徐々に主要20カ国リーダー会議とか、フロン規制などで成果を積み上げて来ている。

 

ここで見方を変えて、災いの根源となっている超大国の横暴を抑えることが出来れば、世界は一歩前進するのではないでしょうか。

つまり、超大国に追従するばかりでなく、独仏が行っているように、友好国ではあるが、その都度是々非々で対応を判断するぐらいの自主性を持つことが、これからの日本に求められるのではないでしょうか。

 

もっとも大事なことは、少なくとも超大国の身勝手を、他の先進国と一緒になって抑えるようにならなくてはならない。

つまり、グローバル化の災いを招いている金融セクターの独走を米国から正すことです。

 

我々が、現状の世界経済の行く末を正すには、世界規模の改変か、米国(一部EU含む)を諫めて行くことから始めるしかない。

 

 

 

  •  今回の選挙にあたって

とりあえず、何を選んではならないかは見えて来ました。

しかし、それではどの政党を選べば良いのでしょうか?

 

残念ながら、私にも見えて来ない。

既存の野党はバラバラで、新しい政党に実力があるようには思えない。

 

また現実的に考えて、アベノミクス(リフレ策と財政出動)や自由放任主義のグローバル化を、日本から変えて行くことは困難でしょう。

改善策の経済政策が一部の経済学者により提唱されているが、残念ながらそれが広まる雰囲気はまだないように思う。

ましてや、追従か拒否かの両極端にある日本の政治家に、それを実行出来る豪胆さはないだろう。

 

そうなれば、ここは消極策で行くしかない。

つまり、現首相に「暴走するな!」と伝えるぐらいだろう。

それ以上の事を望めるとは思えないし、後は悪化が急速に進まないことを祈るぐらいしかないでしょう。

 

戦後の日本の政治を見ていると、反対する野党の存在が長期与党の独走を防ぎ、欧米流とは異なる大きな政府を生み出して福祉や医療制度で世界に誇れる国になったと私には思える。

 

 

皆さんの健闘と幸運を祈ります。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , , , | Leave a comment

何か変ですよ 72: 日本の問題、世界の問題 8: おかしな認識の数々


1

*1

前回、世界経済は危険な兆候を示しているが、人々が無視し出来る理由があります。

今回は、その根底にあるおかしな認識について見ます。

第一章 はじめに

前回示した危険な兆候には、日本だけでなく先進国で深まる所得格差、経済成長の低下、繰り返し巨大化する金融危機、急伸する累積赤字がありました。

日本に限っては人口減があります。

人々がこの兆候を無視する理由には、自由放任主義とグローバル化への信奉が背景にあることがわかりました。

これが金融セクター(金融資本家)が政府をリードし、一方で自虐労働観が蔓延ってしまった原因にもなった。

前回、この危険な兆候はほんの40年前の人為的な政治・経済の転換から始まったことを示しました。

そして、現在、益々危険度は高まり、改善の兆しはありません。

人々が危険な兆候を前にして傍観出来るのは、これらを危険と認識しない理由があるからです。

 

2

*2

第二章 これら兆候を危険と認識出来ない理由とは

私が危険と見なす幾つかの兆候を、人々が危険と認識しない理由を探ります。

そこには繰り返される偏見や、ちょっとした思い違い、煽動があります。

  1. a) 所得格差

「所得格差の何が悪いのか?」と思っている人もいることでしょう。

稼ぐ人が稼げば良い、働かない人は収入が無くて当然ではないか。

「収入が無いからと言って、儲けている人の足を引っ張るな」と言う日本の経済学者もいます。

しかし所得格差が放置されると幾つかの問題が発生します。

多くの低所得層の消費が伸びず経済発展が阻害されます。

貧困家庭では充分な教育が行えず、適切な労働者の再生産が出来ない。

いずれ所得格差が拡大し、社会に不満が充満し治安の悪化が起こる。

しかし一番の問題は、多くの国民が勤労意欲を無くしてしまうことです。

これは歴史的に繰り返された文明崩壊の最たる要因であり、また現在の後進国の発展を阻害する原因でもあります。

つまり放置することは社会の悪化を招くのです。

  1. b) 経済成長の低下

「これだけ経済は豊かになったのだから、これ以上、浪費を招く経済成長は必要ない」と思っている人もいるでしょう。

だが経済成長は必要です。

現在の福祉政策や莫大な財政赤字を考えると、経済が縮小したり停滞すると福祉と経済はいずれ破綻することになる。

たとえ国民が生活や医療の水準を低下させることを受け入れても、わずかなりとも成長は必要でしょう。

問題はむしろ、経済が成長出来ない真の理由を先進国の首脳達が把握していないか、認めたくないことにある。

数こそ少ないが著名な経済学者が原因の指摘と献策を行っているのだが。

それゆえ、並み居る先進国は巨額の財政出動とマネサプライを続けて、景気を強引に刺激し続けています。

この挙句、膨大な累積赤字と金融危機が繰り返しているのです。

つまり、現在の国家運営においては経済成長は必要です。

但し、現在のカンフル剤の大量投与のような景気刺激策は問題を先送りし、破局を極大化させるだけでしょう。

 

3

*3

  1. c) 繰り返し巨大化する金融危機

「バブル崩壊は資本主義経済の安全弁のようなものだ」と考える経済学者も居るぐらいなので、バブルを当然と思う人もいるでしょう。

確かに、バブル崩壊は歴史的に繰り替えされ、おそらく無くすことは出来ないでしょう。

しかし、これから起こるバブル崩壊(金融危機)はこれまでより危険度が増す。

二つの理由があります。

繰り返す内に、経済崩壊の規模が増大していることです。

このような状況は19世紀のヨーロッパでもあり、第一次世界大戦の引き金に繋がったと指摘する学者もいます。

2008年以降、先進国は軒並み、史上初と言える莫大な緩和マネーを放出しているので、景気過熱とその崩壊は世界中を巻き込む桁外れのものになるでしょう。

膨張した巨大な風船は少しの衝撃で破裂することになる。

今一つは、金融危機の度に、金融セクターと超資産家は富を増やし、一方で政府は累積赤字を増大させ、国民は失業と福祉削減のあおりを受けている。

たとえ一時バブル崩壊を逃れても、いずれ所得格差と累積債務の増大が社会と経済を破局に突き落とすでしょう。

  1. d) 急伸する累積赤字

「GDPの2倍に迫る累積赤字でも日本は盤石だ!」と言う経済学者がおり、人々は免罪符を貰ったようなもので、深刻さに目を向けないでしょう。

しかし、いずれ累積赤字が限界を越え、破綻する可能性があります。

この限界は明瞭ではなく、国民が不安に思い始める時が限界と言えます。

残念ながら、今の経済学は儲ける手法を研究しても、社会を困窮させる現象の研究には力を入れていません。

可能性が高いのは金利上昇や、累積債務が国民の金融資産より上回った時かもしれない。

国が破綻すると言うことはどのようことなのでしょうか?

世界を見回して、国家が破綻して地図から消えたのは二つぐらいしかなく、多くは存続を続けています。

それでも傷は深かったのです。

大きく分けて二つの問題があります。

一つは、デフォルトを起こし、政府が国民や海外の投資家に借金を返さないことです。

デフォルトになれば日本人一人当たり1000万円が紙屑になるだけで、平均すればまだ預金や現金が800万円残っている。

皆が一斉に失うので、あきらめがつくはずだと軽口をたたく人もいる。

しかし、この時、国民の落胆だけでなく、金融危機と同様に経済は停滞し、厳しい緊縮財政が続くことになる。

誰も、政府に資金を提供してくれませんので。

今一つは、歴史を振り返ると、累積債務を抱え経済悪化の状況にある時、国民の不満が煽られて戦争や侵略に向かった国がありました。

例えば、政府が状況悪化を大増税や通貨増発で逃れようとした結果どうなったでしょうか?

かつて日本やドイツが他国の侵略に向かい始めたのは、そのような状況で身動きが取れなかった時でした。

これは経済学で論じる範疇を越えていますが。

つまり、歴史的事実として多くの国は累積債務の悪循環から逃れられず、ついには破局に至るのです。

たとえ今は良くても。

 

4

*4

  1. e) 日本の人口減

「人口が減るのは豊かな社会の現れで仕方ない」と諦める人も多いでしょう。

実は、日本の景気低迷の最大の要因は人口減と言えるでしょう。

現在の人口減は、若年層が減り、労働人口が減り、そして高齢者の人口割合が増えることです。

つまり、単純に、働く人が減り、稼がない人が増えることで、確実にGDPは低下していきます。

一時期、退職者を埋め合わせる為に求人が増えても、じわじわと陰りが広がります。

これは致命傷です。

特に、日本はこれを長年放置し、労働移民も増やさないのであれば、それこそ沈没するしかない。

   

第三章 おかしなドグマ 

人々は自由放任主義や、グローバル化、自虐労働観、超繁栄する金融セクターに疑いを持たないかもしれない。

これらドグマの何が奇妙なのかを見ます。

  1. a) 自由放任主義(果てしない規制崩し)

この論理が正しいと信じる人がよく引き合いに出すのが、「自然界は弱肉強食」だと言うのがあります。

この論理の前提に、「競争が強くする=生存競争を生き抜いた者こそが優れている」との思い込みがあります。

結論から言うと、高度な動物、まして人間に当てはめることは間違いです。

簡単に言うと、生死を分けた自然淘汰は進化の源でしたが、高度な動物ほど生存には競争と同様に協力も不可欠でした。

まして社会的な動物(霊長類、人間)には高度な利他行動が不可欠なのです。

実は、この手の進化論まがいのドグマは帝国主義の時代にも、先住民を差別する為に大いに普及したのです。

この手のドグマは保守派経済学のものと言うより、何やら不気味な時に顔を出す亡霊のようなものです。

現実の社会で考えてみましょう。

通常、国が定める経済や産業の規制の多くは、消費者や労働者の為のものでしょうか、それとも企業の為のものでしょうか?

前者もあるが、当然、政府を動かして規制を作り安いのは企業や産業側です。

企業や産業が望む規制の例としては、競争を避ける為に他者を規制するものです(関税、輸入量制限、業界均一料金など)。

一方、消費者の安全を守る為に、企業側を規制する場合もあります(公害防止、消費者金融の金利制限など)。

実際、問題がある多くの規制緩和は、企業繁栄の為に自由を与え、国民や社会への被害は二の次と言うものです。

すべてがそうではないが、米国の金融セクターが巨大化していった背景にこれがありました。

もう少し単純に考えましょう。

歴史的に見て、権力や武器、資本を野放しにするとどうなるでしょうか?

もしある人が「やがて競争の末に秩序が保たれ、必ず平和で平等な社会が訪れるはずだ」と言えば、人々は信じるでしょうか?

おそらく、嘲笑ものでしょう。

しかし、現在の経済学の主流はこのような事を平気で言い募っているのです。

  1. b) グローバル化

「グローバル化は必然だ!」、「グローバル化は災厄を撒き散らす!」と二つの意見に分かれ、これまた何が問題かが分かり難い。

これを例えるなら「自動車は便利だ!」「自動車は危険だ!」と同じです。

つまり危険だけど便利で捨てることが出来ない。

グローバル化を排除するのではなく、グローバル化を適切にコントロールする  ことが必要なのです。

自動車に例えれば、死亡事故を減らすために道路交通法、取り締まり、罰則などの強化が必要だと言うことです。

現在は、大型トラックの巨大コンボイが至る所を自由に疾走しているようなものです。

世界が統一的な法規制や税制を制定し、管理する必要があるのです。

もっとも、これを不可能だと一笑に付す経済学者や、猛烈に反対する業界や大国が存在するので事は簡単ではない。

大事なことは皆さんが、タックスヘイブンや、金融危機や通貨暴落に繋がる過剰で身勝手な資金移動が、これまでどれだけの実害をもたらしたかを先ず知って頂くことです。

 

  1. c)  自虐労働観

「労働者を甘やかすとだめだ」、「労働者が団体活動するとろくなことがない」 と思っている人がいるはずです。

しかし、そうでしょうか?

企業や経営者を甘やかすことは良いのでしょうか?

企業や産業が金に物を言わせ、社会や政治に影響力を持つことは良いのでしょ   うか?

実は、どちらも限度を越えることが問題なのです。

20世紀の前半は、労働運動の行き過ぎがありましたが、現在は企業側の行き 過ぎなのです。

実は、その前の19世紀は労働者のストが犯罪で、労働者は死を賭してスト権  を社会に認めさせた経緯があったのです。

もう一度立ち止まって、労働者自身が労働権に気づかないといけない。

  1. d) 超繁栄する金融セクター

高々、一産業(金融セクター)の発展を妬むのは良くないと言われそうです。

この事を前回まで扱って来ましたが、やはりこの中心問題は金融セクターが巨 大な力を持ち、災厄をもたらしているにも関わらず国民の立場になって制御出 来なくなってしまったことです。

端的な例は、毎回金融危機を繰り替しておきながら、血税で救済しなけ ればならず、また財政赤字を増やし続けなければならないことです。

繁栄すること自体が問題ではなく、歴史上よくある、武力や権力の集中が恣意 的な振る舞いを増長させてしまうことなのです。

現在の問題は、金融セクターが経済と政治の中枢を握ることで起こっているの です。

第四章 何が国民を惑わしているのか

私は経済学にかなりの非があると考えます。

極論すると経済学は似非自然科学でありながら、経済を制御出来ると吹聴し、かつ国民が疑いを差し挟むことが出来ないことが問題なのです。

  1. a) 経済学者の断言と予測は占いよりましか

巷では、「累積債務を問題にする輩は経済音痴である」「リフレ策は金利高騰を招かない」などと強気の発言をする経済学者を見かけます。

しかし、経済史、特にバブル崩壊史を振り返ると、ある種の経済学者の挙動が珍妙です。

ここ2百年あまりの数々のバブル絶長期において、なぜか新進気鋭か人気絶大な経済学者(実業家も居るが)がバブルを煽り、さらには崩壊の危険が無いと言って喝采を浴びていたのです。

当然、バブルで一儲けしようとする人々は彼に熱烈な声援を送ります。

その結果、彼はバブル崩壊と共に凋落の憂き目にあうのですが、潔く責任を取ったと言うことを聞きません。

単なる目立ちたがり屋が、たいした根拠もなく科学的な物言いによって、国民を惑わせただけなのです。

詳しくは「バブルの物語」ガルブレイス著を見てください。

あの「金融の神様」と呼ばれた元FRB議長グリーンスパンですら、2008年のバブル崩壊をまったく予見で出来なかったのです。

憤りを感じるのは、昔の天気予報、いやほとんど占いと変わらない実態なのに断言や予測を軽々とする経済学者、しかしその実害は比べものにならないほど絶大なことです。

私の経験では、彼らは経済的な予測―円高や株高など、を行って外れても、まったく平気な人々ばかりです。

つまり、高らかに歌う経済政策の将来の成果は、現在の天気予報のように自然科学上のデーターを使いシュミレーションすることが出来ていないのです。

経済政策や経済予測は、想定外の攪乱要因で多く外れることがあると、皆さんは肝に銘じて頂きたいのです。

 

5

*5

第五章 想定外の危険と向き合う

既に見たように経済的な現象とその理解、さらには問題の解決方法と将来予測には、不確定要素が多々あります。

一方、経済悪化は私達の最大の関心事で、また政治を大きく悪化させる最大の要因でもあります。

これが半世紀前のドイツと日本のファシズムの引き金になりました。

私が一番強調したいのは、想定外の危険や悪化と向き合うことの重要性です。

東日本大地震の原発事故は、福島県の10万人を越える避難者や数十兆円の損害を生みました

想定外で済まされていますが、そこに原発が無ければ、被害はなかったのです。

科学技術に基づいた設備にでも、これだけの被害が発生するのです。

まして一部の経済学者が太鼓判を押す程度の経済政策では想定外のアクシデントによって、逆の事態が起きるとも限らないのです。

増大する累積赤字による破綻、インフレ後の金利上昇、巨大なバブル崩壊など重大な懸念は幾らでも起こりうるはずです。

むしろ問題の本質は、原子力政策と一緒なのですが、経済学は社会科学と言うより、あまりにも政治化しています。

分かり易く言えば、時の政権と癒着していることです。

政権に都合の良い経済学者が重用され、互いに利便を得ていることが問題です。

 

 6

*6

第六章 まとめ

経済の問題を、その思想から論じて来ました。

これらは思想と言うよりも、思い込みや好みと言えるものでした。

歴史は繰り返すと言うが、現在は20世紀前半の労働者優先から、企業優先に変わり、その歪が極大化しつつある状況です。

ここで労働者優先に転換出来るかが鍵になるのですが、残念ながら、大きな問題があります。

それは多数ではあるが非力な人々が社会を変革することは歴史的に見て困難を伴っていることです。

フランスの経済学者ジャック・アタリが言っているように、放置された累積債務の果てに来るものは内乱かもしれない。

そうならない為にも、人々が問題と向き合い、社会を変えて行くことを始めなければならない。

次回に続きます。

 

 

Categories: history+evolution, <japanese language, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

デマ、偏見、盲点 19: 既成概念を打破する


 

1*1

 

 

世の中が保守的になってくると、人々は益々既成概念に囚われることになる。

必ずしも革新が良いわけではないが、発展が阻害されることになる。

今回は、既成概念を疑い打破することをお薦めします。

世の中を良くするヒントが見つかるかもしれません。

 

 

はじめに

人類は、長年信じられて来た既成概念を打破し、新しい取り組みを続けてこそ進歩を遂げることが出来た。

一方で大失敗をしたこともある。

 

既成概念を捨て新概念を生み出し成功している例を挙げます。

 

私有権(所有権)、訴訟権、仇討ち禁止、拷問禁止、商業手形発行、憲法制定、宗教改革、企業の無限責任から有限責任へ、<< 家族間の弁済責任(親の借金を子が弁済)の禁止 >>、三権分立、特許制度、奴隷制廃止、議会制民主主義、年金制度、所得税、累進課税、国連創設、普通選挙、金本位制離脱、軍の文民統制、労働基本権、化学兵器禁止条約・・・、ときりがない。

 

ひとつひとつに長期間にわたる生みの苦しみがあった。

既得権益層と新興勢力の対立、権力者と民衆の対立、国家間の対立などを乗り越え、平和や繁栄、安全、生活向上を求め大いなる決断と合意を繰り返して来た。

 

一方、新しい主義やシステムを過信し苦渋をなめた例を挙げます。

これは明確に失敗とは認識されていないが、人々に大きな損失をもたらしたと言える。

帝国主義、共産主義、ファシズム、2007年の世界金融危機を招いた金融手法が大きなものでしょうか。

 

既に見たように人類史は改革の積み重ねであり、既成のものから脱皮し続ける歴史でもありました。

その過程で失敗があっても、多くは改良し、稀に廃止することにより乗り越えて来たのです。

新規の技術や生産物は無数に生み出され、不要になったものや危険なものは使わなくなった。

 

それでは現実に常識として受け入れられている概念を一つ取り上げてみましょう。

 

 

2

*2

 

 

莫大な国の累積財政赤字

著名な政治家や経済学者の中には、財政健全化の為に増税するのは愚の骨頂で、むしろ赤字を拡大させてでも大幅な財政出動で、景気を浮揚させるべきだと言う。

これにより景気が良くなれば税収増となり、問題は解決すると言う。

 

既に日本が長年やって来た公共投資(土木・建築事業が無駄だっのかも)で赤字を増大させて来たのだが、まだ足りたいないと言う。

 

また、リフレ策が成功することにより経済成長とインフレの相乗効果で、いつしか累積債務が減少し、危険水域を脱すると言う。

現在、アベノミクスに、これらの良い兆しが見えていないが、成功は疑いないと言う。

 

ここで落とし穴があるか探ってみましょう。

 

当面、日本の累積財政赤字はGDPの250%程度になり、仮に危険水域は300%だとします。

アベノミクスが期待出来る一つのポイントは、インフレによって数十年後の累積財政赤字額が今の数分の1になることです。

これは単純な理屈で、順調に理想的な経済成長が実現さえすれば可能でしょう。

 

少し先のことを考えましょう。

 

今後、経済成長率よりもインフレ率が高くなると、未来の生活水準が今よりも低下することになる。

例えば経済成長率1%、インフレ率3.5%が30年続くと、生活水準は1/2になる。

この数値が逆転すれば生活水準は2倍になり、累積財政赤字額は1/3以下の可能性もある(通常、金利も上がるので赤字額の減り方は少なくなる。)。

 

しかしまだ以下の危険が存在する。注釈1.

 

*累積財政赤字の更なる増大はいつか取り付け騒ぎを起こす。

赤字はすべて国内債務で、国民は従順で国を信任し続けるはずだから取り付け騒ぎは起こらないと言う。

確率は低いが、株式や土地の暴落のパターンを見ると、信任の崩れる時が来る可能性はある。

 

*恐慌の影響が大きい。

日本自身でなくても中国や米国、EUで恐慌が起きる可能性を無視してはならない。

ほぼ10年毎に起きているので、繰り返す可能性は高い。

アベノミクスにより日本の経済と金融の体質(恐慌への耐性)が悪化しており、他国発の恐慌にさらに脆くなって行くと予想される。

 

*リフレ策で財政赤字を解消させる姿勢は、健全財政への意欲を低下させる。

政府は無駄遣いと赤字国債発行を続け、さらに日銀による国債直接引き受けが常習化することによりハイパーインフレを招くだろう。

 

つまり、仮に現役世代には良策であっても、未来の世代には愚策かもしれない。

私の推測では、日本の所得の推移は現役世代で横ばいか若干恩恵を受けるかもしれない。

しかし、その一方で未来世代は横ばいか悪化を経験するかも知れない。

今より国の財政・金融の体質が劣化していく可能性が高いからです。

 

私の推測通りに事が進むとは断言出来ないが、起こりうる不幸を考えると、以下の事が重要になる。

 

 

3

*3

 

 

我々は如何にすべきなのか

この問題の本質は、現役世代が借金で消費(浪費)して、その弁済を未来世代に押し着けていることです。

実は、このことを既成概念として我々は受容してしまっているのです。

 

既に見たように、人類は親の借金を子供に返済させることを禁止するようになって久しい。

数十年先の人々が文句を言わないからと言って、未来世代に弁済義務を押し付けることは、時代に逆行している。

 

ここでもきっと為政者達は経済の永続的な発展の為には、エゴを捨てるべきだと言うでしょう。

しかし、これを受け入れれば入れるほど、政府のモラルハザード「倫理の欠如」は劣化するでしょう。

 

この悪い例が、金融恐慌の度に、放埓三昧で暴利を貪った巨大金融業や金融家を数兆円から数十兆円の税金で毎回救済しなければならなかったことです。

残念なことに、現状では救済せずに倒産させると被害は更に拡大してしまいます。

これを知っているからこそ、彼らは幾度も繰り返す常習犯になってしまったのです。

 

当然、世代間の弁済義務を放棄する権利があっても良いはずです。

政府が行政改革をせず、湯水のように税金をばら撒き、赤字を増やし続けるなら、国民は泣き寝入りするべきではない。

本来は選挙で政策変更を勝ち取るべきですが、議員達はしがらみがあり真剣には考えない(既得権益や選挙地盤との慣れ合い、惰性など)。

 

4

*4

 

されば国民は、一点突破で国に直接猛省を促すべきです。

その方法は、皆さんが貯金を下ろすことです(本当は保険の解約も必要なのですが)。

 

政府が赤字国債を発行できるのは、国民の貯金が銀行や農協にあるからです。

現状では市中銀行が政府が発行する国債を引き受ける為には国民の預金が必要なのです。

これに抵抗する為に行うのです。

しかし政府発行の国債を日銀が直接引き受け続けるならば、国民の抵抗は無駄になります。

従って早く事を起こさないと、日本の将来は益々危険なものになるでしょう。注釈2.

以下のグラフにその兆候が現れています。

 

 

5

*5

 

 

現在、1年定期の利率など知れています。

まして前回の金融恐慌が2007年なのですから、どこかで恐慌がそろそろ起きても不思議ではありません。

貯金を1年ぐらい下ろしても痛くも痒くもないでしょう。

皆が一斉に1年ぐらい解約するだけで良いのです。

 

これによって政府は国債発行の危さを実感し、真剣に税の無駄使いと適正な税制(累進制のある所得税など)を目指し、赤字国債の発行を抑えるようになるかもしれません。

それが皆さんの孫やひ孫を救うことになるでしょう。

 

尚、国債解約の取り付け騒ぎは起こらないでしょう、著名な経済学者が太鼓判を押しているのですから。

 

 

大事なことは、現状を疑い、未来を真摯に憂うことです。

いつも社会の悪化は、振り返れば小さな兆しが既にあったのです。

その芽を見つけて前もって摘むことが必要なのです。

 

 

 

注釈1.

私はアベノミクス(リフレ策と大規模な財政出動)がまったくの愚策だとは思わない。

しかし、たとえ国民は一度好転を味わったとしても、挙げた三つの問題が発生し、従来より窮地に追い込まれる可能性が高いと考えます。

今の政府はこのことを厳密に検討せず、人気取りの為に猪突猛進しているように思える。

 

その典型的な悪例の一つに、幾度も指摘している「ふるさと納税」がある。

政府内で現状の返礼品競争と急増する額を施行前に予想出来る人、議員は無理でも官僚などにいたはずです。

それを官邸が抑え込んだのでしょう。

これを決断と実行の内閣と考えるのは早計です。

国民が地方自治体や民間企業を潤す良い施策と信じていることを良いことに、弊害には知らぬ振りです。

この手の姿勢、決断力と実行力をひけらかし、その実、稚拙であることが多い。

もしうまくいかなければ事実を隠蔽し、嘘をつき、過大に他を責め立てることが目立つ。

 

おそらくこの姿勢が続く限り、施策全体が信用出来ないものとなるでしょう。

 

 

 

注釈2.

本来、中央銀行(日銀)は中央政府から独立した機関であり、物価と金融システムの安定を図ることにより国民経済の発展に貢献するものです。

この目的の為に日銀は国の中で唯一紙幣(通貨)の発行が許されているのです。

 

通常であれば、日銀は景気刺激策の一環として市中銀行から国債の一部を買取り、通貨を銀行に供給し、間接的に国内の通貨流通量を増加させることをしてきました。

しかし、現在、上記グラフのように日銀は間接に、また政府から直接に国債を大量購入しています。

 

これが進むと、政府の財政規律が緩み、いつかは好きなだけ国債を発行するようになり、後にハイパーインフレが襲うことになります。

 

歴史的な反省から、これを避ける為に、世界では中央銀行を政府から独立した機関としたのです。

現状では、政府と日銀が一体となっているため、政府は国債発行と言うより、むしろ紙幣(通貨)を直接発行していると変わらない。

大規模な財政出動を増税無しにするには、手っ取り早い手のなのですが。

 

これは危険なことなのです。

単に1強では済まされない問題です。

 

 

 

Categories: culture+society, economy, <japanese language, Series: False rumor, prejudice, blind spots, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

フランスを巡って 26: ストラスブール最後の夜


 1DSC04553-1

*1

 

 

今回は、ストラスブールの最後の夜の散策と出来事を紹介します。

わずかに夕陽の赤味を帯びた旧市街の様子、二つのレストラン、そして大型スーパーについて記します。

 

 

2

< 2. 散策の概要 >

 

散策したのは、旅行日6日目、5月22日(月)、17:00~21:00です。

私達は最初にスーパーへ買い物に行き、一度ホテルに戻って荷物を置き、折り返し、旧市街に向かいました。

 

上の地図: 今回の散策ルート。上が真北です。

茶色線は大型スーパーSMに行った往復ルートです。

赤線は予約したレストランL1を目指して散策したルートで、黒線は代わりのレストランL2を経て帰ったルートです。

CAは大聖堂です。

 

下左の写真: 大型スーパーに行く途中で見かけたガンジーの像。

ストラスブールが幾多の紛争を乗り越え平和を獲得したことを如何にも象徴している像でした。

 

下右の写真: ガンジー像の周囲の花々の左奥に見えるのがショッピングモールで、このずーと奥に大型スーパーがあります。

 

大型スーパーはワンフロアですが非常に大きく、商品を探すのに苦労するほどでした。

ここでは主にお菓子とチーズを物色し、旅の途中なので少なめに購入したのですがミスをした。

帰国後、知ったのですが、ほとんどのチーズの正味期限が短いのです。

短いものでは1週間以内のがありました。

バルト三国でも買ったことがあり、柔らかいチーズは帰国までに形が崩れることは知っていたのですが、これには驚いた。

何種類も買って、帰国後が存分に楽しめたのですが、焦りました。

 

フランスを巡っていると、フランス人にとってワインとチーズは食事に本当に欠かせないものだと知りました。

 

 

 

 

3

< 3. ホテルの裏手を行く >

 

瀟洒なアパート群が目を引きます。

運河にはボートを楽しむ人々と、のんびり泳ぐ白鳥の姿があった。

 

 

 

4

< 4. 運河を渡る >

 

朝な夕なに、ジョキングや散歩する人の姿が見られた。

この都市は空気が綺麗です。

 

 

 

5

< 5. 大聖堂が見える >

 

800年の長きにわたり、この鐘楼は市民の熱気と血なまぐさい闘争の歴史を見て来たことだろう。

 

下右の写真: ひょっとすると城門の跡かもしれない。

 

 

 

6

< 6. 南側のイル川を渡る >

 

 

 

7

< 7. イル川の堤を散策 1 >

 

 

 

8

< 8. イル川の堤を散策 2 >

 

堤のそこかしこに、夕暮れの川風を楽しむ人々の姿を多く見かけた。

 

 

 

9

< 9. プチット・フランス 1 >

 

下の写真: 右奥に船の上下用の堰(閘門)が見える。

 

 

 

10

< 10. プチット・フランス 2 >

 

 

 

11

< 11. レストランL2にて >

 

今回の旅行での私達夫婦の楽しみの一つは、日本でフランスのレストランを予約しておき、その地の雰囲気と食事を愉しむことでした。

1回目のリヨンでは成功しましたが、2回目のストラスブールではトラブルに合いました。

 

事前にメールで予約確認のやり取りを済ませて、予約時間に地図のレストランL1の前に行きました。

すると青年6~8人のグループが、店の前にたむろしており、店はクローズしているようでした。

彼らの人相は悪くは無かったのですが、周囲に人通りはなく、一瞬不安がよぎりました。

意を決して、彼らをかき分けるようにして、店のドアの前に進みました。

すると彼らは残念そうに「店は閉まっています」と教えてくれました。

彼らも予約客だったようです。

おそらく私の顔はこわばっていたことでしょう。

 

私達は、仕方なく店から直ぐに立ち去りました。

帰国後、この店から、この前日にメールがパソコンに入っていたのがわかりました。

「申し訳ありません。急にキッチンの水道が故障したので、予約当日は閉店させて頂きます。後日、予約を頂ければ幸いです。」

後の祭りでした。

それでも、このレストランはトリップアドバイザーで人気のある地元料理(ドイツ系)の店だったので残念でした。

 

その後、気を取り直し、メインの通りでレストランを探し、写真の店L2に入りました。

実はこの店はスペイン料理、タパスを出すバール「BAR」です。

スペインのバルセロには2回行ったのですが、憧れのバールに入ったことが無かったので、衝動的に入ったのです。

 

しかし、ここでもハップニングがありました。

先ず失敗だと分かったのは、メニューを見た時です。

フランス料理のメニューは下調べしていたのですが、フランス語のスペイン料理はチンプンカンプでした。

困り果てていると、たまたま空いていた隣の席にアジア系の男性二人が座りました。

 

なんと彼らは日本語を話しだしました。

すかさず私は、彼らに救いを求めました。

すると一人はドイツ語なら自信があるのですが、フランス語も少しは使えるとのことで、私達の注文を手伝って頂きました。

 

この二人はある国立大学の先生と院生で、次の日に太陽電池の研究発表があると言うことでした。

その後、彼らと太陽電池の将来などについて話が弾み、楽しい一時を過ごしました。

 

旅行先での人との触れ合いは実に刺激的で楽しい。

 

 

 

 

12

< 12. メインの通り >

 

時刻は8:30前後でした。

月曜日は多くの店が閉まるのですが、夕時を愉しく過ごす人々が通りに溢れていた。

 

 

 

13

< 13. ストラスブールとのお別れ >

 

この大聖堂の姿を見ることが、ここ5年ほどの夢でした。

ヨーロッパの宗教革命の始まりや、ここ数世紀のストラスブールの苦難の歴史を調べているうちに、是非とも行きたくなっていた。

そして国境の町ストラスブールとアルザス地方を駆け足ながら直に見て感じることが出来ました。

 

 

次回は、アルザスとストラスブールについて語るつもりです。

 

 

Categories: culture+society, 連載中 フランスを巡って, travel+photo, uncategorized | Tags: , | Leave a comment

何か変ですよ! 63: 近視眼的


1

*1

 

 

今、行われている施策が如何に近視眼的な術かを見ます。

これらは愚策ではあるが、繰り返される故に一層悲しい。

 

 

はじめに

ふるさと納税や核兵器禁止条約反対、気候変動取り組みのパリ協定離脱には共通するものがある。

これらは疑わない人々にとって喜ばしいことかもしれない。

 

実は、これらに共通するものがある。

これら施策は人々に手っ取り早く利益や安心、繁栄をもたらすと思わせる効果がある。

ほんとうにそうだろうか?

 

2

*2

 

 

*ふるさと納税

今、凄い勢いで寄付額が増えています。

2015年の寄付総額1700億円で、ここ数年は毎年3から4倍と加速度的に増大しています。

この理由は、この制度に高額所得者優遇の構造があるからです。

 

これを放置すれば、数年後には総額数兆円を越え、景気刺激策として良策ではない上に二つの問題を引き起こします。

 

一番の問題は、この寄付が高額所得者の消費増大ではなく節税策として使われ、その不足分を国民が広く負担しなければならいことにあります。

言い換えれば、唯でさえ税収が少ないのに、高額所得者の贅沢品(返礼品)購入費を皆の税金で補填し、税金が必要な所に届かないことです。

もう一つは、確実にゆっくり進む格差拡大です。

 

残念ながら、多くの人は気づかないままです。

 

この悪弊は高率の返礼品と節税効果(寄付)のセットにあります。

どちらかが無くなれば、弊害は無くなるのですが。

 

この問題のポイントは、一見、即効性のある経済浮揚策に見えるものの、効果は薄く、長期的には社会に歪をもたらすことです。

実は、この手の施策は日本、特に米国で半世紀の間にわたり積み重ねられ、これが今回のトランプを生んだ一つの要因になっています(注釈1)。

 

 

3

*3

 

*核兵器禁止条約の不参加

核兵器禁止条約は、核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関するものです。

この条約は2017年7月7日、国連で122ヵ国により採択された。

核保有国やそれに連なる38ヵ国が反対し、16ヵ国が棄権している。

当然、日本政府は米国の核の傘に入っているので反対した。

 

これに対する主な意見。

米国の核兵器によって日本が守られている以上、米国を裏切ることは出来ない。

唯一の被爆国が、核兵器廃絶への道を主導するどころか、裏切っている。

核保有国が参加していない条約なんか実効性がない。

 

例えれば、この条約は強盗団が銃放棄を拒否しているのに、一般の人が率先して銃の不使用を宣言しているようなものです。

それなのになぜ、多数の国がこの無謀で無益と思える条約に尽力したのでしょうか?

彼らは、なぜ日本のように全人類の数倍を瞬時に抹殺できる最強の核兵器で守ってもらうことを考えないのでしょうか?(笑い)

 

だが、一方で不安もある。

核拡散防止条約(核保有を5ヶ国に限る条約、1968年発行)以来、核保有国は9ヶ国になり、更に増えるでしょう。

米国の核兵器で、北朝鮮の核攻撃から日本を守れるでしょうか?

守ってくれるのは迎撃ミサイルなどであって核兵器ではない。

もし核兵器に抑止力が期待出来るとするなら、米国内の銃所持は抑止力とならず、なぜ殺人の増大を招いているのでしょうか?

北朝鮮はこの条約に賛成しており、まさに張本人が抑止力を否定している。

まさに軍拡競争への皮肉です。

 

こうしてみると、現状を放置することは核戦争の危機を一層の深めることになると考える国があっても不思議ではない。

彼らは最強の核兵器で守られることよりも、最悪の核兵器を無くすことで、人類の安全を守ろうしたのです。

それでもなぜ核保有国などの参加が見込めない条約を成立させようとしたのでしょうか?

 

歴史にヒントがあります。

第二次世界大戦後の国連憲章制定時、米ソの離脱を引き留める為に、悪弊が予想された集団安全保障と拒否権の採用に多くの中小国は妥協しなければなりませんでした。

その結果、機能しない国連になったと言えるでしょう。

もっとも、米ソの離脱の方がさらに悪い結果を招いた可能性はある。

その点、今回の核兵器禁止条約ではそのようなことにならない(注釈2)。

 

この122ヶ国の行為、多数の中小国が大国に「ノー」を突き付けたことは、歴史上の画期と言えるでしょう。

私は、これに人類が憲法を生み出した契機となった1215年の英国でのマグナカルタを想起する。

これはほんの一歩に過ぎないが、こうして人類はより民主的な社会を推し進めてきたのです。

 

現状維持では改善を望めない状況で、とりあえず米国追従で条約反対に回った日本の行為は、世界が団結して平和を掴む気運を削いでしまった。

日本は唯一の被爆国なのだから、なおさらです。

 

この問題のポイントは、一見、平和の為と映るものの、むしろ不安要因を増大させ、さらには平和と世界の協同化を後退させていることです。

 

 

4

*4

 

 

*気候変動取り組みのパリ協定離脱

これはいつか来た道であり、また始まったのか大国のエゴと言わざるを得ない。

 

「米国と市民を守るという重大な義務を果たすため」

「我々は、よその指導者や国にもう笑われたくない」

「私はパリではなくピッツバーグの市民を代表するために選ばれた」

「パリ協定によって米国は国内総生産(GDP)3兆円と650万人の雇用を失う」

 

これはパリ協定離脱時のどこかの大統領の発言です。

この発言には、前回見た視野の狭さと狭い仲間意識が露骨に表れています。

 

南太平洋の島々の水没、南極やアルプスの氷河の融解は現実です。

例えば、30年後に地球の温暖化を認めてから、クーラーで地球を冷房しようとでも言うのでしょうか?

またパリ協定に合意した197ヶ国は自国の経済や雇用への影響を無視したのでしょうか?

日本を考えれば、一部の産業にデメリットはあっても全体では乗り越えて来たことがわかります。

 

かつての大統領や議会も自国の産業、石油・石炭産業を守る為に批准しなかったことがあった。

選挙での人気取りの為とは言え、欧米が身勝手な論拠を振りかざして大国のエゴを剥き出しにすることは今に始まった事ではないが、今の米国は世界一の経済大国だけに影響が甚大です。

単に協力しないと言うより、世界を苦境に陥れるものです。

 

 

この問題のポイントは、一見、雇用の為と見せかけるものの、実際は一部産業の保護でしかなく、世界を取返しのつつない危機へと陥れる軽挙妄動にすぎないのです。

 

 

おわりに

実に残念なことなのですが、これらの施策は国民に絶大な人気を博した国のトップが推し進めて来たことなのです。

 

それでは、事が失敗すれば、誰が責任を取るのでしょうか?

国のトップの軽挙妄動を断罪するのですか?

それともトップを信じた国民が断罪されるべきなのでしょうか?

 

 

皆さんならどうしますか?

 

 

 

注意1

米国で景気浮揚策と謳われ、半世紀の間に積み上げられた施策―金融規制緩和、課税の累進性排除、セーフティーネットの停滞、により格差が拡大し、白人労働者の状況が悪化した。

これがすべての原因ではなく、欧米先進国が共に進めて来た一連の施策の結果と言える、ただ米国が主導して来たとは言える。

これが今回の大統領選でのポピュリズムの台頭に繋がった。

 

日本も遅ればせながら歩調を合わせていたが、今や加速度的に追従している。

 

 

注釈2

この条約は既にある核拡散防止条約に影響を及ぼさず、また平和のための原子力を放棄している訳では無い。

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

何か変ですよ! 62: 偏狭なものの見方


1

*1

 

 

今回は、巷に溢れる偏った歴史観を取り上げます。

日本の憲法や敗戦に関わる問題をみます。

 

 

 

結論は・・

一見、ここでも右派と左派、またはタカ派とハト派の違いがあるように見える。

しかし、より重要なのは単純に視野が狭いか広いか、より広い範囲の他者の気持ちに寄り添えるかです。

 

こうは言っても、視野が広いとは何を指すのか、また他者とは誰なのかは人によって異なります。

ここでは二三の例を挙げ、簡単に視野の狭さや他者との境界を指摘しながら、偏狭なものの見方の悲しさをみます。

 

 

ある人々が言い募る説とは

第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦にまつわる恨み節が、今またぶり返している。

当時の米国による酷い仕打ちを盛んに言い募っている。

さらに言えば、相も変わらず侮辱感に囚われたままで、そこから脱皮出来ないようです。

 

「日本国憲法はマッカーサーの押し付けで、不当だ!」

「東京裁判は勝者による報復の茶番劇だ!」

「日本人の能天気な平和感は、米国の洗脳だ!」

 

目立つのは、こんなものでしょうか?

これからの話は、あまりまじめに考えて頂かなくて結構です。

どこに可笑しさがあるか判って頂ければ充分です。

 

 

2

*2

 

 

何が変なのか?

敗戦時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本の占領政策を推進し、様々な改革を行った。

GHQを取り仕切ったのは米国のマッカーサーでした。

彼は公の場で「日本人は12歳だ」と発言していた。

 

そして、彼が日本国憲法案を日本に押し付けたとされている。

ある人々は、これを日本人が考えた憲法では無いから、けしからんと言い、作り変えるべきだと言う。

 

しかし、私はこれを聞いて不思議に思う。

当時、大日本帝国憲法(1889年公付)を後生大事に守り大失敗をしておきながら、明治に始まる神権的な前近代的制度から抜け出せずにいた為政者達が、果たして現代に通じる民主的な憲法を発案出来ただろうか?

 

確かに市井には進歩的な草案もあったが、政府は受け入れるはずもない。

軍事大国化し大陸進攻を図る過程で、反対する声は一部にはあったが、もみ消されたように。

 

情けないことなのだが、当時、日本の体制が自ら民主的な憲法を作り出すことは困難だったでしょう。

地主制、女性の選挙権などをみれば如何に遅れていたかが一目瞭然です。

 

それでは同じ占領されたドイツ(西ドイツ)はどうだったのでしょうか?

ドイツは第一次世界大戦の敗北を経験して、当時世界で最も民主的なヴァイマル憲法を1919年に制定していた。

これがあって、第二次世界大戦後の分断された占領下にあっても、各州代表による憲法制定会議が開催され、連合国によって批准されたのが今の憲法です。

つまり、下地が既に出来ていたのです。

 

 

3

*3

 

可笑しさはこれだけに留まらない

それほど屈辱感にさいなまれるなら、そんな横暴な米国の庇護の下から離脱すれば良いと思うのは私だけでしょうか?

安保法制、為替などの経済・金融政策、特定秘密保護法など、どこまで米国追従に深入りしていくのか?

 

ある人々は、現在の「寄らば大樹の陰」は必要だが、かつての横暴な仕打ちだけは許せないと言う。

この手の人が言う大人の態度とは、どちらも結果が良ければ良しだと思うのですが。

 

さらにこんな反論が出るかもしれない。

今の米国とかつての米国は違うはずだと!

少し、話が怪しい。

 

世界を見れば、侵略国や戦勝国の態度はどこも似たり寄ったりでした。

植民地支配された国は、当時、欧米から尊敬されたでしょうか?

もちろん侮蔑され差別された。

 

戦勝国は、占領国に対して侮蔑感をまったく持たずに接したでしょうか?

一部にはいたでしょうが、大勢は憎しみとの裏返しで侮蔑感を持つものです。

それが戦争です。

日本人も大陸に進攻し、現地を支配するようになると同じ轍を踏んでいった。

 

つまり、この屈辱感は何時でも何処でも敗者が勝者から受けるものなのです。

よくもまあ自国のことは棚に上げる身勝手な神経が私には理解できない。

 

もっとも、自分達の懐古趣味(天皇制や明治時代への回帰)を満足させるために難癖をつけているだけとしたら、これも悲しい。

 

 

4

*4

 

 

この御説はどうでしょうか?

東京裁判への批判も同様に狭量で身勝手な感情の基づいたものがある。

「戦犯はでっち上げで、無実だ!」と。

 

もし、連合国側が強硬に裁判を開き、戦時下での事実を公開しなければ、日本の国民は未だに真実を知ることはなかったでしょう。

当然、この裁判にはパール判事らが指摘したような問題―事後法の適用と植民支配の反省を棚上げする大国、がなかったとは言えない。

しかし、戦争事態が超法規的な行為であり、場合によっては事後法も止む得ない。

どちらにしても、当時、問題を含みながらも、世界が戦争の再発防止に協同し、従来よりは一歩前進した。

 

ここで指摘したいことは、同じ戦犯裁判(ニュルンベルク裁判)を受けたドイツの変化です。

これが行われていた当時、ドイツ国民は概ねヒトラーに騙された被害者としか考えていなかった。

しかし、それから十年ほどど経つと、国民の中から自らも戦犯を裁くべきとの世論が沸き起こった。

そして、真にヒトラーやナチスとの決別を図ることが出来たのです。

 

一方、日本はどうでしょうか?

いまだに、外国(主に米国)の謀略に嵌ったと言う被害者意識から抜け出せない人々がおり、さらに悪いことに、これら人々に支えられた人物が政治のトップになることが出来たのです。

 

実に、不思議な国があるものです。

 

 

 

さらに、これはどうでしょうか?

もっと単純な例として「日本人の能天気な平和感は、米国の洗脳だ!」があります。

 

結論から言うと、日本人の平和感は先天的です。

これは日本列島の地政学的な理由、歴史的に日本海の軍事的な障壁と唯一の大国中国からの距離に依存していた。

 

GHQが軍国主義復活を恐れて、平和の礎を強制的に植え付けようとしたのは確実です。

しかし、それが戦後70年を経た今まも、悪霊に取り付かれたかのように言うのは、国民を馬鹿にしている。

 

逆に言えば、米国の軍事戦略に乗って、日本を極東の防波堤にしようとする手段に利用されているように思える。

 

もし、70年前の出来事が、一国の心を支配し続けるとしたら、日本がかつて支配した東アジアの国々も同様に恨みを持つ続けることになりますが?

おそらく「米国の洗脳だ!」と指摘する人々は、これとは違うと言い逃れるでしょう。

 

 

まとめ

ざっと諸説の可笑しさを見て来ました。

何が可笑しさを生み出しているのでしょうか?

 

一つは「自分が、自分が、・・・・」にあります。

別の言い方をすれば、狭い身内、広くて日本列島本島(大和民族)しか念頭にないからです。

このような考え持つ人は、身びいきで、同調する人や付き従う人々には寛大で有難い存在です。

つまり、他者との境界が非常に狭いのです。

 

もう一つもこれと関連すのですが、都合の良い事実しか見ないのです。

つまり、世界の歴史は当然、都合の悪い自国の歴史も否定します。

 

おそらく最も本質的な事は、他者への共感が苦手なのでしょう。

この手の人々は身内には共感出来るのですが、地球の裏側の人々への共感が無理なのでしょう。

これは本質的な心性のひとつです。

 

分かり易い例があります。

実は動物は、本来、同種であっても縄張り外の者(他者)に対して敵意をもつように進化しました。

一番、鮮明なのはチンパンジーです。

チンパンジーは同じ群れであれば、最高度に協同して狩りなどを行います。

しかし、部外者が縄張りの近く現れると、大声で恐怖の声を挙げ、下痢をしながら飛び回るのです。

 

しかし、進化した人類はこれと異なり、縄張り外(国外)の人、言語や人種の違いを乗り越えて協力することができるからこそ、今の発展があるのです。

時たま、チンパンジーより残酷になるのがたまに傷ですが。

 

 

5

*5

 

 

 

最後にお願い

どうか皆さん、くれぐれもおかしな風潮に流されないでください。

 

 

Categories: history+evolution, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

何か変ですよ! 61: よくあるタカ派礼賛


1

*1

 

 

今回は、経済学者の惜しい勘違いを御紹介します。

共著「世界経済の勝者と敗者」での浜田先生のお言葉です。

なんとゲーム理論を使ってタカ派こそが中国を制すると説いています。

 

 

浜田先生のお言葉

この本の最後に、『コラム 中国編: 「ゲーム理論」から考える中国との向き合い方』があります。(216~219頁)

 

僭越ながら抜粋要約します。

 

危なっかしい中国と付き合うには、囚人のジレンマ(ゲーム理論の一つ、注釈1)によるコンピューターシュミレーションの結果(注釈2)を援用することです。

つまり「しっぺ返し戦略」が最良なのです。

これは最初は相手を信頼して協力しあうのだが、相手が裏切って敵対してきたら、確実にやり返す戦略です。

この点、タカ派の安部首相が最適です。

 

またニクソン大統領は電撃的に中国と和解した。

さらにレーガン大統領も冷戦を終結させた。

この二人もタカ派(共和党)でした。

 

私はこれを読んで、やはり安部首相の側近になる人は凄いなと感心した。

しかし、著名な先生の発言だけに悪影響が大きいので、少し誤解を解きたいと思います。

 

 

2

*2

 

 

「しっぺ返し戦略」引用のおもしろさ

これは動物行動がどうして進化したかを知るには面白いテーマで、かつ有名です。

しかし知ったかぶりの都合の良い御説はいただけません。

 

この手の実験は、コンピューター上の行動が実際の個人や社会と異なり、相手の行動を予測したり学習出来るのか、また協力した時の利益と裏切られた時の不利益の配分が問題になります。

例えば、不利益は単に利益が減るだけなのか、極論すれば1回でも裏切られれば死を意味するかなどです。

とりあえず、一国の外交戦略に即使えるものではありません。

 

しかし、この手の多くの実験や理論から動物や人間行動(利他行動、同胞愛)の進化などがある程度説明出来ることも事実です。

 

ここでは長谷川寿一著「進化と人間行動」(2000年刊)から、この「しっぺ返し戦略」の解説を一部引用します。

 

「しっぺ返し戦略」は、「上品さ」(何はともあれ初回は協力する)、「短気さ」(やられたらすかさずやりかえす)、「寛容さ」(古い過去にとらわれず、相手が協力に出たら、すぐに協力する)、「わかりやすさ」(単純である)という特徴を備えています。

人間社会でも、これらのキャラクターを兼ね備えていれば、つきあう相手として皆に好かれるでしょう。

「しっぺ返し戦略」に限らず、上位を占めたコンピュータープログラムの特徴は、基本的に「協力」的な(少なくとも初回は「協力」から入る)ものでした。

 

・・・

これらの研究から得られたメッセージは、互いに何度もつき合いを続けていくような関係においては、協力行動は遺伝的に進化し得るということです。

つまり、社会生活を送るのが常であるような動物には、「他個体によくする」という行動が進化し、それを引き起こすような心理メカニズムが存在するだろうということです。

 

素人の浜田先生と専門の長谷川先生の違いはどうでしょうか?

まったく正反対の解釈に思えます。

おそらく、浜田先生は右翼の心性をお持ちか、その手の解釈を教条的に受け入れているだけなのでしょう。

この手の人は、どうしても強い者や力で抑えること、未知の者を敵視する傾向が強い。

この人に悪意は無く、軽い気持ちで都合の良い引用しただけなのだろう。

 

 

多くの研究(注釈3)では、動物の進化と共にタカ派的な行動(裏切りや攻撃が主な行動)を緩和するハト派的な行動(思いやりや協力が主な行動)が発展して来たことが知られています。

単純に言えば、タカ派的な行動が社会を覆ってしまえば、その成員は生命の危機を招き、社会は利益を減らし、発展出来なくなります。

 

私が驚いたのは、本の最後に安部さんを讃えるために、このテーマを取り上げていることでした。

経済学は財の数量を扱うものであり、財を扱う人々の心理を扱うのは苦手だと思うが、これはお粗末な人間理解です。

実は、経済を動かし、バブルを生み出しているのは合理的でないアニマルスピリットなのです。

これを扱えてこそ、浜田先生は本当の経済の指南役になれるでしょう。

是非とも精進して欲しいものです。

 

 

3

*3

 

 

事実は奇なり

浜田先生の御説は危なっかしいが、本来、この手の研究(注釈3)は私達に社会や人間への正しい理解を与えてくれています。

 

数多くの中から二つ重要な知見を紹介します。

 

動物は弱肉強食の世界だと一般に強く信じられていますが、儀式的な闘争(儀闘)が進化し、無駄な争いを防いでいます。

よく知られているように、鮎やライオンなどは同種の相手が縄張りに侵入した時、徹底的に殺し合うことをしません。

基本的に威嚇で始まり、優劣が決まればそこで止めます。

それ以上に進むこともありますが。

詳しくは「心の起源 連載8」に説明があります。

残念ながら、チンパンジーや人類の方が弱肉強食(残酷)になる場合があります。

 

社会心理学にトラッキング・ゲームがあります。

これは競争(脅迫)と協力(譲歩)のどちらが社会全体に利益をもたらすかを教えてくれています。

 

 

4

< 4. トラッキング・ゲームの図 >

 

この社会実験は二人がA社とB社に別れ、自社のトラックで自社の出発点から目的地へ、多くの荷物を運ぶのが目的です。

曲線の道は時間がかかり過ぎるので、真ん中の直線道路を使うと早く運べるのですが、相手のトラックの通行をコントロールゲートで止めることが出来ます。

但し、相談は出来ません。

 

多くの実験をした結果、二つのゲートが無い場合は、直線道路の前で譲り合う人がいると、共に多くの荷物を運べました。

しかし、ゲートを設けた途端に二人の運べる荷物の総量は極端に減りました。

 

つまり、互いに相手の足を引っ張り合いを始め、激化し自滅したのです。

これは、如何に「競争関係」より「信頼関係」を築くことの方が得策かを示し、人は「脅迫(軍備)」の力を持つと簡単に自滅してしまうことを教えてくれています。

 

 

5

*5

 

 

浜田先生の歴史観のおもしろさ

彼はニクソン大統領とレーガン大統領の功績を讃えていました。

確かに、否定は出来ないが、単純で一方的過ぎます。

つまり、相手の存在と歴史の流れをあまりにも無視し、ここでも我田引水なのです。

 

冷戦終結は、レーガン大統領の功績だと喧伝されているのは事実です。

しかし、少し考えれば疑問が湧くはずです。

 

レーガンが大統領になったのは1981年でした。

一方、ゴルバチョフの書記長は就任こそ1985年でしたが、1978年頃から中央で改革を主導し頭角を現していた。

また彼は書記長就任の年、外相にシェワルナゼを抜擢していた。

 

そして1987年、大統領と書記長が「中距離核戦力全廃条約」に調印し、冷戦が終息に向かった。

大統領の圧力(スターウォーズ)と言うより、既にソ連内部に変革の兆しがあり、書記長と外相の融和的な方針が功を奏したように思える。注釈4.

また冷戦の軍拡競争によるソ連の経済疲弊や米ソの軍縮は以前から進んでいた。

 

 

1972年2月のニクソン大統領の電撃的な中国訪問は驚きでした。

 

これにはキッシンジャーの活躍もあるが、やはりここでも中国の周恩来の存在が重要です。

この年の9月には、彼は早くも田中角栄と日中共同声明を調印しているのです。

周恩来の融和的な姿勢が無ければ不可能だった。

また1971年、対米強硬派(タカ派)の林彪が死亡したことも幸いしている。

 

こうしてみると、ソ連と中国のハト派の貢献が浮かび上がり、浜田先生のタカ派絶賛は怪しくなりました。

要は、身びいきが過ぎると言うことでしょうか。

 

成功のポイントは、タカ派二人の大統領の交渉意思と、相手国のハト派二人のトップの存在があってこそなのです。

もしも、両国がタカ派同士、ハト派同士であればどうなっていたでしょうか?

一方だけを強調するのは、よくある右派と左派の言説で、注意が必要です。

 

 

最後に

せっかく愉しみに買ったクルーグマン共著の「世界経済の勝者と敗者」でしたが、先に結論辺りから読んだのが悪かった。

興覚めです。

諦めないで、また初めから読むつもりですが。

 

 

 

 

注釈1.

二人の間で、共に協力する方が多くの利益を得ることが分かっていても、相手の行動が予測できない時、協力しない方が確実に少しの利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマを指す。

 

注釈2.

1980年、米国の政治学者ロバート・アクセルロッドが、様々な研究者からゲーム戦略を募集し、コンピュータープログラムで総当たり対戦を行った。

そして様々な戦略の中から「しっぺ返し戦略」が最高得点を取って優勝した。

 

注釈3.

動物行動学、ゲーム理論、進化心理学、進化生物学、社会心理学など。

このジャンルの本を推奨します。

「生物の社会進化」ロバート・トリヴァース著、産業図書:難しいが驚くべき慧眼です。

「共感の時代へ」フランスア・ドゥ・ヴァール著、紀伊国屋書店: 動物の愛に涙します。目からうろこです。

「進化の人間行動」長谷川寿一著、東京大学出版会: 大学のテキスト。全体像がわかる。

「社会心理学キーワード」山岸俊男著、有斐閣: 要領よくまとまっている。

 

注釈4.

創元社刊「世界の歴史10」J.M.ロバーツ著。

p186~188に、似たような記載があります。

 

 

 

Categories: book+ film+drama, history+evolution, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

読売新聞は死んだに等しい


Source: 読売新聞は死んだに等しい

Categories: uncategorized | Leave a comment

ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅 32: ワルシャワ2


1dsc09725-1

*1

 

 

今日は、快晴の旧市街を紹介します。

前回紹介した早朝歩いた場所と幾分重なりますが、ガイドの説明を聞くと印象はがらっと変わりました。

 

 

 

2map4a

< 2. 地図 >

 

上の地図: 早朝歩いたルートです。上が東側です。

緑線が行きのルートで、青線が行きと異なる帰りのル-トです。

緑字のSはホテルで、赤字のSはツアーの徒歩観光の起点です。

赤字のDは城壁で囲まれた旧市街の中心に位置するマーケット・プレイスです。

上の川はポーランド最長のヴィスワ川です。

 

中央の地図: ツアーの徒歩観光のルートです。上が東側です。

S:起点。 A:ワルシャワ・ゲットの記念碑。 B: キュリー博物館。 C:城門バルバカン。 D: 旧市街のマーケット・プレイス。 E: 展望台。 F:聖ヨハネ大聖堂。

 

下の地図: ポーランドとワルシャワを示す。上が北側です。

 

 

 

3

< 3. クランシスキ宮殿とワルシャワ蜂起記念碑 >

 

上の写真: 左にクランシスキ宮殿、右に最高裁判所。

 

下の写真: 最高裁判所の前のワルシャワ蜂起記念碑。

ワルシャワ蜂起については後で解説します。

地図のS地点から撮影。

 

 

 

 

 

4

< 4. ワルシャワ・ゲットの記念碑 >

 

上の写真: 最高裁判所の横。

 

下の写真: ワルシャワ・ゲットの境界跡と記念碑。

地図のA地点で撮影。

ワルシャワ・ゲットの解説は次回行います。

 

 

 

 

5

< 5. 新市街 >

 

上の写真: 北側を見ている。

地図のB地点で撮影。

すぐ右手の白い建物はキュリー博物館です。

彼女は放射能の研究で最初のノーベル賞をもらった。

彼女はここで生まれ、青春時代を過ごし、学業と研究の為にポーランドを出てパリに移り住んだ。

当時、ポーランドは帝政ロシアに併合されており、教育者だった両親ら知識層は行動を制約されていた。

 

下の写真: 南側を見ている。

ここを真っすぐ行くと旧市街の城門に至る。

 

 

 

6

< 6. 旧市街の城門 >

 

上の写真: 旧市街の城門バルバカン。

最初は16世紀に造られたが、第二次世界大戦で破壊され、1952年に17世紀の様式で再現された。

地図のC地点で撮影。

 

下の写真: 旧市街の広場に向かう通路。

 

 

 

7

< 7.マーケット・プレイス  >

 

上下の写真: マーケット・プレイス。

18世紀末までワルシャワの中心でした。

1944年のワルシャワ蜂起に対するドイツ軍の報復で完全に破壊されたが、1950年代に再建された。

地図のD地点で撮影。

 

 

 

8

< 8. 旧市街のたたずまい >

 

上の写真: ハトが青空に舞い上がる。

この地は幾度も強国ロシア(ソ連)とドイツに交互に、または同時に蹂躙されて来た。

今度こそは平和が長く続きますように祈ります。

 

下左の写真: これは何の変哲もない古い民家の門に見えるのですが、再建時、瓦礫となった石材や美術記録など頼りに忠実に再現されたものです。

戦火の傷跡が生々しい。

 

下左の写真: 屋根に取り付けられたドラゴン。

 

 

 

9

< 9. 展望台 >

 

上の写真: マーケット・プレイスの裏手にある展望台からヴィスワ川を望む。

地図のE地点で撮影。

 

中央の写真: 展望台から聖ヨハネ大聖堂の裏手に行く途中。

バルコニーの支えの部分に銃弾の跡が見える。

これはワルシャワ蜂起の激戦の痕跡です。

 

下の写真: 聖ヨハネ大聖堂の裏手。

地図のF地点付近。

 

 

 

 

10

< 10. 聖ヨハネ大聖堂周辺 >

 

上左の写真: 右のレンガ建築が聖ヨハネ大聖堂の側壁です。

塔の下のトンネルを抜けると聖ヨハネ大聖堂の正面の通路に出ます。

地図のF地点付近。

 

上右の写真: 指さしているのはポーランド抵抗の印です。

上述のトンネルの中ほどにありました。

至る所に見られます。

 

下の写真: 上述の聖ヨハネ大聖堂の側壁に埋め込まれた軽戦車のキャタピラ。

ワルシャワ蜂起のものです。

 

 

 

11dsc09873-1

< 11. 聖ヨハネ大聖堂の正面 >

 

すぐ右が聖ヨハネ大聖堂の正面です。

この通路を行くとマーケット・プレイスに出ます。

地図のF地点付近。

 

 

 

ワルシャワ蜂起

第二次大戦末期に起こったポーランド地下軍とワルシャワ市民によるドイツ占領軍に対する蜂起。

ソ連軍によるワルシャワ解放が目前と思われた1944年7月下旬に一斉蜂起した。

8月1日、ほとんどの市民が蜂起に参加し市の中心部が解放された。

ソ連は進軍するかに見えたが、ヴィスワ川対岸で停止して、いっさいの援助をしなかった。

ようやく9月10日以降、ポーランド人部隊の渡河作戦を許したが、蜂起を救うには遅すぎた。

孤立した蜂起軍と市民はドイツ軍によって徹底的に全市を破壊され20万の死者を出した。

ついにワルシャワ蜂起は10月2日の降伏で無惨に終わった。

 

この時のソ連(スターリンがトップ)の行動は、反ソ感情の強いポーランドが衰弱してから占領する方が得策と考えたからでした。

 

 

 

12map2b

< 12. ワルシャワ蜂起 >

 

A: 赤枠はポーランド地下軍が蜂起した場所。

黒の四角は私達のホテル、黒の円枠は旧市街の城壁。

 

B: ドイツ軍が占領しているビルを銃撃するポーランド兵士。

 

C: ワルシャワ蜂起62周年の再現シーン。

 

D: 当時の若いポーランド兵士。

 

E: 旧市街で戦うポーランド兵士。

写真9や10で見た戦闘の傷跡はこの時のものです。

 

F: ドイツ軍によって破壊され炎上する旧市街。

 

G: 完全に破壊されたワルシャワ。

 

 

現在のワルシャワの人はこの蜂起をどのように見ているのだろうか?

直接、一人のポーランド女性と日本語で話すことが出来ましたので、質疑を要約します。

 

質問1:

「皆さんはドイツとロシアについてどう思っているのでしょうか?」

 

答え:

「ポーランド人にとって両国は長年の侵略国であるが、ロシアを嫌っています。

ドイツは戦後、謝罪したが、ロシアはその事実を否定しているからです。」

 

参考:

<カチンの森事件>不誠実な一例として。

1940年、ソ連軍はポーランド侵攻時、ポーランド将兵らの捕虜を2万人以上銃殺した。

ソ連は事件発覚後もドイツの犯行としていたが、ゴルバチョフが再調査し、1990年、事実を認め遺憾の意を示した。

 

 

質問2:

「皆さんはワルシャワ蜂起をどう見ているのですか?」

 

答え:

「毎年、議論されているが評価が分かれています。

 

悪いとする意見

将来ある多くのインテリゲンチャが若死にし、生き残った青年では将来を担うには力不足であった。

また関係のない多くの人が巻き添えになって死んだ。

 

良いとする意見

戦う伝説が作られた。

人々は、これからも他国の理不尽に対し戦う勇気を持つことが出来るだろう。」

 

 

私の感想

リトアニアでも同様でしたが、大国の侵略に対し蜂起したことに自画自賛だけで終わらない姿勢が素晴らしい。

 

ワルシャワ蜂起は、結局、ソ連に支配され続けただけなので、私には無駄死に思える。

しかし、今回巡って来た東欧四ヵ国の異民族支配への強い抵抗に、私は想像以上の篤い想いを見た。

だからと言って、私達日本人は経験したことのないこの想いをたやすく理解出来るとは思えない。

 

私達が、この想いを少しでも理解しょうとするなら、他国を戦争で侵略した後に取るべき態度とは何かが自ずと解るはずです。

それはこの女性が言った「謝罪したドイツを許している」からも明白です。

 

残念ながら日本は島国で平和に暮らして来たことが、他者への理解で災いしているように思える。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載中: ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅, history+evolution, <japanese language, opinion, politics, uncategorized | Tags: , , , | 2 Comments

Bring peace to the Middle East! 62: Religion and Politics 2


中東に平和を! 62: 宗教と政治 2

1ko

*1

 
Last time, we thought about religion and politics.
We think about contemporary relationship between religion and law this time.

前回、宗教と政治について考えました。
今回は現代の宗教と法の関係について考えます。

 

2binrada

*2

 

About Holy War (Jihad)
The problem that we are most concerned about the Islam of the Middle East seems to be jihad.

Extremism advocating jihad is abnormal beliefs from a standpoint of moderate beliefs being the overwhelming majority of Muslim.
However, the extremism (rigorism) continues to live historically, and then is in Saudi Arabia now.
Although, biased beliefs such as fundamentalism are also in other religions.

What is the problem?
First of all, currently, it is to admonish the jihad ( fatwa for starting an armed struggle) very easily.
Furthermore, there is no end to the number of men who participate in it with indignation and support it.
In the past, there were many cases that voluntary armies contributed in the world, but the current state of the Middle East is a lawlessness without controlling, and the some groups may be a group of thieves.

 

聖戦(ジハード)について
私達が中東のイスラム教で一番気になる問題はジハードでしょう。

ジハードを唱える過激思想は、穏健なムスリム全体から見れば異常なものです。
しかし、過激思想(厳格派)は歴史上も、現在のサウジアラビアにも生き続けています。
もっとも、他の宗教でも原理主義など偏向した思想は存在します。

何が問題なのでしょうか。
先ず、現在、ジハード(武力闘争開始のファトワー)がいとも簡単に発せられていることです。
さらに、それに義憤を感じて参加する人、また支援する組織が後を絶たないことです。
かつて世界には義勇軍が貢献した例は多々ありますが、中東の現状は統率なしの無法状態で、盗賊団になり下がている場合もある。

 

3abu

<3. Father of liberation of Algeria >
< 3. アルジェリア解放の父 >

Jihad is one of the obligations for Muslim, and means “effort” and “struggle”.
Once, it was declared at a defense of their community and an attack on enemy, and it is something they can’t do without.
However, the current jihads only expand many conflicts and deepen cracks between people.

The problem is not interpretation of the jihad (holy war) or the extremism beliefs.
The essence is “Islamic law can not punish jihad involving violence as a crime”.
Looking back on legal history of the world, most society has been advancing the concept of justice in time with the change, and unifying it in time with the unity of countries.
Then, people has been creating a social system for achieving the justice.
In conclusion, it is necessary to move away from the Islamic law to go to the national law.
In other words, the society has to be controlled by a legal system built by a democratic regime (separation of the three branches of government),
ジハードはムスリムにとって「努力」「奮闘」の意味で義務の一つです。
かつて、共同体の防衛や進攻に際し宣言され、共同体に無くてはならないものでした。
しかし、現状のジハードは紛争を拡大させ、亀裂を深めるだけです。

問題はジハード(聖戦)の解釈や過激思想にあるのではない。
本質は「イスラム法では暴力を伴うジハードを犯罪として処罰出来ない」ことにあると考えます。
世界の法制史を振り返ると、社会は発展と統合に合わせて正義の概念を変え、かつ統一し、それを実現する社会体制を造り挙げて来たのです。

結論を言うと、イスラム法から国法への脱皮、つまり民主的な政体(三権分立)で築かれた法制度に社会を委ねることです。

 

4pa-ru

< 4. Radhabinod Pal >
< 4. パール判事 >

Indian Pearl Judge who advocated Japan’s innocence in the Tokyo Tribunal of War Criminals said as below.

“The law is a dynamic human force that allows to survive our human society”

He said that the law must express “truth” (Hindu law), but to keep the social order, and it is essential that humans continue to improve the law.

There is a possibility that current Islamic legal system(the relationship between Sharia and national law)can not adapt successfully to real society.
Especially as for violence involving people in conflict, it is necessary to apply strict law, and it can’t be said that it is merely the difference of interpretation.
For this purpose, people have got to consolidate the democratic administrative body that has a consistent legislation, judicature, and section getting tough on crime.

This is a secular politics.

However, it may not be necessary to accomplish this at a stroke.
Even in Iran of a Islamic Republic, the status of women is improving.
I think lots of Ulema widely cooperate and should begin from improving application of jihad.

I start another theme from next time.

 

東京裁判で日本無罪論を唱えたインドのパール判事はこう述べています。

「法は人間社会の存続を可能とする動的な人間力である」注釈1.

彼は、法は「真理」(ヒンドゥー法)を表現しなければならないが、社会秩序を保持する為に、人間が法を改善し続けることこそが必要不可欠と言っている。

現在のイスラム圏の法制度、シャリーアと国法の関係は、現実社会に対応出来なくなっている可能性があります。
特に社会を紛争に巻き込む暴力に対しては、厳格な法の適用が必要で、解釈の違いで済まされないのです。
この為には民主的で一貫性のある立法、裁く司法、犯罪を取り締まる行政が整備されなければならない。

これは政教分離と言えるでしょう。

但し、これを一気呵成に成し遂げるこ必要はないかもしれません。
イスラム共和制のイランでさえ、女性の地位は向上しつつある。
広くウラマーが協力し、ジハードの適用から改善していくべきだと思います。
次回からは別のテーマで始めます。

 
注釈1.
この文は1984年の東京裁判研究会からの引用です。
彼はヒンドゥー法を専攻し、インドの法学部教授や裁判所判事、国連国際法委員長を歴任した。
彼の日本無罪論は、日本に戦争や虐殺に対する責任はあるが、法的に侵略罪を問うことが出来ないと言うものです。

Categories: culture+society, <japanese language, opinion, politics, Series: Bring peace to the Middle East, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅 11: サンクトペテルブルグ 5


 

1dsc06553-1

*1

 

今日は、黄葉真っ盛りの公園を紹介します。

前回に続いて、ピュートル大帝の夏の宮殿の下の公園を散策します。

 

 

 

2dsc06622-1

< 2. 散策マップ >

 

赤線が散策ルートで、Sがスタート、Eが終わりを示します。

散策は2016年9月29日17:00~18:00で、雲が厚く覆っていました。

 

 

 

3

*3

 

風が少なかったこともあり、寒さはあまり感じませんでした。

こちらの秋の色は真っ赤ではなく黄金色というところでしょうか。

 

 

 

4

< 4. アダムの噴水 >

 

上の写真: この噴水は放射状に延びる8本の道の交差部にある。

下の写真: これは海岸に近い方です。

 

 

 

5

< 5.モン・プレジール宮殿 >

 

上の写真: モン・プレジール宮殿の庭先から、フィンランド湾を望む。

右端の突き出した部分は、噴水群から延びる運河の先になります。

 

下の写真: モン・プレジール宮殿の海側。

ピュートル大帝が最も初期に建てたもので、お気に入りだったそうです。

非常に小さな建物でした。

 

 

 

 

 

 

6

< 6.モン・プレジール宮殿の庭  >

 

上の写真: モン・プレジール宮殿の庭。

下の写真: この道を真っすぐ行くとチェスの山の滝に行く。

 

 

 

 

 

7

< 7. 太陽の噴水 >

 

上の写真: 太陽の噴水。

下の写真: いたずらの噴水。

中央に数個の小さな噴水があるのですが、その脇を通ろうとすると両側の木立の中から突然、何本もの噴水が噴出します。

それも無事な人もいれば、かなり濡れる人もいて、笑いの渦でした。

何処かで操作しているのでしょうが、わかりませんでした。

 

 

 

8

*8

 

 

 

9

< 9. ローマの噴水 >

 

上の写真: 鴨が泳いでいる池もありました。

下の写真: ローマの噴水。

右手の階段上のものが、チェスの山の滝です。

 

 

 

 

 

 

10

< 10.チェスの山の滝 >

 

上の写真: チェスの山の滝を横から見ている。

下の写真: 坂道を上る途中に見えたレストラン。

昔は宮殿でした。

 

 

次回は、これまた壮麗なエカテリーナ宮殿を紹介します。

 

 

 

 

 

 

Categories: 連載中: ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅, <japanese language, travel+photo, uncategorized | Tags: , , | 1 Comment

Bring peace to the Middle East! 44: What is the cause ? 3


中東に平和を! 44: 何が原因か? 3

1

< 1. the Baltic Way joined three Baltic countries in 1989 >
< 1.1989年のバルト三国の人間の鎖 >

 

Last time, I considered the sparks of the Middle East that have caused wars and terrorism frequently.
This time, I investigate causes of the sparks furthermore.

前回、戦争とテロが頻発する中東社会の火種を考察しました。
今回は、さらにその原因を探ります。
Preface
In the Middle East, why can’t people join together ?
And why do they shut out the world by themselves?
There are scholars who obstinately insisted that it is a backwardness rooted in Islam.
They have a intention to justify their religion with despising Islam now, as with having despised Judaism once.

 

These causes, sparks, are deeply rooted in former colonial rule and poverty, but I think that these causes can be solved by the Middle East’s own.

 

はじめに
なぜ中東では大同団結が出来ず、自ら世界を閉ざしてしまうのでしょうか?
それをイスラム教に根差す後進性だと強弁する学者もいました。
彼らは、かつてユダヤ教、今はイスラム教を侮蔑することで自分の宗教を正当化すする意図を持っています。

 

これら火種は、かつての植民地支配や困窮が大きく影響しており、根は深いのですが、中東が自ら対処することで解決可能な原因と思われます。

 

2-2
< 2. a village and mosque of Upper Egypt >
< 2.上エジプトの村とモスク >
What is the cause to produce the sparks?
I think that three causes are big.

 

A : close nature
The range where people can sympathize is limited to small range such as a village or a tribe.
This tendency is strong in countryside in particular.

 

For example, when the Arab Spring happened in Egypt, the people were positive toward democratization at first, but became conservative after all.

 

In January, 2011, a large-scale demonstration occurred in Egypt by the aftermath of the Arab Spring, and the President Mubarak being a dictator left.
This revolution was mainly triggered by the young of the urban areas.
They demanded democratization and thought that it was the most important to stop military organization return and moneyed election by the local influential person.
However, when the parliamentary elections finished in November, 2011, the Islamic movement scored an emphatic victory as distinct from the pro-democracy movement.
This reason was such political party had not grown up, not only that but also people of countryside returned back to conservative. Annotation 1.

 

It is supposed that this was because people join together only within each village, tribe, and mosque (denomination).
火種を作る原因とは何か?
三つの原因が大きいと思います。

 

A: 閉鎖性
人々の共感出来る範囲が村や部族などの小さな範囲に限られている。
特に地方ではこの傾向が強い。

 

例えば、エジプトでアラブの春が起きた時、人々は一度は民主化に前向きになっていたが、結局は保守的になってしまった。

 

2011年1月、アラブの春の余波でエジプトに大規模なデモが発生し、独裁者のムバーラク大統領が辞めた。
これを主に担ったのは都市部の若者で、彼らは民主化を求め、そのためには軍制復帰と地方の有力者による金権選挙の阻止が最重要だと考えていた。
しかし、2011月11月、人民議会選挙が蓋を開けると、民主化勢力ではなくイスラム勢力が圧勝した。
これは政党が育っていない事もあるが、地方が保守に回帰してしまったことが大きい。注釈1.

 

この背景に、人々が村や部族、モスク(宗派)毎にまとまってしまうことが大きいと推測される。
B: low literacy rate

 

When the literacy rate being closely related to the above problem rises, the people can share same sense of values in more larger area. Annotation 2.
In addition, more people can adopt many success examples and get universal judgments of all of the world.
Thus, the people can perform a shift to democracy smoothly.

 

The literacy rate of some nations being stable comparatively, such as Turkey, Iran, Tunisia, and Egypt, early had increased relatively among the Middle East. Annotation 3.

 

B: 低い識字率
上記と密接に関わっている識字率が上昇してこそ、人々はより広い地域で価値観を共有出来るようになる。注釈2.
またより多くの人が世界の成功例や普遍的な見識を取り入れることが出来る。
こうして、人々は民主主義への移行をスムーズに行うことが可能になる。

 

安定しているトルコ、イラン、チュニジア、エジプトなどは比較的識字化が早かった。注釈3.

 

3

< 3. Koran >
< 3. コーラン >

 

C: an application of the Islamic law
I think that certain application have a problem.

 

Ulama (Islamic scholars) pronounces a fatwa (proclamation) for each occasion.

 

I understand the importance of having been pronounced the fatwa of jihad by paramount Ulama against invader once. Annotation 4.
However, I feel confused about Osama bin Laden pronounced “kill people of the United States and the ally” as a fatwa.
This problem is that various Muslims have pronounced a fatwa of starting a battle that will embroil the country and a large number of the citizens.
Naturally there are Ulama criticizing the behavior of the Islamic State.
C: イスラム法の適用
私は、一部の適用に問題があると考えます。

 

ウラマー(イスラム法学者)はファトワー(布告、裁断)を時に応じて発します。
過去に、最高位のウラマーが侵略者に対してジハードを発したことの重要性は理解します。注釈4.
しかし、ウサーマ・ビン・ラーディンがファトワー「アメリカと同盟国の国民を殺害せよ」を発したことに困惑します。
問題は、国や大勢の市民を巻き添えにする戦闘開始のファトワーを様々なムスリマが発していることにある。
当然、イスラム国の所業を非難するウラマーもいる。

 

In addition, an American Islamic law researcher indicated that the rigorism of Islam grows in strength in certain cases than the moderatism, in his book.
And he explains that most of Islamic extremists were poisoned by it. Annotation 5.

 

What is the problem?
In the Islamic world, the law of the country and religion law that based on the Koran are one in the same.
It should be usually one system of law in one country.
We think that personal rule, creed, and belief are free.
However, if things implicated in violence and armaments become free because of religion creed, the society clearly become conflict situation.
I think Muslims must limit the application of jihad for using violence, establish it as Islamic Sharia law, and it is necessary to disseminate it to Muslims widely.

 

The resolution of these causes can’t possibly be achieved overnight, but there would be not true solution unless doing so.
I ask your forgiveness as a outsider points out the problem.

 

This continues the next time.

 

また米国のイスラム法研究者が、その著書でイスラム教には穏健主義に対して厳格主義が勢力を持つことがあり、過激派はそれに毒されていると言う。注釈5.

 

何が問題なのでしょうか。
イスラム世界は国法とコーランを中心とした宗教法が混然一体となっています。
通常、一つの国には一つの法体系であるべきです。
私達からすれば、個人の規範や信条、信仰は自由であって良いのです。
しかし、暴力や軍事力に関わることまで宗教信条だとして放任すれば、社会は紛争状態になるのは明らかです。
ジハードの暴力的な適用について限定を設け、シャーリア(イジュマーなど)として定め、広くムスリマに周知させる必要があると思います。

 

これら原因は一朝一夕に解決出来ないが、これを放置して真の解決はないと思います。
部外者の私が問題を指摘することをお許しください。
次回に続きます。

 

注釈1.
この間の事情は加藤博・岩崎えり奈共著「現代アラブ社会」に詳しい。
注釈2.
エジプトの15~24歳の識字率は、1976年で51%であったものが、2006年で85%に上昇している。
これがアラブの春を呼び込んだと言える。
しかし、エジプトの地方(上エジプトなど)の文盲率(非識字率)は40%(2006年)を越える所があり、特に高齢者や女性に多い。
エジプト全体で若者の27%が義務教育を修了していない。
上記「現代アラブ社会」より。

これが民主化への阻害要因の一つになっていると考えられる。
注釈3.
この間の事情はエマニュエル・トッド著「アラブ革命はなぜ起きたか」に詳しい。
注釈4.
1830年、フランスがアルジェリアに侵略し始めると、イスラム教の指導者であったアブド・アルカーディールはジハードを宣言し、自ら軍を率いて戦った。
注釈5.
カリード・アブ・エル・ファドル著「イスラムへの誤解を超えて」に詳しい。

 

 

 

Categories: culture+society, history+evolution, <english language, <japanese language, opinion, politics, Series: Bring peace to the Middle East, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

Create a free website or blog at WordPress.com.

sandsoftime10

A peep into Megha's mind

Being truth to all..!

Nor happy, not sad...... just tired with what so ever happening with me..... 😣😣😣

BLOGCU YAZAR

KALEMİN İZİ, GÖNLÜN İZİDİR..

unbelsorrisodallitalia.wordpress.com/

意大利旅居記事簿:來自意國的微笑 by Scarlett To

Nikka Beauty

Master the beauty

ひびごと。

健康と心理学、ときどき美味しいものの不思議な関係

TIMES OF LION

Exposing Truth

| SCRIPTEUM |

Blog de escritura

Fun Freedom Fables

Stay happy, think positive & live life to the fullest

Trust and Believe in the Unseen

Live with Light of Faith

TAISHINYC

The dream never disappear

Business Mgt

Learn more about Mgt

#moe404, the anime BLOG —

weirdo manner to talk about anime.

ANKIT VERMA

VOICE OF SOUL

LadyMarjola

LadyMarjola is a fashion illustration blog. I share my designs and illustrations that I make.

campogeno

die welt aus der sicht eines einsiedlers