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デマ、偏見、盲点 19: 既成概念を打破する


 

1*1

 

 

世の中が保守的になってくると、人々は益々既成概念に囚われることになる。

必ずしも革新が良いわけではないが、発展が阻害されることになる。

今回は、既成概念を疑い打破することをお薦めします。

世の中を良くするヒントが見つかるかもしれません。

 

 

はじめに

人類は、長年信じられて来た既成概念を打破し、新しい取り組みを続けてこそ進歩を遂げることが出来た。

一方で大失敗をしたこともある。

 

既成概念を捨て新概念を生み出し成功している例を挙げます。

 

私有権(所有権)、訴訟権、仇討ち禁止、拷問禁止、商業手形発行、憲法制定、宗教改革、企業の無限責任から有限責任へ、<< 家族間の弁済責任(親の借金を子が弁済)の禁止 >>、三権分立、特許制度、奴隷制廃止、議会制民主主義、年金制度、所得税、累進課税、国連創設、普通選挙、金本位制離脱、軍の文民統制、労働基本権、化学兵器禁止条約・・・、ときりがない。

 

ひとつひとつに長期間にわたる生みの苦しみがあった。

既得権益層と新興勢力の対立、権力者と民衆の対立、国家間の対立などを乗り越え、平和や繁栄、安全、生活向上を求め大いなる決断と合意を繰り返して来た。

 

一方、新しい主義やシステムを過信し苦渋をなめた例を挙げます。

これは明確に失敗とは認識されていないが、人々に大きな損失をもたらしたと言える。

帝国主義、共産主義、ファシズム、2007年の世界金融危機を招いた金融手法が大きなものでしょうか。

 

既に見たように人類史は改革の積み重ねであり、既成のものから脱皮し続ける歴史でもありました。

その過程で失敗があっても、多くは改良し、稀に廃止することにより乗り越えて来たのです。

新規の技術や生産物は無数に生み出され、不要になったものや危険なものは使わなくなった。

 

それでは現実に常識として受け入れられている概念を一つ取り上げてみましょう。

 

 

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莫大な国の累積財政赤字

著名な政治家や経済学者の中には、財政健全化の為に増税するのは愚の骨頂で、むしろ赤字を拡大させてでも大幅な財政出動で、景気を浮揚させるべきだと言う。

これにより景気が良くなれば税収増となり、問題は解決すると言う。

 

既に日本が長年やって来た公共投資(土木・建築事業が無駄だっのかも)で赤字を増大させて来たのだが、まだ足りたいないと言う。

 

また、リフレ策が成功することにより経済成長とインフレの相乗効果で、いつしか累積債務が減少し、危険水域を脱すると言う。

現在、アベノミクスに、これらの良い兆しが見えていないが、成功は疑いないと言う。

 

ここで落とし穴があるか探ってみましょう。

 

当面、日本の累積財政赤字はGDPの250%程度になり、仮に危険水域は300%だとします。

アベノミクスが期待出来る一つのポイントは、インフレによって数十年後の累積財政赤字額が今の数分の1になることです。

これは単純な理屈で、順調に理想的な経済成長が実現さえすれば可能でしょう。

 

少し先のことを考えましょう。

 

今後、経済成長率よりもインフレ率が高くなると、未来の生活水準が今よりも低下することになる。

例えば経済成長率1%、インフレ率3.5%が30年続くと、生活水準は1/2になる。

この数値が逆転すれば生活水準は2倍になり、累積財政赤字額は1/3以下の可能性もある(通常、金利も上がるので赤字額の減り方は少なくなる。)。

 

しかしまだ以下の危険が存在する。注釈1.

 

*累積財政赤字の更なる増大はいつか取り付け騒ぎを起こす。

赤字はすべて国内債務で、国民は従順で国を信任し続けるはずだから取り付け騒ぎは起こらないと言う。

確率は低いが、株式や土地の暴落のパターンを見ると、信任の崩れる時が来る可能性はある。

 

*恐慌の影響が大きい。

日本自身でなくても中国や米国、EUで恐慌が起きる可能性を無視してはならない。

ほぼ10年毎に起きているので、繰り返す可能性は高い。

アベノミクスにより日本の経済と金融の体質(恐慌への耐性)が悪化しており、他国発の恐慌にさらに脆くなって行くと予想される。

 

*リフレ策で財政赤字を解消させる姿勢は、健全財政への意欲を低下させる。

政府は無駄遣いと赤字国債発行を続け、さらに日銀による国債直接引き受けが常習化することによりハイパーインフレを招くだろう。

 

つまり、仮に現役世代には良策であっても、未来の世代には愚策かもしれない。

私の推測では、日本の所得の推移は現役世代で横ばいか若干恩恵を受けるかもしれない。

しかし、その一方で未来世代は横ばいか悪化を経験するかも知れない。

今より国の財政・金融の体質が劣化していく可能性が高いからです。

 

私の推測通りに事が進むとは断言出来ないが、起こりうる不幸を考えると、以下の事が重要になる。

 

 

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*3

 

 

我々は如何にすべきなのか

この問題の本質は、現役世代が借金で消費(浪費)して、その弁済を未来世代に押し着けていることです。

実は、このことを既成概念として我々は受容してしまっているのです。

 

既に見たように、人類は親の借金を子供に返済させることを禁止するようになって久しい。

数十年先の人々が文句を言わないからと言って、未来世代に弁済義務を押し付けることは、時代に逆行している。

 

ここでもきっと為政者達は経済の永続的な発展の為には、エゴを捨てるべきだと言うでしょう。

しかし、これを受け入れれば入れるほど、政府のモラルハザード「倫理の欠如」は劣化するでしょう。

 

この悪い例が、金融恐慌の度に、放埓三昧で暴利を貪った巨大金融業や金融家を数兆円から数十兆円の税金で毎回救済しなければならなかったことです。

残念なことに、現状では救済せずに倒産させると被害は更に拡大してしまいます。

これを知っているからこそ、彼らは幾度も繰り返す常習犯になってしまったのです。

 

当然、世代間の弁済義務を放棄する権利があっても良いはずです。

政府が行政改革をせず、湯水のように税金をばら撒き、赤字を増やし続けるなら、国民は泣き寝入りするべきではない。

本来は選挙で政策変更を勝ち取るべきですが、議員達はしがらみがあり真剣には考えない(既得権益や選挙地盤との慣れ合い、惰性など)。

 

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されば国民は、一点突破で国に直接猛省を促すべきです。

その方法は、皆さんが貯金を下ろすことです(本当は保険の解約も必要なのですが)。

 

政府が赤字国債を発行できるのは、国民の貯金が銀行や農協にあるからです。

現状では市中銀行が政府が発行する国債を引き受ける為には国民の預金が必要なのです。

これに抵抗する為に行うのです。

しかし政府発行の国債を日銀が直接引き受け続けるならば、国民の抵抗は無駄になります。

従って早く事を起こさないと、日本の将来は益々危険なものになるでしょう。注釈2.

以下のグラフにその兆候が現れています。

 

 

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現在、1年定期の利率など知れています。

まして前回の金融恐慌が2007年なのですから、どこかで恐慌がそろそろ起きても不思議ではありません。

貯金を1年ぐらい下ろしても痛くも痒くもないでしょう。

皆が一斉に1年ぐらい解約するだけで良いのです。

 

これによって政府は国債発行の危さを実感し、真剣に税の無駄使いと適正な税制(累進制のある所得税など)を目指し、赤字国債の発行を抑えるようになるかもしれません。

それが皆さんの孫やひ孫を救うことになるでしょう。

 

尚、国債解約の取り付け騒ぎは起こらないでしょう、著名な経済学者が太鼓判を押しているのですから。

 

 

大事なことは、現状を疑い、未来を真摯に憂うことです。

いつも社会の悪化は、振り返れば小さな兆しが既にあったのです。

その芽を見つけて前もって摘むことが必要なのです。

 

 

 

注釈1.

私はアベノミクス(リフレ策と大規模な財政出動)がまったくの愚策だとは思わない。

しかし、たとえ国民は一度好転を味わったとしても、挙げた三つの問題が発生し、従来より窮地に追い込まれる可能性が高いと考えます。

今の政府はこのことを厳密に検討せず、人気取りの為に猪突猛進しているように思える。

 

その典型的な悪例の一つに、幾度も指摘している「ふるさと納税」がある。

政府内で現状の返礼品競争と急増する額を施行前に予想出来る人、議員は無理でも官僚などにいたはずです。

それを官邸が抑え込んだのでしょう。

これを決断と実行の内閣と考えるのは早計です。

国民が地方自治体や民間企業を潤す良い施策と信じていることを良いことに、弊害には知らぬ振りです。

この手の姿勢、決断力と実行力をひけらかし、その実、稚拙であることが多い。

もしうまくいかなければ事実を隠蔽し、嘘をつき、過大に他を責め立てることが目立つ。

 

おそらくこの姿勢が続く限り、施策全体が信用出来ないものとなるでしょう。

 

 

 

注釈2.

本来、中央銀行(日銀)は中央政府から独立した機関であり、物価と金融システムの安定を図ることにより国民経済の発展に貢献するものです。

この目的の為に日銀は国の中で唯一紙幣(通貨)の発行が許されているのです。

 

通常であれば、日銀は景気刺激策の一環として市中銀行から国債の一部を買取り、通貨を銀行に供給し、間接的に国内の通貨流通量を増加させることをしてきました。

しかし、現在、上記グラフのように日銀は間接に、また政府から直接に国債を大量購入しています。

 

これが進むと、政府の財政規律が緩み、いつかは好きなだけ国債を発行するようになり、後にハイパーインフレが襲うことになります。

 

歴史的な反省から、これを避ける為に、世界では中央銀行を政府から独立した機関としたのです。

現状では、政府と日銀が一体となっているため、政府は国債発行と言うより、むしろ紙幣(通貨)を直接発行していると変わらない。

大規模な財政出動を増税無しにするには、手っ取り早い手のなのですが。

 

これは危険なことなのです。

単に1強では済まされない問題です。

 

 

 

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何か変ですよ! 63: 近視眼的


1

*1

 

 

今、行われている施策が如何に近視眼的な術かを見ます。

これらは愚策ではあるが、繰り返される故に一層悲しい。

 

 

はじめに

ふるさと納税や核兵器禁止条約反対、気候変動取り組みのパリ協定離脱には共通するものがある。

これらは疑わない人々にとって喜ばしいことかもしれない。

 

実は、これらに共通するものがある。

これら施策は人々に手っ取り早く利益や安心、繁栄をもたらすと思わせる効果がある。

ほんとうにそうだろうか?

 

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*ふるさと納税

今、凄い勢いで寄付額が増えています。

2015年の寄付総額1700億円で、ここ数年は毎年3から4倍と加速度的に増大しています。

この理由は、この制度に高額所得者優遇の構造があるからです。

 

これを放置すれば、数年後には総額数兆円を越え、景気刺激策として良策ではない上に二つの問題を引き起こします。

 

一番の問題は、この寄付が高額所得者の消費増大ではなく節税策として使われ、その不足分を国民が広く負担しなければならいことにあります。

言い換えれば、唯でさえ税収が少ないのに、高額所得者の贅沢品(返礼品)購入費を皆の税金で補填し、税金が必要な所に届かないことです。

もう一つは、確実にゆっくり進む格差拡大です。

 

残念ながら、多くの人は気づかないままです。

 

この悪弊は高率の返礼品と節税効果(寄付)のセットにあります。

どちらかが無くなれば、弊害は無くなるのですが。

 

この問題のポイントは、一見、即効性のある経済浮揚策に見えるものの、効果は薄く、長期的には社会に歪をもたらすことです。

実は、この手の施策は日本、特に米国で半世紀の間にわたり積み重ねられ、これが今回のトランプを生んだ一つの要因になっています(注釈1)。

 

 

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*核兵器禁止条約の不参加

核兵器禁止条約は、核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関するものです。

この条約は2017年7月7日、国連で122ヵ国により採択された。

核保有国やそれに連なる38ヵ国が反対し、16ヵ国が棄権している。

当然、日本政府は米国の核の傘に入っているので反対した。

 

これに対する主な意見。

米国の核兵器によって日本が守られている以上、米国を裏切ることは出来ない。

唯一の被爆国が、核兵器廃絶への道を主導するどころか、裏切っている。

核保有国が参加していない条約なんか実効性がない。

 

例えれば、この条約は強盗団が銃放棄を拒否しているのに、一般の人が率先して銃の不使用を宣言しているようなものです。

それなのになぜ、多数の国がこの無謀で無益と思える条約に尽力したのでしょうか?

彼らは、なぜ日本のように全人類の数倍を瞬時に抹殺できる最強の核兵器で守ってもらうことを考えないのでしょうか?(笑い)

 

だが、一方で不安もある。

核拡散防止条約(核保有を5ヶ国に限る条約、1968年発行)以来、核保有国は9ヶ国になり、更に増えるでしょう。

米国の核兵器で、北朝鮮の核攻撃から日本を守れるでしょうか?

守ってくれるのは迎撃ミサイルなどであって核兵器ではない。

もし核兵器に抑止力が期待出来るとするなら、米国内の銃所持は抑止力とならず、なぜ殺人の増大を招いているのでしょうか?

北朝鮮はこの条約に賛成しており、まさに張本人が抑止力を否定している。

まさに軍拡競争への皮肉です。

 

こうしてみると、現状を放置することは核戦争の危機を一層の深めることになると考える国があっても不思議ではない。

彼らは最強の核兵器で守られることよりも、最悪の核兵器を無くすことで、人類の安全を守ろうしたのです。

それでもなぜ核保有国などの参加が見込めない条約を成立させようとしたのでしょうか?

 

歴史にヒントがあります。

第二次世界大戦後の国連憲章制定時、米ソの離脱を引き留める為に、悪弊が予想された集団安全保障と拒否権の採用に多くの中小国は妥協しなければなりませんでした。

その結果、機能しない国連になったと言えるでしょう。

もっとも、米ソの離脱の方がさらに悪い結果を招いた可能性はある。

その点、今回の核兵器禁止条約ではそのようなことにならない(注釈2)。

 

この122ヶ国の行為、多数の中小国が大国に「ノー」を突き付けたことは、歴史上の画期と言えるでしょう。

私は、これに人類が憲法を生み出した契機となった1215年の英国でのマグナカルタを想起する。

これはほんの一歩に過ぎないが、こうして人類はより民主的な社会を推し進めてきたのです。

 

現状維持では改善を望めない状況で、とりあえず米国追従で条約反対に回った日本の行為は、世界が団結して平和を掴む気運を削いでしまった。

日本は唯一の被爆国なのだから、なおさらです。

 

この問題のポイントは、一見、平和の為と映るものの、むしろ不安要因を増大させ、さらには平和と世界の協同化を後退させていることです。

 

 

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*気候変動取り組みのパリ協定離脱

これはいつか来た道であり、また始まったのか大国のエゴと言わざるを得ない。

 

「米国と市民を守るという重大な義務を果たすため」

「我々は、よその指導者や国にもう笑われたくない」

「私はパリではなくピッツバーグの市民を代表するために選ばれた」

「パリ協定によって米国は国内総生産(GDP)3兆円と650万人の雇用を失う」

 

これはパリ協定離脱時のどこかの大統領の発言です。

この発言には、前回見た視野の狭さと狭い仲間意識が露骨に表れています。

 

南太平洋の島々の水没、南極やアルプスの氷河の融解は現実です。

例えば、30年後に地球の温暖化を認めてから、クーラーで地球を冷房しようとでも言うのでしょうか?

またパリ協定に合意した197ヶ国は自国の経済や雇用への影響を無視したのでしょうか?

日本を考えれば、一部の産業にデメリットはあっても全体では乗り越えて来たことがわかります。

 

かつての大統領や議会も自国の産業、石油・石炭産業を守る為に批准しなかったことがあった。

選挙での人気取りの為とは言え、欧米が身勝手な論拠を振りかざして大国のエゴを剥き出しにすることは今に始まった事ではないが、今の米国は世界一の経済大国だけに影響が甚大です。

単に協力しないと言うより、世界を苦境に陥れるものです。

 

 

この問題のポイントは、一見、雇用の為と見せかけるものの、実際は一部産業の保護でしかなく、世界を取返しのつつない危機へと陥れる軽挙妄動にすぎないのです。

 

 

おわりに

実に残念なことなのですが、これらの施策は国民に絶大な人気を博した国のトップが推し進めて来たことなのです。

 

それでは、事が失敗すれば、誰が責任を取るのでしょうか?

国のトップの軽挙妄動を断罪するのですか?

それともトップを信じた国民が断罪されるべきなのでしょうか?

 

 

皆さんならどうしますか?

 

 

 

注意1

米国で景気浮揚策と謳われ、半世紀の間に積み上げられた施策―金融規制緩和、課税の累進性排除、セーフティーネットの停滞、により格差が拡大し、白人労働者の状況が悪化した。

これがすべての原因ではなく、欧米先進国が共に進めて来た一連の施策の結果と言える、ただ米国が主導して来たとは言える。

これが今回の大統領選でのポピュリズムの台頭に繋がった。

 

日本も遅ればせながら歩調を合わせていたが、今や加速度的に追従している。

 

 

注釈2

この条約は既にある核拡散防止条約に影響を及ぼさず、また平和のための原子力を放棄している訳では無い。

 

 

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何か変ですよ! 60: 残念なこと


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私は、日本の野党が残念でしかたがない。

日本が良くなるためには、健全な野党が是非とも必要です。

それが叶えられそうにない。

 

 

はじめに

今、現政権に憤慨している方は少なからずおられるでしょう。

しかし、現政権が倒れても、次に誰が日本のトップになるのか?

9分9厘、与党の中から少し見栄えの違う人物がトップになるだけだろう。

母体が何ら変わらない限り、結果は五十歩百歩と思いませんか?

 

野党は森友や加計の不正暴露に全精力を注ぎ込んで、トップを引きずり降ろそうとしているが、与党が引き続き政権を担うなら、それこそ元の木阿弥ではありませんか。

では、野党が政権を担えるのですか?

おそらく国民の大半は、今の野党にそれを望まないでしょう。

これでは、結局、今までと変わらない堂々巡でしょう。

 

今、我々にとって最重要課題は経済と平和であり、希望の未来を手に入れることです。

その足場を作る時です。

 

今日は、この問題を考えます。

 

 

残念な野党

多くの国民が政治に期待することは、景気が良くなることでしょう。

他に近隣諸国との軋轢とか、軍事的なこと、憲法改正もあるでしょうが、大多数はこれらを差し迫った問題とは捉えていない。

 

それでは野党に経済政策を託して良いと思う人がどれだけいるでしょうか?

私は、野党の個々の政策、大企業より国民優先、教育や育児負担の軽減などの施策は良いと思うが、大きなものが欠けていると思う。

それは景気を良くする金融と財政の一貫した施策です。

 

私は、野党に格差拡大と金融危機を招かない着実な成長戦略を持って欲しいのです。

今まで、野党はまったくこの姿勢が欠如していた。

只々、与党の政策を批難し、あわよくば国民の批難が高まるのを望んでいる節がある。

左翼系のマスコミも同様です。

この繰り返しでは、日本の政治は旧態依然のままです。

 

とは言っても、野党が与党の悪い政策を批難することには意味がある。

日本の与党(保守)は米国の保守(共和党)などに比べ、大きな政府の政策(福祉重視など)を取り入れており、良い結果を出している。

これが野党のおかげだと言い切れないが、批難していなければ、こうはならなかっただろう。

ここはやはり、二大政党の実現が不可欠です。

 

重要なことは、国民が野党に政権を担わせても良いと思えるように野党が変わることです。

与党を批難するだけでは、先はない。

 

 

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現政権の経済政策を考える

当然、与党には長期政権に付き物の弊害や、現政権の目に余る危さもある。

しかし、野党が反省すべき点を現政権から見出すことが出来る。

 

アベノミクス―インフレ目標、円安誘導、金融緩和、財政出動について見ます。

 

*インフレ誘導はインフレが安定し金利高騰が起きなければ、景気は良くなり、膨大な累積赤字が減ることになる。

先を予測することは難しいが、インフレ目標がいつまでも達成出来ないのは何か決定的なマイナス要因があるのだろう。

 

*円安誘導は、輸出を増やす効果を出している。

しかし一方で物価を上げ、結果的に賃金低下になるので、もう少し様子を見ないと分からない。

私が期待していなかったのは米国が円安誘導を許さないと考えたからでしたが、これは免れたようです(米国追従で)。

 

*金融緩和をかなりやっているが、効果が出ていない。

現時点では問題もなさそうだが、他国発の金融危機が日本に大惨事をもたらさないか心配です。

 

*財政出動は景気刺激に必要だが、相変わらず土建屋優先なのが問題です。

野党が唱えている人やサービスにもっと費やすべきです。

 

個々に長所短所はあるが、全体としてみれば米国の経済学者クルーグマンが唱える論理的な景気浮揚策に近いと思う。

たしかに、財政赤字の増大や大企業と土建屋優先は気になるが、狙いは良いと思う。

 

 

消費増税を見送ったことは良かったのか?

平気で嘘をつくことは許せないが、景気を交代させないためには良かった。

ただ、国の累積赤字は増えるばかりで止まる気配がないのが心配です。

本来なら無駄な出費を減らし、増税するなら累進性のある所得税が良い。

 

アベノミクスは、現状、効果が乏しく、目立ったマイナスも無いと言ったところでしょうか。

現状の経済指標の良し悪しには海外要因(石油、米国の景気)が大きく関わっている。

また日本では、高齢労働者の退職がピークを迎え、今後、労働者人口の減少を加速させていることが、失業率の低下と経済成長率鈍化を招くことになる。

 

ざっと現政権の経済・金融政策を振り返りました。

これほど大胆に景気浮揚を目指したことが国民の人気を得た大きな要素でしょう。

しかし、これら経済・金融政策で抜け落ちている重要な事がある。

 

 

与党に出来ない経済政策を目指せ

たとえ与党の経済政策が一時上手くいったとしても将来に大いに不安がある。

 

それは繰り返す金融危機と経済格差の拡大、増大する累積赤字です。

現状の欧米が進めて来た資産家・金融業優遇策が続く限り、被害が深刻になる一方の金融危機と拡大し続ける経済格差が大問題になる。

この為に既に欧米で火が付き、世情は不安になっており、やがて日本にも及ぶでしょう。

これらは規制緩和と税制改悪が招いたもので、また野放しのグローバル化によって世界中が巻き込まれ、競合するように悪化を深めている。

米国はこの推進の主役で、良くなる兆候はまったくない。

 

累積赤字の問題は、景気拡大が永続すれば薄らぐでしょう。

しかし、ほぼ10年ごとに繰り返している金融危機によって、その効果は打ち消される可能性がある。

またインフレが高進するだけなら、累積赤字の目減りと同時に庶民の生活は苦しくなる。

この問題はリフレ策をもっと検証しないと判断出来ない。

 

 

少し話題を変えましょう。

国民が経済面で望むものとは何か?

おそらく働き続けられること、低賃金からの脱出、将来の年金・社会保障制度の確保でしょう。

 

このためには経済成長が欠かせません。

 

安直な非正規雇用や首切りを規制することは必要ですが、現状のグローバル化した経済では、企業がすんなりと認めないでしょう。

年金・社会保障制度の確保には、当然、政府支出の見直しは必要ですが、これも持続的な経済成長が前提となります。

 

確かに、これからの時代は経済成長やGDP一辺倒ではなく、精神面重視に転換すべしとの意見があり、私もそうあるべきだと思います。

だからと言って、経済が低迷して良いわけではありません。

 

例えば、精神的な充足に必要なサービスを豊かにするにはその業界を支える経済成長が必要です。

例えば育児や教育のサービスを充実させるには、その産業の発展拡大が必要です。

つまり、箱物ではないサービス重視に移行すれば良いのです。

 

これらのことを野党は真剣に取り組み、実施可能な論拠を国民に示して欲しい。

 

 

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なぜ今の与党に期待できないのか?

与党が上記問題を解決する可能性はあるのか?

ゼロでは無いが、ほぼ無理でしょう。

 

東京都の選挙、米国やフランスの選挙からわかるように、国民は長く政権を担っていた政党を見限っている。

これには大きな潮流があるように思う。

 

この潮流とは何か?

私の見る限り、これは1980年代に始まった欧米の変革が発端でした。

これはサッチャー、レーガン、中曽根らによる大きな政策転換でした。

中でも大きいのは国営企業の解体とマネタリズムの採用でした。

この政策自身が悪いとは言えないが、これらにより労働組合の衰退、金融の規制緩和が進み、巨大な金融資産家が頻出した。

こうして金融資産家らのモラルハザード(節度を失った非道徳的な利益追求)と莫大な資金を使った政界支配と世論操作が常態化した。

これは米国において圧倒的な経済格差を生み出し、米国主導のグローバル化によって、世界と日本に伝染することになった。

 

こうなると国民の声は政治に届かず、やがて政治と政党に失望した国民は新しいものに飛びつくことになる。

これが現状です。

 

特に日本の場合、与党はまったくの米国追従なので、米国発の伝染病―経済・金融の悪弊による格差拡大と繰り返す金融危機、に罹患せざるを得ない。

これを打破できるのは、しがらみのない与党外と言える。

当然、官僚も同様ではあるが、官僚を排除してはならない。

 

大きな政策転換は可能なのだろうか?

19世紀末から米英を筆頭に労働運動が盛り上がり、労働者や女性の権利が向上した。

これが賃金上昇と格差拡大の是正に向かわせた。

そしてルーズべルトによるニューディール(ケインズ的な経済政策)が追い風となった。

残念ながら、国民が等しく経済成長を享受出来たのは1970年代までとなったが。

 

言えることは、良くも悪くも国と国民が、ここ百年の間に2回、政策転換を図ったのです。

今は、3回目の時なのです。

 

 

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野党が頑張るしかない

現状、日本は失業率が低く、格差も少なく、安全で福祉制度に大きな欠点はない。

 

今の与党の姿勢を放置すれば、金融危機を深め、格差を拡大させ、さらに浪費が続けば年金・社会保障制度の存続が脅かされる。

 

最大の経済低下の要因は労働者人口の長期減少でしょう。

これを補うには与党の箱物中心の財政出動ではなく人材・育児・移民への投資が不可欠です。

 

したがって野党は、与党に対抗して景気浮揚策を真剣に練り上げ、国民優先の政策に向かうべきだ。

それでなければ、いつまで経っても反対だけの野党で終わってしまう。

せっかく小選挙区にして、二大政党に向けた改革を行って来たのです。

今回の安部一強も、前向きに解釈したら、これまでのころころ替わる首相の状況から脱したとも言える。

 

どうか国民の皆さんも、二大政党を育て、まともな議論が国会で出来るような世の中にしようではありませんか。

 

 

どうもお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

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何か変ですよ! 59:  惜しい人


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私は今の首相の豪胆さに感服しています。

端的にはアベノミクスと憲法改正です。

ここまでやれる人物は他にいないでしょう。

事の良し悪しは別ですが。

 

 

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まえがき

私はアベノミクスの意気込みを評価します。

 

成功すれば首相は日本史に燦然と輝いたことでしょう。

それまでの日本の金融トップ―官僚、エコノミスト、日銀とは真逆の施策をぶち上げた。

彼は著名なクルーグマンが唱えた政策を即刻2013年から実施した。

狙い通りに行くと、苦労無く莫大な累積債務は消え失せ、経済は復活するのですから、私も成功を願ったものでした。

 

円安は確かに輸出大手企業を潤してはいるが、いまだに目標インフレ値は達成できず、好況の実感はない。

後5年じっと我慢すれば景気は好転すると信じたいが、当のクルーグマンが2015年秋に異次元緩和は失敗だったと言っている。

 

もともと、私はすんなりとは行かず、行ってもより大きなバブル崩壊を招くだけだと推測していた。

実際、アベノミクス(リフレ策など)の多くは欧米先進国が既に実施している施策で、その結果、欧米の状況は良くなったと言えるでしょうか。

アベノミクス前の日本の経済状況(失業率など)でも経済成長率を除いて欧米より良かったと言える。

今の状況を見ると、クルーグマンの後の指摘が正しいのでしょう。

 

それでも私は首相の豪胆さに感心する。

ひょっとすると自信過剰か無鉄砲なだけかもしれないが。

もに一つ気になるのは、せっかく恵まれた家系や政治基盤を持ちながら、従わない人に対して下品なところです。

惜しいような気がする

 

 

 

3

*3

 

彼の行動パターンに不安がある

国民が望んでもいない憲法改正に、自分の歴史観を前面に押し出し、突き進む姿勢には驚かされます。

 

これに関連し、憲法改正について御贔屓の読売新聞を読んでくれと国会で答弁する神経は凄い。

正に、お友達(加計学園)や右翼の同志(森友学園)への身びいきは強烈だ。

かつて品格ある首相はたとえ思っていても、ここまで贔屓を露骨に言い募ることは避けるでしょう。

明らかに、これは国のトップが自ら公明正大で無いことを吹聴しているのですから。

 

もっとも、彼にとっては自分に付き従うものこそが正義であり、反対するものは偏向している悪なのでしょう。

だが、世界の報道マンは読売新聞を、日本の新聞の中でどう評価しているのでしょうか?

決して上位には見られていません。

 

しかし、ここで一考が必要です。

なぜ現首相は、このようなことが出来るのでしょうか?

よく一強だと言われます。

それはそれで間違いはないのですが。

それは小選挙区制や与党が取り組んできた官邸支配の結果とも言えますが、やはり一番はポピュリズムでしょう。

 

先の民主党の失敗、長い経済低迷、ころころ変わるトップ、さらに加えて先進国の同様の状況があります。

端的な例は、現首相がポピュリズムの権化トランプ大統領と気が合い、さらに大統領はタカ派ルペン党首と気が合うことで、正に右翼ポピュリズムの大合唱です。

 

一番のポイントは、現首相が圧倒的な人気を保持していることに尽きる。

人気があれば、与党議員は当然付き従う。

また官僚も民主党のように敵と見なさいのであれば組みやすい。

 

 

4a

*4

 

しかし、ここに問題があります

結論から言うと、国民は真実を知ることが出来ずに、国家が暴走することを防げなくなることです。

既にこのことを危惧している方もいるでしょうが、安心している方に何が問題かを示します。

 

視点は三つあります。

A: 国会審議での政府や官僚の答弁に難点あり。

 

つまらない森友学園や加計学園の問題です。

日本の国家予算は100兆円ほどあり、この両者による無駄な出費は自治体分を入れても200億円以下でしょう。

首相にすれば、たかだか1/5000のロスに過ぎない。

 

そんな小さなことでも政府はまともに答弁せず、また官僚も記録が無いとか、全面黒塗りの資料を出す始末です。

つまり、政府や官僚にとって都合の悪い情報は一切出さなくて良いと開き直っている。

特定秘密保護法がこれに加わるのですから鬼に金棒です。

要は、国民が真実を知る権利より、首相の面子が重要なのでしょう。

 

これがまかり通れば今後、為政者は国民を偽って思いがままに振る舞うことが出来る。

 

 

5a

*5

 

B: さらに日本の組織文化が災いを生む。

 

日本人は村意識が強く、トップや集団の意向に盲従し易い。

俗に言う、忖度や気配りで人は動き、悪く言えば「赤信号、皆で渡れば怖くない」に陥る。

企業で働いた経験のある方は、このことに納得できるでしょう。

 

もっとも、これにも良い所があり、組織が一丸となって秩序を維持し、また事に当たることです。

しかし、これがまた問題を生む。

それは、社会正義に基づいた内部告発であっても、組織やトップへの裏切りと見なされることです。

この意識は日本では根深く、加計学園の前前川事務次官でも激しい。

 

つまり、この組織文化は良いこともあるが、トップや組織が悪い方向に向かっているのに是正する力が働かず、大きな災いを生むことになる。

原発や食品偽装の内部告発などにもその例があった。

 

 

C: この問題は幾度も不幸な歴史を生み続けて来た。

 

日本の組織は都合の悪い情報や記録を残さない、出さない傾向が強い。

大戦時、米英は日本より遥かに戦場の情報を国民に流すように努めた。

日本はドイツほどではないが、偽情報を意図的に流した。

また軍部は徹底して記録隠滅を図った。

 

米国政府は政策決定過程を記録し保存し、後に為政者の判断が正しいかを検証する歴史があるが、日本には乏しい。

日本には、お上のやることに口出ししない雰囲気が残っている。

隠蔽状況は、現政権により強化され、昔に逆戻りしている。

 

 

 

 

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*6

 

 

今後、何が起きるのだろうか?

このような場合、歴史上、一番起きやすいのは戦争でしょう。

 

世界の戦史を見ると、本当に敵国が一方的に攻めてくることもある。

だが往々にして自ら口火を切った戦争や、小競合いから始まり、互いに戦火を拡大させた戦争もある。

 

後者の場合、国民が些細な戦闘などの事実でもスピーデイに入手出来れば、早期に為政者や軍隊の暴走を防ぐことができる。

当然、マスコミが御用新聞でないことも重要ですが。

しかし、これが政府により捻じ曲げられたり、伝わらなけらばどうなるのでしょうか?

今回の二つの問題や南スーダンの自衛隊日報のような政府答弁では・・・。

 

その先に来るものは80年前に歩んだ道であり、今まだ御存命の戦争経験者の悲願を無にすることになるかもしれない。

歴史は、大惨事に至る道が準備されていることを教えてくれています。

 

 

今、私達に求められているのは先の大惨事を予見することです。

 

 

 

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何か変ですよ! 58:  備えて下さい!


1

*1

 

 

今、私は現政権の手腕を羨ましく思っています。

おそらくは多くの国民も感服していることだと思います。

もし二大政党が日本にあり、双方がこれだけの力量を持っていれば、

日本の将来は安泰でしょう。

 

 

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*2

 

 

まえがき

巷を騒がせている森友学園や加計学園の問題は、今更、取り立ててあげつらうほどの問題でしょうか?

 

日本の政治文化を特徴づける三バン「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」で成り立つ長期政権なら、このようなことは各地で日常茶飯事です。

何を今更、驚くのでしょうか?

多少どぎつい程度でしょう。

 

これは首相の強力なリーダーシップの賜物だと言えます。

中央官僚だけでなく、マスコミ、マスコミの寵児、地方までその影響力は行き渡っています。

今までの官邸や野党では不可能だったのではないでしょうか?

 

直ぐに人気が無くなる首相が相次いぐ中で、むしろ待望の決められるリーダーの誕生、それも長期政権だと喜んでいたはずです。

 

この現象を好意的に捉えるなら、待ちに待った官僚の上に立つ官邸の時代が到来したと言えます。

これまでは官僚が法律を発案し作り、国会での答弁書まで作って、大臣にレクチャーしていた。

これからは逆の本来の姿になるかもしれません。

 

そうは言っても不安がよぎるのも事実です。

私の不安が現実とならなければよいのですが。

 

 

不安とは何か?

一番は経済的なダメージで、大恐慌の到来です。

 

発生する時期を明言出来ませんが、近々起こるでしょう。

問題はその規模の巨大さであり、日本がまともに被害に合うことが予想されるからです。

 

可能性が高いのは中国の崩壊です。

今まで、中国の崩壊について多くのエコノミストが予言して来ましたが、幸い外れています。

これらの指摘に比べれば、中国政府はうまくやって来たと思います。

しかし、現在進行中の経済悪化(国営企業の低迷、過剰設備、巨大な負債、高失業率、格差拡大、成長率鈍化)が国民の不満に火を着ければ、コントロールが効かず、一気に恐慌に陥る可能性があります。

 

私の知り合いで、現地で活躍する二人の中国人は、恐慌が起きても不思議ではないと思っており、資産の海外移転を考えている様子です。

現在、中国は日本の輸出額シェアで18~19%を占め、米国15~20%と肩を並べています。

つまり、以前と違って中国がこけたら日本は大きな影響をうけるのです。

 

 

さらに別の不安要因が幾つかあります、英国のEU離脱もその一つです。

おそらく米国の株価好調と利上げテンポの遅いのが災いする可能性の方が大きい。

 

ここ半世紀ほど欧米を中心にして7年~10年毎に金融恐慌が間違いなく発生しています。

これは米国がリードした経済・金融構造とグローバル化の副産物だが、これは何ら改善されるどころか悪化しています。

残念ながら、2007年の世界金融危機以上のものが再来するでしょう。

現状のゼロ金利であれば、実業に向かうよりも遥かに巨額資金が災いを招く投機に向かい、更なる巨大なバブルが起きるのは必然です。

 

 

 

3

*3

 

 

何が問題なのか?

この恐慌の大惨事と、今の政権とどのように繋がるのでしょうか?

二つの事で、今の政権は恐慌の災いをより致命的にするでしょう。

 

一番はアベノミクスです。

現在、ヘリコプターマネーと称して市場に大量の資金が供給されています。

確かに少ないよりは多い方が景気には良いのですが、バブルが弾けた時に被害がより甚大になります。

現在、株式時価総額は600兆円ほどありますが、おそらく下落すれば200兆円ぐらいになるでしょう。

これは繰り返して来たことですが、今回は貨幣供給量が今までと比べものにならないほど増えたので下落率は拡大し、下手をすれば株式時価総額は1/4の150兆円もあるかもしれません。

 

その引き金として海外発、特に隣の中国発の恐慌が起きればひとたまりもないでしょう。

さらに、日銀と政府はこれまでと違って日本株を大量に買い支えているのですから、暴落すれば我々の年金はかなり減額になる。

 

この時、政府は謝罪し、責任を取るでしょうか?

たとえ良心があっても無理です。

なにせ数百兆円が一瞬にのうちに消え、おそらく100兆円の血税をつぎ込んで、やっと大手金融業が助かるぐらいでしょう。

 

もう一つは、首相の仲良し米国大統領が人気取りの為に何をするかわからないことです。

おそらく日本は特定秘密保護法と共謀罪の成立、次いで核兵器禁止条約への不参加と米国に盲従していくことになるでしょう。

 

この先にあるものは、経済と軍事の共倒れでしょう。

なにせ、即決と猪突猛進の首相なのですから。

 

 

最後に一言

恐慌に備え、株から手を引き、タンス預金にすることを薦めます。

もっとも金のある人は既にタックス・ヘイヴンしているでしょうが。

 

詳しくはいずれ連載で扱うつもりです。

 

 

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何か変ですよ! 57: 今ある恐怖 2


1

*1

 

 

前回、米国で何が起きているかを見ました。

今、歴史上初めての変動と繰り返す災厄が力を増しています。

さらに、これらが世界を巻き込み、やがて大きな危機を招く可能性があります。

 

 

2

*2

 

はじめに

前回、指摘した米国で起きている状況を要約します。

 

A: 一部の金融資産家に都合の良い社会が到来しつつある。

 

国の富が彼らに集中し、また政府が彼らを支援することにより、益々、この状況は加速している。

一方、99%の国民は取り残され、政府への不信を高めているが、政治を変える有効な手段を持たない。

 

B: 不満を募らせた国民は益々煽動され易くなっている。

 

政治が国民の不満や不信に対処出来なくなると、国民は勢い短絡的で強権的な解決策に飛びつき始める。

扇動者はスケープゴートを強烈に訴えることで、大半の国民の心を掴むようになった。

 

Aの状況は、ここ30年の間に進行し、加速している。

一方、Bの状況はAによって誘発され、ここ数年で急に表面化した。

 

しかし、この問題は米国内に留まらず、世界を巻き込む大きな危機へと発展している。

 

3

< 3.ダボス会議 >

 

世界で何が起きているのか

私は世界が二つの段階を経て、混乱から危機に突入するように思える。

 

だがその説明の前に、米国で起きている事が世界とどのように関わって来たかを確認します。

 

ここ半世紀、米国が金融の規制緩和を牽引した結果、格差が拡大し続けている。

しかし、自由経済を標榜する国々も同時に熾烈な競争に巻き込まれ、規制緩和に突き進み、同様に格差が拡大している。

 

あたかも1970年代、英米を筆頭に同じ自由経済圏がスタグフレーションに巻き込まれたのと酷似している。

この時は、国民だけでなく、むしろ経済界の方が不満の声を挙げ、各国政府は対策を行ったが、今回は大きく異なる。

今の経済界や政界のエリートは現状に不満を示さず肯定的である。

 

それはなぜなのか?

最も明確な当時との違いは経済が拡大している中で貧富の差が拡大していることです。

この状況は富が集中するエリート(主に金融資産家と一連托生の仲間)にとっては天国だからです。

 

これを示す好例があります。

世界から選ばれた数千名の賢人が毎年集まるダボス会議があります。

ここでは学者やジャーナリスト、経営者、政治家などのトップが一堂に会し、議論を行っています。

しかし、ここから発信されるメッセージは概ね現状に肯定的です。

これは世界に「改革が必要ない」ことを間接的にアピールしているようなものです。

 

かって学者が主導したローマクラブの功績とは似て非なるものです。注釈1.

それもそのはずで、「地球上の富の85%をダボス会議の参加者が握っている」のですから。注釈2.

私は、このサロンに過ぎないエリートの集まりは「不作為の罪」を背負うことになると思う。

このような交流は必要だが富裕層やエリートに役立つだけだろう。

 

つまり、今起きている富が偏在するメカニズムは完全に世界を巻き込み、富の集中を享受する人々によってこのシステムは強化されつつあるのです。

 

 

4

< 4. 右傾化の背景 >

 

何がポイントなのか

グローバル化する世界にあって、自由経済の国が競争に晒されるのは必然です。

従って無為無策で競争を放置(自由に)すれば、経済を通じて社会に歪(失業や格差)が生じるのは当然です。

 

この時、国内の労働者や企業が競争力低位の産業から優位の産業にスムーズに転換出来ればその歪は少なくなるのですが、これがなかなか困難な現状です。

今、フランスや米国で起きている右傾化に賛同する農民や労働者達はこの犠牲者達です。

現在の指導者は、保護主義と自由貿易の板挟みの中で、制度的(規制など)な解決を放棄し、自己責任として労働者を自由競争の中に晒すだけなのです。

これでは世界経済の落ち込みが激しくなると、彼らの怒りは頂点に達するでしょう。

この危ない綱渡り状態が日本も含めた先進国で続いています。

 

自由競争を否定しませんが、違法まがいの弱肉強食により正常な競争が出来なくなっていることが問題なのです。

 

結局、現代のグローバル化した経済では、ほんの一握りの富裕者は益々富み、貧者は益々貧しています。

これは隠しようのない現実ですし、そうならざるを得ない経済的メカニズムが確立し、増殖中なのですから。

この歪は、今は目立たない国でも高進するのは時間の問題です。

 

これは主に、1980年以降の自由経済圏の大国が先導して来た政策によるものです。

この政策とは、グロ―バル化に向けた経済・金融・労働・産業に対する規制緩和、企業・金融・富裕者の活性化と称する減税、貨幣供給量と累積赤字の増大の是認、中央銀行の役割改変などです。

それに比べ、不思議なことに労働者の活性化云々の政策や保護はあまり聞かない。

この関係は複雑ですが、大きな流れは前回説明しました。

幾つかの国(ドイツや北欧など)は、危険を認識してこれらの政策採用を抑制気味だが、巻き込まれつつある。

 

実は、今の富裕者の減税は19世紀まで無税が一般的でしたが、20世紀になると政府が強力に累進課税や規制緩和を国民や国家の為に導入したのです。

ところが国民が浮かれ、よそ見している間に中世の社会に戻ってしまったのです。

 

 

 5

*5

 

これから起きる悲劇とは何か

悲劇の第一段階は、B項の「煽動と右傾化」です。

 

もう既に起きています。

各国で差別的な言動を好む人ほど政府を信任していることからも頷けます。

これは数年前から、日本や欧米などで顕著になっています。

 

国民の不満が高まり、何ら改善出来ない政府への不信感が高まると強権的な解決を望む声が高まります。

そこで不満を上手く操る煽動家の出現となります。

これは歴史的に繰り返されて来たことで、必然と言えます。

 

今は、まだほんの始まりに過ぎない。

例えば、今回、北朝鮮の核実験やミサイル発射は何時から騒がしくなったのか。

それは米国のトランプ大統領の誕生前後からでしょう。

始めは、数匹の狂犬の遠吠えから始まったが、いつの間にか周りを巻きんで大合唱となり、ついには何処かの国の地下鉄まで止まりました。

一方の狂犬は脅しが効いたのですから喜んでいることでしょう。

 

実は、歴史上、戦争の始まりの多くはこのような些細ないがみ合いが嵩じて始まっています。

第二次世界大戦前の独仏の状況がその一例です。

両国は、ライン川を挟んで国土の奪い合いを繰り返していました。

フランスは先の第一次世界大戦に懲りて、ドイツの再軍備防止の為にドイツ経済を困窮させる莫大な賠償金を請求し、また賠償として炭鉱地帯を占領しました。

この手の敗戦国への仕打ちは一般によく行われることでした。

 

しかしこの二つの行為が、間接的にドイツ経済をどん底に突き落とし、ドイツ国民はヒトラーに不満を煽られ、軍事力で反撃することを選択するようになった。

一方、フランスはこれに対抗して右傾化して行きました。

こうしてまたも大戦が短期間のうちに再発した。

 

しかし私が恐れる悲劇は、これだけではありません。

私はまだ世界の良識に希望を持っており、多くの国民が直ちに戦争開始に応じることは無いように思います。

 

それでは何をさらに恐れるのか?

 

 

6

*6

 

 

私が想定する第二段階の悲劇

それは、右傾化とナショナリズムにより各国が交流を断ち始めることです。

つまりグローバル化と反対の方向に進むことです。

この結果、たとえ今すぐの戦争開始を逃れたとしても、最終的に世界は益々、混迷と対立を深め、ついには戦争から逃れられない状況に陥ることになるでしょう。

 

これは既に始まっています。

西欧国内のEU離脱運動の盛り上がりや一部首脳による挑発的で利己的な行動に顕著です。

 

EU離脱は、最も象徴的な例です。

EUは独仏が戦争回避を願って、大戦への反省から奪い合っていた中間地帯の鉱物資源を共有する為に始められたのですから。

EU統合の手法に問題があるにしても、EUの分裂は平和と経済に悪影響を与えることは明らかです。

 

さらに間違いが明確なのは、自国優先の為に各国が保護貿易に走り、世界貿易が縮小し、廻りまわって自国に不況の波がさらに大きくなって返って来たことでした。

第二次世界大戦を世界に拡大させてしまったのは、各国の保護貿易が恐慌の傷をさらに深くしてしまい、日独伊の国民が不満を募らせ扇動者の尻尾に乗ったことにある。

この手の危機の兆しはそれぞれの国内で20年ほど前からあったのですが、独裁と暴発は数年の短期間で決定的なものとなったのです。

このような悲劇を幾度も繰り返す愚は避けたいのもです。

 

益々、世界は経済や軍事、外交などで孤立と対立を深めていくことでしょう。

しかし、これもまだほんの始まりにすぎません。

 

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何が恐ろしい結末へと導くのか?

私が恐れるのは、世界の平和と繁栄に最も必要なものが反グローバル化によって破壊されることです。

 

皆さんは、グローバル化こそが金融資本家と多国籍企業の横暴を招き、世界の人々を不幸にしている元凶ではないかと思っているかもしれません。

今まで、私がそのように説明をして来たではないかとお叱りを受けそうです。

半分は正しいのですが、半分は問題があります。

 

例えて言うなら、琵琶湖周辺の人々が川に好き勝手に(自由に)汚水を流し、汚染が酷くなったので琵琶湖に流入する河川を遮断すべしと言っているようなものです。

本来は、すべての人々が汚水の排水規制を守れば済むだけのことなのです。

現在の問題は、この規制が無きに等しい為に起こっているのであり、一部の特権層による規制外しの圧力が世界を席巻していることです。

 

 

少し目先を変えて、以下の困難な問題をどう解決すれば良いか考えてみましょう。

 

A: 枯渇する地球の資源(鉱物、石油、水産農作物、水)の持続的な使用。

B: 北朝鮮やイスラム国(IS)などのテロ国家や組織の抑制・制圧。

C: 地球温暖化の防止。

D: 大国の横暴(軍事行動や占領、経済・金融政策)の制止。

E: 多国籍企業や金融家の横暴(タックスヘイブンやヘッジファンド)の規制と取り締まり。

F: 格差の拡大と富の集中を抑制する世界的な規制と税制。注釈3

D: 移民・難民の発生低減と保護、移住先の摩擦低減。

 

これらは手をこまねいている内に拡大し深刻の度を増しています。

 

例えば、どこかの大統領や首相のように国益を重視し、他国を敵視し、特定の大国との従属を深めるならどうなるでしょうか。

結果は明らかです。

上記7つの問題を解決するどころか、戦争へと発展する危険の方が高いでしょう。注釈4.

 

解決するには何が必要なのでしょうか?

それは世界の国々が等しく協力し合うことです。

解決を遠ざけるものは分裂と対立、そして大国の身勝手です。

 

私の連載「中東に平和を!」で紹介していますが、現在世界中で起きているテロや内紛、難民の多くはここ百数十年間の大国の身勝手に起因しています。

この因果関係と責任問題に関してまだ定説はありませんが。

また嫌われるグローバル化の汚点も、大国の庇護を受けた多国籍企業や金融家の横暴が背景にあります。

この問題が見過ごされるのは、世界が共有出来る法意識が未発達なのと、その形成を妨害する情報秘匿やデマの力が大きい為と考えます。

例えば、タックスヘイブンやヘッジファンドの横暴によって、日常的に世界の庶民は多大な害を受けているにもかかわらず、規制が無いに等しく、増加の一途です。

 

 

平和的に問題を解決する手段は、人類が生み出した民主主義を世界に取り入れる以外に道はない。

益々、地球はあらゆる危機に直面しているのですから。

 

残念ながら、これは非常に難しい。

半世紀前の東京裁判の折、インドのパール判事は、いつか世界が一つになり国家の不正義を裁く時代が来ることを願っていた、しかし、当時はまだ機が熟していないと判断した。注釈5.

「あなた方はいつまで惰眠を貪るのか?」とパール判事は悲しんでいることでしょう。

 

 

しかし皆さん、思い出してください!

世界や国内で格差が拡大し、国民が政府に絶望するようになった理由はどこにあったのでしょうか?

 

答えは先進国で1980年代から加速した富裕層の優遇策でした。

極論すると、それは規制緩和と税制変更が元凶でした。

そしてこれが自由経済圏の先進国から地球全域に蔓延していったのです。

この人間(エリート)が行った制度改悪を、人間(国民)の手でより良い制度に戻せば良いのです。

 

これは、各国が個々に解決出来るものではありません。

幾分はドイツやかつての日本、北欧など幾つかの国は抵抗して来ましたが、グローバル化した現在において無傷で難を逃れることは出来ない。

 

一番、目立たない問題ではあるが放置すると、徐々に世界の傷は深くなり、ついには良識が通用しない社会、衰退する地球になると予想されます。

これも歴史が示すところです。

 

残念なことに、危機を予測出来て解決策が見えても、これを世界が実行出来るかは皆さんの手中にあるとしか言えないのです。

 

 

以上で終わります。

どうもお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

注釈1.

ローマクラブは当時、科学的に証拠をもって世界の地下資源が数十年後から枯渇し始めると警鐘を鳴らしました。

世界はこれに対応すべく省資源に取り組み、現在、地球の寿命が伸びています。

 

注釈2.

「世界一の会議」、斎藤ウィリアム著、p30より。

 

注釈3.

世界の貧しい下位50%(36億人)の総資産が富豪上位62人の保有資産に匹敵している。注釈2.

 

注釈4.

B項のテロ対策には軍事力が必要ですが、超大国に頼ることのメリットよりも、超大国の身勝手な軍事行動の方がマイナスです。

 

注釈5.

パール判事は当時、事後法の「平和に対する罪」で日本の戦犯を裁く事に反対しましたが、他の戦争犯罪については同意しています。

彼の意見は法律家としては正しい。

彼の意見と思いから学ぶべきは、「平和に対する罪」が裁ける世界になるべきだと言うことだと思います。

 

 

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何か変ですよ! 56: 今ある恐怖 1


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< 1.米財務長官 >

 

 

今、私は漠然とした恐怖を感じている。

それは日本だけでなく米国、中国、ヨーロッパなど世界に通じるものです。

これから、この巨大で徐々に姿を現しつつある恐怖について語ります。

 

 

はじめに

日々のニュースから、私は日米欧先進国の社会で大きな濁流が起きているように思える。

しかも、それが益々巨大化しているにも関わらず、多くの人々はその兆候と恐ろしさに無頓着のように思える。

私はこの世界の行き着くところを想像すると恐ろしくなる。

 

歴史を振り返ると、まったく同じ状況は存在しないが、不幸へと突き進む同じメカニズムが働いているように思える。

それは一度、蟻地獄に落ちると、もがけばもがくほど抜け出せなくなる状況と似ている。

 

それでは幾つかの恐怖の正体を見て行きましょう。

 

 

米国で起きていること

如何に大統領が変わろうと、世界最大級の投資銀行ゴールドマン・サックスの幹部が必ずホワイトハウスで経済と金融政策を担当することになる。

クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプなどが、選挙戦で如何に綺麗ごと―金持ちの味方ではなく庶民の味方だと、言っていても同じ結果になる。

それはなぜなのか、ゴールドマン・サックスの彼らが、ずば抜けて優秀で強欲だからか、それとも経済運営と選挙資金集めに不可欠だからか。

 

細かい解説は専門家に任せて、我々は全体を俯瞰することで米国の空恐ろしい状況を知ることが出来るはずです。

これから語ることは厳密さよりも大きな流れを感じることを目指しています。

 

 

2

< 2. 米国の大統領選挙費用の推移 >

 

選挙費用は年を追って巨額になっている。

集金能力の高い人か、はたまた自分のポケットマネーで選挙費用を賄える超金持ちしか大統領になれない。

結局、選挙を制するのは資金の多寡かもしれない。

 

 

3

< 3.ゴールドマン・サックスの業績 >

 

この20年間、この投資銀行の業績はうなぎ登りと言える。

この間、この企業は大きな問題だけでも、1998年のLTCMヘッジファンドの破綻、2007年のサブプライムローン、2010年のゴールドマン・ショックなどに関わって来た。

この手の金融企業大手(ビッグ・シックス)は、米国だけでなくメキシコ、ロシア、アジア、ヨーロッパなど、それこそグローバルに世界経済を危険に陥れる投機に走り、その都度ホワイトハウスに助けられ飛躍し、我が世の春を謳歌している。

尚、クリントン政権の誕生は1993年でした。

 

 

例えばヘッジファンドに限て見てみよう。注釈1.

米国のファンドマネージャーが2015年の1年で1700億円を稼ぎました。

これは一つの産業の売り上げではなく一個人の収入なのです。

米国のヘッジファンドの運用総額は300兆円弱あり、毎年の運用益10%、マネージャーの成功報酬20%として6兆円をマネージャーが山分けすることになります。

当然、投資・投機の運用総額はこれの数倍あり、これに釣られて強欲に走るのは無理のないことかもしれない。

誰かが監視すべきだが・・・・。

 

なぜ毎年運用益の実績が10%近くあるのでしょうか?

通常、莫大な資金を製造業に投資してこれだけの利益を出し続けるのは不可能です。

方法としては、画期的なコンピューター・プログラムで株等の自動取引を行い莫大な利鞘を稼ぐか、はたまた企業買収を繰り返す手があります。

しかし最も稼いだのは一国の為替取引やサブプライムローン(不良債権を紛れ込ました証券)の売買でした。

その売買はレバレッジ(担保なしの高額の借金)を利かせた先物取引等で行われます。

 

この一見合法的な取引の果てに、毎回、世界各国は金融危機に陥り、多くの失業者と命を縮めた人々を生み出して来たのです。

不思議な事に彼らが成功しても失敗しても、ほぼ同じ結果になります。

言い換えれば、そこには必ず強奪された莫大な資金か、強奪に失敗した莫大な借金があるからです。

 

彼らは優秀な頭脳によって日々新たな方法を開発し、儲かるとあればどのようなものでも互いに先を競って売買します。

その結果が国家や国民を如何に破綻に追い込むかは、彼らには無縁で、責めを受けることもほとんどありません。

金額が巨額なだけに失敗した時、国は必ず彼らを助け、多少見逃してくれるし、頼めば規制を取り除いてくれる(政治家に見返りが入る)。

 

しかし彼らが稼ぐ為に最も不可欠なものとは何でしょうか?

それは国が貨幣供給量を増やし続けることです。

一度、貨幣発行をゼロにすればその効果がわかるのですが、他の経済活動も停止してしまうので出来ません(恐慌)。

もっとも中国のように強引に投機資金を制御すれば別ですが。

 

 

4

< 4.米国の貨幣供給量 >

 

Ⅿ2(赤い線):現金通貨と国内銀行等に預けられた預金を合計したもの。

簡単に言えば、景気が良くて経済成長する時は赤線の貨幣供給量が増大します。

しかし増加し過ぎるとバブルが発生しますので、中央銀行は調整します。

 

現在、世界の多くが貨幣供給量を増やし続ける政策を採っていますが、中でも米国は際立って多い。

日本はアベノミックスの前までは、長らく貨幣供給量を押さえてバブル発生を抑えて来ました。

 

 

5

< 5.米国の商業銀行の収益 >

 

貨幣供給量が増え始める1980年代から、金利以外(投資・投機)による収入が増加しているのがわかる。

最近のデーターはないのだが、その後を予想することは可能です。

これが金融界に富をもたらし、この富によって大統領選挙を通じてホワイトハウスが支配され、さらに富が一部の金融家に集中するようになったと考えられる。

尚、この端緒は1981年のレーガン大統領誕生でしょう。

 

20世紀の始め、世界は米国発の大恐慌とそれに端を発する世界大戦を経験し、米国は先頭を切って元凶となった無謀な金融行為を禁止する法を制定した。

しかし米国の規制緩和、俗に言う金持ち優先の政策はその後、表面を繕いながら着実に進められて来た。

米国民はなぜこの経済・金融政策の転換を傍観して来たのか?

一つには、ホワイトハウスが「米国の経済・金融がグローバルな競争に生き残る為の規制緩和が必要」と説明して来たからでした(他にも理由はある)。

この1933年に制定されたグラス・スティーガル法(規制法)は、1999年ついに廃止された。

 

 

6

< 6.米国政府の債務 >

 

国民は米国の金融が世界をリードすれば米国経済は復活すると信じ込まされて来た。

国民は確かにバブル絶頂期の度にそれを確信することが出来ただろうが、必ず訪れるバブル崩壊後、また裏切られることになる。

 

この裏で、国民がおそらく実感していない深刻なことが起こっていた。

世界経済を幾度も破綻寸前まで追い込んだ金融家達を、ホワイトハウスは恐慌にしない為と言い、莫大な公的資金をつぎ込んで救って来た。

それは数百兆円の国債発行となって累積債務が膨らみ続けている。注釈2.

現在、一人で毎年数十億円を越える所得を得る強欲な金融エリート達が蔓延る一方、将来、その後始末として国民はその借金を広く負担することになる。

おそらくインフレか増税で、これは所得の低い人ほど厳しく圧し掛かる。

 

こうして、危険な博打うち(投機的な金融家)ほど高収入を得て、博打が失敗したら国が助け累積債務を増大させて来た。

 

 

 

7

< 7.米国の所得 >

 

一方、米国民が選挙で必死に選んだ大統領は何をしてくれたのだろうか。

馬鹿げたことに、1980年代から米国の富がほんの一部の金持ちだけに集まる仕組みをホワイトハウスが作っただけだった(税制と金融政策が大きい)。

 

これでは溺れるも者は藁をも掴むとの諺通りであって、トランプを選んだ人々を責めるのは酷かもしれない。

別の選択もあったかもしれないが・・・・。

 

8a

*8

 

 

問題を要約してみよう

一つの問題は、あたかも地球が強欲な金融資産家らによって牛耳られるようになったことです。

 

この端緒は20世紀始めの米国に遡るが、1980年代より本格化し、欧米が自由主義経済圏の中で競っている内に、各国がこの泥沼から抜け出すことが出来なくなってしまった。

 

各国は競争の為に労働者の賃金や法人税、為替で叩き売りをせざるを得なくなった。

またあらゆる企業は巨大化し、規制を外すことで競争に勝たなければならなかった。

 

さらにインフレ退治と兌換紙幣の制約から逃れる為に、世界各国は自由な貨幣供給体制を選択し、自国の経済成長を自在に制御することを目指した。

この過程で、金融資産家が米国を筆頭に幅を利かせるようになっていった。

そして現在の状況に陥ってしまった。

 

この状況は、今までになかった新しいタイプの災厄だろう。

 

歴史を紐解くと、ロ―マの衰亡に似ているかもしれない。

ローマは初期に共和制だったが、軍によって領土拡大と成長を続ける内に軍が実権を掌握し、帝政へと変貌する。

しかし、軍の維持と特権層による富の集中(圧倒的多数になった貧困層)はやがて社会を疲弊させた。

そしてあれほど巨大さを誇ったローマは、いとも簡単に野蛮な民族に打ち破られた。

 

これからの米国は軍産共同体だけでなく、むしろ自己増殖する金融資産家らに益々支配されていくことだろう。

このメカニズムはまったくローマと一緒と言える。

 

つまり自己崩壊するか、他者により止めを刺されるまで暴走し続けるしかないのかもしれない。

 

 

もう一つ恐れていることがある

上記の状況分析は心ある学者により既に指摘され続けていたことで、私はこのブログで幾度も書いて来た。

一言で言えば、後ろから押されて崖っぷちに追い込まれているのに身動き出来ない恐ろしさです。

 

問題は、現代文明をリードする国民が、この自明とも言える状況を今まで何ら改善出来ず、むしろ加速させて来たことです。

そしてついにトランプと言う危険なカードを引いてしまった。

無害で済めばよいのだが。

米国の状況は今後、雪だるま式に歪が拡大することになるか、予想外に早く崩壊するかもしれない。

その引き金がトランプでなければ良いのですが。

 

なぜ人々は、この状況を変えることが出来なかったのか?

考えられるのは米国民がこの事実を知らないからか、またはカモフラージュされて見えていないからか。

それとも例え皆が知っていても、現状の大統領選挙制度等では国民の望む改善が出来ないと諦めているからか。

 

 

 

9

< 9. 米国のGDPと失業率 >

 

トランプが非難したNAFTA(1994年の北米自由貿易協定)は逆に米国の失業を減らしているように見える。

失業を増やしたのはバブル崩壊です。

 

 

10

< 10. 米国の人種別失業率 >

 

このグラフからは、今回、トランプを選んだラストベルトの白人労働者が訴えた、移民によって職を奪われたと言うことを確認出来ません。

むしろ白人の失業率は低く、アジア人を除いてヒスパニックや黒人の失業率が拡大している。

 

つまりメキシコが悪の元凶だとは言えないのに、スケープゴートすることにより国民を真の問題から遠ざけているように思える。

そして大半の人々がその手に乗せられたと言える。

 

この状況で思い当たるのは、ナチスの行ったことです。

ヒトラーがドイツ国民を煽動する為に訴えたのは「ユダヤ人排斥、共産主義排除、軍事力による帝国の再興」でした。

この内、ユダヤ人排斥は帝国の再興に最も意味をなさないように思えるが、国民の憎悪を高め、国民を一つにまとめるには有効だった。

これでヒトラーは力を得たが、その一方で無実の人々が多数死んでいった。

 

歴史上、このような壮絶な例は他にはないだろうが、国内問題や真の問題から目を逸らす為に為政者はスケープゴートを繰り返して来た。

トランプの成功の一つは、この巧みさにあったと言える。

この手のまやかしが上手いことと、国民の為の政治を上手く行えることとは別です。

 

残念なことに、今、現代文明をリードする先進諸国で、あたかも共鳴するように同じ扇情、スケープゴート、が起こっている。

 

私はこの扇情に踊らされている状況を恐れています。

 

 

実は、世界はこれと関わりながら新たな恐怖に晒されつつあるのです。

そのことについて次回考察します。

 

 

 

注釈1.

「超一極集中社会アメリカの暴走」小林由美著、p76-79.

 

注釈2.

「大統領を操るバンカーたち」ノミ・プリンス著、p350.

 

 

 

 

 

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Bring peace to the Middle East! 75: Why was it exhausted ? 13: What happened in Congo ? 1


中東に平和を! 75 なぜ疲弊したのか 13: コンゴで何があったのか 1

 1-1

 

 

< 1.  a mine in Congo  >

< 1.コンゴの鉱山 >

 

 

 We are going to see how colonized countries were destined to become exhausted country.
I will mainly focus on Congo in Africa.
We will know there is the same situation as in the Middle East.

 

これから、植民地化された国がどのように運命づけられたのかを見ます。

主にアフリカのコンゴを中心に考察します。

そこには中東と同じ状況がありました。

 

 

2

< 2. the tragedy of Congo >

 

< 2.コンゴの悲劇 >

 

Congo Crisis, Congolese refugees, the murdered President Lumumba, and the dictator President Mobutu.

 

 

コンゴ動乱、コンゴ難民、殺害されたルムンバ大統領、独裁者モブツ。

 

Introduction

 

Without exception, African countries had begun to be invaded by Western Europe as early as the 15th century, became completely colonized by the end of the 19th century, and accomplished independence in the middle of the 20th century.
Many are still suffering from civil war, poverty, and corruption politics.
There is a common factor in the Middle East and South America.

 

はじめに

アフリカの国々は例外なしに、早くは15世紀から西欧に侵犯され、19世紀末には完全に分割され植民地となり、20世紀中頃にやっと独立を果たしました。

多くは未だに内戦、貧困、腐敗政治に苦しんでいます。

そこには中東や南米に見られる共通の病根が存在します。

 

 

3

<  3. the kingdom of Congo >

< 3. コンゴ王国 >

The capital city of kingdom of Congo ( the 17 – 18th century), a mask of Congo (today), a bronze statue (the 12 – 15th century) and a bronze ware ( the 9 – 10th century) in Nigeria, and a ivory horn of Congo ( the 14 – 17th century).

 

コンゴ王国の王都(17-18世紀)、コンゴの仮面(現代)、ナイジェリアの青銅像(12-15世紀)と青銅器(9-10世紀)、コンゴの象牙製ホーン(14-17世紀)。

 

 

4

 

< 4. Congo >

< 4. コンゴ >

Upper map: the distribution of Bantu languages that Congo belongs in.
Lower map: the Kingdom of Congo.

 

上の図: コンゴが属するバントゥ―語族の分布。

下の図: コンゴ王国。

 

Why do I choose the Congo?

 

The Congo in Africa can be said to be a miserable representative.
A number of dictators appeared in this country, the ethnic groups came into collision, and there were some civil wars to have killed many people.
Even now, in the Congo the economic downturn, the high mortality rate of infants and the high poverty rate continue, and only Congo is to left behind while other countries are beginning to grow.

This area has a jungle and savanna spreading in the vast basin where a long Congo River flows.
The area is comparable to most of Western Europe.
Here, there was the Kingdom of Congo that began in the 14th century, controlled a number of small countries, manufactured ironware and had a vast trading network.
That capital city had exceeded the population of London in the 16th century.

The language of Africa is diverse, but the Congolese language belongs to the Bantu language that occupies one third of Africa, and the Congo is located in the center.
This language family more quickly had used the ironware, advanced southward and expanded.

 

なぜコンゴなのか

アフリカの中でもコンゴは悲惨な代表と言えるでしょう。

この国では数多くの独裁者が出現し、民族が分裂し、多数の死者を出した内戦がありました。

現在も経済の低迷、幼児の高死亡率、高い貧困率が続いており、他の諸国が成長を始めているのに取り残された感がある。

 

この地は長大なコンゴ川が流れる広大な盆地にジャングルとサバンナが広がっています。

その面積は西ヨーロッパの大半に匹敵します。

ここには14世紀に始まるコンゴ王国があって、多数の小国を従え、鉄器を製造し広大な取引ネットワークを持っていた。

その王都は16世紀においてロンドンの人口を上回っていた。

 

アフリカの言語は多様だが、コンゴはアフリカの1/3を占めるバントゥー語族に属し、ちょうど中央に位置する。

この語族が最も早く鉄器を普及させ、やがて南下し拡大してしていった。

 

 

 

5

< 5. The beginning of the Congolese tragedy >

< 5. コンゴの悲劇の始まり >

 

Upper map: When the Age of Discovery started in the 15th century, Portugal went southward along the west side of Africa, and first contacted the Kingdom of Congo.

Lower map: The Congo River basin and the present Congo that was divided in three countries.
A= République Démocratique du Congo. B= République du Congo. C= Cabinda of República de Angola.

 

 

上の図: 15世紀に大航海時代が始まるとポルトガルが最初にアフリカの西側を南下し、コンゴ王国と接触した。

 

下の図: コンゴ川流域と現在の3分割されたコンゴ。

A=コンゴ民主共和国、B=コンゴ共和国、C=アンゴラ領のカビンダ。

 

 

6

< 6.  Current Congo >

< 6. 今のコンゴ >

Eventually a turning point arrived the west coast of Africa along with the beginning of the Age of Discovery.
Since this time, all disasters of colonies befell this area, then various proxy wars by the Cold War continued to hurt Africa.

In Africa, there are many countries shouldering a burden.
For example, countries suffering from civil war such as Somalia, Sudan, Rwanda and Sierra Leone, countries suffering from dictators such as Zimbabwe and Uganda, countries suffering from racial discrimination such as South Africa.

In particular, the Congo was subjected to the harsh treatment from the beginning, and is suffering for a long time.
If we look at the treatment the Congo received, we can understand the exhaustion of other African countries and the Middle Eastern.

 

 

This continues to the next time.

 

 

やがてヨーロッパの大航海時代の始まりと共にアフリカの西海岸に転機が訪れることになる。

これ以降、植民地のあらゆる災厄に始まり、冷戦による代理戦争、大国の干渉がアフリカを続けて襲う事になった。

 

これら不幸を背負った国々はアフリカに多々ある。

例えば内戦に苦しむソマリア、スーダン、ルワンダ、シエラレオネ、独裁者に苦しむジンバブエ、ウガンダ、人種差別に苦しめられた南アフリカなどです。

 

中でもコンゴは初期から過酷な仕打ちを受け、長く苦しむことになった。

コンゴでの仕打ちを見て行くと、他のアフリカや中東の疲弊がよくわかる。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 52: トランプの評価を巡って


1

*1

 

 

不思議なことがある。

大衆はなぜ突如として極端な行動に出るのだろうか?

トランプ大統領の選択がその好例です。

 

不思議なこと

私はトランプに関する本を6冊読んだが、トランプ大統領の評価は混乱している。

 

彼の就任は悪化している米国の現れか、彼の希代の才能ゆえか、それとも何かの間違いか?

我々は彼に期待すべきか、はたまた最悪の事態に備えるべきか?

これは世界にとって吉兆なのか、それとも凶兆なのか?

 

これら相矛盾する評価から、米国社会と世界の混沌が見えて来ます。

 

2

*2

 

 

相矛盾する評価

 

*トランプ氏に対する評価

意見は大きく二つに分かれる。

 

トランプを高評価する人は、彼は群を抜いた交渉力を持ち、幾多の困難を乗り越えたビジネスマンで、機を見るに敏だと言う。

また彼は自己資金で戦ったので既成勢力と無縁で、正直者だからと期待されている。

 

彼を否定する人は、彼は感情的、ナルシスト、守銭奴だから信用出来ないと言う。

また彼は政治経験がなく、極右で、煽動家だから危険だとされている。

 

 

*トランプ氏が選ばれた背景

概ね以下のように要約できる。

 

幾多の有力候補やヒラリーが嫌われ、投票率が低い背景に、ホワイトハウスへの根深い不信感があり、大衆は既成政治との断絶を求めた。

さらに白人層の危機感と女性蔑視が大きく作用した。

 

彼は大衆の不満(移民、ムスリム、派兵、失業など)を積極的に取り上げ、既成概念に囚われない解決法を示した。

それをデマゴーグと非難するマスコミと他候補に対して、彼は悪態とメール発信でやり込めることが出来た。

 

彼はテレビ番組の人気者であったが、当初、泡沫候補と見られていて、マスコミは興味本位に彼を扱ったことより、露出度が非常に高まった。

マスコミは彼の人気が出てから批判を始めたが、既成勢力と非難され、逆効果となった。

 

他に、米国における闇の支配者などの陰謀説もある。

 

 

*著者たちのトランプ大統領の評価

 

彼をレーガンやエリツインになぞらえ、彼こそが米国で創造的破壊を起こしてくれるとの期待がある。

確かに、他の候補では超富裕層による支配、戦争継続、移民増大、格差拡大が続く可能性がある。

 

当然、危険視する意見もある。

彼のほとんどの解決策はデタラメで、特に経済政策、結局は米国と世界を混乱に陥れる可能性が高いと見られている。

 

結局、ジリ貧になっていく白人層は、溺れる者は藁をも掴む心境のようだ。

日本もこうならないように願いたいのだが。

 

 

様々な疑問

 

A: 経済に創造的破壊は必要だが、大統領が旗を振ってうまく行くのだろうか?

 

歴史的には、イギリスの産業革命などのように、良い創造的破壊が起きる時は、それぞれの利益を代表する集団が交渉し妥協しながら自由裁量権を得て、イノベーションへの意欲が持続する時です。

残念ながら、現状は金権政治(超富裕層による支配)で社会の調整機能が失われているのですが。

 

彼が進める公害防止や金融規制などの緩和・撤廃、また相続税廃止などの富裕層減税は、明らかに弱者を増やすだけで、創造的破壊とは別物です。

 

世界を牽引している米国の情報通信などのイノベーションは政府の関与とは言えない、また移民も大きく関わっている。

 

 

 

B: 大統領に破壊を期待すると、何が起きるか?

 

レーガンの経済政策により、後に米国は双子の赤字と格差拡大で苦しむことになり、日本は円高を飲まされることになった。

 

エリツィンの経済政策により、ロシアはハイパーインフレを起こし経済破綻し、プーチンの独裁を招くことになった。

 

ヒトラーの例は既に述べました。

 

レーガンはインフレを抑制し冷戦終了を導いた、またエリツィンはソ連崩壊と共産経済の低迷からの脱出を導いたと言える。

 

結局、国民は混乱に備え、相当の覚悟が必要です。

 

 

 

C: 大統領に人格や見識は必要ないのだろうか?

 

例えば、彼は数度の倒産にもめげず大富豪に成り得たのだから素晴らしい胆力と能力を持っていると評価される。

見方を替えれば、幾度も借金を踏み倒し、従業員を路頭に迷わせたのだから、無計画で無責任な人間とも言える。

 

実際、彼のビジネス手法には違法まがいが目立ち、また脱税(節税)しているらしい。

はたしてこのような人物に国を任して良いのだろうか。

 

 

D: トランプを期待する心理の不思議。

 

概ねトランプを評価する著者らは共和党寄りのように思える。

彼らは民主党政権には辛辣だが、共和党への悪口がまったくない共通点がある。

逆も真なりですが。

 

例えば、ヒラリーは多額の献金を受け、戦争を拡大させ、裏で汚い事をしていると罵る。

また民主党政権は中東で手を打たなかったから戦火が拡大したと言い、一方でトランプは外国に干渉しないから、世界は平和になるとも言う。

中東を大きく混乱させたのはブッシュ親子だと思うのだが。

 

私は、どっちもどっちで、まだ民主党の方が少しましなように思えるが。

 

また、盛んに陰謀論を唱える福島隆彦は2016年7月出版の本で、ロックフェラーがトランプに決めたと自慢げに書いている。注釈1。

キッシンジャーとトランプの娘婿の父親は共にユダヤ系の大物であり、彼らが仲介したと説得的でした。

 

しかしその年の4月の彼の本を見ると、ロックフェラーがヒラリーに決めたと書いていた。注釈2.

 

陰謀論は読んでいてワクワクするが、少し考えれば腑に落ちないことが見えてくる。

 

 

まとめ

やはり、米国は病んでいる。

米国主導のグローバリズムによって世界も病んでいる。

グローバリズムが悪いわけでは無いが、自由放任が悪い。

 

いつしか、既得権益層が社会を牛耳り、格差拡大が蔓延し、大衆の団結を防ぐ為に疑心暗鬼が煽られ、分断が深まった。

そして社会を変えられない大衆が焦り、そしてポピュリズムによる大きな左右への揺れが起きた。

 

この状況は、帝国主義やファシズムを生み出した社会と酷似しているように思えるのだが。

この時も、ナショナリズムと保護主義が世界に蔓延して行き、2度の大戦へと繋がった、

 

皆さん、どうか自分の身を守る術を考えておいてください。

 

 

 

3

*3

 

 

参考文献の紹介

*「トランプがはじめた21世紀の南北戦争: アメリカ大統領選2016 」

渡辺由佳里著、2017年1月刊。

 

彼女は米国で長年暮らしているジャーナリスト。

この度の大統領選の集会などを直に取材し、市民の眼からレポートしている。

トランプを支持する人々(主に白人)の実態が良く伝わってくる。

彼女はヒラリー寄りで、リベラル派の惨敗に気落ちしている。

 

 

*「トランプ政権でこうなる! 日本経済 」

岩崎博充著、2016年12月刊。

 

彼は日本在住の経済ジャーナリスト。

この大統領選挙を取材ではなく資料や本から分析しているようです。

トランプが選ばれた背景を妥当な情報で分かりやすく解説している。

私の感じでは、中立的な立場で、トランプ政権の今後を占っている。

彼はトランプによって災いが起きることを恐れている。

 

 

*「なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか? 」

佐藤 則男著、2015年11月刊。

 

彼はニューヨーク在住40年を超えるジャーナリスト。

書かれたのが序盤戦(予備選)の時期なので切実感はないが、米国大統領選の裏表を見せてくれる。

また序盤でのトランプへの悪評とヒラリーへの嫌悪感がよく伝わってくる。

彼は共和党寄りです。

 

 

*「トランプ大統領とアメリカの真実」

副島隆彦著、2016年7月刊。

 

彼はアメリカ政治思想研究の第一人者と自称している。

大統領選が混沌としている中で、早々とトランプで決まりと発言している。

本は読んでいて面白い。

米国の政治思想史や支配層の人脈を縦横に駆使しながら大統領選を鮮やかに分析している。

陰謀説で、踏み込んで断定する割には、2017年2月20現在において、多くが外れている。

極端で眉唾ものと思って読む分にはよい。

なぜか、この手の本はアマゾンでは評価が高い・・・。

 

 

*「『闇の支配者』最後の日々」

ベンジャミン・フルフォード著、2016年4月刊。

 

彼はカナダ出身のジャーナリストで日本に帰化。

この本ではトランプは扱われていませんが、米国の裏側を知りたいと思って読みました。

日本、米国、世界を股にかける闇の支配者が出て来ます。

私には、真贋を検証する力がありませんので、途中で放棄しました。

これもアマゾンでは評価が高い・・・。

 

 

*「トランプ・シフト これからの世界経済に備える14のこと」

塚口直史著、2016年12月刊。

 

彼は大成功しているヘッジファンドマネージャーで、世界の政治史にも見識がある。

この本は、トランプ後の世界の経済・金融を理解するには必見です。

経済用語が出て来て読みづらいところはあるが、読めば世界の現状と混乱の広がる様子を知ることが出来ます。

日本のアベノミクス、日銀政策についても明快な判定を下しています。

 

彼は、現実に大きな資金を運用する立場にある為、この危機にあって、今は様子待ち(手元流動性を高め)を行い、しっかりと備えるべきと警鐘を鳴らしています。

 

私がトランプの次に恐れているのは、中国経済の崩壊ですが、これがトランプによって更に悪化するかもしれない。

世界の悲運は、政府の些細な判断ミスや外交ミスの積み重ねで訪れるものです。

 

これで終わります。

 

 

注釈1

既述の「トランプ大統領とアメリカの真実」

 

 

注釈2

「マイナス金利「税」で凍りつく日本経済」副島 隆彦 著。

 

 

 

 

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Bring peace to the Middle East! 69: Why was it exhausted ? 7: The period background of imperialism 2


中東に平和を! 69: なぜ疲弊したのか 7: 帝国主義の時代背景 2

1a

*1

Last time we saw why the imperialism began.
However, the explanation lacks a certain something.

前回、なぜ帝国主義が始まったのかを見ました。
しかし、何か大事なことが抜けている。

 

2

*2

 

What did it lack?
In the previous explanation, it is difficult to understand why competition for getting parts of colony began in the 1880’s.
There must be a common motive for Western countries, and I think it eventually led to two great wars.

In the latter half of the 19th century, there are some important changes that occurred in the Western Europe.

A: Capital exports and emigrants from the Western Europe had doubled every 10 years.
For example, the development of steamboats expanded a maritime traffic, and the export value was growing every year.
After the Industrial Revolution, the economy and the science technology developed, so the difference in national power between the UK and the US or the Germany was decreasing in size.

B: Although the economic recession had already occurred repeatedly, finally a major depression lasted for about 20 years since 1873.
As a result, each country took a protective trade policy, and at a same time nationalist sentiment intensified.

C: A thought “The Western Europe is superior to the other world and develops” had been timely widespread .
The people adopted Darwin’s theory of evolution, and they were convinced that the excellent Western civilization was evolving through the principle of the survival of the fittest.

D: In 1884, 14 Western countries held a conference in Berlin, and decided the rules of partition of Africa, then after that the competition for getting parts of colony began.

At that time, the Africa was an unexplored area where fever disease spread in, and the colony of the Western Europe was only 10% in it.
A conflict occurred when countries (Belgium etc.) that had lagged behind in getting of colony tried to enter it.
In order to prevent this conflict, certain rule ” the country that first occupied and dominated colony is granted the control of it” was stipulated.
Thus, the competition began.

Although there is a part overlapping with the previous explanation, you may notice a strange something.

 
何が抜けているのか
前回の説明では、1880年代から植民地獲得競争がなぜ始まったが分かり難い。
やはり西欧諸国に共通する動機があるはずで、やがてそれが二度の大戦へと繋がったように思える。

19世紀後半、西欧に起きていた重要な変化を挙げます。

A: 西欧からの資本輸出と移民が10年毎に倍増した。
例えば蒸気船の進歩が海上交通を発展させ、輸出額は毎年伸びていった。
また産業革命後、経済と科学技術が発展し、これによって英国と米国やドイツなどの国力差が縮小した。

B: 既に景気後退が繰り返し生じていたが、ついに1873年から大不況が約20年間続いた。
これによって各国は保護貿易に転じ、また愛国主義の風潮が高まっていった。

C: まさにこの時期、「西欧は世界に優越し発展する」との思想が広まっていた。
彼らはダーウインの進化論を取り入れて、優れた西欧文明は適者生存により発展していると確信した。

D: 1884年、西欧14カ国がベルリン会議を開き、アフリカ分割のルールを決め、この後、植民地獲得競争が始まった。

当時、アフリカは熱病が蔓延する未開の地で、1割が西欧の植民地となっていただけであった。
そこで、植民地獲得に遅れをとっていた国(ベルギー)が参入しようとして衝突が起きた。
この争いを防ぐ為に、ルール「先に占領し支配した国が領有する」が定められた。
こうして競争が始まった。

これは前回の説明と重複するところもあるが、こうして見ると不思議な事に気づく。

 

3

*3

What is it?
That is certain mentality of the Western Europe that appears in the above paragraph C and D, and it is probably more intense than East Asia.

If I were to use one word, it will be a feeling of superiority passing over a self-confidence of Westerners.
They who were Christian and White despised pagans and different races.
They understood a social system that was different from their society as deteriorating or undeveloped society.
What an inconsistent stance. Annotation 1.

 
それは何か
それは前述のC,D項に現れている西欧の心性で、おそらく東アジアより強烈と思われます。

敢えて言うならば、それは西欧人の自信を通り越した優越感でしょうか。
キリスト教徒であり白人である彼らは異教徒や異なる人種を蔑んだ。
彼らは自分達の社会制度と異なるものは劣化か未発達だと捉えるところがある。

例えば、欧米は東京裁判において日本を「平和に対する罪」などで裁いた。
この罪は侵略戦争に対して言っているのですが、この60年前のベルリン会議で、欧米は侵略を合法化していたのです。
如何にも矛盾しています。注釈1.

 

4

*4

 

What is the mentality of the imperialism?
In the age of European Imperialism, the brutality of the Western Europe that was shown in colonies was based on a strong discriminatory sentiments and contempt.

This would have lowered resistance sentiments toward exploiting and controlling the colonies.
Although this mentality was also common to the empire of Japan and the fascism of Nazi Germany.

Then, what has happened?
In 1914, the First World War began from one assassination incident in the Balkans.

In the competition for colony, the Western countries did not big fight against each other.
However, during the competition, eventually the greed of larger countries and the backlash of the colony must have exploded.

Knowing this process, the judgment of whether the imperialism was holding down internal conflicts or was preparing the world war depends upon the person.
I have the latter view.

This continues to the next time.

 

帝国主義の心性とは何か
帝国主義の時代、西欧が植民地で行った蛮行に通底しているのは、強烈な差別感情、蔑視でした。
これが植民地への搾取や支配への抵抗感を低くしたことでしょう。
もっとも、この心性は大日本帝国やナチスドイツのファシズムにも共通していたのですが。

 
その後、何が起きたのか
1914年、バルカン半島での一つの暗殺事件から第一次世界大戦が始まります。

植民地争奪では西欧各国は互いに大きな戦闘をすることはなかった。
しかし、植民地の獲得競争の中で、やがて大国の強欲と植民地の反発は爆発することになった。

この経緯を見て、帝国主義が内紛を抑えていたのか、はたまた世界大戦を準備していたのかは判断が別れます。
私は、後者の見方に立ちます。

 
次回に続きます。

 

 
注釈1.
この60年間の隔たりをどう見るのか。
それまでの西欧の激しい対立と戦争の歴史、特に二つの大戦の経験から、彼らは大いに反省し、自らも含めて侵略行為に制裁を科そうとしたのだろうか。
残念ながらそうは思えない。
米国による広島への原爆投下や、ベトナム戦争などから察すると、やはり欧米の異人種・異教徒への蔑視と復讐心は強烈で、自戒をあまり期待できないようです。

私は東京裁判の意義を認めるが、この心性に人類共通ではない特有の恐ろしさを見る。
しかし、この章では深く立ち入らない。

 
参考文献
帝国主義については下記図書を主に参考にしました。
「概説 世界経済史Ⅱ」p176-191.
「早わかり 世界史」p254-259.
「世界の歴史 帝国の時代8」第二章。
「世界歴史地図」ムーア著、第9章。
「丸善エンサイクロペディア 大百科」p1778.
「帝国主義」アンドリュー・ポーター著。

 

 

 

 

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Bring peace to the Middle East! 65: Why was it exhausted ? 3: Why is the selfishness permissible?


中東に平和を! 65: なぜ疲弊したのか3: なぜ身勝手がまかり通るのか 

 

1a

< 1. TPP support enterprises >
< 1.TPP支援企業 >

 

Last time, we saw the selfishness of major nations and multinationals.
Why is the selfishness permissible, and why does it continue to happen?
We look at the motive of the major nations from now on.

前回、大国と多国籍企業の身勝手を見ました。
何ぜ身勝手がまかり通り、起こり続けるのか?
これから大国の動機を探っていきます。

 

2
< 2. an apparel factory in Bangladesh collapsed in 2013 >
< 2.2013年、バングラデシュのアパレル工場のビルが倒壊 >

 
The selfishness of major nations that has been permissible
In this chapter, we are going to look at why many countries on the Earth can’t choose but be exhausted, but there is a thing we have to know before that.
That is to say, “Why have the major nations and multinationals repeated the selfishness, and why have the people been indifferent to it?”

For one thing, because major nations and multinationals were hardly punished even if it were sacrificing weaker nations and the citizens, as in the previous four cases.
These cases are relatively recent, the world yet can’t do something about these.

Why can’t we stop the situation that the many lives and property of weaker nations are being lost and human rights are being ignored?
The reason is that major nation has overwhelming power in economics, diplomacy and military power, so many countries follow it.
This is a reality that does not require explanation.
For example, it is evident when looking at the neglect of the UN Framework Convention on Climate Change(COP), the starting the Iraq war, and the veto in the U.N.

 
まかり通る大国の身勝手
この章では、地球上の多くの国が疲弊せざるを得なくなった理由を見て行くのですが、その前に知っておくべきことがあります。
それは、「なぜ大国と多国籍企業が身勝手を繰り返し、また多くの国民はそれに無関心なのか?」と言うことです。

一つには、前回の4つの事例のように大国と多国籍企業が弱小国やその国民を犠牲にしてもほとんど罰せられないことがあります。
これらの事例は比較的最近のもので、世界はこれらにまだ対処出来ていない。

なぜ、弱小国の膨大な人命や財産が失われ、人権が無視されているのに止めることが出来ないのでしょうか。
その理由は、大国は経済、外交、軍事力で圧倒的な力を持ち、多くの国が追従していることにある。
これは説明を要しない現実です。
例えば気候変動枠組条約の無視、イラク戦争開始、国連での拒否権などを見れば明らかです。

 

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< 3. Celebrities >
< 3. 著名人 >

Takenaka: a Japanese economist who espouses globalization.
Piketty: a French economist who raises an alarm over the disparity of the world.
Pal: an Indian lawyer who protested Western imperialism.

・竹中平蔵: グローバル化を信奉する日本のエコノミスト。
・ピケティ: 世界の格差に警鐘を鳴らすフランスの経済学者。
・パール: 欧米の帝国主義に異議を唱えたインドの法律家。

 
Furthermore, selfishness of multinationals
The multinational is the most leading player in globalization and sometimes causes major problems.
The remarkable points are a perpetrator of a bubble economy, and the pollution and poor labor conditions in developing countries.
Even if we abandon a tyranny of major nation, we want just preventing a tyranny of multinationals, but this also is difficult.

Today, the total sales of multinationals (60 thousand companies) account for more than half of the world’s total production, and two-thirds of the world trade is the trade among multinationals. Annotation 1.
The sales of No. 1 multinational (Walmart) in 2015 is next to Sweden, the 24th largest in the world in terms of nominal GDP.
Actually, the problem is not only the scale but also the control.
Multinational is not stateless, but are protected by the major nation that it belongs in.
According to James B. Glattfelder. Annotation 2.
737 major shareholders have the power to control 80% of the value of multinationals.
The number of this major shareholders is about 0.1% of the total, and the US and UK financial institutions account for most of it.
Furthermore, 146 shareholders being a key part of it can control 40% of the value of multinationals in the world.
In addition, 1,400 worldwide billionaires have 1.5% of the world’s total assets. Annotation 3.

Person accepting the current situation says that selfishness is just one aspect of globalization, and we only leave it. ( Takenaka etc.).
Meanwhile, there are persons who say that the world has to control the selfishness and establish world-wide justice (law) . (Piketty, Pal)

The times that this capital and companies of major nations began to embark on the world is during the Age of Discovery, next it was extremely fierce in the imperialist era, and continue to the present time.

This continues the next time.

 
さらに多国籍企業の身勝手
グローバル化の立役者であり、大きな問題を引き起こすのは多国籍企業です。
目立つものでは、バブルの張本人や低開発国での公害や劣悪な労働があります。
大国の横暴は諦めたとしても、企業の横暴ぐらいは防ぎたいと思うのは人情ですが、これが難しい。

現在、多国籍企業(6万社)の総売り上げは世界の総生産の半分以上を占め、世界貿易の3分の2は多国籍企業間の貿易です。注釈1.
2015年の多国籍企業No1(ウォルマート)の売り上げは、名目GDPで世界24位のスウェーデンの次に来ます。
実は、問題は規模だけでなく、その支配にあります。
多国籍企業は無国籍ではなく、その国籍がある先進国によって守られています。

James B. Glattfelderによれば。 注釈2.
737の大株主が多国籍企業の価値の80%をコントロールする力を持つ。
この737という大株主の数は全体の0.1%程度で、アメリカとイギリスの金融機関がほとんどを占めます。
さらにその中核部の146の株主が世界の多国籍企業の価値の40%をコントロールできるのです。
なお世界の億万長者1400人が世界総資産の1.5%を持っている。注釈3.

これらは米国や英国など一部の人々(超富裕層)が世界経済を、さらには国をもコントロール出来ることを示唆しています。

現状肯定派は、これらはグローバル化の一側面に過ぎなく、手の打ちようが無く、放任するしかないと言う(竹中平蔵など)。
一方、この身勝手を食い止め、世界共通の正義(法)を確立せよと言う人もいる(ピケティ、パール判事など)。

この大国の資本と企業が世界に乗り出すのは大航海時代に始まり、帝国主義時代で熾烈を極め、そして現代へと続いている。

 
次回に続きます。

 
注釈1.
下記から抜粋引用。
http://www.geocities.jp/isciscisc52/middle/isc52______link/table2_doi.htm

注釈2.
下記から抜粋引用。

発言者は下記書物の著者です。
Decoding Complexity: Uncovering Patterns in Economic Networks

注釈3.
ピケティの「21世紀の資本論」の図12-1、2より。

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Bring peace to the Middle East! 64: Why was it exhausted ? 2: selfishness of major nations and multinationals


中東に平和を! 64: なぜ疲弊したのか 2: 大国と多国籍企業の身勝手

 

1

*1

 

The selfishness is inconspicuous, but the damage of weaker nations is enormous.
This is deepening the division of the world.

大国の身勝手は目立たないのですが弱小国の被害は甚大です。
これにより世界の分断が深まっています。

 

2mennka

< 2. a particular of a subsidy policy >
< 2. 補助金政策の顛末 >

· cotton growers in the USA and Africa.
· the Graph shows a change of cotton price, and the red frame is in the time of Bush administration.

・米国とアフリカの綿花農家。
・グラフは綿花価格の推移、赤枠はブッシュ政権時。

 

Case A
In the time of the Bush administration, he doubled the cotton subsidies.
The USA issued the subsidies of $ 3 to 4 billion to 25,000 cotton growers.
This amounted to about 40% of the cotton production value of the USA, and the export price fell by this.
The cotton production value of the USA is the third largest in the world and accounts for 10%.

As a result, about 10 million farm families suffered a sever damage in Sub-Saharan Africa alone.
If this situation continues for several years, the small-scale farmers will not be able to recover.

Brazil, the production is the fifth highest in the world, sued the subsidy to the WTO, and the adjudication of a ban against the subsidy was issued.
While major nations say free trade, they sacrifice weaker nations by using all means such as export subsidies.
事例A
ブッシュ政権の時に、綿花の補助金を2倍に引き上げた。
米国は25000戸の綿花栽培農家に30~40億ドルの補助金を出した。
これは米国の綿花生産高の約40%になり、輸出価格はこの分下がった。
米国の綿花生産高は世界第3位で10%を占めている。

これによってサハラ以南のアフリカだけで約1000万戸の農家が打撃を受けた。
このようなことが数年も続くと、零細農家は再起不能になる。

生産高5位のブラジルはこの補助金をWTOに提訴し、補助金禁止の裁定が下された。
大国は自由貿易を謳っていながら輸出補助金などあらゆる手段を使い、弱小国を犠牲にする。

 

3ajia
< 3. Asian currency crisis >
< 3.アジア通貨危機 >

· Thailand of a victim country and the USA of a financial heaven.
· The damaged countries (orange), and the changes of the GDP in the time.

・被害国タイと金融天国の米国。
・被害国(橙色)とGDPの推移。

Case B
In 1997, the hedge fund led by George Soros suddenly made a short-sale against Thai currency, and the currency fell sharply (Asian currency crisis).
Thus, the economy of the five countries in which 500 million people live, mainly Southeast Asia suffered a sever damage, and the number of poverty rate and suicide doubled by the increase in unemployment.
Furthermore, the deaths from a disease also increased due to the reduction of welfare budget.
For this, the IMF and Japan etc. proffered a total of 5 trillion yen for the affirmative relief.

In exchange for the lives of about 100,000 blameless Asian, the speculators of major nation gained over several hundred billion yen in profit.
However, their conduct is not illegal and is also protected by major nations. Annotation 1
事例B
1997年、ジョージ・ソロスが率いるヘッジファンドがタイの通貨を空売りし、通貨が大幅に下落した(アジア通貨危機)。
そして、東南アジアなど5億人が暮らす5カ国の経済は大打撃を受け、失業の増大により貧困率と自殺者は概ね倍増した。
さらに福祉予算の削減により疾病による死者も増加した。
このためにIMFと日本などは合計5兆円の救済を行った。

罪のないアジアの約10万人の命と引き換えに、大国の投機家は数千億円以上の利益を得た。
ところが彼らの行為は違法ではないし、さらに大国によって守られてもいる。注釈1。

 

4bakuhatu0
< 4. Explosion accident at a chemical plant >
< 4.化学工場の爆発事故 >

· The exploded chemical plant, the injured persons, and the demonstrations.

・爆発した工場と被害者、デモ。
Case C
In 1984, a toxic gas outflow accident occurred in the chemical plant of “Union Carbide Corporation” of the USA in Bhopal, India, and thousands of people died.
After the accident, more than 20,000 people died and about 100,000 people suffer from health problems such as respiratory diseases and eye diseases.
About 600,000 people including the families are damaged.

The Indian government accused the management team of the factory to the court, but the USA refused to hand over a responsible person and he is still running away.
The amount of the compensation was 500 dollars per person and it was only one sixth of the bill, furthermore the damage is expanding by the outflowing material.
事例C
1984年、インド、ボパールの米国の化学工場「ユニオンカーバイト」で有毒ガス流出事故が発生し、数千人がなくなった。
事故後、2万人以上が死亡し、約10万人が呼吸器疾患や眼病などの健康被害を受けた。
家族を含めて総勢60万人近くが被害を受けた。

インド政府はこの工場の経営陣を裁判所に告発したが、米国は責任者の身柄引き渡しを拒み、彼は現在も逃亡中です。
賠償額は一人500ドルで訴訟請求額の6分の一に過ぎず、さらに流出物質により被害は拡大している。

 

 

5papua3

< 5. pollutants dumping from a mine >
< 5. 鉱山の汚染物質投棄 >

· the location of the mine and the polluted river.

・鉱山の位置と汚染された川。
Case D
The mine “Ok Tedi” of the world’s largest Australian resource development company had mined gold and copper in Papua New Guinea for more than 20 years.
This mine had earned 30% of the total export value of this country.

Eighty thousand tons of ore (pollutant) was kept flowing in the river every day.
Malformation occurred due to mineral poison, a large amount of earth and sand was accumulated in the entire downstream area, and enormous forest disappeared.
It is said that this recovery will take 200 years.

When this company was accused of the environmental destruction in 2002, it decided to close it in 2010, by considering depletion of the mine and huge damages compensation.
As a result, the local government had to clean up it.

This continues the next time.

 

事例D
世界最大のオーストラリア系資源開発会社の鉱山「オク・テディ」が20年以上、パプアニューギニアで金・銅を採掘していた。
この鉱山は、この国の輸出総額の3割を稼いでいた。

毎日8万トンの鉱石(汚染物質)を川に流し続けていた。
鉱毒で奇形が発生し、大量の土砂が下流全域に堆積し、膨大な森林が消滅した。
この回復には200年を要すると言われている。

この会社は2002年に環境破壊で訴えられると、鉱山の枯渇と膨大な損害賠償を考慮し、2010年に閉鎖することにした。
その結果、地元政府はこの後始末をしなければならなくなった。
次回に続きます。

 
注釈1.
ジョージ・ソロスは、タイの通貨管理がお粗末なので、どうせ誰かが仕掛けて破綻しただろうと言い、微塵も責任を感じていない。
これを例えるなら、衛生状態が悪い地域で病原菌を増殖させ、疫病が蔓延した後に薬剤を高値で売りつけるのと変わらない。
これで10万人の死者が出ても、世界は見過ごすだろうか。
大国のした事なら文句は言えないかもしれないが。

参考文献
「スティグリッツ教授の経済教室」スティグリッツ著。
「世界経済を不幸にしたグローバリズムの正体」スティグリッツ著。
「世界に格差をばら撒いたグローバリズムを正す」スティグリッツ著。

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ロシアとバルト3国、ポーランドを巡る旅 12: ロシアの大型スーパー


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*1

 

 

今日は、サンクトペテルブルグのホテル近くにある大型スーパーを紹介します。

またホテルからエカテリーナ宮殿到着までの景色も紹介します。

 

 

 

 

2

< 2.宿泊したホテルと大型スーパー >

 

上の写真: 宿泊したホテルは空港近くのCrowne Plaza St. Petersburg Airport です。

中央の写真: ホテルの部屋から大型スーパーLENTAが右側に見えます。

下の写真:  LENTAの正面。

このスーパーは24時間営業です。

 

 

 

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< 3. レジ >

 

私達はホテル到着後と翌日の早朝、2回買い物に行きました。

日本の大型スーパーと同じ規模です。

 

 

 

 

4

< 4. 衣類と家電製品 >

 

旅行時の為替は1ルーブルが約1.6円でした。

したがって、上の写真の衣類の値札は600~1900円で、日本と変わらない。

下の写真の家電製品の値札は1600~8000円で、日本よりも安いかもしれない。

私は中央の暖炉型ファンヒーターが気に入りましたが、後に各地のレストランで見ることになりました。

 

 

 

5

< 5. パンと菓子の売り場 >

 

ここで面白い経験をしました。

 

私達は旅行前から本場のピロシキを食べようと計画していました。

ところが、食べる機会がなく、今日(9/30)にはロシアを離れてしまいます。

またこのスーパーにも、それらしきものが見つかりません

それで、店員やお客さんをつかまえては、「ピロシキ」「ピロシキ」と連呼して聞きました。

4人以上に聞いたと思いますが、皆、「ピロシキ」に近い発音をして、それぞれ異なる菓子パンやケーキ類を指差します。

わけがわかりません。

結局、私達はお客さんがよく買うパンを買って諦めました。

 

この日の、昼食時、現地ガイドにこのエピソードを伝えました。

彼曰く、ピロシキは中に総菜が入ったパンのことで、各地で異なる。

私達は、「パルナスのピロシキ」のような揚げたパンを探していたが、それは無かった。

 

私達は異国の文化や風習をいとも簡単に見誤るようです。。

「ロシアではもうピロシキを食べていない」と!

 

 

 

 

6

< 6.果物や野菜の売り場 >

 

 

7

< 7.他の売り場 >

 

スーパーにて

私達がニュースで見た1990年代のロシアの経済状況は酷かった。

当時、人々は物が無く、少ない配給品を買うために行列を作って並んだ。

またルーブルの価値が下落し、経済は崩壊しているように映った。

しかし、今回の旅行でモスクワとサンクトペテルブルグの大都市を見て、豊富な商品に驚いた。

ロシアの一人当たりのGDPは日本の6割ぐらいですが、このスーパーの商品価格は高くないので、暮らしは悪くないように思えた。

この経済復興を見れば、ロシアでのプーチン大統領人気が高いのもうなづける。

 

スーパー内の商品の説明書きに、一切英語表記がありません。

おそらくすべてロシア語表記なのでしょう。

これには困りました。

お菓子の計り売り器などの使い方が分からず、店員に聞いても、まったく通じません。

ロシアの閉鎖性が気になりました。

これでは欧米との意識のギャップは深まるばかりです。

 

 

 

8

< 8.ホテルを出発 >

 

 

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< 9.エカテリーナ宮殿に近づいた >

 

今日は、快晴で紅葉が映えていました。

 

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< 10. エカテリーナ宮殿に到着 >

 

周囲はエカテリーナ宮殿の庭園です。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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Bring peace to the Middle East! 46: Now, something I think. 2


中東に平和を! 46: 今、思うこと 2

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< 1. KKK >
I looked at the absurdity of the Middle East last time.
From now on, I will look at negative side of the human family inviting the absurdity.

 

前回、中東の不条理をみました。
今後は、この不条理を招く人類の負の側面を見て行きます。

 

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< 2. agriculture of Jewish immigrants in Palestine >
< 2. パレスチナでのユダヤ移民の初期農業 >

 

The unintelligible absurdity
For example, would you image an economic competition between Jewish immigrants and indigenous Arab ?
The Jew bought land with much money, and surpassed indigenous Arab with richer investment capital and sophistication.
Do you think that it was a free competition and wasn’t a colonial rule?

 

If you think so, would you image a situation that immigrant group freely came in your neighborhood, buys up the land in large quantities, and does self-indulgently ?
Naturally your nation should establish a law and stop the action.

 

However, many indigenous groups couldn’t take this countermeasure.
One of the Palestinian tragedy is that the Jew having their own country could make a law freely, in contrast, the Arab had not their own country.
For example, the Jew admitted the Arab’s right to vote, but, did not allow the Arab to found their political party.
The Jew was very clever.

 

There is much mechanism producing such absurdity.
However, the world can’t well deal with these yet.
I will investigate problems common to all humankind that drove the Middle East into the miserable situation from now on.

 
見え難い不条理
例えば、パレスチナでのユダヤ人入植者と先住のアラブ人の経済競争を考えましょう。
ユダヤ人は金に飽かして土地を買い、さらに豊かな投資資本と高度な知識をもって、先住者を凌駕する。
皆さんは、これは自由競争であって、植民地支配じゃないと思いますか。

 

そう思われる方は、現実にあなたの近くに移住者が自由に入って来て、土地などを大量に買い占め好き放題にする状況を想定してください。
当然、国として法を定め対抗手段を取ることになる。

 

ところが、多くの先住集団はこの対抗手段が取れないのです。
パレスチナの悲劇の一つは、アラブ人には国が無く、国を持ったユダヤ人は都合の良いように法律を作ることが出来たことにあります。
例えばアラブ人に選挙権を認めても政党を作らせないとか。
実に巧です。

 

このような不条理を生むメカニズムは多々あります。
しかし、世界はこれらにまだうまく対処出来ていない。
これから中東を悲惨な状況に追い込んだ人類共通の問題点を見て行きたい。

 

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< 3. Jews of Warsaw being taken away by German military >
< 3. ドイツ軍に連行されるワルシャワのユダヤ人 >
Planned themes I take up from now on

 

1. About the relation between religion and law
We look at the relation between religion and law by means of comparing the birth of the world religions.
In the Islamic world, the all laws have evolved from the Koran.
Observing the Arab world from the outside, we may feel it a cause that has depressed the Middle East and has interrupted the modernization.
Therefore, through a comparison with the birth of the world religions, we get to know why the Islam had taken the legal system being different from others.
From there, we can understand a role of law.

 

2.About the birth of a terrorist
We previously saw the situation that terrorism of radical extremist was caused by intensified struggles in the Middle East.

 

This time, we spotlight an individual and investigate the relations of the terrorism outbreak between European society.
From there, we can know that discrimination and persecution might make people radical, and become a terrorist.
3.Why does religious persecution occur ?
In the Middle East, the opposition between pagans and denominations became tinderbox.
A problem of the Palestine was caused by the opposition between the Jew and Muslim, but there was the persecution of the Jewish people by the Christian first.
We look at why Christian came to persecute the Jew.
However, this is a phenomenon to be seen in every religions widely.

 

4. About some factors to exhaust the society, and to embroil it in devastating fighting.
There were the effect of a colony and the Cold War in the factors of the problems of the Middle East.
Damage and aftereffects that these two gave human family are serious, but reality people don’t recognize it so much.

 

The reason that people aren’t conscious of that much is because that the most of the cases were started on as national interest protection or defensive measure in an unknown area when a country gets involved in it.

 

These four themes formed negative side of the world history more or less.
Our peaceful society depends on how we deal with these factors.

 

This continues the next time.
今後、取り扱う予定のテーマ

 

1.宗教と法の関わりについて

 

ここでは、代表的な世界宗教の誕生を比較しながら、宗教と法の関わりを見ます。
イスラム世界ではすべての法律がコーランから発しています。
アラブの外から見れば、これが中東の近代化を阻害し停滞させている一因に見えるかもしれません。
そこで、幾つかの世界宗教の誕生と比較して、なぜイスラム教は他と異なる法制度を取るようにようになったかを見ます。
そこから法の役割が見えて来ます。

 
2.テロリストの誕生について

 

今まで中東内部の抗争激化から過激派のテロが生まれる状況を見て来ました。
今度は、個人にスポットを当て、欧州社会とテロ発生の関係を見つめます。
そこから差別と迫害が、人々を先鋭化させテロに走らせる可能性が見えて来ます。
3.なぜ宗教は迫害を生むのか

 

中東において、異教徒間や宗派間の対立は紛争の火種になっていました。
パレスチナ問題はユダヤ教徒とイスラム教徒との対立ですが、その前にキリスト教徒によるユダヤ教徒の迫害がありました。
ここでは、キリスト教徒がなぜユダヤ教徒を迫害するようになったかを見て行きます。
しかし、これは特定の宗教に限ったことではなく、広く宗教全般に見られる現象です。

 

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< 4. agriculture of Japanese immigrants in Manchuria >
< 4. 満州での日本人移民の農業 >

4.社会を疲弊させたり、紛争に巻き込む要因について

 

中東問題の要因に植民地と冷戦の影響がありました。
この二つが人類に与えた被害と後遺症は甚大なのですが、一般にはそれほど認識されていないのが現実です。

 

これがそれほど意識されない理由は、国がこれに手を染める時、多くは国益保護や防衛手段として始め、また多くの国民にとって見知らぬ地域で行われたからです。

 

これら4つのテーマは、大なり小なり世界史の負の側面を形作って来ました。
人類が如何にこの要因に対処するかで、平和な社会の到来が決まるでしょう
次回に続きます。

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Something is strange! 50: Wonder of the U.S. presidential election


何か変ですよ! 50: 米国大統領選の不思議

 

1

*1
There is what I always have wondered about.
Why will people look the other way on future crises?
I look at such example in current the U.S. presidential election.

 

私は常々、不思議に思うことがあります。
なぜ人々は未来の危機から目を逸らすのでしょうか?
その例を米国大統領選から見ます。

 
Wonder of the U.S. presidential election
To emerge from current distressed condition, certain people refuse existing politician, and appeal the necessity of Donald Trump being a shrewd manager.
Will they appeal it knowing who invited the current distressed condition?

 

At every presidential election, they have chosen certain political party which used the dangerous means (reduction tax, favorable treatment of a wealthy class, monetary increase, deregulation) under the pretense of economic revitalization.
As a result, the economy of the U.S. rose, but financial crisis was repeated, and income gap continued to spread.
Some economists always sounded an alarm bell for this crisis.

 
米国大統領選の不思議
トランプ氏を支持する人々は、今の窮状から抜け出すには、既存の政治家ではだめで、経営者トランプ氏の辣腕が必要と訴える。
彼らは、誰が今の状況悪化を招いたかを知って訴えているのでしょうか?

 

彼らは大統領選の度に、経済活性化と称して危い手段(減税、富裕層優遇、貨幣増発、規制撤廃)を使う政党を選んだ。
その結果、米国の経済は上昇したが、金融危機は繰り返され所得格差は拡大する一方でした。
以前から、一部の経済学者はこの危機に警鐘を鳴らしていた。

 

2

< 2. The U.S. economic growth and a change of income >
< 2.米国の経済成長と所得の推移 >

 

Upper chart: a green line is the U.S. economic growth.
The economy increased to approximately 2.3 times between 1980 and 2010.

 

Lower chart: a change of each quintile income.
The highest income class increased to approximately 2 times between 1980 and 2010, but the lowest income class only increased to approximately 1.1 times in the same period.

 

上のグラフ: 緑線が米国の経済成長。
1980-2010年の間で約2.3倍に経済は拡大した。

下のグラフ: 年収5分位の年収の推移。
1966-2010年の間で、最高所得層は約2倍、最低所得層は約1.1倍に過ぎなかった。

 

3

< 3. changes of income differentials and political party approval rating in the U.S. >
< 3.米国の所得格差と政党支持率の推移 >

 

Upper chart: a dark blue line is a change of Gini coefficient in the U.S.
Three green frames show the political administration by other political party.
The bigger the Gini coefficient, the larger the income differentials.

 

Lower chart: a black line indicates the approval rating of unaffiliated voters.

 
The different political party have corrected the income differentials, so the Gini coefficient decreased, but it was like a drop in the ocean.

 

In addition, the ardent support to the political party decreased, and unaffiliated voters increased, and distrust of politics advanced.

 

They ignored these clear omen for 20 years, and only demanded near-term economic recovery.
In an extreme case, it may be said that they appealing invited this current distressed condition.
Furthermore, will they jump at the stopgap dangerous policy here?

 

I think this is mysterious.

 
上のグラフ: 紺色の線が米国のジニ係数の推移。
緑の枠が別の政党の政権時代。
ジニ係数の高い方が、所得格差が大きい。

 

下のグラフ: 黒線が無党派層の支持率。

 
別の政党は逆の手段を講じ格差を是正し、ジニ係数は低下したが、焼け石に水だった。
また政党への熱烈な支持が減り、無党派層が増えて、政治不信が進んでいた。

 

20年も前から、これら予兆は明らかだったのに、彼らはこれらを無視し目先の景気回復を求めた。
極論すれば、今、訴えている人々が、この窮状を招いたと言える。
さらに、ここで急場しのぎの危い政策に飛びつくのでしょうか?

 

私は、このことが不思議でならない。

 
Why will the people ignore omen of crisis?
The reason is mainly three.

 

1. Person does not notice the omen of the crisis.
This is because the person shows disinterest in it and is a lack of understanding about it.

 

2. Person can not evaluate which crisis is the most important.
Even if the person interested about future crises, it is difficult to evaluate them because future crises are almost innumerable.
For example, these crises are war, economic ruin, global warming, resource depletion, and refugees.

 

Furthermore, there is an embarrassing situation.
The huge vested interest group makes full use of political ability and propaganda.
Because of this, it becomes hard to see more and more what is true crisis.
For example, this vested interest group is people profiting from expansion of income gap, war, or oil consumption.

 

3. Person does not know good measure.
People being amateur cannot but choose opinion of the expert, and this is also difficult.

 

Thus, it is considerably difficult that person foresees future crisis, takes measures beforehand.

 
なぜ人々は危機の予兆を無視するのでしょうか?
その理由は大きく三つあります。

 

1.危機の予兆がわからない。
これは人々の無関心と無理解が一番大きい。

 

2.どの危機を重視すべきかがわからない。
関心があったとしても、将来の危機はほぼ無数にあるため、何を優先すべきが分からない。
例えば危機には戦争、経済破綻、地球温暖化、資源の枯渇、難民などがあります。

 

さらに厄介なのが、巨大な既得権益層が政治力とプロパガンダを駆使していることです。
これにより国民は何が真の危機かが益々見え難くなります。
既得権益層とは所得格差や戦争、石油消費などの拡大で利益を得る人々です。

 

3.対策がわからない。
素人の国民は専門家の説を取捨選択するしかなく、これがまた難しい。

 

結局、将来の危機を予見し、事前に対策することは、かなり困難なのです。

 

At the end
But, when I look back on world history, there were many crises that we must prevent the buds of at an early stage.

 

One of a large number of crises approaches the limit, and the crisis comes out in the open in response to something suddenly.
And the people lose cool, and may take a wrong course to the opposite direction.
This often caused the worst situation.

 

The typical case is fascism that happened in Germany or Japan after the imperialism era.

 

The most important is that people deepen understanding about social problem and history, keep monitoring the political developments, and deal with buds of crisis calmly.

 
最後に
それでも歴史を振り返ると、危機の芽を早めに摘んでよけば良かったと言うことは多い。

 

多数の危機のいずれかが限界に近づき、何かを切っ掛けにして危機が突然表面化することになります。
そして人々は、冷静さを失い舵を大きく逆方向に切り過ぎることがあります。
これが往々にして最悪の事態を招いて来た。

 

帝国主義時代の後に起こった、ドイツや日本のファシズムなどがその典型です。

 

重要なことは、国民が社会問題や歴史について理解を深め、日頃から政治を監視し、冷静に対処し続けることです。

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Bring peace to the Middle East! 23: about terrorism 3 : the background 1


中東に平和を! 23: テロについて3: その背景 1

 

1

*1

We again look at the internal conditions of Egypt, and the background for intensification of the armed struggle in the Middle East.

前回に続いて、エジプトの内情と中東での武装闘争激化の背景を見ていきます。

What was Egypt’s next move?
In 1970, Sadat of the same officer corps took office as the President after sudden death of Nasser.
At the time, Egypt had suffered economically as a result of the complete defeat in the Middle East war of six years ago, and the North Yemen civil war that Egypt sent most troops became bogged down, and it was the worst.
Therefore, he made ready careful and waged the fourth Middle East war in 1973, and he could take advantage during the beginning of the war.
However, as Israel recovered before long, the war reached a cease-fire by the mediation of United Nations and U.S.
Until this time, Sadat had a strategy victory.

エジプトが次に打った手
1970年、ナセルの急死に伴い同じ将校団のサダトが大統領に就任した。
当時のエジプトは、6年前の中東戦争完敗の痛手が大きく、また大半の自軍を投入していた北イエメン内戦が泥沼化し、最悪だった。
そこで彼は周到に準備し、1973年に第4次中東戦争を始め、緒戦を有利に進めた。
しかし、やがてイスラエルが挽回してくると、国連や米国の仲介により停戦を迎える。
ここまではサダトの作戦勝ちだった。

 

2
< 2. Camp David Accord. From the left side, delegates of Israel, the U.S., and Egypt  >
< 2. キャンプ・デービッド合意、左からイスラエル、米国、エジプトの代表 >

And he first concluded a peace treaty with Israel in Arab by Camp David Accord in 1978, and won Nobel Peace prize with the Israel prime minister.
This was impossible without the effort of the U.S. President, but became just like speculation of Israel that provoked it.
With this, he recovered Sinai Peninsula and the Suez Canal, but forsook the Palestinian independence that was an earnest desire of Arab.
Sadat aroused an antipathy of people, the Arabic countries sent a letter breaking off to him, and he was assassinated at last.

そして、彼は1978年、キャンプ・デービット合意により、アラブで最初にイスラエルとの平和条約を締結し、イスラエル首相と共にノーベル平和賞を受賞した。
これは米国大統領の奔走抜きには不可能だったが、誘ってきたイスラエルの思惑通りとなった。
これにより、彼はシナイ半島とスエズ運河を取り戻したが、アラブの悲願であったパレスチナの独立を見捨てた。
こうしてサダトは国民の反感を買い、アラブ諸国から絶縁状を叩き付けられ、ついには暗殺された。

 

3
< 3.  Israeli military >
< 3.イスラエル軍 >

In this time, what was taking place in the Middle East?
The repeated Middle East war caused a vast cost of war burden and internal trouble, and Egypt and the neighboring Arabic countries became weakened.
On the other hand, Israel became more and more great power.
Furthermore, the modernization and the socialist state construction that Nasser promoted caused autocracy and corruption.
Thus, the secularization of Nasser who aimed at the pan-Arabism (unification of Arab) and the complete independence from colony was considered failure.
The fall of leader Egypt showed that armed forces of the Arabic countries could not beat Israel anymore.
Extremists who already fought for liberation in Palestine had to depend on themselves alone.

この時代、中東で何が起きていたのか
度重なる中東戦争は莫大な戦費負担と内紛を招き、エジプトと周辺アラブ諸国は弱体化する一方、イスラエルは益々強国になっていった。
さらにナセルが推進した近代化と社会主義国家建設は、一党独裁と汚職を招いた。
こうして植民地からの完全な独立と汎アラブ主義(アラブ民族の統一)を目指したナセルの世俗化路線(イスラム色を弱める)は失敗だとみなされた。

盟主エジプトの凋落は、アラブ諸国の軍隊がもはやイスラエルに勝てないことを示した。
既にパレスチナ解放を目指して武装闘争を行っていた過激派にとって、自ら戦いとるしか道は無くなっていた。

 

4
< 4. Conference of the Non-Aligned Countries  >
< 4. 非同盟諸国会議 >
Why did Egypt dig itself into a hole?
Nasser regained the rule of Egypt in their own race after 2300 years, abolished a landlord system that was a corrupt practice and pushed forward the modernization daringly.
Furthermore, he repelled the intervention of suzerain Britain and France alone, supported the independence of each Arabic country and fought against Israel for Palestine.

But Nasser was decisively disadvantageous.
His supporting independent movements of the Arabic countries and having nonalignment policy was so obtrusive behavior for the U.S. that wanted to contain Soviet Union, and for Britain and France that had regrets about the Middle East.
Therefore, they not only bother him, but also the financial support and the military aid to Egypt were outrageous even if he wanted.
This let Nasser be nearer to the Soviet Union.
On the other hand, they enough supported Israel with arms supplies and atomic energy, because the Britain and France wanted to suppress Egypt and the U.S. could not go against a Jewish lobby group.
And world Jewish wealth was poured for supporting Israel.
Egypt did not have the prospects of success, because the Industry was undeveloped and only had a small amount of oil production.
Still, Nasser and Sadat fought alone.

Nasser performed the report of the war results being further from the truth in the Third Middle Eastern War in desperation.
He announced that the cause of the defeat was an assistance of the U.S. and hidden strategy.
There was arms supplies from the U.S. , but the hidden strategy was groundless.
This not only dishonored Nasser but also rose more a hatred for the Europe and America.

This continues the next time.

なぜエジプトは墓穴を掘ったのか
ナセルは2300年振りにエジプトの統治を自民族に取り戻し、悪弊だった大地主制を撤廃し、果敢に近代化を進めた。
さらに宗主国英仏の介入に一人で立ち向かい、アラブ各国の独立を支援し、パレスチナの為にイスラエルとも戦った。

だがナセルは圧倒的に不利だった。
彼のアラブの独立支援と非同盟主義は、中東に未練がある英仏にとっても、ソ連を封じ込めたい米国にとっても目障りだった。
したがって邪魔こそすれ、頼まれてもエジプトへの資金援助と軍事援助は論外だった。
このことが、一層ナセルをソ連寄りにさせた。
一方、ユダヤロビーに逆らえない米国とエジプトを抑えたい英仏はイスラエルに充分な武器と原子力で援助した。
世界のユダヤの富がイスラエル支援に注がれた。
これでは産業が未発達で産油量の少ないエジプトに勝算はなかった。
それでもナセルとサダトは孤軍奮闘した。

ナセルは第三次中東戦争の折、苦し紛れに日本の大本営発表と同じ真逆の戦果報告を行い、さらに敗因を米国の加担と陰謀のせいにした(武器供与はあったが陰謀は事実無根)。
これはナセルの名誉失墜だけでなく、アラブの欧米への憎悪をさらに駆り立てた。
次回に続きます。

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何か変ですよ! 48: 最大の脅威 2


1

*1

 

 

前回、一握りの富裕層に世界の富が集中し始めている状況を見ました。

今日は、これが引き起こす問題を検討します。

 

なぜ富が一部に集中することが悪いのでしょうか

私が最も恐れるのは、民主主義と協力体制が崩壊することにより世界が大惨事に見舞われることです。

崩壊に至る大まかなシナリオを説明します。

 

 

2

< 2. 世界各国のジニ係数、赤ほど格差が酷い >

 

一部の富裕層が巨額の資産を保有することで、豊富な資金を使い政治家と世論の操作を可能にする。

彼らは、自らに都合のよい施策を行い制度を改悪し、富裕層はさらに豊かになり、しわ寄せは政治的弱者に向かう。

こうして格差は拡大し続け、行き着くところまで行くことになる。

このシナリオは世界各地で繰り返し起こっている古代から中世、現代に続く歴史的事実です。

 

これが進むと、次の三つのことが起こるだろう。

 

A: 大半の国民は、無気力になり、政治不信が蔓延する。

 

B: 大半の国民は、募る不満を手頃な打開策やスケープゴートに求める。

 

C: 大半の国民は、ついに民主主義的な解決を放棄する。

 

このシナリオを現実にはあり得ないと思われるかもしれません。

しかし、すでにAのBの兆候を見ることが出来ます。

 

 

3

< 3. 欧米の投票率 >

 

 

その兆候とは何か

A項の無気力と政治不信は欧米で30~40年前から徐々に始まっていた。

 

欧米と日本で共通して、投票率の低下や二大政党から多党化へ、浮動票(無党派層)の拡大が続いています。注釈1.

これは政治不信が深まっていることの表れです。

これは格差拡大によって起こったと言うより、大変革時代の後の保守的傾向、良く言えば安定の時代がもたらしたと言える。

この初期は、一部の富裕層だけでなく、中間層を自任する人々にとっても良い時代だった。

一方、取り残された人々や下層の人々には夢のない時代だったのでしょう。

それでもまだ全員が経済成長を享受できたのです。

 

しかし、社会の深層で変化が起きていた。

多くの中間層と一部の富裕層すら所得を減らす一方、超富裕層の出現が耳目を集めるようになりました。

米国では80%以上の国民の所得が下がり続けて、格差は拡大を続けています。

これに国民が気が付いた時は既に手遅れで、政治や選挙は大金(米国ではロビストなど)に左右されるようになっていた。

こうなると、国民の不満や要望は政府に届かず、破れかぶれで手頃な打開策やスケープゴートが求められるようになった。

 

こうしてB項の状態が出現することになる。

これが現在のトランプ現象であり、英国のEU離脱です。

この前触れとして、欧州のネオナチやタカ派のポピュリズム(大衆迎合主義)が盛んになりつつあった。

 

4a

< 4. 崩れるかEUの結束 >

 

 

今はどの段階か

私はこのまま放置すれば、やがてC項の状態に至り、最悪、世界大戦が始まる可能性があると思います。

 

そのシナリオを語る前に知って頂きたいことがあります。

 

英国のEU離脱がわかりやすい例です。

話は遡るが、EUの誕生は第二次世界大戦の引き金になった独仏国境の石炭地帯を共同管理しようとして始まりました。

これは画期的な事でしたが、残念なことに各国は経済で協力するが、政治には干渉しないことで合意せざるを得なかった。

国家間の経済格差が大きい中での通貨統合は非常に困難なのですが、そのうえEU全体として管理出来ないのは問題でした。

そのことが、ギリシャの破綻などを招いてしまいました。

本来、米国のよう連邦制を執るべきだのですが、英国などは強く反対した。

 

つまり、EUの当初の目的は戦争回避だったのですが、いつの間にか共通経済圏に留まってしまったのです。

 

また今回の英国のEU離脱は、第二次世界大戦前に起こった世界恐慌を受けて各国が保護貿易に走ったことを連想させます。

この後、そのことにより世界経済は急速に悪化し、やがてファシズムの台頭を生む歪な世界へと変質していったのです。

 

 

5

*5

 

何が起きているのか

結局、多くの国民は見かけの経済成長から自分が取り残されていると気付き始め、訳も分からず不満を募らせることになった。

しかし、既に政治は彼らの意向を反映しなくなっていた。

この状況は先進国でもスェーデンやドイツ、日本と米国ではかなり違います。

さらに軽妙に語られる打開策はいつも不発に終わる中で、彼らは政治に不信を持つようになり、親から子へと不信感は伝染していった。

 

そして、現実に企業倒産や失業、難民の増加、福利厚生費の減額などに接すると、彼らは即効性のある打開策を求めるようになります。

 

このような不満が鬱積し信頼感が廃れた社会では、排外的で強権的な解決策を提示する指導者が好まれるようになります。

その理由は、短期的には他者を犠牲にすることであって、自分が不利益を負うことのない解決策だからです。

しかし、冷静に考えれば、これは回りまわって自らに降りかかる災厄となります。

これは、銃保持や前述の第二次世界大戦前後の教訓が示しています。

 

我々はこの状況にどう対処すれば良いのだろうか?

次回、考察します。

 

 

 

注釈1.

欧米の選挙や政党の動向について「絶望の選挙結果6、7:劣悪な政治文化4、5」で解説しています。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 46: 様々な脅威 2


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*1

 

 

今まで、交通事故、銃殺人、戦争勃発、原発事故の脅威について概観しました。

今日は、さらに深刻で避けがたい脅威について考察します。

前者は現実にある脅威なのですが、後者は地球上初めて起こるであろう脅威です。

 

はじめに

2010年12月に「アラブの春」が起きて、中東アラブは騒乱の渦に巻き込まれました。

この背景にこの地域の困窮や政治腐敗、市民意識や情報網の発達がありました。

しかし、さらには地球規模の穀物の高騰があったのです。

 

エジプトは必要な小麦の半分を輸入していますが、2010年に小麦価格が6年前の約2倍になっていたのです。

ただでさえ貧困ラインすれすれの生活をしていた若者は、耐えられない状況に追い込まれたのです。

 

近年、頻発する穀物価格の高騰はなぜ起こるのでしょうか。

地球温暖化による異常気象の頻発で、2010年にはロシアで干ばつが起き、これが上記の価格高騰の理由でした。

しかし米豪でも干ばつが繰り返され、収穫量は低下傾向にあり、高騰は続いています。

 

 

2-1-1

< 2. 小麦価格の高騰 >

 

 

今、世界で何が進行しているのか?

一つは、地球の限界または自然サイクルの崩壊です。

 

前述の地球温暖化による穀物収量減はほんの一例に過ぎません。

最近、やっと科学的事実として認知され始め、世界が協力して対策を取り始めた。

しかしまだ、産業界(特に米国)は高コスト化を嫌い、発展途上国も実施には二の足を踏んでいます。

その間、温暖化は進み、再生手段が見つかっていない以上、取返しのつかないことになる可能性が高い。

世界の水産資源も自然の産出では賄えず、養殖の増産で不足をカバーしています。

地下資源の枯渇は目前で、価格の高騰で節約と代替えが進み、なんとか凌いでいます。

 

今、温暖化ガス排出の制限や食料増産技術の開発、代替えの鉱物資源とエネルギーの開発に本腰を入れることが出来ればまだ間に合うかもしれません。

 

このまま放置すればどのような事態が起きるのでしょうか?

現在、難民の大量発生が欧州の分裂を生んでいますが、やがて難民の規模は拡大し、さらにアジアや他の大陸でも同様な事が起きるのは間違いありません。

異常気象の連続で食料生産と生活が出来なくなれば、必然でしょう。

 

今一つ恐れるのは、枯渇資源の獲得を巡って国家や地域が戦端を開くことです。

これは世界的な規模で起こるでしょう。

それこそ各国に自衛権があるのですから(冗談)。

核戦争や原発事故も怖いが、この脅威の方が確実に迫っています。

 

 

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< 3. 異常気象の影響 >

 

 

私達はどうすれば良いのでしょうか?

前述した対策を世界が協力して実施する以外に道はありません。

それこそが、破滅を防ぐ唯一の方法です。

しかし、これが絶望的なのです。

 

その理由は現在の社会や経済システムにあります。

例えば、穀物価格の高騰は干ばつだけが原因ではないのです、大量の投機資金がそれを煽っているのです。

本来、商品市場で先物が開設されたのは商品(石油や小麦など)を利用する企業が価格の乱高下から経営を守るためのものでした。

 

 

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< 4. 増加の一方の投機資金額、多くが短期的な売買益を狙う >

 

しかし、有り余る資金の暗躍は想像を絶する脅威を引き起こしています。

端的な例は、1997年にタイで起きたアジア通貨危機でした。

これは一ファンドが数兆円の利益を得る為に仕掛けた通貨の空売りに始まりました。

こうして、東南アジア各国は大幅な景気後退、大量失業者の発生、それに続く厚生予算などの低減で、多くの底辺の人々が病気を悪化させ、死亡に至りました。

これを救う為に、世界と日本は約1兆円の支援を行いました。

 

また地球温暖化について言えば、米国は最大の二酸化炭素を排出していながら、京都議定書の批准を拒否し、米国内で盛んに温暖化は虚偽であるとのキャンペーンが行われている。

これは産業界からの政治圧力と支援によるもので、銃保有のキャンペーンも同様です。

 

また、20世紀前半、大戦後の欧米の経済復活の指針となったケインズの総需要喚起政策(労働賃金の上昇など)が盛んに否定されている。

それは、その後のスタグフレーションを解決したフリードマンの貨幣供給管理を信奉する人々が行っているのだが、その実、彼らは現在の金融政策の実りを最も得ている富裕層なのです。

民衆がマスコミを通じて、これら温暖化無視、銃保有、金融政策拡大のキャンペーンを真に受けてしまう可能性は高い。

この扇情を行う人々は圧倒的に政治力と資金を有するのですから。

 

 

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< 5. 投機資金増加の理由 >

世界の富豪の人数と資産が急増している。

現在、富豪1400人の資産総額は5.4兆ドル(日本のGDPに相当)になった。

またトップ62人の資産は世界の下位50%(36億人)の資産と同額になりました。

 

 

つまり、何も無いところから災厄を引き起こすのも人間社会だが、自然災害を最小に出来るのも人間社会なのです。

後者をうまく機能させることが最重要で、これが破壊されつつあることが最大の脅威なのです。

 

 

いつの世にも繰り返されて来た事

今、示した脅威は絵空ごとに過ぎないのでしょうか。

 

その例はローマ帝国やイースター島の末路に象徴されている。

共に、数百年をかけて繁栄を築き、やがて半世紀あまりで滅亡した。

ローマは異民族に滅ぼされたと言うより、これは切っ掛けに過ぎない。

領土拡大で繁栄を築いたが、やがて限界が来て、巨額の軍事費と異民族の軍隊に依存していたことが内部崩壊を招いたと言える。

 

太平洋上に浮かぶイースター島では、長らく各部族が森林伐採を自由に行っていたが、ついには競争となり、最後には森林資源を枯渇させて島を放棄することになった。

 

多くの文明はその内に崩壊の要因を抱え、ある時、人々はその兆候に気付くことになるのですが、時は既に遅しで、雪崩を打って崩壊へと向かうようです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ 42: 今、不思議な事が・・・


 

1

< 1. 寄付で豪華な返礼品 >

 

今、米国の大統領選挙で起きていることは、日本と無関係だろうか?

突如降って湧いたようなトランプ氏の過激な発言。

実は、これと日本の「ふるさと納税」が結びつくとしたら?

かいつまんで説明します。

  

 2

< 2. トランプ氏とふるさと納税? >

 

 

米国で起きていること

共和党のトランプ氏は排他的で、民主党のサンダース氏は社会主義志向で、双方とも主流から外れている。

しかし共通していることがある。

双方が両極端な主張を唱え、彼らを支持しているのは低所得層や若者層です。

既存の政党やホワイトハウスに絶望し爆発寸前に見えます。注釈1.

 

これはリフレ策を多く取り入れているヨーロッパ諸国も同様で、右傾化が目立っています。

この原因を難民問題とするのは早計で、これに遡る若年層の高失業率が長期にありました。

ここ半世紀にわたる欧米の経済政策と貧富の差の拡大がありました。

この不満に付け込むように過激で単純な解決案が発せられ、大衆は共鳴し始めている。

 

社会の鬱積しつつある不満を放置すると、何かを切っ掛けに突然爆発し、取り返しのつかないことになります。

歴史は繰り返します。注釈2

 

 

欧米の背景にあるもの

 

3a

< 3. 米国の経済状況 >

 

グラフA: 米国の経済は日本に比べて素晴らしい成長を遂げています。

これは一重に米国のFRBやホワイトハウスのお陰です。

 

グラフB:  グラフAの赤枠の時期、リーマンショックから景気回復までの期間の所得階層毎の実質所得の変化を示しています。

これは、バブルが弾けた後、上位20%の所得は回復するが、残り80%は益々貧しくなっていることを示しています。

 

グラフC: 1970年代以降(黄枠)、上位所得層10%の所得の伸び、シェア50%に今にも届きそうで、格差拡大は確実なのです。

この格差拡大の傾向は欧州も日本も同様ですが、まだ米国ほどには悪化していない。

この日米欧の格差について、私の別の連載で説明しています。注釈3

 

 

4

< 4. 踊る「ふるさと納税」 >

 

 

日本の状況はどうか 

不思議な事例として「ふるさと納税」を取り上げます。

これは納税と言うより寄付なので、個人の自由であり、故郷を思う気持ちを大事にしたい。

しかし、そこには現代を象徴する奇妙なからくりが潜んでいます。

功罪は色々あるでしょうが、ここでは3点について考察します。

 

 

先ず、経済効果を見ます

寄付受け取り側の自治体の多くは財政規模が小さく、税収不足に苦しんでいるはずで、寄付金はすぐに有効利用されるはずです。注釈4.

さらに返礼品(特産品)を地元業者に発注するのですから、地元経済の浮上に繋がる。

 

一方、「ふるさと納税者」が暮らす自治体の住民税と所得税はほぼ同額減額(控除)されます。

例えば、年間給与600万円の独身の場合、年間上限額77000円の「ふるさと納税」を行って、2000円の自己負担だけで残り全額75000円が税金控除されます。

こうして全国から返礼品目当てに別の地方に税金(寄付)が動くだけなのです。

そうは言っても全員が控除するわけではないので、全体で税収は若干増えるでしょう。(現在10%ぐらいか?)注釈5.

もちろん善意の人もいますので、ここでは大勢について語ります。

 

ここまでの説明では、経済効果はプラスマイナスゼロで、全体として増収分だけがメリットと言うことになります。

 

 

5

< 5. ふるさと納税の仕組み >

 

何が問題なのか

「ふるさと納税」の返礼品の相場が寄付の4割だとすれば、前述の例で77000円を寄付して30800円分の肉や魚、焼酎を受け取り、寄付をした人はそれらの購入費用を節約することになる。

この例では、2千円の手数料で15倍相当の商品が貰えるのです。

それも高額所得者になればなるほどその倍率(寄付限度額)がアップします。

この費用は国と自治体が負担、つまり国民の税金なのです。

現住所に納税している人にはこの特権がありません。

 

6a

< 6. ふるさと納税の問題点 「ふるさと納税制度の検証」より >

 

表4より、2013年の「ふるさと納税」は総額142億円、一人平均107000円で、その控除額は住民税43%、所得税34%の計77%でした。

赤線が示すように年を追うごとに、ほとんど控除されるようになっています。

 

表3の赤枠が示すように、所得階層別の寄付金額シェアは、2000万円~1億円の所得階層が35.2%を占め、彼らの所得税控除は最大の40%になっています。

また黄帯の所得層が、寄付金総額のちょうど中位になっています。

つまりこの制度は高額所得者に有利になっており、節税の一手段として便利です。

 

言い方を替えれば、高額所得者向けの還付金のようなもので、贅沢品の無駄遣いに税金が使われていることになる。

 

 

さらに本質的な問題がある

それは個人が税制を恣意的に差配していることです。

本来、税制の大きな役割に再分配制度があります。注釈6.

しかし現状は節税や返礼品欲しさに、特定の焼酎や高級牛肉の購入に税金が使われ、本来必要としている公共サービスや社会福祉などに使う分が減ることになります。

 

 

7

< 7. 何が起きているのか >

 

寄付してもらう自治体は5割の返礼を行っても損をしませんし、寄付する方は節税や節約が出来るので、ブームが加熱して当然です。

グラフDが示すように、「ふるさと納税」は、2013年142億円、2014年341億円、2015年1653億円と幾何級数的に増加しています。

日本は全国的に税収不足なのに、こんな愚かなことが起きているのです。

 

つまり、個人と自治体は我欲につられ、この基本的な社会システムをなし崩しにしているのです。

それを政府は便宜を図り、加勢しているのです。

なぜこのような事が起きるのでしょうか?

 

 

欧米と共通するもの

この「ふるさと納税」は、2008年に耳目を集め、軽い気持ちで始められた。

その後もエコノミストや政府はこの問題に触れない。

そして大方の国民は好感を持って傍観している。

 

皆が傍観している間に、高所得者層の節税や節約が進み、経済格差は徐々に広がって行くことになる。

さらに弱者をカバーする再分配制度も崩して行きますので、追い討ちをかけることになります。

 

グラフEが示すように、国民は日本政府の経済優先を信奉し盲従することにより、欧米と同じ道を急追しているのです。

 

「ふるさと納税」は些細な例ですが、気づかずに悪化を促進させている意味で特徴的な事例です。

これは違法でないタックスヘイブンや、所得税でなく消費税で増税したい政策と同じなのです。

 

今、国民の良識が問われているのです。

 

 

注釈

注釈1

クリントンが良いと言っているわけではありません。

ここ数十年、共和党と民主党への支持離れが徐々に進んでいました。

つまり、既存政党への失望は進んでいたのですが、今回、一気に噴出した。

 

注釈2

当然、ヨーロッパでリフレ策を採用していない国や、社会主義的な国、

難民を多く受け入れている国があり、状況は様々です。

しかし、どこかで難民問題に火がつくと燎原の火のように不満の捌け口として広がりました。

この状況は、19世紀半ばにヨーロッパで帝国主義が始まった時、1920年代にヒトラーが台頭した時と少し似ています。

 

注釈3

欧米の経済格差については「ピケティの資本論 12,14,29」で、

日本については「ピケティの資本論 25」で扱っています。

 

注釈4

税収不足の自治体ほど、寄付金は市民に直結する事業に直ぐ使用され、公共サービス向上と返礼品の売り上げ増で大いにメリットがあるはずです。

しかし、寄付が一過性のブームで終わる可能性がある為、自治体は計画的な事業計画が出来ない。

また返礼品競争の過熱は財政的なメリットを小さくしている。

 

注釈5

通常、寄付の税金控除は確定申告しなければなりません。

しかし、2015年4月からは「ふるさと納税」の控除手続きの簡易化と控除額アップを行いました。

色々、政府は通常の寄付に比べ優遇税制を行っています。

 

注釈6

再分配制度の目的には弱者救済や格差是正もありますが、景気浮揚の効果もあります。

例えば、還付金を高額所得者と低所得者のどちらに与える方が景気浮揚に繋がると思いますか。

低所得者ほど、その金を貯蓄出来ず消費に回さざるを得ないので、実体経済が循環し始めます。

一方、高額所得者は貯蓄か金融商品への投機の可能性が高い。

つまり、再分配制度を崩すことは、景気後退に繋がる可能性もあるのです。

 

 

 

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何か変ですよ 41: 今、何が重要なのか?


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  • * 1

 

 

今、日本政府は経済を好転させる努力をしています。

今の政策を加速させるべきだと言うエコノミストもいます。

今日は、この事を考察します。

 

私の経験から

私は30年以上、株にはじまり不動産や金、ファンドに投資して来ました。

そして色々失敗し、勉強した末に悟っていることがあります。

それは、エコノミストの画期的な理論や予測が、いとも簡単に外れることです。

また長いスパンで見ると先進国の経済には大きな底流があるように思えます。

 

現状はどうなっているのか

安部政権の誕生は2012年の12月でした。

そこで2012年度から2016年6月までの経済データーを見ます。

 

2a

< 2. 代表的な日本経済の指数の推移、「世界経済のネタ帳」より >

青枠は2012年から2016年の期間を示す。

 

グラフA: ドル円為替レートは約80円から最高124円をつけ、現在106円になった。

グラフB: 日経平均株価は約9000円から最高20600円をつけ、現在16700円に下落。

グラフC: インフレ率は約0%から最高2.8%をつけ、今年の予測―0.2%に低下。

グラフD: 実質GDP成長率は1.7%で始まり、その後低下し、今年の予測0.5%。

グラフCとDの予測値は2016年4月のIMFの値。

 

安部政権になってから、株高と円安は一度進んだが、現在、足踏みか反転傾向にも見える。

実質GDP成長率とインフレ率は、なかなか期待通りに行かないようです。

 

失業率は4.3%から徐々に低下し現在3.3%になっている。

これは前回説明した高齢者(団塊世代)の大量退職が続く為で、今後も続くことにより日本経済の足を引っ張ることになる。(グラフFで説明します)

 

 

現状をどう見るのか

株価上昇は起こせても、円安とインフレの定着、さらに経済成長させることは困難なようです。

以前にも書きましたが、2012年の日本の株高と円安への反転は、ヨーロッパの金融危機が去ったことが引き金になっている。

 

以前、私は構造改革が出来ず、相変わらず公共投資に頼るだけなら、リフレ策の方がまだましだと言いました。

リフレ策にはマイナス面もあるが、もしうまくいけば、デフレを脱却し景気回復と莫大な累積赤字の拡大を防ぐ可能性があった。

 

現状を見ると、今の経済政策を失敗とまで断定出来ないが、このまま過度な金融緩和を続けると重大な副作用を招く可能性がある。

 

 

何が問題なのか

一番、重要なことは将来の経済悪化を招くかもしれないことです。

 

一つのケースは、実体経済が良くならないで、だぶついた資金が金融資産(株などの投機資金)に集中し、やがてバブルが弾けることです。

他にも、災いをもたらすケースは幾通りもありますが。

 

3

< 3. 日本の一般会計税収の推移、「アダム・スミス2世の経済解説」より >

ピンク枠は2012~2014年の期間。

黒線は日経平均、赤線は名目GDP(インフレ率込み)、青棒は税収を示す。

 

グラフEから、現在、税収が増えてプライマリーバランス(基礎的財政収支)が良くなっていることがわかります。

このまま続ければ、税収が増え続け、構造改革や増税をしなくてもやがて赤字は無くなると政府は言います。

 

実は、これは幾度も繰り返して来た夢想です。

このグラフの2007年(リーマンショックの前年)も税収が増えていますが、その後は極端に減っています。

つまり、株価上昇(黒線)によって株価総額が数百兆円増加し税収が増えても、バブルが弾けると激減するのです。

結局、実体経済(赤線)は良くなるどころか、悪くなりました。

 

ここで本質的なことは、日本経済に潜在的な成長力があるのか、またその成長力の根源は何かを知ることです。

もし成長力が無いのに、金融だけで刺激すると既に指摘した問題が発生します。

 

 

 

日本に潜在的な成長力はあるのか

 

4b

< 4. 日本の人口と生産性の推移、「総務省」と「文部科学省」より >

 

人口構造と人口が一定であれば、生産性(労働、資本、技術)が上昇することにより経済は成長します。

しかしグラフFが示すように、1995年から生産年齢人口割合(一番上の折れ線)が減少の一途です。

つまり今後、数十年間、生産年齢人口(青棒)が減ることにより、生産性が一定でも経済は減速を強いられます。

このことはグラフGの生産性寄与度の合計よりも、GDP成長率(青線)が下がっていることでも確認できます。

(グラフ内の全要素生産性寄与度は、様々な経済指標から他の二つの寄与度を計算した残余で、この生産性による分析は不明瞭な所があります。)

 

それでは、なぜ生産性が長期に衰退傾向にあるのでしょうか?

実は、別の人口要因が生産性を低下させている可能性があるのです。

 

 

5a

< 5.平均寿命増加率とGDP成長率の関係、グラフIは厚生省のデーター使用 >

 

グラフHによれば、平均寿命は1950年から急激に伸び始め、2010年以降、その伸びは急速に鈍化している。

 

グラフIは、グラフHの平均寿命から増加率を計算しグラフにしたものです。

これによると、平均寿命の増加が戦後の1960~70年代の経済成長を呼び込み、その後の日本経済の長期低迷も説明しているように見える。

青枠は、敗戦後からベビーブームの高校生が就職し始めるまでの期間で、彼らが生産に関与していない時期です。

 

平均寿命が急速に延びる時、生活環境の好転と健康増進が起きており、人々は将来に希望を抱き、労働意欲に燃え、老後に備えて貯蓄します。

この高い貯蓄率が投資に向けられ、経済成長の好循環が起きると考えられます。

この相関は一部の経済学者によって確認されているが、まだ解明途上のように思います。

私は、文明史や人口学、社会学、心理学の視点から言って、もっともうまく説明していると思います。

 

もしこれが真実なら、今後、日本経済は容易に成長しないことになる。

 

 

結論

折に触れてブログに書いているが、現在の欧米の経済政策では、益々景気不景気の波が高くなり、国内と国家間の貧富の差が拡大し続け、破綻の可能性があると私は懸念しています。

 

真実に目を背け、行き過ぎた夢想に期待することは危険です。

真実に目を向け、対策を立てるなら、必ず道は開けるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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