Posts Tagged With: society

連載中 何か変ですよ 214: 何がより良い選択なのか? 5


1

*1

 

今回が連載の最後です。

長期衰退の元凶を解き明かします。

 

2

*2

 

 

*先ず元凶を示し、それがどのように日本を蝕んで来たかを説明します。

 

元凶は「戦後の米国による傀儡化と、その後の自民党と官僚の寄生関係」です。

 

この自民党と官僚の関係は時と共に深まり、やがて日本の教育・司法・メディア・経済界・学会・軍事を包括する巨大な既得権益体制が生まれ、国民は蚊帳の外に置かれてしまった。

残念なことに、日本の国民性がこの政治劣化をさらに強め、社会と経済は再生を困難なほどに歪められ、長期衰退に陥った。注釈1.

 

さらに安倍一党が煽るウヨ化で一層分断が進み、日本は衰退から暴走へと大きく舵を切る。

保守重鎮の西尾や西部は最近になって安倍批判を強め、彼を保守の裏切り者と見做している。

 

劣化していく過程を説明します。

 

  • 敗戦後、戦犯だった岸は米国に拾われ、左派勢力弱体化を条件に米国の資金援助と庇護を受け、自民党をまとめて国政を牽引して行きます。

この日本政府の傀儡化は少なくとも1970年代まで続いたことは米国のCIA公開文書で明らかです。

 

  • 岸と佐藤首相は数度にわたる密約で、国民の目を欺きながら米軍基地と核配備を米国に無条件で提供した(ノーベル賞をもらった佐藤は岸と兄弟で、岸は安倍の祖父で皆同じ血筋)。

この提供は日本の防衛負担を減らすように見えるが、逆に米国と共産圏との最前線、しかも国内にありながら日本が介入出来ない軍事拠点になったことを意味する。

 

  • この後、自民党内閣と官僚は国民と野党の追求を逃れる為に、虚偽発言と公文書隠蔽・改ざんに深入りしていく。

 

ここまでが自民党のボスを通じて日本が傀儡化した前段です(現在も日米合同員会は月2回継続)。

この後、この傀儡化を隠蔽する過程で自民党と官僚の寄生関係は深まり、巨大な権力を握っていきます。

 

先ず米国の指示と援助を受けて自民党の長期支配は盤石になった。

次いで、密約を隠蔽するために自民党と官僚は結束を深めることになる。

この後も米国CIAはリベラル野党潰しの為に資金援助を継続した。

まるで松本清張「日本の黒い霧」で描かれているGHQ時代の闇です。

 

やがて官僚は、ぬるま湯で育った2世3世の自民党議員相手に優位に立ち、政策や予算などを支配し、自省の権益拡大に奔走していく(自民党議員も口利きで噛む)。

こうなると大臣は答弁書を読むだけの飾りになり、行政への責任は無きに等しくなる。

まるで戦中の陸軍と海軍の権益争いが無責任な軍事拡大を招いたのと同じです。

 

3

< 3.沖縄基地、原子爆弾、GDP成長率、政治腐敗度 >

 

*ここまでが安倍政権までの長い劣化の歴史です。

 

現在、安倍の人気は景気堅調もあるが、リベラル嫌悪と排他的愛国(ウヨ)の煽動が功を奏している。

日本のウヨ化は長期衰退への不満が、かつての自民党と官僚への批判から、植民地だった中国と朝鮮半島への反発にすり替えられたことで政府批判は掻き消され、安倍支持は強化された。注釈2.

これにより隣国との協調を唱えるリベラル野党と右傾化を強めた自民党の間の亀裂は強まり、多数を占めた自民党はなりふり構わず無視と強行を続けることになった。

 

安倍内閣は、ついに開き直って堂々と白を切るようになった。

既に大半のメデイアが御用化し、既得権益体制が総がかりで政権を擁護するなら、国民の目を眩ますことは容易です(トランプのようにフェイクを数多く流せば真実は見え難い)。

 

このような権益維持に奔走する自民党と官僚の政治が続く限り、真に国民の為の政治が行われるはずもなく、国民は米国友好と見せかけのパフォーマンスでごまかされることになる。

 

 

*ここで政治の劣化による具体的な弊害を見ておきます。

 

  • 学校教育は自主性のない、政治に関心を持たない生徒を育てた。

これが現状の不毛な政治を助長している。

かつて西欧の植民地でもこの手の教育が行われたが、現在、北欧の学校では生徒は政治や社会に積極的に関わり、当然、政治腐敗はなく、労使協力が得られ経済の好循環が生まれている。

 

  • 地方自治は中央頼みで自ら活性化出来ない。

これはシャウプ勧告が発端だが、中央官庁が地方の税の分配権を握っていることによる。

一度手に入れた権益を中央官僚も国会議員も手放さない。

 

  • 日本の裁判所は憲法判断を避け、政府寄りの判決を行う。

この発端は戦後直ぐの砂川事件(米軍基地訴訟)だが、その後原発などでも繰り返されている。

 

  • 政府・官僚に忖度するマスコミ。

これは記者クラブなどの取材慣行もあるが、最近の自民党からの露骨な圧力が一層酷くしている。

 

  • 極め付きは官僚が支配する巨額の特別会計451兆円(2018年度)で一般予算98兆円を遥かに上回る。

この実態は掴めないが、3000社もある天下り先、かつて年金福祉事業団のリゾート施設が二束三文で売られたこと、GDPが550兆円であることを考えれば如何に巨大で危ういものかかがわかる。

 

 

*結び

見てきたように日本は先進国の体を成していない。

民意がフィードバックされることもない(選挙制度と三ばんが歪めている)。

経済政策はせいぜい議席確保につながる既得権益擁護と米国の圧力か模倣に過ぎない。

軍事は米国の意向に逆らうことが出来ない。

 

これでも皆さんは、現政権にすがるしかないと考えるのでしょうか。

少なくとも政権の嘘・隠蔽と腐敗を見過ごすことだけは止めるべきです。

 

来訪に深く感謝します。

これで、この連載を終わります。

 

 

注釈1.

ここで災いとなった国民性は主に村社会-古い農耕民族に残る、組織への盲目的な忠誠心、によるものです。

この国民性は権力者の腐敗・専横の阻止、個人の権利と法の理念(正義)の順守よりも、組織の利益と権力者の意向を重視します、例え後ろめたさを感じていても。

 

注釈2.

本来保守は母国への愛(現体制への執着)が強いことにより、過去や歴史を礼賛(盲愛)することになる。

しかし、そのことが周辺諸国を敵視することに直結しない(西欧の極右は移民を敵視するが、隣国を敵視していない)。

 

今の日本のウヨは、歴史上繰り返された浅薄なポピュリズム(ファシズム、ナチス、現在西欧の極右、トランプ)と同じです。

社会に不満が鬱積し、かつ解決策が断たれたと感じた人々は、安易に単純明快な解決策に飛びつく。

そして強権的なカリスマ指導者の登場、そして彼は憎むべき敵を明示し、支持者の団結と闘争心を煽る。

まさに、今これが再来している。

 

少し考えれば、可笑しいことはわかるはずです。

日本の保守は、かつての日本の戦争は正義だとし、自尊心を満足させます。

その根拠に、よく「米国が仕掛けた罠に日本がはまり開戦せざるを得なかった」が挙げられます。

憲法も押し付けだから、自主憲法が当然だと言います。

これほど米国をコケにしておきながら、一方でまったく米国追従なので自尊心のかけらもない。

過去の南ベトナム政府よりも酷くは無いが、初期の自民党政権の傀儡化を知っていながら皆口をつぐみ、治外法権を許す地位協定(国家主権放棄)をいまだに後生大事に守っているのですから。

 

またウヨの言う中国と朝鮮半島憎しにどんなメリットがあるのでしょうか?

確実に攻めて来るのなら冷静に防衛策か懐柔策を講じれば良いだけです。

過去を批判されるから腹いせに罵る、これでは互いに敵愾心を煽るだけで、これこそ何かを切っ掛けに戦争が始まらないとも限らない(数々の戦史が示しています)。

結局、米国の思う壺であり、憎しみが権力集中に利用されているとしか思えない。

 

 

参考文献

 

日本関係

  1. 「日本が自滅する日」石井 紘基著。
  2. 「知ってはいけない1と2」2冊、矢部 宏治著。
  3. 「日米同盟のリアリズム」小川 和久著。
  4. 「どこへ行くのか、この国は」村田 良平著。
  5. 「戦後史の正体」孫崎 享著。
  6. 「没落するキャリア官僚――エリート性の研究」中野 雅至著
  7. 「国家の命運」藪中 三十二著。

 

米国関係

  1. 「暴露 スノーデンが私に託したファイル」グレン・グリーンウォルド著。
  2. 「CIA秘録上と下」2冊、ティム・ワイナー著。
  3. 「日本は略奪国家アメリカを棄てよ―グローバリゼーションも共同幻想も必要ない」ビル・トッテン著。

 

隣国関係

  1. 「中国 新たな経済大革命」肖 敏捷著。
  2. 「韓国人に生まれなくてよかった」武藤 正敏著。

 

戦争関係

  1. 「逆転の大戦争史」オーナ・ハサウェイ共著。
  2. 「文明の衝突」サミュエル・ハンチントン著。

 

北欧関係

  1. 「世界政治叢書3 北欧・南欧・ベネルクス」津田 由美子共著。
  2. 「エリア・スタディーズ デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを知るための・・章」3冊、明石書店刊。
  3. 「北欧モデル」翁百合共著。

 

経済関係

  1. 「国家債務危機」ジャック・アタリ著。
  2. 「ドイツ帝国の正体」イエンス・ベルガー著。
  3. 「国家はなぜ衰退するのか上と下」2冊、ダロン・アセモグル共著。
  4. 「世界を破綻させた経済学者たち」ジェフ・マドリック著。
  5. 「世界経済を破綻させる23の嘘」ハジュン・チャン著。
  6. 「金融政策の誤解」早川英男著。
  7. 「1970年体制の終焉」原田 泰著。
  8. 「日本国債入門」永野 学著。
  9. 「国家は破綻する 金融危機の800年」カーメン・M・ラインハート共著。

 

 

Advertisements
Categories: culture+society, economy, history+evolution, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 213: 何がより良い選択なのか? 4


1

*1

 

「何が長期衰退を起こしているのか?」

「それはなぜ見えないのか?」

この謎に迫ります。

 

2

*2

 

 

4. 何が日本の長期衰退を招いているのか?

 

ヒントになる幾つかの社会現象を拾ってみます。

 

  1. ネットウヨは中国、韓国、朝日新聞が嫌いで、安倍政権を熱烈支持。
  2. 10代20代の若者は安倍政権に期待。
  3. 野党は毎回、無様に敗退する。
  4. 官僚は情報隠蔽・改ざんを日常的に行い、安倍政権を支える。
  5. メディアは改憲のCMの量的規制を行わず、安倍政権を支える。

 

少し説明します。

 

  1. ネットウヨは・・・。

戦前の右翼は下心があったとは言え「東アジアの五族協和」を唱道しており、今のウヨとは真逆です。

一方、当時も朝日・毎日は戦争反対の急先鋒であった為に右翼と軍部から嫌われた。

 

中身が乏しいとしても、ネットウヨの破壊力は侮れない(かつてのナチスの突撃隊のように)。

 

  1. 10代20代の若者は・・・。

この世代は10年前のリーマンショックの悲哀を知らず、その後の巨大金融緩和による世界的な経済好調下で暮らし、現状に満足し期待さえしている。

しかし、今月までの日本の景気回復6年を米国の9年8ヵ月と比べると経済好調の実態を推測できるはずです。

また戦争を知らない彼らは欧米のポピュリズム(極右)と同調する日本のウヨ(排他的愛国心)に共感し易い。

 

この世代は当然かもしれないが経験が乏しく視野が狭い、その上、自ら疑念を持ち思考する力に欠けている。

実は、彼らは被害者であり、今後加害者に加担することにもなるでしょう。

 

  1. 野党は・・・。

前回、民主党が政権についたのは、国民がそれまでの長期低迷が官僚と自民党の腐敗にあると理解し、民主党に託したからでした。

しかし、東北大震災と官僚のサボタージュで敢え無く下野した。

 

一方、これまで米国に逆らう中国友好策や沖縄基地撤去を唱えた政治家達、田中、小沢、鳩山は足をすくわれ失脚している(スキャンダル暴露、情報漏洩など)。

また戦後、暗殺された政治家は二人とも野党で、浅沼、そして官僚支配の実態を暴こうとした矢先に刺殺された石井(民主党)がいる(共に犯人は右翼)。

 

何か恐ろしい陰謀の匂いが・・・・。

 

  1. 官僚は・・・・

官僚による情報隠蔽・改ざんは安倍政権になってから急増したように見える。

またそれに対する官邸の説明は実に不誠実で、かつ虚言が多い。

この為、追及が困難で確かな証拠は得られないが、官邸・官僚・自民党議員の不正(捏造、口利き、収賄)が横行していることが伺える。

 

真実を知る鍵は、この専横と腐敗が安倍政権で始まったのか、それともかなり以前から腐敗が進行しており、遂に露骨になったのかを見極めることです(数々の疑獄事件、金丸の佐川急便事件などを思い出してください)。

 

  1. メディアは・・・。

当然、先進国は報道の公正を担保するためにCMを規制する。

 

原発反対に優勢であった世論が、電気事業連合会の毎年250億円以上(1990年より)のCM攻勢で賛成に替わったことでわかるように、CMの力は絶大です(テレビ各局だけでなく朝日新聞すら加担)。

米国の報道は規制緩和により娯楽と一体化した右傾化が進み、トランプ誕生に繋がった。

また安倍政権で、NHK会長に不公正な人物を選任、大臣が電波法を盾に放送局への脅し、自民党に雇われたウヨによる電凸攻勢(メディアへ大量の非難電話)などのメディアへの圧力が強まった。

 

報道の御用化は安倍政権になってから一気に進んだが、その下地は既にあった(戦前と瓜二つ)。

 

 

皆さんは、これらの現象に何か共通する素因があると思いますか?

おそらくわからないと思います。

それほど深く隠れており、かつ日本のあらゆる面に浸透しているからこそ上記の現象が起きているのです。

 

次回に続きます。

 

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 212: 何がより良い選択なのか? 3


1-1

< 1. ある日のコペンハーゲンと大阪 >

 

 

「日本国民は何が見えて何が見えないのか?」

良い所と悪い所、共に見えているのか?

先は見えているのか?

私はわからない。

 

2

*2

 

 

皆さんはどう思いますか?

 

3. 日本の暮らしを良くするにはどうすれば良いのか?

 

今のまま政府に任せておけば良い。

賛成: 日本の潜在力は高いので、もう一押しで良くなる。

反対: ここ半世紀、日本は悪化するばかりなので一度膿を出さなければならない。

 

注釈

それでは日本の高い潜在力を確認してみましょう。

 

経済指標からみると、経済成長率、労働人口、設備投資、賃金、生産性、労働分配率、非正規割合、物価、国の累積債務など全て1990年代から悪化または横ばい基調です。

これを他の先進国と比べると日本の悪化、ランキング低下は驚くべきものがあります(昔2~10位、今は20から30位で、さらに年々低下しています)

ここ2年、世界経済の好調で指標は一部改善したが、バブル崩壊になれば確実に一層悪化する(世界も良くなっているのでランキング低下は止まらない)。

日本で良いのは失業率と企業の内部留保ぐらいです(但し賃金を上げれば、両方とも悪化)。

 

それでは政治と社会の実態はどうでしょうか。

国際的な指標で世界ランキングをみると、幸福度、人間開発、男女格差、貧困度、所得格差、報道の自由度など主なものは長期低下が顕著です。

特に安倍政権になってから急降下したものが多く、報道の自由度や男女格差は著しく低下し、遂には67位/180ヵ国中、111位/135ヵ国中になり、多くの中後進国よりも低くなった。

日本で良いのは犯罪率ぐらいです(但し今後、移民の受け入れを無原則に拡大すれば、悪化は確実)。

 

日本の劣化を信じたくない気持ちは理解出来るが、世界と比べると日本の経済・政治・社会の長期に亘る劣化と衰退は確実です。

現体制を擁護したい人々はこれら指標を否定し、まったく問題ないと必死に言い募るが、これら指標は世界的な機関が国の改善の目安として算出しているものです。

実際訪れてみればわかるのですが、北欧などこれらランキング上位の国々は国民にとって素晴らしい国です(日本と違った問題、一部に移民問題などを抱えているが)

 

 

ここで最大のミステリーが立ちはだかる。

なぜ多くの人々はこれだけ社会経済の基盤が悪化しているのに危機感を持たず、政府のなすがままで安穏としていられるのだろうか?

 

先ず思いつくのは、国民は政府や社会の不都合な真実を知らないのかもしれない。

秘密特定保護法や内部告発者保護法(公務員適用除外)などが情報流出を止めているのか。

(戦前の大本営発表や新聞検閲に至らないことを望む)

それにしても、一部マスコミは官邸と官庁で行われた公文書の隠避・改ざんを暴露しており、少しは情報が国民に届いているはずです。

 

次に思いつくのは、政府や政治に対する国民の無力感です。

かつて幾度も原発建設反対の訴訟が市民により起こされた。

しかし政府、学会、業界、そして裁判所までが一丸となってすべて否定して来た。

(この事は今も変わらない)

市民が疑念や反対意見を持っても、沖縄基地問題と同様に体制は門前払いして来た。

 

そうではなく日本人の従順な国民性が、この状況を招いているのかもしれない。

日本人は体制(政府や権力者)に盲従する心理特性を持っている(帰属意識が高い、村社会)。

このことにより人々は多少疑念を持っても行動を起こさず耐えて偲んでいるのだろうか。

 

だが、これらは表面的な要因で、もっと深刻で抜き難い要因が隠れている。

 

次回に続きます。

 

 

 

Categories: culture+society, economy, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 210: 何がより良い選択なのか?


 

1

*1

 

 

「日本国民は何に不安を感じ、何を頼りにしているのか?」

私には見えてこない。

戦争か平和か、または繁栄か金融危機か、左右から罵り合う。

何が国民にとってより良い選択なのか?

 

 

無題

*2

 

 

皆さんはどう思いますか?

 

  1. どうしたら戦争や侵略を防げるのか?

軍備を増強するべき

賛成: 小国は侵攻され易い。

反対: 大国と軍拡競争をしても無駄、むしろ敵愾心を煽る。

 

注釈 

繰り返される米ロ(ソ連)の軍事侵攻を見ていると、小国の悲哀は今なお現実です。

これら侵攻の多くは、民族や宗教対立で混乱している小国への大国の領土・資源・覇権争いと言えるでしょう。

また軍拡競争と軍事同盟の果ての大戦が二度も続き、これも深刻です。

 

一方で、不戦条約締結(1929年)以降、世界が一緒になって暴虐な国々の世界制覇を多大な犠牲を払って食い止めました(米国の力は大きいが、その後変節している)。

 

日本にとって確実な戦争回避策はあるのか?

 

例えば沖縄の基地をどう評価するのか?

沖縄は米国の中国への前進基地として防波堤の役割を担うのか、それとも最初の激戦地となり、日本も火の海になるのか?(沖縄は、以前より米国のアジア侵攻の発進地として使われているので、最初に攻撃されるだろう)

沖縄よりもグアムやハワイの方が、米国や日本にとっても戦略上優位なのではないか?(あまりにも日本と米国の本土から離れている)

 

北朝鮮の軍事緊張にしても、今回の一連の動きで判明したように米中次第であって、日本の役割は少ない(蚊帳の外で騒ぐだけだった)。

北朝鮮に睨みを利かすのは空母などの機動部隊がいる佐世保が最重要です。

 

結局、回避策は日本と米国、中国、ロシアの状況を的確に評価出来るかにかかっている(日本は過去に大きな見誤りを繰り返しており、いまだに反省していない。今度こそ島国を言い訳にしないでほしい)。

 

要は侵略する国、軍事同盟、抑止力、日本の立場―国際的と地政学上(大陸に近い島国)、をどう評価するかです。

少なくとも日本は小国では無く、今後米中の覇権争いは熾烈を極め、中国経済は益々巨大になり、やがて日本は米国依存一辺倒ではすまなくなるだろう。

 

ここ1世紀半の世界の流れを振り返ると日本の動きが見えてくる。

19世紀後半以降、英国の覇権は衰えて、米国はやがて断トツ一位の経済大国になって行く。

第一次世界大戦はドイツの経済が英国を抜きヨーロッパで一位になる時期と重なった。

また第二次世界大戦は、日本が経済の規模こそ及ばないが急伸し、軍事同盟先を英国からドイツに替えて始まった。

この間、米国は軍事でも世界第一位となり、日本は敗戦占領を期に米国に完全に追従することになった。

 

 

一言

ここ半世紀あまりの世界の戦争をみると、幼児帰りしているように思える(不戦条約締結以前に戻る)。

侵攻される小国に紛争や混乱などの火種があることもあるが、大国は一方的な口実を持って侵攻する。

その口実を、かって世界平和の為だったが、今は戦争の芽を摘むとして自己防衛と称している。(初期には当事者に大量の武器を売る一方で、やがて都合の悪い政府を潰し、それを傀儡政権に替え、挙句に侵攻して破壊する。特に米国。)

これはかっての戦争と何ら変わらない、いつの間にか中世から原始社会に戻ったようです。

 

 

次回に続きます。

 

 

Categories: culture+society, economy, history+evolution, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 209: あなたも「辺野古署名」に一票


 

1

 

この署名は辺野古埋め立ての中止を願うものです。

沖縄の思いが、今、世界に響こうとしています。

あなたの一票で、共にあることを沖縄の人々に示そうではありませんか。

 

 

  • 署名について

「Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa」

「国民投票が沖縄で開催されるまで、辺野古/大浦湾の埋め立てをやめる」(グーグル翻訳)

 

 

 

 

  • 私が署名に託したこと

 

私はこれまで辺野古基地建設反対に賛同し寄付したこともありましたが、今回署名したのは昨日21日で遅かった。

私は諦めかけていましたが、この盛り上がりに背中を押された。

 

現在、沖縄県の民意の高まりに反して政府は徹底的に無視し、むしろいっそう強行しています。

私が一番危惧するのは、140万県民の思いを踏みにじる国の全体主義姿勢の強まりです。

 

日本の国民にとって何が大事なのでしょうか?

 

  • 国防が一番大事

「中国の侵略に備えるためには米国との同盟強化と沖縄の基地が何よりも優先されるべき」は本当でしょうか?

 

中国が攻撃する可能性は? 沖縄基地の重要性は? まして辺野古基地の重要性は?

日米同盟が中ロとの戦火から完全に防いでくれる可能性は?

 

これまでの沖縄基地の代替え案の存在や、歴史的に見て抑止力と軍事同盟に頼った数多くの失敗例を知ると、これら防衛策がまったく無駄であったり、戦端開始を早めたりすることもある。

 

一言で云えば、防衛は必要だが沖縄に米軍基地を集中させる合理性は低い、むしろ弊害が大きい。

 

 

  • 国民が一番大事

「沖縄県民の大多数の民意を国が踏みにじることは国を危うくする」について考えます。

 

沖縄県民は我慢し続ければ良い。 人口の百分の一ほどの民意など取るに足らない。 国民によって選ばれた政府(官邸)の意向に逆らうべきではない。

 

沖縄と日本の20世紀の戦争の時代を振り返ると、政府が独走始める時、先ず政府に都合の悪い一部の国民が非国民と罵られ従わされ、遂には全国民に犠牲を強いることになった。

 

実は、事は単純なのです。

日本では、往々にして個人の権利がトップの意向による集団目標の為にないがしろにされるのです。

今が、その時なのです(日本は家族や社会文化にファシズムの芽を絶えず持っている)。

 

結論を言えば、先の不安(国や米国、右翼が煽る危機)よりも、現在進行中の政治社会の悪化を食い止めることです。

 

その為の、残された数少ない意思表示の一つなのです。

 

 

  • 最後に

 

様々な流言飛語が飛び交い、沖縄を見る目が曇りがちです。

是非とも本土の皆さん自身が、沖縄の歴史を知り、沖縄を歩き、沖縄の苦しみに思いを馳せていただきたい。

 

本土の人間も、原発で誤った道を進んだ苦い経験があります(もっともまだ反省していない人もいるが、不思議に太平洋戦争も同様に反省しない)。

かつて国民は原発に反対でした、しかし政府と電力会社の宣伝攻勢により、数十年かけて容認が支配的になりました。

一部の人が警鐘を鳴らしても政府、財界、学会、司法の圧倒的な力と財力で原子力村は増えて行きました。

 

そして事故が起こりました。

しかし想定外のこととして喧伝した側の人間は誰も責任を取らず、原子力村に暮らしていた人々が犠牲を払うことになった。

 

このような馬鹿げたことを、まだ繰り返そうとしている政府にNOと言えるのは、恐らく地に足を着けて暮らしている女性でしょう。

女性がより聡明になり、立ち上がらなければ日本は良くならない。

 

 

健闘を祈ります。

 

 

 

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , | 2 Comments

北欧3ヵ国を訪ねて 41: カールスタッド 2


 

*11DSC01995-1

 

 

今回はカールスタッド紹介の後半です。

パレードを見終わり、公園を散策し、次の列車に乗るために駅に戻りました。

私はここで大きなトラブルを経験することになりました。

 

 

2

*2

 

パレードを見終わって公園内を散策し始めたのは17:00頃でした。

掲載写真は撮影順に並んでいます。

次に乗る列車は18:30発なので、18:00までに駅に戻らなければならない。

 

3

*3

 

公園の至る所で卒業生と両親らが集い、記念写真を撮っていました。

 

4

*4

 

この公園は両側を川に挟まれた広い芝生で、所々に木々が植えられている。

人はまばらで、カップルがのんびりと日光浴を楽しむ姿が印象的でした。

 

下の写真: 若い女性グループが水着姿になり、川にせり出したウッドデッキで日光浴を楽しみ始めた。

 

スウェーデンでは飲酒が抑制されているらしく、パリで見たような多くの人がアルコール(シャンパン)片手に談笑する姿はほとんど見なかった。

 

 

5

*5

 

上の写真: 中央に見える橋は私が渡って来た橋です。

 

6

*6

 

先ほどの橋のたもとにある小さな公園。

 

7

*7

 

駅に向かって、大通りを戻る。

多くの市民が歩行者天国に出ていた。

この時刻は17:40です。

 

8

< 8. 駅に戻る >

 

駅に戻ったのは17:45分頃でした。

待合室のロッカー(クレジットカード払い)から荷物を出し、駅舎のコンビニでサンドイッチとドリンクを買い、夕食とした。

 

後は、列車が来るのを待つだけです。

18:00になると、駅舎の切符窓口は閉まり、駅員は帰った。

私は特に用事が無いのだが、少し不安になった。

 

 

9

< 9。 ホームに立つ >

 

この駅のホームは一つだが、番線は4ヶ所あり、長手方向で左右に分かれていた。

 

 

10

< 10. やがて不安が現実のものになった >

 

 

到着予定の時間になっても列車が来ない。

周囲の旅行客が落ち着きをなくし始めた。

放送はあるが、私にはまったく理解できないし、駅員も居ないので確認も出来ない。

 

上の写真: 上に電光掲示板が見えます。

やがて電光掲示板に乗るべき列車の到着予定時刻が表示されているのが分かった。

しかし、その時刻が時と共に遅れて行く。

予定通りに行ってもオスロ駅到着は21:23で、この調子では日付が変わるだろう。

 

下の写真: 21:22の撮影です。

この列車は別の列車でした。

 

11

< 11. 夜は更けていく >

 

上の写真: 9:26撮影。

空はまだ明るいが、夕陽が迫っている。

 

下の写真: 時計の針は既に私のオスロ到着時刻を過ぎていることを示していた。

昼はあれほど温かったのだが、夜は冷え込んで来た。

 

中央に乗客らが集まり情報交換をし始めたようです。

その内の一組の老夫婦のご主人が私に温かく声を掛けてくれたのだが、私は言葉が分からずその場を離れた。

言葉の通じないのが無性に悲しくなった。

 

オスロのホテルに、到着時間が大幅に遅れることを連絡しようとしたが、これまたなぜか電話を掛けることが出来なかった。

ホテルの電話番号の前に付ける国別などの番号に誤りがあったようだ。

私はなす術がなく、ただ時間の過ぎるのを待つばかりでした。

 

やっと4時間以上遅れて列車が到着した。

乗客は皆、急いで車両に駆け寄った。

一人の若い乗客がタラップで私に乗車と譲ってくれた。

非常にうれしかった。

 

この時、どこにも駅員や係員は一切居なかった。

省人化が進み、ボデイや荷物、チケットの確認が無く気楽なのだが、海外からの旅行客の私には少し不安だ。

 

12DSC02024-22

< 12. 白夜。車窓から21:52撮影 >

 

この光景はご褒美かもしれない。

 

列車内は満席でした。

ほっと一息付いたのですが、今度は列車の速度が非常に遅く、時折、途中で停車する始末で焦るばかりでした。

皆、疲れた様子ですが、不平で騒ぎ立てる人もいなかった。

もっとも文句を言いたい車掌も巡回に来ないのですが。

 

けっこうなお年寄りが一人で乗車しているのが見られた。

日本と違って、北欧のお年寄りは自立が当然で、国際列車での移動も一人で行うようです。

これは福祉政策の発展とは別の、ヴァイキング精神の名残り、個人の尊厳を大事にすることの現れかもしれません。

 

数時間かけてオスロ中央駅に着いたのですが、夜中の2時を過ぎていた。

 

真夜中に放送が大きな駅舎に鳴り響き、乗客にタクシーの利用を薦めているようでした。

駅員をほとんど見かけることもなく、最終駅から乗客は蜘蛛の子を散らすように出て行った。

私は駅から少し歩き、途中、真っ暗な大通りでタクシーを拾い、ホテルに無事着いた。

 

ホテルが24時間フロント対応であることを事前に確認しておいたが、若干不安はあった。

フロントの対応は良く、手短に手続きを終え、朝食予約とオスロパス購入を済ませた。

後は寝るだけ・・・・

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, travel+photo | Tags: , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 208: 「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」を読んで 5


1

*1

 

 

賃金低下と格差拡大が野放しにされている最大の理由を語ります。

放置すれば最悪の事態になる。

これで結びとします。

 

 

これまで著作の問題点を考察してきました。

  1. 対策に実効性がない。
  2. 真の原因を隠している。
  3. バブル崩壊を無視している。

 

これらは序の口に過ぎない、核心に迫ります。

 

 

  1. D) 自然のままが最良と信じ、手を加えることに抵抗がある。

 

例え話で対策に「池の自然サイクルに干渉しない」ことを挙げた

著書にも同様のドグマ「健全な労働市場に規制を加えない」が貫かれている。

特に最低賃金は市場を歪め、効果が無いとまで言い切る。

これは自由放任主義経済への心酔が言わせたものです。

暗黙の前提「自由競争こそが最善」があり、これによりコスト低下などの効用の最大化が起こるとしている。

 

この前提が間違っていることを身近な実例で見ます。

 

2

*2

 

 

  1. 最低賃金について

日本の最低賃金は先進国中ほぼ最低で、この規制が外されると間違いなく賃金相場は下がる(多くの外国人技能実習生の賃金はこれよりさらに低い)。

論者は最低賃金が失業率を上げると反論するだろうが、要は下位90%の国民の収入が下降し続ける現状から上昇させることの方が重要です(所得再分配で日本の酷い貧困率を改善出来る)。

逆に言えば低賃金だから求人が多いのであって、悪循環を繰り返すだけ(安い移民も)。

 

例えば、スウェーデンでは統一した最低賃金を設けていないが、職業毎の賃金相場がある。

ここでは移民労働者に対しても同一賃金を適用すると言う卓越した取り組みがなされている。

なぜなら産業側が移民を安く使おうとして賃金相場が下がり、また国内労働者の締め出しが起こるからです(多くの国でこうなっている)。

 

こうしてみると最低賃金(規制)は市場を歪めると言うより、明らかに社会の効用を高めている。

(規制緩和は必要です。多くは業界を守る規制が災いをもたらす。)

 

3

*3

 

  1. ゴーン会長の行為からわかること(法律違反とは別)

 

この事件は自由放任主義の欠点「優位者は自由市場を歪める」を示している。

 

自由放任主義者は「自由であれば人は創意に溢れて経済を活性化させ、その見返りに高給を得る。これが経済の好循環を生む」を信じる(富裕者に都合が良い)。

ところが経営トップが給与を自由勝手に決定出来てしまうと、この循環は断たれる。

彼は苦労して企業業績向上に努めるより、金額を書き換えれば済むのだから。

 

信奉者は「企業間競争や株主の圧力により、給与は妥当な水準になる」と反論する。

そうはならない、ほとんどの大企業の株は他のグループ会社によって持ち合いされており、結局同じ立場の経営者(数少ない超資産家)らによって運営されているから。

さらに労働組合が非力なので、彼らの身勝手な行動を牽制出来ない(組合組織率の高い北欧は可能)。

先導する米国はバブル崩壊時、救済された経営者すら平然と高給を掠め取った。

自由放任された市場は必ず機能不全に陥る。

 

これは日米欧で超富裕者の収入が急増する一方、90%の国民の賃金が延びないことと符合する。

悲しいことに日本だけは低下している。

 

 

4a

*4

 

 

  1. 自由競争の限界を知る

 

信奉者は、「広大な原野に狐と兎が共に生息していても均衡が保たれ、兎が絶滅することはない」をイメージし、この世は弱肉強食でうまく均衡していると納得する。

しかし間違いは簡単にわかる。

 

もし、この両者を球場の大きさで囲むとどうなるだろうか?

数か月の内に先ず兎が、最後に全滅するだろう。

 

残念ながら現在の経済学は現実社会のメカニズムを充分把握出来ていない(おそらく優位者に都合の良いように解釈する輩が多数なのだろう)。

ましてノーベル賞と縁のない日本の経済学では、まったくお手上げです。

 

ありもしない完全な自由競争にすがって成果のない経済政策を擁護する愚は止めるべきです。

 

5

*5

 

 

  • 最後に

 

もっとも重要なことは、自由放任主義と金融重視の経済政策から早く脱却しないと、大多数の国民はさらに苦境に追い込まれると知るべきです。

1980年代以降の欧米、それを猛追する日本は正にこの呪縛に絡めとられ、抜き差しならない状況にあります。

 

一方、北欧は半世紀ほど前から新た道を模索し成功した。

しかし、グローバル化の波に呑まれつつある中で、北欧にも欧米の毒がまわり始めている。

 

北欧が健全な内に、新たな道に進むことが出来ることを願って終わります。

ご清聴ありがとうございました。

 

 

追記

今の世界経済の状況を示すグラフを載せます。

すべて借用です。

 

6

*6

 

上のグラフ: 1980年以降、世界の中央銀行が金融緩和の為に通貨発行(茶線)を加速せる度に、バブル崩壊を招いている。

特にここ10年は通貨発行量がGDP(青線)すら越えてしまった。

これは歴史的な未体験ゾーンに突入したことを示す(危険領域)。

 

下のグラフ: 世界は金融政策、主に通貨発行(青線)で景気の好転を目指して来た。

しかし、かつての経済成長や低失業率は起こらず、インフレ(赤と緑線)すら起こらない。

 

7

*7

 

「マーシャルのk」はマネーサプライ(M2)/GDPです。

日本のマネーサプライ(赤線)が目立つのは、二つの理由があります。

一つはアベノミクス以前、日銀は貨幣供給を抑えていたのだが、なにせGDP成長率が年を追うごとにゼロになっていたからです。

アベノミクス以後は、日銀黒田のバズーカ砲によるものです。

いつしか、インフレターゲット論の信奉者が望む、世界屈指の貨幣供給量を誇るようになった。

 

しかし、結果がまったく現れない(インフレ、経済成長)。

不思議なことに、あれほど成果を豪語していた学者先生らは悪びれることもない。

日本の経済学と経済学者はこの程度なのです。

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, economy, <japanese language, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 206: 「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」を読んで 3


1

*1

 

前回に続き、ダメ出しです。

より本質的で嘆かわしい実態に迫ります。

 

 

前回、例え話で、池のフナの減少に役立たない発言を取り上げました。

今回は、その二つ目の問題を検証します。

 

B)  池以外の真の原因を無視している。

 

例え話では、原因の一つに「フナを食うブラックバスが増加傾向にある」を挙げ、これ以上の追及をしなかったが、著作もまったく同様なのです。

著作では、この類の原因(弁明)を数多く指摘しているが、追求することなくこれらを既定事実としている。

 

普通に考えれば、なぜブラックバスが増えたのか、この増加防止策や駆除策が最重要課題であるはずです。

当然追及すべきは、効果が期待できる外部要因の排除、例えばブラックバスの放流規制などにあるはずです。

 

不思議なことに、論者たちは直近の労働市場の現象以外には一様に口を閉ざしている。

 

著作で取り上げられた目立つ論点(弁明)を見ます。

 

  • 正規・非正規で大きな賃金格差がある。

論者は全体の格差しか見ず、同一労働における賃金格差に関心がないようです。

 

  • 非正規雇用割合の増加。

非正規雇用の増加には様々な背景があるが、政府主導の「労働者派遣事業の規制緩和」が大きく追い風となっている。

しかし論者たちはまったく意に介していない。

さらに論者はここ一二年の伸び率の低下に注目し、ここ二三十年の著しい増加に終止符が打たれるようだと匂わす。

しかし、やがて訪れるバブル崩壊で何が起きるかは明白です(後に詳しく見ます)。

 

2あ

< 2. 非正規比率の推移、社会実情データ図録より >

 

 

  • 先進国で最下位の男女の賃金格差。

論者はこれを自覚しているが、これ以上の分析や提言がまったくない。

あたかも政府や経済界、経済学界に忖度し、批判に口をつぐんでいるように思える。

 

  • 定年退職者の大量の再雇用(団塊世代)。

論者たちは、全体の雇用者数の増加と賃金低下は団塊世代の定年後の再就職と大幅な賃金低下が大きいと理解している。

しかし、彼らが注目するのは定年退職者が「安い給料で働くから」と「それまでの分不相応な高給」であって、「同一労働なのに大幅な減給で働かざるを得ない」ことを問題にする者はいない。

 

3あ

< 3. 労働生産性の推移、日本生産性本部より >

 

  • 賃金アップには生産性上昇が不可欠。

奇妙なことに日本の生産性が上昇しているデータを誰も提示しない(グラフ3)。

よしんば生産性が低下したとしても、より生産性に影響を与える企業の設備投資額の長期減少について触れる者はこれまた皆無です。

単純に考えて、生産性の上昇が頭打ちなのは企業が国内投資を控え、余剰資産が海外投資(設備投資と金融投機)に向いているからです(グラフ4)。

(この状況は1世紀前の英国と同じで、日本の再生にはこの根本治療が必要であって、金融緩和ジャブジャブではバブルが巨大化し繰り返すだけです。)

 

論者は賃上げを阻害している企業や政府側の真因にはまったく触れていない。

彼らの追求は、ある所(弱者)にしか向かず、その一方で鬼門(強者)には向かないようです。

 

4

< 4. 設備投資額と海外投資額の推移 >

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, economy, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 205: 「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」を読んで 2


1m

*1

 

 

この本の何がダメなのか。

これと言った賃金アップ策はなく、せいぜい「待てば海路の日和あり」を匂わすぐらい。

深刻なのは分析手法よりも学者たちの姿勢です。

 

2

< 2.賃金の推移、2016年度IMFデーター、http://editor.fem.jp/blog/?p=1862 >

 

 

  • 何が深刻なのか?

例え話で説明します。

 

ある池でフナが年々減る傾向にあり、村人が困っていました。

そこで偉い学者に調査してもらうことなった。

 

その学者は

「フナを食うブラックバスが増加傾向にある」

「過去に川上から汚水が流れ込んだことでフナが弱っている」

「フナが高齢化し稚魚の誕生が少ない」

「岸辺の藻が・・・・、葦が・・・」

と指摘を続けました。

 

村人はそんなことは皆知っている、対策を教えてくれと懇願した。

 

学者は自信たっぷりに話し始め

「フナだけに餌を与えるようにしなさい」

「フナの稚魚を放流しても、ブラックバスを増やすだけで効果はない」

 

さらに付け加え

「フナは成長しており、池の水質は悪くないので、このまま待てば増えるはず」

と話を締めくくりました。

 

3l

< 3. 男女賃金格差、2012年度内閣府資料、https://frihet.exblog.jp/18011136/ >

 

 

  • この学者の説明のどこに問題があるのか?

 

四つに絞って考えます。

  1. 対策の実効性が疑わしい。
  2. 真の原因は池以外にあるのに、これを無視している。
  3. 繰り返されている汚染を想定外にしている。
  4. 自然のままが最良と信じ、手を加えることに抵抗がある。

 

これは著作全体に流れているポリシーでもある。

著作の代表的な論点を検証します。

 

 

  1. 対策の実効性が疑わしい。

例え話では「フナだけに餌を与えなさい」としたが、著作にも同様の怪しげな対策が吹聴されている。

それは「企業内の従業員教育を復活させろ」です。

 

「 最近の企業内教育の衰退は、従業員の士気と技能の低下を招いており、個人と企業の生産性を低下させている。

この為、企業は賃金アップが出来ない。

したがって企業はかってのように従業員教育を復活させるべきである。 」

 

一応もっともらしく聞こえるのだが矛盾がある。

 

著作では、企業内教育の衰退はコスト競争と非正規雇用の増加が主な原因とし、これ以上追求していない。

これに加え、米国流経営スタイルの普及とソ連(共産主義)崩壊によって、短期経営戦略、株主優先、金融優先、労働者権利軽視の風潮が蔓延している。

 

しかし論者はこれら原因への対策を語らず、またこの風潮を打破できるインセンティブを与えることなしに、ただ企業に再考を促すだけで満足している。

それなのに企業が一転して企業内教育を復活させると誰が信じるだろうか。

 

かつての日本はそうであったが、今後も職業教育を企業に頼ることが正しい方法かどうかは疑わしい。

例えば、北欧の職業教育は真逆であるが成功している。

 

それは三つの柱からなる(正確でないかもしれない)。

  • 労働者は転職時、無償の職業教育の機会を与えられ、休業期間の生活を保障される。
  • 国は教育を重視している。
    • 学費は無償で、高校以降、国内外の就労体験による休学が可能で、学生は社会を知り目標を持ってから勉学に励むことになる。
    • 外国語が必修で、デンマークの小学校では母国語以外に英語と、ドイツ語かフランス語を履修する。これは国際化に非常に有利。
  • 全国的な職業別組合毎に賃金が定まっており、これが労働者にキャリアアップの為に転職を繰り返すことを可能にしている。
    • 日本での転職は、同一労働同一賃金が無視されているために賃金が大幅に低下してしまう(他の理由もあるが)。

 

企業内教育一つとっても、論者たちの姿勢に疑いを持ってしまう。

私のような素人から見ても、この著作はまともな分析や提言をせずに、狭い学問領域内の発表会で満足している。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, economy, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 204: 「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」を読んで 1


 

1m

< 1.経済図書ベストワン >

 

 

この本を読んで期待は裏切られ、益々日本の将来に不安を抱いた。

これだけの学者が集い論考しているが、まったく不毛です。

日本はガラパゴス化し、大勢や大国に迎合するだけに成り下がったかのようです。

 

2

< 2. この本が解明しようとした課題 >

 

*著書「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」について

2017年刊、玄田有史編、慶応義塾大学出版会。

22名の労働経済学者やエコノミストが多方面から表題の課題を現状分析している。

この本は、日本経済新聞にて「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」の第1位に選ばれている。

 

それだけに私は期待して読んだ。

しかし1/3ほど読むと、期待は失望に変わった。

我慢して読み進めば進むほど賃金問題どころではなく、日本の経済学の覇気のなさを知らされた。

これではお茶を濁す経済政策しか出ず、日本経済の将来に期待できないだろう。

 

この本は私のような経済の素人にも読める体裁をとっている。

しかし、使用されている労働経済用語から言って初心者に懇切丁寧な説明を目指したものではなく、啓蒙書の類ではない。

これはエコノミスト向けに書かれたもので安易な推測や断定を排除し、分析に重きを置いた本だろう。

それはそれで良いのだが、今の賃金問題に疑問を持つ国民からすると、すこぶる難がある。

 

それは、「労働需給」「行動」「制度」「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」などの様々な論点から論者が個々に分析していることにある。

これが矛盾した分析結果を含め羅列するだけになり、全体としてまとまりのない方向性の乏しいものにしている。

よしんば理解が進んだ読者でさえ、多岐にわたる要因が今の賃金問題を招いていると納得するだけで、多くは現状を追認するだけに終わるだろう。

あわよくば賃金が今後上昇するだろうと期待する向きもあるかもしれない。

 

一方で、多方面からの問題提起は素人が見逃しがちな労働経済に関わる様々な要因を気づかせてくれる良さもある。

以下のものが目につきました。

 

  • 高齢者の定年退職後の再雇用は、彼らの大幅な賃金低下によって賃金全体を低下せ、労働需給を緩和させてしまう(数人の論者はむしろ高齢者の高賃金を問題にしている節がある)。

 

  • 繰り返されるバブル崩壊は、その都度に生じる就職氷河期に就労した者が生涯にわたり低賃金で苦しむことになり、また経営サイドもこの期に賃金カットを出来なかった反動として好景気になっても賃金アップに慎重で有り続けることになる。

 

  • 介護職の賃金が国の規制によって低く抑えられている為に、対人サービス全体の賃金を抑制することになる(一方、バス会社の規制緩和が賃金上昇を生じなかった事例もある)。

 

他にも様々な知識が挙げられているが、上記の3点だけの指摘にすら、論者が見落としている不都合な真実が隠れている(敢えて指摘しないのかもしれないが)。

 

この本には大きな弱点が潜んでおり、私にはそれが日本経済の将来を救いがたいものにするように思える。

どれだけの人がこの点に気づいているのだろうか?

多くの人が気づいてくれれば日本の将来は救われると思えるのだが。

 

 

次回に続きます。

 

 

Categories: book+ film+drama, culture+society, economy, <japanese language, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , | Leave a comment

北欧3ヵ国を訪ねて 37: Älvsjö駅周辺を散策


1 DSC01510-3

*1

 

 

今回は、早朝にホテルのあるÄlvsjö駅周辺を歩きました。

ここは都市通勤に便利な閑静な住宅街です。

北欧の人々の暮らしが見えて来ます。

 

2amap

< 2. 散策ルート。上が北 >

 

上の写真: 写真の横幅2km、赤いバルーンがÄlvsjö駅です。

黄色の枠は下の写真の範囲を示します。

 

下の写真: 写真の横幅600m、赤枠が駅で、赤丸が私の宿泊したホテルです。

ホテルを出て、黄線に沿って歩き、森に入ってから、ピンク線に沿って折り返して来ました。

写真は2018年6月4日(月)7:10~8:10に撮影したものです。

写真は撮影順に並んでいます。

 

 

3

< 3. 図書館 >

 

上の写真: 駅の直ぐ西側にある図書館。

私が行った時は閉まっていました。

 

扉にサービス時間が記されており、この建物の役割が見えて来ます。

図書館の開館時間

月火 12:00-19:00、17:00

水木金10:00-18:00、17:00

土  11:00-15:00

日曜日 閉館

ここに行政の出先機関があり、月~金の開館は概ね8:00-16:00で、土日閉館になっている。

 

日本と違って、図書館の開館時間が遅く、一方で閉館時間がやや遅くなっている。

これは住民サービスよりも雇用者の勤務時間を考えているのだろう。

当然、土曜日は短く日曜日は休館になっている。

 

私が北欧を旅行して困った事の一つは、店やビジターセンター、観光施設の開館が遅く、閉館が早いことです。

私としては朝早くから夕方遅くまで、多くを見学したいのだが、思うようにはかどらない。

 

 

4

< 4. 閑静な住宅街と広い道路 >

 

通勤時間だと思うのだが、自動車の数は少ない。

 

 

5

< 5. 寿司店 >

 

上の写真: 道路沿いにSushiの看板を掲げた店があった。

働いている人は東南アジア系のようだ。

 

6

< 6. 大きな交差点 >

 

上の写真: 西側を望む。奥の方に広大な住宅街が広がる。

 

下の写真: 交差点から東側を望む。駅側に向かっていく人々。

自転車に乗っている人からローラースケート、バス、徒歩など多種多様な手段で通勤通学をしている。

 

7

< 7. 建設ラッシュ >

 

非常に大規模な建設です。

 

8

< 8. 通学の様子 >

 

上の写真: 建設中のプロジェクトを示す看板。

巨大な住宅開発が進んでいる。

写真を見ると、バラエティーに富んだ中層のアパート群が一帯を埋め尽くしています。

この不動産デベロッパーのHPを見ると、一戸の売り出し価格が2千万から9千万円でした。

北欧の一人当たり所得は日本の約2倍あり、更に夫婦共稼ぎで、日本のように男女の賃金格差が無いので、この購入価格は高くないと思う(円安で高くなっている)。

 

ここÄlvsjö駅からストックホルム中心まで、電車で9分と非常に便利です。

また周辺には緑もあり、住宅環境は良い。

 

下の写真: 父親が子供を連れている。

北欧ではベビーカーを押している育メンを多く見かけた。

 

 

9

< 9.公的サービス >

 

上の写真: これは中層アパートの1階にある公的サービスセンターです。

看板の表記をHPで調べると、ここには自治体が運営する介護センター、学童・幼児用センター、レストランがあるようです。

 

下の写真: プランナーが工事担当者と植栽工事の打ち合わせをしているようでした。

至る所、街並みはさりげない植栽が施されており、気持ちの良い街づくりがなされている。

 

10

< 10. 邸宅 >

 

上の写真: 古いが立派な邸宅が珍しく一軒ありました。

 

 

11

< 11. 低層アパートの団地に入る >

 

上の写真: これは低層アパートの一階にある保健センターのようです。

表示によれば医院もあります。

この保健センターでは住民の心身の健康相談、予防接種、糖尿病のサポートなども行っているようです。

 

 

12

< 12. 低層アパート団地を抜けて森に向かう >

 

上の写真: アパートの個々のベランダが憩いの場にしつらえられている。

椅子とテーブルがあり、簡素だが飾りつけもされている。

住人は自宅でも自然と触れる暮らしを大事にしている。

 

 

下の写真: 左手に遊戯施設のある公園が見える。

 

13

< 13. 森の奥へ >

 

この道を歩いていると、駅の方に向かう人、逆に向かう人がいた。

朝の散歩をする人や通勤の人がいたが、人数は多くはなかった。

 

14

< 14. 折り返す >

 

上の写真: 折り返し点で、来た道を振り返る。

折り返さず先に行くと、森の中に学校がありました。

 

下の写真: アパートの団地を抜けたところ。

 

 

15

< 15. 駅とホテルに戻って来た >

 

上の写真: ホテルの建物が見えた。

 

下の写真: 駅前広場に出た。

 

少し街を散策するだけで、公共サービスや通勤通学の様子、朝の動きが見えて来ました。

中国のように大勢が一緒に体操している様子はなく、静かで落ち着いた暮らしがそこにはありました。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, <japanese language, travel+photo | Tags: , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 203: 暴露本「炎と怒り」の紹介 4: トランプタワー 2


1a

*1

 

 

今回で、この暴露本の紹介を終わります。

初期の大統領首席補佐官を巡るドタバタを紹介します。

 

 

 

2a

< 2.トランプ政権を去った人々 >

 

多くの人々-マチュア政治家、経済界の成功者、人気のポピュリストがホワイトハウスを賑わしては、早々と去って行った。

去った多くは政権への爆弾発言(トランプを無能呼ばわり)や暴露、非難を繰り返している。

この混乱は今も続いている。

 

 

* 初期の大統領首席補佐官を巡るドタバタ

 

大統領首席補佐官とは何か?

彼はホワイトハウスとその行政部門、軍人130万人を含む約400万人のトップに立ち、この組織の運営を大統領から任されることになる。

特にトランプ政権では。

 

しかしトランプの直情径行、専門家嫌い、家族重視、政治への無知が災いして、大統領首席補佐官選びは脱線を繰り返しながら、最後には政権内で差し障りのない人物が選ばれた。

 

そして初代の大統領首席補佐官プリーバスは半年で更迭された。

 

 

 

 

 

 

 

 

3

< 3. 相関図 >

 

 

* 「炎と怒り」の読後に思うこと

 

他国のことではあるが、怒りよりも深い絶望感にとらわれた。

それは今、日本も含めて欧米先進国が米国と同様の凋落の道を進んでいると思うからです。

 

少なくとも米国は1970年代初期までは、ホワイトハウスの暴走-ベトナム戦争やウォーターゲート事件に対して、マスコミは良識を持って立ち向かい、そして国民も遅ればせながら正しい道へと方向転換させることが出来た。

 

しかし、欧米先進国は80年代以降の経済金融政策の大転換による格差拡大、さらに戦後から始まっていた後進国での紛争拡大による大量の難民発生と移民の受け入れが相俟って、欧米社会は不満のるつぼと化した。

 

このことが特に米国では、度重なる規制緩和によって報道の自由度を失わさせ、その上、今のインターネット社会ではヘイト情報が世論を左右するようになった。

 

こうして容易にポピュリズム、今は右翼の煽情によって、不満を抱く人々は否定と排除の論理で強く結びつき、より強固になりつつある。

 

このことは全ての金融資本主義国家、欧米先進国を蝕みつつある。

北欧すら逃げることは出来ないだろう、災厄の到来は遅れるだろうが。

それは今の日本にも当てはまる。

 

欧米から離れた島国日本は、その影響が軽微であったが、アベノミクスによって格差拡大の現況である金融資本主義へと大きく舵を切ったことになる。

西欧の優良国であったドイツも経済格差では同様に蝕まれ始めている。

 

各国で進んでいる国民の政治不信、右翼ポピュリズム政党の台頭、格差拡大はすべて軌を一にする。

 

それはここ半世紀にわたる戦争と経済がほぼ規制されず放置され、悪弊が拡大し蔓延してきたからです。

 

このことが、今の惨めで馬鹿げたトランプ政権を生んでしまったのです。

 

私には、この先行き世界は着くところまで行ってしまうような気がする。

 

歴史にその例はいくらでもあった。

ドイツ国民が最初からヒトラーにドイツと世界の壊滅を託したのではない。

始め一部の熱烈な国民がヒトラーの人柄、煽情、政策に共感し、期待していた。

そのうち騙されてか、無謀な計画なゆえに行きがかり上、破滅の道を進むことになった。

 

いつものことだが、日本のファシズム、大陸進出と同様で、マスコミが沈黙し権力の集中が進み、後戻りが不可能になった。

 

まさに米国、日本、ドイツなでかつての優良な国で政治の劣化が起こっている。

その一つの現れがトランプ現象です。

 

 

これで終わります。

 

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, culture+society, <japanese language, opinion, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: , , , , | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 202: 暴露本「炎と怒り」の紹介 3: トランプタワー 1


1

< 1.トランプタワーのロゴ「トランプ」を隠すアイデア >

 

 

今回は「炎と怒り」から「トランプタワー」p44-p55を紹介します。

トランプ周辺の人物がトランプをどう評価していたかを見ます。

 

 

2

< 2. スキャンダルと内紛 >

 

上の写真: トランプとの不倫を暴露した女性が脅迫された。

この手の脅迫は不動産の立ち退きによく使われる手段(決して足がつかないので)。

 

下の写真: 更迭された女性補佐官がホワイトハウスの暴露本を出版予定。

毎日のように噴出するトラブルとスキャンダルがあっても平然と否定し、笑顔を作り、決してめげないトランプ。

そして見捨てないトランプ支持者達が大勢いる。

 

 

* 大統領選挙前後における身近な人々によるトランプの評価

 

民主的な選挙で選ばれた大統領なのだから、さぞかし立派で優秀な逸材だろうと他国の人間としては思ってしまう。

 

はっきりしているのは彼が類まれなスター、TV番組の人気ホストだったということです。

そして優れた事業手腕(清濁併せ呑む?)で多業種を含む不動産王であることです。

 

彼の周囲の人間とはたいてい大富豪や有名人、少しは政治家です。

もっとも大富豪に関してはトランプに似て素行や身持ちが良いという保証はない。

 

そんな人々がトランプをどう見ているかが明らかにされています。

 

結論として言えることは、トランプは選挙に勝てた人物ではあるが、政治で国をリード出来る人物とは、誰も思っていなかったことです。

 

しかし彼が大統領になったなら、彼を利用しようとして群がる人々がいる。

例えばこれら人々は自分のキャリアアップや名声の為、または脱税や事業拡大の為、そして政治的に利用で出来ると考えた。

 

彼らの多くは自分自身をトランプより優れた者と考え、猿回しなら可能だと考えた。

しかし残念ながら多くは気まぐれな猿を使い切れず、後にホワイトハウスを離れていくことになる。

 

少なくともトランプは、気にくわない猿回しを首にする決断力を持っている。

ホワイトハウスから、今なおトランプの「お前は首だ」(TV番組アプレンティス)と、野心で目がくらんだ人の溜息が毎日のように聞こえて来る。

 

 

3

< 3. 相関図 >

 

次回に続きます。

 

 

Categories: culture+society, <japanese language, politics, Series: Something is strange, uncategorized | Tags: | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 201: 暴露本「炎と怒り」の紹介 2: 大統領選


1

*1

 

 

今回は、「炎と怒り」の「大統領選当日」p28-p43を紹介します。

この章ではトランプと陣営の不可解な行動、大統領選出馬の理由が暴露されています。

種明かしを聞いてしまえば、彼らの破れかぶれの言動が理解できます。

 

 

2a

< 2. 醜聞の末路、フェイクニュースの虚実 >

 

上の写真: トランプ米大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン氏。

8月21日、トランプ氏の愛人だったとされる女性への口止め料を支払ったことに関連し、選挙資金法違反などの罪を認めた。

 

下の写真: 右端が米大統領選でトランプの選挙対策本部長を2カ月間務めたマナフォート被告。

彼も8月21日、脱税や銀行詐欺容疑で有罪判決を受けた。

 

 

 

* 大統領選当日のトランプ陣営の憂鬱

 

トランプは大方の予想を次々に覆し、選挙選を勝ち抜き、遂には勝利した。

 

なぜトランプは勝てたのだろうか?

右翼や保守のニュースサイトが全面的にトランプを支援したからか。

格差拡大で不満を募らせた中間層(白人労働者)が、右翼が煽る「分断された社会」(ヘイトスピーチ)に乗せられ、単純明快な排除論に解決を求めたからか。

はたまた保守を自認する人々が共和党の隆盛を願ってか。

 

かくも激しい熱情に支えられた選挙選だったが、当のトランプ陣営は激しく敵を罵るわりには冷めていた感があった。

 

トランプには数多くのセックススキャンダル―ロシアでの放尿プレイ、「スターなら女性に何でもできる」のビデオ公表、数多くの女性からのセクハラ訴え、がありながら結局は乗り越えて来た。

 

またトランプとクシュナーは親子代々の不動産業で数々の醜聞と悪行を重ねており、叩けば埃が出る素性で、とても大統領選を清廉潔白で逃げ切ることが出来なかったはずだが、これも切り抜けた。

 

しかも彼は選挙戦への自己資金注入を抑え、納付税の公表も逃げ切った。

 

正に、これは捨て身の戦法!

絶対に勝利するための立候補と言うよりも、僅差で負けたと言う名誉を得ることこそ選挙戦の価値があったのだろう。

 

したがって、どうせ負けるなら後々の被害(出費、情報開示)を抑えるべきだと。

 

 

3

< 3. 相関図 >

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: book+ film+drama, culture+society, <japanese language, politics, uncategorized | Tags: | Leave a comment

連載中 何か変ですよ 200: 暴露本「炎と怒り」の紹介 1: はじめに


 1

*1

 

 

これからトランプ政権の内幕、ドタバタを暴いたベストセラー(米国で140万部)を紹介します。

この本を読んでいると、まるでホワイトハウス内を自由に覗いているような錯覚に陥ります。

実に面白いのですが、一方で今世界が民主主義崩壊の危機に晒されている恐怖を味わうことになるでしょう。

 

 

 

 2

*2

 

 

 

* はじめに

 

私はこれまで米国政治の内幕本としては、元財務長官ポール・オニール、ベトナム戦争に関わった元国防長官マクナマラや元国防総省局員エルズバーグ、元CIA局員スノーデンのものを読みました。

これらは米政府の腐敗、暴挙、衰退、意思決定のお粗末さを見事に描いていました。

 

しかし、「炎と怒り」はこれらと大きく異なるものです。

 

一つには、もの凄く臨場感があります。

 

ホワイトハウスの中枢とそれに関わるエスタブリッシュメントの群像劇を舞台の上で見ているような気持ちになります。

繰り返し名前が出てくる人物は50名を超えるでしょうか。

残念ながら、これが読みづらくしているのですが。

 

 

さらに臨場感を盛り上げているのは、200名を超えるインタビューを基に著者が主要人物の気持ちを代弁して直接間接に状況を語らせていることです。

これは、この本の信憑性を貶めているとも言えるのですが、一方でホワイトハウス内のパワーバランスや混乱を理解するのを助けてくれます。

 

二つには、絶望の書だと言うことです。

 

既述の本も、読めば怒りと失望感に苛まれるのですが、「炎と怒り」は別格です。

前者は一応、賢者たるホワイトハウスの中枢達(大統領と周辺)の集団による暴走か判断ミス、またはそれまでの惰性から抜け出せなかった悲劇とも解釈出来ました。

それは一時の混乱や徐々に進む悪化なのだから、次の機会には脱却が可能だと希望を持つことも微かに可能でした。

 

しかし、ドナルド・トランプを巡るドタバタ劇は深刻さが格段に違います。

 

一言で云えば、無知な一人の悪戯小僧が国家の中枢で好き勝手に振る舞い、さらに彼を利用し、操り続けたい人々が、彼の愚かさをひた隠しにし、祀り上げ続けていることです。

操ろうとする人々とは、過激思想家(極右)や政治素人の親族、エスタブリッシュメント(大富豪、メディア、共和党など)です。

 

不思議なことに、選挙ではエスタブリッシュメントの排除を望む声が強かったはずです。

極右の過激な言説(分断と敵視)が国民の不満を煽り、共感を呼ぶことにより予想外の大成果を得て誕生した政権は結局、政治の破綻を招くことになりそうです。

これと似た状況(ファシズム)はかつて世界、日本でもありました。

 

加えて恐ろしいことは、この惨事は米国に留まらないことです。

西欧のポピュリズム政党の台頭に始まり、ロシアや中国の独裁化、日本やトルコの右傾化は、今や世界の流れです。

トランプ大統領誕生の最大の功労者バノンはこれを時機到来と見なし、世界に極右の結束を促している。

 

これが私の感想です。

 

 

 

* この連載で紹介したいこと

 

この本は素晴らしいのですが、大きな欠点があります。

それは登場人物が多すぎることです。

 

それで私は、皆様がこの本を読むのに役立つよう、登場人物の人物相関図を作るつもりです。

章ごとに作ることを予定しています。

 

 

* 今回の紹介

 

「プロローグ— エイルズとバノン」p15~p27の要約です。

 

二人の会話を通じて、トランプの大統領就任間際の内情が見えて来ます。

この会話からトランプに近い右翼の言論を牽引する二人がトランプや政策をどう見ているかがわかります。

 

 

 

 3

< 3. 相関図 >

 

 

4

< 4. 図に使用している矢印 >

 

 

次回に続きます。

 

 

 

Categories: book+ film+drama, culture+society, <japanese language, Series: Something is strange | Tags: | 2 Comments

北欧3ヵ国を訪ねて 20: 自然歴史博物館へ


1DSC00102-1

*1

 

 

今回はストックホルム近郊の自然歴史博物館とストックホルム大学を紹介します。

ここを訪れたのは北欧の自然と大学環境を知りたかったからです。

訪問したのは2018年6月1日(金)、12:40~14;10です。

 

 

2mapa

< 2.利用した交通機関と徒歩コース、上が北 >

 

上の地図: 地下鉄線T14に乗って、ストックホルム中央駅のT-Centralen駅からUniversitetet駅まで行きました。

 

下の地図: 赤線は地下鉄駅から博物館への徒歩コース、黄線は大学構内への徒歩コースです。

 

 

3

< 3. Universitetet駅 >

 

上の写真: 駅の出口は半地下の小さな建物です。

この若者達は自然歴史博物館などを見学した学生だと思われます。

 

この改札内の右側に小さなコンビニがあります。

今回の訪れた三ヵ国の鉄道駅には必ずコンビニがあったように思います。

必ずロッカーがあるとは限らないようですが。

今回の旅行で私は飲料と軽食の多くを駅のコンビニに買いました。

 

実は北欧に来て二番目に驚いたことがありました。

それはMÄRSTの駅舎、内部はコンビニで、ここでアイスクリームとコカ・コーラを買った時でした。

その金額は50SEKで、640円ほどです。

おそらく付加価値税が25%が含まれているのでしょうが、物価は

日本の2倍ほどでしょう。

 

この後、旅行して実感することになるのですが、他の飲食代も同様に高かったが人々の暮らしは苦しそうに見えなかった。

それはこれらの国々の所得が高く、また行き届いた福祉政策のおかげなのかもしれない。

ちなみに2017年の三か国の一人当たりGDPは日本のSで1.4、Dで1.5、Nで2.0倍でした。

 

この現象は私にとっては日本の円安が災いしていると言えるのですが、見方を変えれば、自国が通貨高でも高い経済競争力を維持している国は世界にあるのです。

もっともスウェーデンは、ここ1世紀の間に金融危機などの煽りを受け景気後退と通貨安を招き、これを梃にして輸出産業からの景気回復を成し遂げたことはありますが。

 

 

下の写真: 駅を外から見ています。

 

 

4

< 4. 自然歴史博物館に向かう >

 

上の写真: 地下鉄駅を出た左側にバスターミナルがあります。

ここを抜けて地図の赤線に沿って進みます。

 

下の写真: 堂々とした建物の自然歴史博物館。

右手中央が入り口です。

 

 

 

5

< 5.Naturhistoriska riksmuseet自然歴史博物館のフロアと展示 >

 

上の写真: 各階の展示。

私が訪れたのは2階(upper level)の左側、A:スウェーデンの自然、

とB:水の生き物、だけです。

この館内には、他に恐竜や人類進化の展示やIMAK(映像)もあります。

 

下の写真: スカンディナヴィア半島の氷河期の終わりを示している。

この絵に従って半島の変化を追います。

 

一番左の絵のように氷床は16000年前まで半島を完全に覆っていたが、やがて気温の上昇により氷床は縮小し、7000年前には消えていた。

この間、地球全体の海面上昇が起こり、また氷床の重みから解放され半島の地盤は上昇し続けた。

このことにより、13000年前には大きな湖が生まれ、やがてバルト海となり、11000から7000年前の間に半島は大陸から完全に分離した。

またスウェーデン中央部には、かっての海が現在、湖になっているところもある。

氷床の後退に連れて、いくつかの植生が大陸から北上し、また人類も大陸側から流入して来た。

 

氷河期のヨーロッパ大陸の氷床はこのスカンディナヴィア半島とアルプス山脈、ピレーネ山脈を中心に前進後退していた。

新人類はこの氷床が後退する境目に、新天地を見出し移動したのだろうか?

彼らは新たに開けた広大な平原で、群れなす大型の動物を仲間と狩り、そこでは食料の長期の冷凍保存が可能だった。

この北方の氷床の境目、ユーラシア大陸を東西に延びる帯状地帯に多くのビーナス像(3~2万年前)が生まれたように思える。

 

 

6

< 6. スウェーデンの自然、展示室 >

 

展示室はかなり照明を落としている。

剥製の展示が多く、それらは自然の中で生きている1コマを再現している。

 

左上の写真: ヘラジカでしょうか。

その大きさに驚いた。

 

右上の写真: 狼。

 

下の写真: 全体。

 

入館しているのは小さなお子さんを連れた父親や、小学生から中学生の課外授業の小規模のグループが目立った。

 

 

 

 

7

< 7. 水の生物展示室 >

 

上の写真: 湖の巨大魚。

驚きの大きさです。

最大3.6m、重量180kgのものが見つかったそうです。

 

下の写真: スウェーデン南部、ストックホルムよりも南部の範囲。

見にくいですが白いLED群が三か所ありますが、ここに生息しているとの意味のようです。

 

このような寒冷地だからこそ巨大な生物が生き残れるのでしょうか、氷河期のように。

 

 

8

< 8. Stockholms universitetストックホルム大学の構内 1 >

 

地下鉄の駅を出たところから黄線に沿って歩く。

 

 

9

< 9. ストックホルム大学の構内 2 >

 

下の写真: Allhuset, 有名な建築物らしい。

私にはその価値がわからない。

ここは学生食堂らしい。

 

 

10

< 10. ストックホルム大学の構内 3 >

 

構内を歩いて感じたことは、いわゆる大学世代(20歳前後)の姿が少ないことです。

むしろそれよりも年配の人が多く、様々な年齢層の男女が座り、歓談し、また歩いていた。

 

 

これは北欧特有の教育制度、高校時代から大学入学までに数年の社会経験や海外経験を経て、進学の目標が決まってから大学に学ぶことが認められていることの現れでしょうか。

 

北欧では大学の学費が無料だけでなく、さらに生活費が国から支給されます。

大学への入学は一回限りの試験でなく単位制で、高校時代の成績で決まります。

この単位は休学しても失われないので、このようなことが出来るのです。

但し、成績により入学可能な大学は限定され、大学に入学すると猛烈な勉強が必要になります。

 

こうして彼らは目的意識を持ち勉学に励み、広い視野を持った学生となるのでしょう。

日本と大きく異なるこの教育制度が、北欧の科学技術や国際力、産業競争力を生み出し続けているのでしょう。

 

後に紹介しますが、他にも進んだ教育への取り組みが随所に見られ、学生は社会意識や政治意識の高い国民となり、社会は好循環を生み続けているのです。

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, <japanese language, travel+photo | Tags: , , | Leave a comment

北欧3ヵ国を訪ねて 14: スカンディナヴィアが育んだもの


1DSC02521-1

< 1. ヴァイキング船 >

 

 

今日は、北欧三ヵ国がなぜ先進的で民主的な国家になりえたかを考えます。

その礎はスカンディナヴィアの自然と地理にあった。

 

 

* はじめに

スカンディナヴィアは半島も意味するが、同じ民族が起源のデンマーク、ノルウェー、スウェーデンの国土も意味する。

 

この地域はヨーロッパの北端にあるが、ノルウェー湾を流れる暖流によって寒さは緩和されている。

さらにノルウェー沿岸は豊かな漁場です。

しかし古くは、陸では一部畜産が可能だが総じて農業は不調で、林業が重要な資源でした。

 

南側のバルト海は大きな内海のようなもので、デンマーク、スウェーデン、フィランド、ロシア、バルト三国、ポーランド、ドイツを結ぶ役割を担った。

バルト海はヨーロッパと東方の交易を発展させ、東方に向かったヴァイキング(8-12世紀)がロシア誕生の切っ掛けを作り、次いでハンザ同盟(13-17世紀)の繁栄を生んだ。

 

2

< 2. スカンディナヴィア >

 

上の地図: 三つの枠は写真の撮影地を示す。

 

下の地図: スカンディナヴィアから出たヴァイキングの航路を示す。

ヴァイキング拠点の内三か所は黄色枠内のストックホルム周辺ビルカ、赤枠内のオスロ湾、白枠内のコペンハーゲン近郊のロスキレです。

 

他に重要な箇所はユラン半島の二か所とノルウェー湾側です。

 

 

3

< 3. スウェーデン >

 

三枚ともストックホルム近郊の湖です。

スウェーデンは深い森で覆われ、南部はこれに広大な湖が加わる。

古くは農耕に適していなかった。

しかしこの入り組んだ湖と島嶼のおかげで小舟が発達し、ヴァイキングに繋がった。

 

デンマークの自然景観はスウェーデンに似ているが、森は深くなく農業や酪農が可能だった。

また海岸には浅瀬や入り江も多く、これまた小舟が発達した。

 

4

< 4. オスロ湾 >

 

私達にはノルウェー湾側のU字型の深い渓谷のフィヨルドに馴染みがあるが、オスロ湾もフィヨルドです。

ノルウェーはノルウェー湾と北海に囲まれ、豊かな漁業資源とフィヨルドによって、これまた船が発達することになった。

 

これら北欧の景観は、すべてを完全に覆っていた氷河が1万前頃から後退したことによって出来た。

 

 

 

5

< 5. デンマーク >

 

上の写真: エーレスンド海峡

左にかすかにクロンボ―城が見える。

 

下の写真: クロンボ―城の大砲がエーレスンド海峡に向けられている。

 

デンマークは特別な地政学的役割を持っていた。

ユラン半島は大陸と繋がり、さらにバルト海と北海を繋ぐ役割を担っていた。

大陸と繋がっていることで一早く西洋文明が流入して来たが、その一方で大国の侵攻に悩まされた。

 

古くはヨーロッパの北方の東西交易はユラン半島の根元で、バルト海の海上から陸上へと荷の積み替えで行われていた(ハンブルグを通過)。

やがて航海術が発達すると、船はエーレスンド海峡を抜けて北海とバルト海を直接結ぶようになった。

このことでデンマークは海峡を通る船に関税を掛けて国庫は豊かになった。

しかし、この海峡が周辺国にとって軍事と交易上の拠点になったことで、首都のコペンハーゲンが幾度も攻撃されることになった。

 

 

 

6

< 6. 木造 >

 

上の写真: ノルウエー民族博物館にあるノルウェー南西部の農家。

これは18から19世紀の特徴を持った小屋でノルウェー湾沿いのフィヨルドの村に建っていたものを移築したものです。

 

下の写真: ロスキレのヴァイキング船博物館のヴァイキング船。

上記小屋の右側壁とこの船の板の重ね具合(鎧張り)が似ている。

写真No. 1のヴァイキング船はオスロのヴァイキング船博物館のものです。

板の重ね具合は同じ。

 

北欧三ヵ国のヴァイキング船の造りは皆似ているが、ノルウェーのものは他の二ヵ国より大きい。

これは荒海を航海する為、また豊富な高木(オーク)に恵まれたからでしょう。

 

 

 

7

< 7. 北欧の産物 >

 

左上の写真: 琥珀が埋め込まれたサンホルダー。

コペンハーゲンの国立博物館で。

青銅器時代(BC1700~BC500年)のもので、柄の形から船などに取り付けられたらしい。

赤い琥珀が非常に魅惑的でした。

琥珀はバルト海周辺が有名ですがデンマークでも採れ、琥珀街道を経て地中海まで送られたことでしょう。

 

 

右上の写真: コペンハーゲンの市場の魚介類。

北の海は豊かで、中世より西ヨーロッパの胃袋を満たして来た。

 

下の写真: ノルウェーのフラム号博物館横の捕鯨砲。

捕鯨が盛んだったノルウェーが最初に捕鯨砲を装備した捕鯨船を実用化した。

 

 

初期にはスカンディナヴィアの三ヵ国はヴァイキングとして北海やバルト海を経て主にヨーロッパ方面の略奪、黒海方面との交易、次いで西ヨーロッパに移住するようになった。

一方、ドイツ勢の北方十字軍(12世紀~)などがバルト海の大陸側に植民地を拡大し、各地にハンザ同盟都市が組織され始めた。

 

一方、キリスト教が定着したのはデンマークで10世紀半ば、スウェーデンで12世紀半ばでした。

これら交易と宗教の大転換が、ヴァイキングの終焉を確実にしたのだろう。

 

やがてスウェーデンのストックホルム(13世紀半ば~)とノルウェーのベルゲンがハンザ同盟都市として発展した。

コペンハーゲンと上記二つの都市には多くのドイツの商人や雇われ高官が住むようになり、進んだ知識がドイツからもたらせることになった。

 

 

8

< 8. フラム号博物館 >

 

上の写真: ノルウェーのビィグドイ地区。

左がフラム号博物館で、右がコンティキ号博物館。

 

コンティキ号はノルウェーの人類学者が、インカ文明の筏を再現したものです。

1947年、彼はこの筏でペルーから海流に乗って南太平洋の島に辿り着いた。

このことでポリネシア人がアメリカ・インディアンの子孫であることを証明しようとした(本当はアジア人が祖先)。

 

 

下の写真: 実物のフラム号の甲板上にて。フラム号博物館で。

船を囲む映像や効果音、瞬く光で、あたかも船が北極海を進んでいるような気分になった。

 

この船はノルウェーの探検家ナンセンが1893年から3年をかけて北極海を漂流した時に使用したものです。

さらにはノルウェーの有名な探検家アムゼン、世界で初めて両極点に到達した彼が、この船を2回使用している。

 

実はヨーロッパ大陸の人間が最初に北米大陸を発見したのはノルウェーのヴァイキングで、1000年の初めにグリーランドから北米の北端に達していた。

彼らは移住出来ずに引き返すことになった。

 

このようにノルウェーを含めてスカンディナヴィアの人々は冒険心が旺盛です。

これは現在にも受け継がれている。

人口(需要)や資源の少なさを埋める為に科学技術や多言語習得を重視し、販路やチャンスを海外に求めることに積極的です。

今も若者は一度は海外に出ることを家族から奨励される。

 

9

< 9. エコと森に囲まれた公園? >

 

上の写真: コペンハーゲン。

大都会だが車は少なく自転車が多い。

 

デンマークには有名な風力発電機メーカーがあり、国全体の電力の2割が風力発電機によって賄われている。

北欧はエコ(省エネ、環境保護)の意識が非常に高い。

これも美しい森や湖と共に暮らしているからもしれない。

 

しかし私が1984年に北欧を訪れた時、ここまで自転車は多くはなかった。

ここでも関心することは、おそらく石油価格の高騰に合わせて国民全体が車社会からの転換を図ったのだろう。

北欧の凄い所は、政府と国民が一緒になって社会経済を変え続けることです。

 

下の写真: 皆さん! これは公園でしょうか?

10

< 10. 墓地 >

 

上の写真: ストックホルム近郊の墓地で、No.9の下の写真はその入口です。

朝訪れると、ジョギングする人に出会った。

 

下の写真: オスロの墓地。

共に非常に広大な墓地で、造り方のコンセプトは一緒でした。

 

スウェーデンには世界遺産の「森の墓地」スクーグシェルコゴーデンがあります。

しかし、この二つの墓地を見れば「森の墓地」が画期的な構想で造られたものではなく、北欧文化に根差した死生観を表象したものであることがわかります。

彼らは森と共に生き、森に帰るのです。

 

 

* あとがき

 

北欧の心性を考えるとき、際立つものがある。

それは国民の政治意識の高さと、労働界と経済界の協力関係です。

 

ノルウェーからのヴァイキングが移住したアイスランドでの決め事はかつて全島集会で行われていた。

つまりヴァイキングの成員は平等だった。

ヴァイキングは略奪品として奴隷貿易を行ったが、自身の社会では奴隷制が発達しなかった。

また強力な貴族が生まれず国家誕生も遅れ(11~12世紀)、封建制も未発達でした。

 

この要因の一つに少ない農作物の余剰があったと推測します。

また北欧へのキリスト教の布教は進まず、国家誕生と同時期になった。

これらにより人々は貴族や司教による強力な支配を免れ、また王と貴族の力が均衡することになったのだろう。

 

このことが国家誕生後の王家の有り様に影響した。

王家が危機に瀕すると人々は貴族らを牽制するために他国から王を招聘することを度々行った。

 

こうして北欧ではヴァイキング時代から、脈々と民主的な政治運営が続いていると言える。

つまり、自分達が動かす政治だからこそ政府を信頼しており、これが絶え間ない革新を生むことに繋がっているようです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, travel+photo | Tags: , , , | Leave a comment

北欧3ヵ国を訪ねて 12: 北欧の住まい 2


1oDSC02886-21

< 1. オスロ、赤枠A >

 

今日はノルウェーとデンマークの住まいを紹介します。

そこから北欧の豊かな暮らしぶりが窺えます。

 

 

 * オスロ

 

 

2map

< 2. 撮影位置を示す地図、上が北 >

 

写真は赤枠内か青線の車窓から撮ったものです。

上の地図: 撮影はオスロ中央駅からそれぞれ8km以内で行っています。

 

下の地図: 撮影は遠いところでコペンハーゲンから北と西に約各40km離れています。

 

 

 

 

3

< 3.Sognsvann湖からの地下鉄から、青線B >

 

Sognsvann湖からオスロ中央駅までの地下鉄から見た住まい。

路線の半分ぐらいまではこのような緑豊かな住宅地が続きます。

 

 

 

4

< 4.オスロ中央駅の近く >

 

上の写真: Sognsvann湖からの地下鉄から、オスロ中央駅の近く地下鉄が地下に潜る前に見えた高層アパート。青線B

 

下の写真: ビィグドイ地区に向かうバスに乗って、オスロ中心部の住宅街を通過中。赤枠C。

 

 

5

< 5.ビィグドイ地区の高級住宅街、赤枠D >

 

斬新なデザインが目を惹いた。

さすが北欧デザインと思える建築が、伝統的な建築に調和して建てられているのを少なからず見た。

 

 

 

6

< 6. 郊外の島Ormøyaの住宅、赤枠A >

 

オスロ中心部からUlvøya行きのバスに乗って、車窓から撮った。

これらは別荘のようにも見えるが、ここはオスロ中心部からのバスで8分ほどで来れるので、普通の住宅だと思われる。

 

 

 

 

* デンマーク

 

 

7

< 7. ロスキレの住宅、赤枠E >

 

上の写真: ロスキレ湾沿いの対岸に見える住宅。

下の写真: ロスキレ湾の海岸からロスキレ駅に向かって少し進んだ所。

 

 

8

< 8. 郊外の町の住宅 >

 

上の写真: ロスキレ大聖堂すぐ横の住宅。赤枠E.

右の高い建物がロスキレ大聖堂。

 

下の写真:  電車のLyngby駅の西側は直ぐ住宅街で、アパートが並ぶ。赤枠F.

駅の東側、反対側は表通りです。

 

 

 

 

9

< 9. 野外博物館Frilandsmuseet周辺の住宅、赤枠F >

 

Lyngby駅から3km離れた野外博物館Frilandsmuseetに来ると、そこは緑豊かな住宅街でした。

この辺りは高級住宅街なのか、古い建物や広い敷地で木々に囲まれた住宅が多かった。

 

 

 

 

 

10

< 10. 郊外と中心部の住宅 >

 

上の写真: Hillerød駅からヘルシンオア駅までの電車から。青線G。

この住宅エリアはヘルシンオア駅すぐ手前です。

 

下の写真: コペンハーゲン中央駅近くのアパート。赤枠H.

この建物の右半分が、今回私が泊まったホテルです。

このロ字型の建物の内側は広い庭になっており、この辺りのアパート(集合住宅)は同じような構造です。

この建物から500m以内に中央駅、チボリ公園、市役所、美術館があり、地価は高いはずですが高層の建物はない。

景観を守っているようです。

 

 

* 感想

 

まず驚いたことは、すべての住宅が新しいか、改修が行き届いているようで、スラム化したり、放置されているような住宅を一切見かけなかった。

 

私は、一応観光地ではあるが都市部から郊外まで北欧三ヵ国の様々な地域を見てまわった。

上記のことは北欧三ヵ国に共通しているようです。

いままで東欧、南欧、西欧を旅行し、バスや電車の車窓から郊外を見て来たが、北欧の郊外に低質か劣化した住宅や農家が無い国は初めてです。

北欧の首都もローマやリスボン、パリなどと比較して、建築群が古すぎて発展の足枷になっているようなことはなかった。

北欧は古い建築の完全復元にこだわっていないようで、再開発や増改築が進んでいるようです。

 

 

予想していなかったことなのですが、住宅に結構、多様性があった。

 

敷地の広い邸宅や斬新なデザインの高級住宅がある一方で郊外の駅近くには低層アパートがあることです。

これは住民の所得や所有資産に大きな開きがある表れなのでしょう。

けっして高福祉国家イコール画一的な暮らしではない。

 

 

また多くの住宅デザインに多様性があり、横並びではなく個性が主張されている。

また郊外では高い木立で住宅の敷地の境界を囲む傾向が強い。

 

これらの現象は北欧共通の国民性にあるのだろう。

多様性が目立つ、いま一つの理由は、これらの国の発展が主に戦後しばらくしてから起きた為に、新築が多いためだろう。

 

 

やはり日本との違いを大きく意識してしまう。

確かに北欧三ヵ国、そして首都の人口も日本の10分の1以下なのだが、それにしても都市部の住宅さえ自然に抱かれている。

 

一つには自転車で車の代替えを行っているように環境保全重視の姿勢がある。

今一つ見逃してはならないことは、日本のように会社勤めの疲れを癒すためのねぐらでしかない家ではなく、家族や友人と毎日を楽しく暮らすために北欧の家はあることです。

 

どちらが幸せな生き方かは一目瞭然です。

さらに北欧の方が所得は勝り、福祉も行き届いているのですから。

 

日本と北欧のこの違いは何に起因するのだろうか?

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, travel+photo | Tags: , , | Leave a comment

北欧3ヵ国を訪ねて 11: 北欧の住まい 1


 

1DSC01985-11

< 1.カールスタートの洒落た住まい >

 

 

これから2回に分けて北欧の住まいを紹介します。

そこから北欧のライフスタイルの一端が見えて来ます。

今回はスウェーデンを紹介します。

 

 

 

2

< 2. 撮影位置の地図、 上が北 >

 

上の地図: 主にスウェーデンを示しています。

黒枠は下の地図の範囲で、ストックホルム市と周辺を示します。

青線がストックホルムからカールスタートまでの列車ルートです(おそらく)。

番号9の三枚の写真はこの列車の車窓から撮ったものです。

 

下の写真: 赤枠A、B、Cが撮影場所です。

 

 

 

3

< 3. シグツーナと近郊、 赤枠A >

 

上の写真: シグツーナに向かうバスの車窓から。

森に囲まれた広い農地に数戸から十数戸が集合した住宅エリアが点在しています。

人々は、ここからバスでMärsta駅に出て、電車でストックホルム近郊に通勤が可能かもしれません。

 

下の写真: シグツーナの高台側の住宅。

ここらは別荘地なのか、広い敷地を持った邸宅が並んでいた。

 

 

4sDSC09952-30

< 4. シグツーナの湖に面した住まい、赤枠A >

 

この家の右側の道路の隣には伝統的で洒落た感じのホテルがあります。

最高の立地の邸宅です。

 

 

 

5

< 5. Älvsjö 駅の直ぐ北側の住宅地、赤枠B >

 

上の写真: ここはストックホルム中心部への通勤圏らしく低層のアパートが多く見られました。

 

このアパートのベランダが少し変わっていました。

ベランダはパイプで補強された簡易構造なのですが、大きく掃き出し窓からせり出しています。

そして、そこにはテーブルやチェアーが必ずと言っていいほど置かれていました。

ここで人々は緑が多い敷地で外の自然を楽しむのでしょう。

三人の人が来ている道を奥に進むと、直ぐに森が広がっていました。

 

 

下の写真: 直ぐ近くでは大規模な開発が進んでいました。

これはおそらく住宅だと思うのですが、左隣りは大きな学校がありました。

 

 

 

 

 

6

< 6. Älvsjö 駅から東へ、赤枠B >

 

二枚の写真はÄlvsjö 駅からバスで墓地Sandsborg Cemeteryに行く途中の車窓からの写真です。

 

閑静な住宅街が広がっていました。

高木に囲まれた庭を持つ一戸建ての住宅が続いていました。

アパートがあっても、せいぜい数階建てが多い。

この住宅街を進んでいると、一度、一匹の鹿が横断して行くのが見られました。

 

これらの家は30数年前に訪れた時の住宅のイメージとは違うようです。

その時、11月はストックホルム北部(ウップサラ)の郊外は雪が積もっていました。

その郊外の家は木の温もりを感じさせ、伝統的で同じ色調のものが多く、また雪下ろしの為か急こう配の屋根が印象的でした。

 

シグツーナ郊外の家にはそんな雰囲気もありましたが、Älvsjö や都市近郊の家はデザイン、外壁、色調も様々です。

町並みを見ていると、朽ち果てた家は無く、改造されているのか一見する限りでは新しい建物のように見える。

 

 

 

7

< 7.メーラレン湖の岸、赤枠C >

 

一見、これらは密集した別荘地帯かと思ったが、ここらからストックホルム中央駅まではトラムと地下鉄などで30分以内で行けるのです。

 

彼らの住まいは自然と一体、さらに最重要なことは家族との団らんのスペースであることなのです。

住まいには狭い庭であっても子供の遊具が置かれていたり、直ぐに水辺や林に行けることが重要なのでしょう。

そして通勤の便が良いことがこれに加わるのでしょう。

なにせ仕事が4時に終わって、直ぐに自然の中で家族と共に遊ぶのですから。

 

 

 

 

8rDSC01372-6

< 8.ストックホルム中心部 >

 

当然、中心部に住む人もいます。

 

 

 

 

 

9

< 9. 列車の窓から、一番上の地図の青線 >

 

車窓から眺めていると、多くは村ではなく数軒が集まった住宅エリアが森の中に点在しています。

農家は広大な敷地に一塊になって建っている。

おそらくは1家族のもでしょう。

時々、農家ではなく別荘風の家が森の中にポツンと点在している。

 

当然、駅に近づくと大きな街並みが見られます。

スウェーデンはやはり広大な原野や原生林が続く大地と言えます。

きっと土地の値段は安いはずです。

 

 

次回はオスロとデンマークの住まいを紹介します。 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, <japanese language, travel+photo | Tags: , , | Leave a comment

北欧3ヵ国を訪ねて 10: 出会った素敵な人々 2


1DSC00674-1

*1

 

 

今日も次回に続いて旅行中、親切にして下さった方々とのエピソードを紹介します。

北欧の人々の心の温かさに感動です。

また日本に好印象を抱いている人の多さに驚きです。

 

 

* オスロにて

 

 

2

< 2. オスロで >

 

朝、オスロのナショナルテアトレット駅に入って行くと、早々にどちらに行くべきかわからなくなりました。

この駅は地下鉄と郊外電車が入っており、ちょうど通勤時間でもあり沢山の人が足早に通りり過ぎて行きます。

私が立ちすくんでいると、一人の中年女性が近寄って来て、どうしたんですかと聞いてくれました。

私が行先を伝えると、乗るべきホームへの行き方を教えてくれました。

 

お陰で、スムーズに予定通りの地下鉄に乗れました。

 

 

この地下鉄に乗っていると、乳母車を押した男性が私の向かいに座り、「あなたは日本人ですか?」聞いて来ました。

私がイエスと答えると、彼は親し気に喋り始めました。

 

彼は数年前、長男を連れて奥さんと日本を1ヵ月旅行し、京都観光や富士山登頂をしたそうです。

写真の子は次男のようです。

彼は日本旅行のことが懐かしく、色々と話をしたいようでした。

私も1984年の前回と今回の北欧旅行について話をしました。

彼は私に多くの質問して来たのですが、私が答えあぐねている間に、彼の降りる駅に来てしまった。

私は英語の未熟さに腹立たしくなり、申し訳ない気持ちで一杯になりました。

 

彼は別れる少し前に、「あなたの今日の日程はどうなっていますか?」と聞いて来たので、私の日程表を見せると驚いていました。

それもそのはずで、この日は30分から1時間刻みで12カ所を巡る予定だったからです。

彼はこれから私が行くSognsvann Lakeは良い所ですよ、また次に訪れるコペンハーゲンは素晴らしと言ってくれた。

 

今思えば、予定を変更して、彼ともっと話しをすれば良かったと後悔しています。

 

なぜ北欧の人は、こうも私を日本人だと分かり、日本に好印象を持っているのだろうか?

この謎は解けないまま帰国することになった。

 

ここでも日本との違いに気づかされることになった。

それは彼が平日の午前中にも関わらず育児をしていること、また家族で1ヵ月間も海外旅行していることです。

北欧では年間5週間の有給休暇を取らなければならず、この内4週間の連続休暇が許されるのです。

これが長期の旅行を可能にしているのです。

 

既に述べましたが、女性だけでなく男性も育児休暇を取らなければならず、男性の取得すべき日数は増える傾向にあります。

これらのことが、北欧諸国の出生率を高め、労働者の意欲向上に繋がっているのです。

 

日本にはこの発想が欠落しています。

 

 

 

* デンマークにて

 

3

< 3. オスキレ駅のバス停にて >

 

バイキング博物館行きのバスが分からず、バスターミナルに座っている若い女性に聞きました。

彼女は答えることが出来なくて、横にいた高齢の男性が代わりに教えてくれました。

教えられたターミナル番号に行き、来たバスに乗り、運転手に確認すると大丈夫とのことでした。

 

運転手の近くに座りたかったのですが、空きが無かったので奥の方に座りました。

発車してから私は車窓の景色を追い、どこで降りるか迷っていました。

すると前の方の女性が降りる時、こちらを向いて笑顔で「バイキング博物館、次ですよ」と教えてくれました。

 

皆、実に温かく迎えてくれた人々でした。

 

 

4

< 4.野外博物館とヒレロズ駅で >

 

広い野外博物館内を巡っていると、出なければならない予定時間が近づきました。

私は出口への道に確信が持てず、かなり疲れて来たこともあり、ちょうど博物館の高齢の職人が目に入り、出口を尋ねました。

 

二言三言言葉を交わす内に、またもや彼は「あなたは日本人ですか?」と聞いて来ました。

わたしがそうですと答えると、「あなたはバスに乗るのですね?」と聞いて来たので、そうですと答えた。

すると彼はこちらに来なさいと言い、車両用のゲートまで一緒に行き、鍵を外しゲートを開けてくれました。

彼は終始笑顔でした。

 

そこから直ぐに広い道路に出て野外博物館前のバス停に迷わず辿りつくことが出来た。

 

 

ヒレロズ駅を降りて、フレデリクスボー城行きのバス停がわからず、近くを歩いている老齢の女性に尋ねました。

彼女は足腰が弱いにも関わらず、数十メートルを一緒に歩いてくれたが、結局わからないと残念そうに言った。

この時、運よく男性が通りがかり、彼女は彼に私を託して去りました。

彼はバスターミナルが見える所まで私を案内し、くどいほど302の番号を連呼し、私の理解を確認して去りました。

ここからバスに乗り、無事に目的地い着くことが出来ました。

 

旅行も2/3を終える頃には、私は迷う前に手当たり次第に誰かに聞くようになっていました。

私は図々しくなっている自分に驚きました。

 

 

5

< 5. コペンハーゲンの王宮付近で >

 

上の写真は朝、クリスチャンスボー城の横の広場に行った時の事でした。

上の写真の広場で、骨董市が行われている予定でしたが、誰も居ません。

 

諦めて別の所に行こうとした時、一人の若い男性がわざわざ近づいて来て私に声をかけました。

私は不安になって無視して去ろうとしたのですが、彼は怪しいものではないと、申しわけなさそうに話しかけて来ました。

彼は私に手助けしたいと言っているようでした。

 

私は彼にここで骨董市があるはずだがと尋ねました。

すると彼はスマホを取り出し、調べて事情が分かったようでした。

彼は私に「あなたは英語が話せますか?」と聞き、私は「少し」と答えました。

彼は無い理由を説明したいようでしたが、私は聞くことを諦めました。

 

私は残念そうにしている彼に別れを告げて去りました。

他の観光を終えて、寄ってみると骨董市はやっていました。

始まる時間が異なっていたようです。

彼には悪いことをしてしまった。

 

 

下の写真は、王立図書館内のロビー付近です。

図書館に来れば、私のアンケートに答えてくれる人が居るかもしれないと思い訪れました。

すると喫茶の前に、二組の日本人の母子が座っていました。

 

話を聞くと、二人のお母さんは日本出身で、デンマークに来て暮らしているとの

ことでした。

二人からは貴重なデンマークの情報や感想を聞くことが出来ました。

後日、紹介します。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

Categories: culture+society, 連載 北欧3ヵ国を訪ねて, <japanese language, mind, travel+photo, uncategorized | Tags: , , , | Leave a comment

Blog at WordPress.com.

PEMBANGUNAN MENERANGI DAN MENCERDASKAN

Jln Gereja Moria RT25 RW06 Kelurahan Liliba Kupang NTT

Crazartt

I was created to create@Mehakkhorana

フラワーエッセンスの不思議

フラワーエッセンスのエネルギーで皆さんを神秘の世界へと誘います。

...

love each other like you are the lyric and they are the music

大森酒屋

名酒をアナタに。

1日1日記 タイトル未定

すごくすごいわけではない人

My RICOH GRⅡ Photo

RICOH GRⅡで世界が広がる。見えていなかった世界を見たい。The world spreads out in RICOH GRII. I want to see the world that I did not see.

Moda-Creative thinking

Moda-Creative thinking

おっきな男に

アウトプットしよう

sisir ghosh search for value to enlighten life

Always learn from the curiosity within and around myself.

it rains in my heart

Just another WordPress.com site

Blog do Bittencourt

BRASIL: O ESTADO É LAICO!

Elin's Era

Life under the thinking tree

The Guide to being eco friendly

Mainly about eco friendly tips like gardening and being vegan

frangipani flower wearing tropical lady drinking jasmine green tea

Explored arranged marriage proposals lead to releasing what no longer serves my radiant life.

Stockresearch52's Blog

Just another WordPress.com weblog