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何か変ですよ! 119: 目次と検索


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*1

 

 

目次は「何か変ですよ!」と「デマ、偏見、盲点」の分です。

記事は2018年1月16日から4月26日までに投稿したものです。

 

 

各表示は以下の順です。

* 番号: タイトル

記事の要約

・キーワードや項目

 

 

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** 目 次 「何か変ですよ!」 **

2018年3月5日~4月26日投稿分

 

*118: 救いはあるのか?3

日本の再生に不可欠な「米国の呪縛からの解放」と「野党に望むこと」。

・軍事と外交、経済と米国、経済界とのタイアップ

 

*117: 救いはあるのか? 2

先進国ではありえない日本女性の地位、だからこそ女性が改革に立ち上がるべき。

・衆院選結果、セクハラ、利用された拉致被害者、沖縄返還時の密約

 

*116: 救いはあるのか? 1

絶望の状況を脱する為に誰が立ち上がるべきか。

・長期低迷、幸福な社会、政治不信、島国根性、明治維新、野党、労働組合

 

*115: 誰の責任? 4

絶望の状況を生み、放置しているのは誰か、それは国民なのか。

・低い政治意識、放棄された政治教育、低い投票率、低い労働組合組織率

 

*114: 誰の責任? 3

安倍政権を倒閣することがゴールではない、悪循環を断つことこそ重要。

・米国三代大統領の教訓、自公政権継続、野党政権奪取

 

*113: 4/14神戸デモに参加して

デモ体験の報告。

 

*112: 誰の責任? 2

暴政を止める為に今国民がすべきこと、デモなど。

・内部告発、政治に無頓着な人々、安倍政権の問題点

 

*111: 誰の責任? 1

日本の衰退と腐敗の責任は安倍にあるのか、それとも国民にあるのか。

・行政の長として責任痛感、福島の原発事故、ヒトラー

 

 

 

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*3

 

 

*110: 未来の壁 8

国政を武力を用いずに国民の手に戻した世界のデモを見ます。

・バルト三国の人間の鎖、ベトナム戦争反対、ベルリンの壁崩壊、女性リベリア大衆行動、米国のバス・ボイコット

 

*109: 未来の壁 7

海外に無関心で海外の歴史を知ろうとしない日本人。

・歴史修正主義、南京虐殺事件、アイヒマン、監獄実験、文化心理学

 

*108: 未来の壁 6

視野狭窄で身勝手な言動がまかり通り、日本の若者は海外への意欲を無くしている。

・貧困問題、国民主権、自衛戦争、世界のニュース、海外留学減少

 

*107: 未来の壁 5

なぜ日本では「報道の自由」が無視されるのか。

・証拠隠滅、隠蔽、記者クラブ、組織文化(村社会)、信頼される新聞、御用新聞

 

*106: 未来の壁 4

報道の自由が高い国ほど国民は幸福だが、北欧と日本の違いは・・・。

・北欧、報道の自由度ランキング、民主主義、経済民主主義、格差、幸福度

 

*105: 未来の壁 3

日本の報道の自由は危機的状況にある。

・NHK番組改ざん事件、特定秘密保護法、放送法改革、自民党が作ったネットウヨ、電波停止

 

*104: 未来の壁 2

自民党の根深い男尊女卑意識とその絶大な悪影響。

・セクハラ発言、原発賛成、出生率低下、賃金格差、社会進出遅れ

 

*103: 未来の壁 1

安倍政権が煽る古い労働観が国民を不幸にしている。

・働き方改革、渡邉美樹、労働時間、育児・有給休暇、北欧のライフスタイル

 

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*102: これからどうする 3

日本は益々成熟社会から取り残されつつあり、これは国際的な指標で明らか。

・世界幸福度、人間開発指数、報道の自由度、各紙比較、貧困率

 

*101: これからどうする 2

主婦が望む政策において安倍は百害あって一利なし。

・介護、平和、失業、地球温暖化、累積財政赤字、日本会議、再生可能エネルギー

 

*100: これからどうする 1

安倍政権による日本沈没、特に経済悪化の状況。

・賃金低下、企業利益増、世界株価高、バブル崩壊、日銀操作

 

 

 

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*5

 

*99: 大活躍する???応援団

ひんしゅくを買う安倍友応援団の活躍は報道の劣化をよく示している。

・百田尚樹、青木、足立、高橋、山口、三浦、会食

 

*98: 恐ろしい腐敗力

安倍政権下での底なしの政治腐敗。

・中央省庁、安倍縁者、否定し続ける政府官僚、深刻な電凸、言論弾圧

 

*97: 何が最優先か?

麻生と自民国対委員長の発言から分かる正論が通じない政治。

・世襲、森友文書改ざん、佐川証人喚問、マイナンバー、朝日の証明義務、国政の腐敗防止策

 

*96: どちらが大事か?

国政の腐敗を無視するウヨは安倍しかいないと言うが、信用出来ない人物は危険極まりない。

・廃棄文書の発見、忖度、腐敗、バブル崩壊、戦争、連立政権

 

*95: 今、何かが崩れようとしている

森友文書改ざんから見える政府腐敗の深刻度。

・便宜供与、財務省、朝日新聞、政争の具、内閣人事局、安倍明恵

 

*94: 今、国民が問われていること

国民は悪化し続ける状況から目を逸らず、立ち上がるべきだ。

・経済衰退、格差拡大、財政赤字、行政の腐敗、バブル崩壊、政治家の劣化

 

*93: 怒れ、立ち上がれ公僕よ!

国民は独善的な首脳と加担する官僚に怒れ、公僕は立ち上がれ!

・森友・加計問題、レイプ事件もみ消し、働き改革の資料隠蔽、公害問題

 

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** 目 次 「デマ、偏見、盲点」 **

2018年2月6日~3月9日投稿分

 

 

*30: 暮らしのカラクリ 4: 煽られた競争

経済活性化に必要な競争力とは、完全な自由競争と規制の狭間で。

・国際競争力、間違った規制緩和、生産性と賃金、北欧の国際競争力

 

*29: 暮らしのカラクリ 3: カラクリを支える日本文化

ある日本文化が先進国への脱皮を困難にしており、国民はこれに気づくことが重要。

・忖度、自己責任、村社会、長子相続、独裁指向、個人軽視

 

*28: 暮らしのカラクリ 2: 賃上げは国を滅ぼす・・

労働者の賃金を上げると、国の経済力が落ちてしまうと言う妄言。

・賃金上昇は消費増、企業利益増でも貿易額増えない、為替が調整

 

*27: 暮らしのカラクリ 1: 少ない稼ぎは・・

賃金水準は社会的要因、主に生産性と労働界の結束力で決まる。

・ケインズ、労働組合、自己責任、首切り、夕暮れ社会

 

*26: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 5

この世紀末から脱出する手立ては、かつての日本や世界にヒントがある。

・法制史、世界宗教、「無知、無関心、惰性、敵意」を克服

 

*25: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 4

世紀末に駆り立てる貪欲、恐怖心、疑心暗鬼が蔓延る理由とは。

・脳内ホルモン、愛国心、格差拡大、大戦を知らない首脳、文明の衝突、政財界癒着、中間層が保守的

 

 

 

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*24: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 3

失敗して来た戦争予防策とバブル崩壊に共通する感情の暴走。

・経済封鎖、軍拡競争、抜け駆けの心理、賭博、自由放任主義

 

*23: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 2

ここ1世紀半ほどの主な戦争について、勃発の経緯を集約。

・ヒトラー、日本帝国、中立国

 

*22: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 1

バブル崩壊のメカニズムを考えます。

・投機家、高率のレバレッジ、中央銀行、巨大な金融緩和、早急な資金回収

 

*21: 抑止力と規制緩和に共通する危さ

この二つの概念は単純で受け入れ易く利用され易いが、不完全で危険でもある。

・規制が無くて亡んだ文明、悪化する国民生活、核開発競争と銃蔓延は抑止力失敗例

 

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*8

 

 

 

** 目 次 「何か変ですよ!」 **

2018年1月16日~1月26日投稿分

 

*92: 何が問題か? 15: なぜ改革から逃げるのか?

所得水準、幸福度、経済力が低下し続けているのに、なぜ改革を避けるのか。

・内部留保、対外資産、賃金、非正規雇用、ワーキングプア、パトロネージ、北欧

 

*91: 何が問題か? 14: 英国はなぜ衰退したのか?

19世紀後半に始まる英国の衰退は今の日本と同じです。

・工業生産高シェア、資本輸出、中産階級が豊かさを享受し保守化

 

*90: 何が問題か? 13: 過去・現在・未来に生きる

なぜ人々は経済の行く末を楽観するのか、これは5つの虚構に踊らされているから。

・インフレ、成長要因、金融緩和とバブル、日銀政策と財政破綻、所得格差

 

 

 

終わります。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 116: 救いはあるのか? 1


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これまで日本の衰退と、これを象徴する安倍政権の体たらくを見て来ました。

解決策はあるのですが、この担い手が見あたらず、国民の支援も期待できない。

この絶望に救いはあるのか?

 

 

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はじめに

 

如何に絶望の淵に立っているかを一瞥します。

 

A: 経済の長期低迷。

各家庭の賃金、消費、預金の低下、一方で儲ける企業は設備投資を行わず巨額の海外投資を行うなど。

この二つが日本の経済ゼロ成長の最大要因で、今後、19世紀後半の英国のように深い衰退に晒されることになる。

 

さらにアベノミクスにより、これから世界で繰り返される金融危機(バブル崩壊)の大波をもろに受けることになる(日銀のおかげでリーマンショックは軽微に済んだ)。

 

 

B: 幸福な社会が遠のいている。

民主度と人間開発指数の低下、性差別と所得格差の拡大、さらに右傾化など。

あらゆる幸福度を示す世界標準の指数は世界200ヵ国中、いずれ100位まで低下するだろう。

既に先進国と言えない状況です。

 

 

C: 先行き不安。

近隣諸国との軋轢による紛争、財政赤字増大による社会保障制度の崩壊、人口減と高齢化など。

 

 

D: 進む政治腐敗と議員の劣化。

退廃を極める官庁、政治屋による縁故主義(便宜供与)蔓延と経済界優先(見捨てられる労働者)、マスコミ支配と安倍1強で理不尽を通す内閣と与党など。注釈1.

 

 

上記の悪化に加え、これを打破する人々がいない。

なぜなら国民も共に衰退しているからです。

衰退を一瞥します。

 

E: 政治不信に陥り、政治と選挙に無関心。

政治教育が放棄されて来た為、人々は失望するだけで政治活動(選挙)に向かう意欲がない。

また一度、絶頂期を経験したことで現状に未練があり、改革を逡巡している(英国と同じ)。

 

 

F: 島国根性から抜け出せず、井の中の蛙に満足している。

世界と世界史を顧みない為、日本の保守思想(歴史修正主義など)は世界の常識から取り残されていく。

年々、若者の世界進出への意欲が低下している(英国と同じ)。

 

 

G: 市民意識や人権意識が低い。

これは低調な内部告発やデモ、御用新聞の隆盛、変わらない差別発言、論理無き国会運営などに現れている。

政治の主体は国民であるべきなのに、国民の利益より国体を優先したり、人権が無視されても国民は納得してしまう。

これは先進国の中でも日本だけに見られる特異性です。注釈2.

 

 

結局、衰退する日本を改革する旗手、そして大きな抵抗に耐えて旗手を支え続ける国民が見当たらない。

このような日本独特の意識は、明治維新と大戦後にもあまり進歩していない。

むしろ衰退に適応できなくなっている意味で悪化していると言える。

 

さらに、悪条件が重なる。

 

 

H: 経済と政治、外交、軍事は米国に牛耳られている。

自由放任経済(富裕層と企業の優先)と金融重視、労働組合蔑視などは完全に米国の追従。

当然、敗戦以降、政治、外交、軍事も米国の追従。

虐げられている労働界が優遇されている産業界と協力するはずはなく、このままでは両者が協力して経済向上に向かうことはない。

これは隣国関係も同じ。

 

これから抜け出すには米国による相当の妨害(内からも)を覚悟しなければならない。

 

この状況から抜け出すには・・・

 

 

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* 救いの可能性を探ってみる

 

日本でかつて革新が行われた時代があった。

明治維新は泥沼の内戦を経ずに成し得た革命と言う意味で画期的でした。

 

この革命のポイントは、中央政府(江戸)から離れた外縁(外様大名)が革命の主体だったことです。

腐り果てた中央政府からは大胆な改革が生まれなかった。

またフランスのような市民が革命を担うわけでもなかった。

 

江戸時代末期、農業生産落ち込みと貨幣経済への移行で経済は悪化し、諸藩大名と幕府は共に巨額の財政赤字に喘いでいた。

さらに開国により国内物価が高騰し、頻発していた農民一揆がさらに増加した。

 

それでは、なぜ外縁である西国の大名が火の手を上げ、維新政府の主役になれたのか?

 

単純に西国は中央政府から軍事的に距離があった事、さらに重要なのは貿易などにより西欧事情によく通じていたことです(長州は遅れていたが)。

幕府内にも開明的な人物はいたが、世の常で内部の保守勢力が頑迷に抵抗した。

 

ペリー来航による日米和親条約調印から、わずか13年で尊王攘夷論から討幕へと急転換し大政奉還(1867年)へと決着した。

潮目が大きく変わったのは、1863年で、貿易で最大の影響力を持つ英国が幕府を見限り、薩長支援に廻ったからです。

これは幕府が貿易独占や旧体制維持から抜け出せず、旧態以前とし、彼らの失望を買ったからでした。

一方、薩摩などはいち早く、沖縄を介した密貿易などで財政再建を成し遂げ、島津斉彬は西欧の力と貿易の役割を良く認識していた。

 

つまり、明治維新は同じ武士階級であっても、より先を見通し、抜本的な改革を恐れなかった外縁だからこそ成功したのです。

英国が彼らを支え、こうして大きな内部分裂に至らなかった(フランスは途中まで幕府支援)。

 

これを教訓として現状の危機を改革するには何が必要かを考えます。

 

 

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* 何を諦め、誰が旗手となるべきか?

 

明治維新の為に、日本は260年間続いた江戸幕府を諦めなければならなかった。

そして、我々も腐敗した政治で国を低迷させている自民党政治を諦める時が来たのです。

それは独裁者井伊直弼の排除で済まなかったように、安倍晋三の辞任では済まないのです。

 

なぜなら、上述の問題点A、B、C、Dは安倍で酷くはなったと言え、衰退は30年はど前から始まって、現在加速しているからです(バブルで大きな波を受けて沈む)。

つまり、長期与党政権、自民党の政策が災いの根源なのです。

 

 

また旗手は誰が担うべきか?

同じ薩長日土肥の武士階級が決起したように、野党が改革の主役になるべきです。

やはり討幕派の大連合が成ったように、野党が大連合し議席の半数以上を確保すべきです。

 

なぜなら野党は同じ国会議員であり、外縁―腐敗の根源である縁故主義やパトロネージと無縁、さらに経済界一辺倒ではなく労働界より、だからです。

当然、自民党はこれらを絶つことは出来ない。

 

ここで誤解を解く必要があります。

既に説明をして来たことですが、野党が労働組合寄りであることに何ら問題はない(世界を見ればわかります)。

労働組合への違和感は、1980年代以前、組合が身勝手な振る舞いをしたこと、その後、経済界の逆襲による政府と経済学界、御用マスコミからの圧倒的な労働組合の反キャンペーンで定着したものです(大半の西欧)。

 

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次回に続きます。

 

 

 

 

注釈1.

議員の劣化は三バンに代表される古い政治文化が全国に根を張り、先進国では考えられない世襲議員の数に象徴される。

つまり、実力ではなく便宜供与のパイプが太いかで議員の価値は決まる。

 

野党は、この政治文化と労働組合低迷で力を得ることが出来ず、さらに相対する自民党議員の劣化で論戦は噛み合わず、成熟できない。

 

 

注釈2.

これは東アジアの稲作農耕文化による村意識が背景にある。

さらに、日本に特有の長子相続と絶対権力を持つ家長の家族形態がこれに加わり、特有の文化を生み出し続けている(最古層の農耕文化、一部ドイツなど)。

 

つまり、人々は組織のトップに従順で、帰属組織に埋没し、より広い社会の規範や正義を無視する傾向が強い。

これは団結心や気遣いを生み出し、組織が猪突猛進する時(物づくりや戦争など)に威力を発揮する。

しかし、目標やモデルが見当たらない状況では右往左往し易く、よくあるトップや組織の腐敗には抵抗力が無い。

 

 

 

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何か変ですよ! 104: 未来の壁 2


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日本が先進国から滑落していく大きな理由の一つに性差別があります。

これは人権だけに留まらず日本の経済、環境、平和に大損害をもたらしている。

今日は、根深い「男尊女卑」の悪影響についてみます。

 

 

* 日本の代表的な政治家の本音

 

彼らの本音の発言を見ます。

 

A: 2003年、太田誠一衆議院議員。

「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか」

大学生らによる女子大生集団強姦事件について。

 

B: 2014年、大西英男議員。

「子どもを産まないとダメだ」

衆議院総務委員会で女性議員が人口減少対策について質疑を行った際、ヤジを飛ばした。

 

C: 2015年、伊藤祐一郎鹿児島県知事。

「サイン、コサインを女の子に教えて何になる」

高校教育のあり方を議論する会議で。

 

D: 2001年、石原慎太郎前東京都知事。

「閉経してしまって子供を生む能力がない人間が長生きしているというのは地球にとって非常に悪しき弊害」

週刊誌のインタビューにおいて。

 

Bを除いて、彼らは立派な経歴を持つ日本を代表する政治家かもしれません。

残念ながら、彼らに共通するのは自民党です。

 

彼らの本音は日本の性差別そのものです。

これが政府中枢によるレイプ犯見逃しを生んだ。

この醜い本音に支えられている保守政治は日本に何をもたらして来たのか?

 

 

 

 2

< 2. 性差別の日本のランキング? >

 

これは世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している性差別の指数です。

日本は、世界で最下位から数える方が早い。

 

 

 

* 何が問題なのか?

 

これは日本の文化だから仕方が無いと思われるかもしれません。

しかし、これがあらゆる面で日本に損害をもたらし、幸福度が年々低下していく大きな理由だとしたら・・。

 

誰しも未だに男尊女卑が蔓延っていることを感じているはずです。

人口の半数の女性が差別の被害者なのですから深刻です。

それでも我々は悪化し続ける性差別を放置している。

 

これこそが第二の未来の壁と言えます。

 

 

 

 

 3

< 3. 日本の性差別の現状 >

 

図表1はジェンダー・ギャップ(性差別)の悪化を鮮明に示しています。

さらにアベ内閣の第一次(2006-2007)と第二次(2012-)、この指数は悪化し続けています。

これは単なる偶然ではない。

 

図表2は、ジェンダー・ギャップ(性差別)は健康や教育でこそ少ないが、経済や政治では劣悪であることを物語っている。

 

図表3は、男尊女卑の著しい日本と韓国では、女性の管理職の割合が低いことを示す。

 

 

* 経済への悪影響

 

男尊女卑がなぜ経済に悪影響をもたらすのでしょうか?

ポイントは二つあります。

 

・ 出生率が低下するから。

・ 女性が活躍出来ないから。

 

 

4

< 4. 合計特殊出生率の各国比較 >

 

この出生率が2.1を切ると人口減少が始まります。

日本の出生率は、欧米(フランス、スウェーデン)に比べて低いだけでなく、一度も上昇することなく長期低下傾向にある。

 

出生率低下による人口減少が進むと労働人口減と高齢化が起こり、その結果、GDP減少と福祉制度の破綻を招きます(注釈1)。

日本の場合、高齢者の大量退職を若年層等でカバーすることになり一時的な失業率低下が起こるものの、長期的な労働人口減によるダメージが大きく、これからじわりじわりと経済の凋落を味わうことになる。

 

このため、欧米などは長年、出生率を上げる少子化対策を行い、かつ不足を埋め合わせる移民受け入れによって人口の安定成長を図って来た。

残念ながら、日本はどちらも無策でした。

 

 

 

5

< 5. 北欧と日本の出生率の違いは?? >

 

日本の少子化対策はやっと始まりました。

保育所の増設、育児休暇などで進展がいくらかあります。

しかし前回の北欧事情で確認したように、日本はまだかなり遅れている。

 

 

 

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< 6. 女性の社会進出の比較 >

 

日本の男女間の賃金と社会進出の差が歴然としています。

 

 

日本のように子供を生み育てることは女性の役割と考え、女性だけに負担をかけている限り、出生率は増加しない。

前述の差別発言を繰り返す男性らが支配する保守政治からは育児休暇や保育所の拡充、出産・育児期間中の給与保障の更なる拡充は生まれない。

 

北欧のように男女が平等に出産・育児を負担し助け合い、社会がバックアップしてこそ、出生率が増えるのです。

 

しかし、経済の問題はこれだけではない。

 

 

 

 

 

 

 

7

< 7. 男女の賃金格差 >

 

このグラフの数値は、女性の賃金が男性に比べ何%少ないかを示しています。

OECD平均15.6%ですが日本は26.6%です。

 

もう一つの経済への影響は、賃金格差に代表される労働に対する差別です。

女性の賃金が男性並みになればGDPは確実に上昇する。

また2017年の15歳以上に占める労働力人口比率は男性71%に対して女性51%なので、これを男性並みにするなら、労働力人口が増え、これまたGDPを増加させる。

 

労働での性差別を減らせば、間違いなく夫婦の収入はアップし、国の経済力もアップする。

その為には、女性の能力を発揮させ、共稼ぎを容易にする政策と企業、地域社会の手助けが必要です。

 

しかし、これだけではない。

 

 

* 環境への悪影響

 

女性が政治力を持たないから環境が良くならない。

 

唐突な指摘ですが、2011年3月の福島原発事故に対する世論の男女差を見るとこの理由が分かります。

 

 

 

8

< 8. 原発に対する世論 >

 

上の表: 同年4月にギャラップインターナショナルが世界の原発に対する世論を発表した。

 

この表から、当事国の日本を除いて、女性の社会進出が高い国ほど原発反対の世論が高いことがわかる(バラつきはマスコミのせいか)。

逆に、男尊女卑の著しい韓国と日本は事故前、大きく原発賛成になっている(日本はマスコミのせいも)。

 

下の表: 2012年の朝日新聞の世論調査結果です。

 

事故後1年の時点で、原発再開について圧倒的に女性の反対が多い。

 

これから、女性は環境の安全を経済より優先することが分かります。

これは万国共通なのです。

そして、日本など男尊女卑の国では女性の政治力や発言力が低いゆえに、女性の思いが政治に生かされないのです。

 

これが平和や育児・介護の問題に至るまで、日本を後進国並みに貶める大きな理由になっているのです。

 

 

 

* 現在のアベ政権を支えるもの

 

 

9

< 9. 内閣支持率 >

 

上のグラフ: 2015年の男女別の政党支持率。

一番左のピンクが自民党支持、右の青は支持政党なし。

 

自民党支持は男性40.8%で、女性29.2%でした。

 

 

下の表: 2017年7月のアベ内閣支持率。

この頃、加計学園問題で国会が紛糾し、支持率が急降下した時期です。

 

ここでもアベ政権支持は男性が高く、若い層に多い。

女性の支持は男性よりやや低く、50代の女性で特に低く、不支持が支持を上回る状況(赤地に白字)が早く起きている。

 

女性の方が、男性に比べ安全(原発、戦争)や腐敗に敏感で、経済的な妥協(損得勘定)を行わない傾向がある。

これが男性の欠点を補うのです。

 

女性が戦争を終結させる設定は、古代ギリシャ喜劇「女の平和」に出てくるが、これを実践したのがアフリカ最初のリベリアの女性大統領(ノーベル平和賞)でした。

 

つまり女性の政治参加は人類社会に不可欠なのです。

 

 

* 今がチャンス!

 

 

10

< 10. 投票率 >

 

現在、日本は政治不信に陥り投票率は低下する一方です(世界的傾向)。

これが自民党の本来の指示割合よりも多くの議席数を得ることを許し、現在の歪な政治状況を生んでしまっている(選挙制度の影響も)。

 

しかし、これがチャンスと言える。

男女の投票率の差はほとんど無く、女性の政治意識は高い。

しかし、支持政党が定まらず迷いがある。

 

ここで女性が立ち上がり、環境、平和、男女平等の視点で政党を選び投票すれば、投票率の低い今こそ、存分に女性の意見が議席に反映されることになる。

そうすれば、日本の政治史上、初めて幸福先進国並みになる道筋が付くことになる。

 

 

終わります。

 

 

注釈1.

2005年の総人口に占める生産年齢人口(15~64才)率が66%で、今後、出生率が減り、寿命が伸びると将来どうなるでしょうか。

2055年には総人口が13000万人から9000万人に減り(31%減)、生産年齢人口は51%に減ると予想される。

この間、生産年齢人口の全員が働き、同じ生産性だとして、GDPは46%減ることになる(実際の労働人口は多少増減する)。

 

さらに、この減った労働者人口で残りの人口を養うことになるので、福祉政策は行き詰ることになる。

 

 

 

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何か変ですよ! 103: 未来の壁 1


 

1

< 1. 成長を支える?? >

 

 

このまま行けば、いつか日本は幸福な国々から取り残される。

我々はなぜ取り残されてしまうのだろうか。

これから、「我々の何が幸福を遠ざけてしまうのか?」を見て行きます。

今日は「働く」ことについて。

 

 

* はじめに

 

最近、日本の労働観をよく示す事件がありました。

 

 

 

2

< 2. トンでいる自民党の労働観 >

 

2018年3月13日、参院予算委員会の公聴会で自民党議員が、「東京過労死を考える家族の会代表」の公述人に、キツイ一発を放ちました。

 

「働き方改革をめぐる議論を聞いていると、『働くことが悪いこと』のように聞こえる、『週休7日が人間にとって幸せなのか』と述べた」注釈1.

 

これに対して、2008年にワタミ子会社で過労死した娘さんの両親が、彼は「何の反省もしていなかったとしか思えません」などとするコメントを発表した。

 

彼とは「ワタミ」創業者の渡邉美樹です。

彼は後に謝罪し、議事録からこの発言は抹消された。

 

 

 

3

< 3. 2016年の最悪社長 >

 

彼は立身出世の花形としてもてはやされたが、ブラック企業の代表としても広く知られている。

政治の世界では、橋下やアベらは彼を「時代を切り開く経営手腕を持つ逸材」と高く買った。

彼はアベ内閣で教育再生会議委員を拝命した。

 

 

おそらく国民の大半は、この一連の渡邉(橋下、アベ)の姿勢に不快感をもたないだろう。

この事実が、日本の壁の一つなのです。

 

 

 

* 周回遅れの労働観

 

気が付いて欲しいポイント。

 

A: 働く目的は何か?

 

B: 幸福先進国の労働時間と休暇は?

 

 

国民は未だに高度経済成長期の思い出に浸っており、政府はそれにかこつけ、古い労働観を鼓舞することで経済の発展を狙っている。

これは幸福先進国から見れば、周回遅れと断じることが出来る。

 

 

 

* 働く目的は何か?

 

団塊の世代に聞けば、ある人は「会社で働き甲斐を持ってて幸せだった」と語るだろう。

一方で「ワーカホリックを自認して会社に尽くしたが・・」と空しさを感じている人もいるだろう。

確かに団塊の世代からその親の世代は戦後の経済成長を支えた人々でした。

 

20世紀初頭、米国の労働者もよく家族の為に身を粉にして働いたそうです(ある経営者の米国視察記より)。

実は、逆に戦前、日本の労働者は転職を繰り返し、組合を結成しストにも参加した(倒産が多かったことも)。

 

働き方は時代と共に変わるのです。

 

唐突ですが、皆さんは遥か昔の方がよく働いていたと思いますか?

100年前まで世界各地の先住民は、その生活スタイルを少なくとも数百年は保持していた。

彼らは自然を相手に、毎日に働き詰めだったでしょうか?

人類学者の観察では、そうではありませんでした。

多くの狩猟採集民は、おそらく1日平均数時間も働くことはない。

彼らはのんびりと仲間とお喋りを楽しむのが日課なのです。

 

「企業で身を粉にして働くことこそが人生の最大の喜びである」と考えたのは、日本でもほんの一時の減少に過ぎないのです。

今の若い人には、これは古い説教としか聞こえないでしょう。

幸福先進国の人も、これを異常と見るでしょう。

 

ここで視点を変えて、時代背景を見てみましょう。

 

 

 

* ここ半世紀の日本の労働観を支えたもの

 

なぜ日本の政財界は「労働者は企業に身を捧げるべき」に固辞するのでしょうか?

これを簡単に説明します。

 

戦後の高度経済成長にあって人材を確保する為に、企業は従業員の福利厚生や退職金制度の拡充が不可欠でした。

これは成功し、日本の組織文化とも合致し企業と従業員は一体となり、大躍進を遂げた。

 

しかし、日本政府はプラザ合意(1985年)による円高で輸出に頼らない内需拡大を目指さざるを得なくなった(注釈1)。

この為に大幅な金融緩和を行ったが、これが途方もないバブル崩壊(住専破綻)を招き、これにより日本経済は長期衰退を余儀なくされた。

 

一方1980年代から、欧米は自由放任経済を目指し始め、労働組合つぶしが波及し、政府は経済活性化のために益々企業優先に舵をきります。

 

こうして、政府は首切りが容易で低賃金が可能な非正規雇用の普及、そして退職金の企業負担を軽減すべく確定拠出年金への転換など、労働の低コスト化を推し進めた(良い意図も一部にはある)。

しかし不思議なことに国民は我慢し続けた。

 

つまり、政財界は賃金、退職金、待遇などすべて切り下げておきながら、相変わらず全身全霊で会社に尽くせと労働者に押し付けているのです。

これが冒頭の渡邉自民党議員の発言になったのです。

 

実に、ばかばかしい偽善と言わざるを得ない。

 

当然、仕事に生きがいを持つことが悪いのではなく、本来、会社以外や家族にいくらでも楽しみや生きがいはあるのです。

しかし、中々生きがいを見つけられない人が多いのではないでしょうか?

 

ヒントは海外にあります。

 

 

 

* 幸福先進国と比較する

 

単純に、日本は遅れています。

日本の労働者は先進国と比べれば、時間当たりの収入が少なく、長時間労働で休暇も取れない。

 

 

 

4

< 4. 労働生産性の比較 >

 

労働生産性=GDP(購買力平価で換算)/就業者数

日本はOECD35ヵ国中22位で74315ドル(783万円、給与ではない)。

世界155ヵ国中なら32位となる。

ちなみにドイツは12位で95921ドルで日本より29%多い。

 

 

 

 

5

< 5. 年間労働時間の比較 >

 

日本の年間労働時間はOECD35ヵ国中、短い方から22位でした。

日本では長く働いている割りに収入が少ない。

 

別の資料から労働1時間当たりのGDPの多い国と日本を比較します。

上位3位のノルウェーは日本の2倍、5位米国1.6倍、6位フランス、7位ドイツ、8位オランダ、9位デンマークは1.5倍です。

 

 

 

6

< 6. 有給休暇も取れない >

 

日本の取得率は50%未満で9日しか過ぎない。

 

 

この冴えない日本の労働実体はさらに低下傾向にあります。

 

 

 

* 北欧と比べます

 

 

 

現在、スウェーデンをはじめとする北欧で1日6時間制が進んでいます。

現在、デンマーク人の労働時間は平均33時間になっている。

 

スウェーデンを中心に見ます。

若年失業者の為に、IT、医療、バイオ分野のスキル取得のプログラムが多数用意され、無料で受講できる。

また失業者に失業前賃金の80%が200日間給付される仕組みもある。

 

育児中、子供一人につき、父母それぞれ240日、両親で合計480日の育児休暇が取得出来る。

男性も取得するようになって来た。

育児休暇取得期間中は社会保険庁より所得の80%が保障され、さらに企業によって上乗せがあります。

 

一般的なスウェーデン人は年に33日の有給休暇をとっている。

スウェーデン国民で残業をしているのはたった1%しかいないという。

 

 

 

 

7

< 7.スウェーデンの帰宅後、参考 >

 

私が1984年に北欧(スウェーデン、デンマーク)の企業を視察した時、一番驚いたのは、定時の終了時間が来ると従業員は皆直ぐに帰宅したことです。

 

直接、従業員に聞いた話では、皆は真っすぐ家に帰り、夫婦や家族で過ごすと言う。

楽しみを聞くと、我が家を建てている人もいるとのことでした。

 

 

 

8

< 8. 職場の雰囲気、参考 >

 

製造工場でさえ日本のような制服はなく、流れ作業は既に廃止していた。

これは作業者の労働意欲を高める為だと管理者が言っていた。

 

本によると、ノルウェーでは16時頃から夕食をとり、夜7時、8時頃に夜食として簡単なサンドイッチを食べる。

夕食と夜食の間の時間に、散歩に出かけたり、冬にはクロスカントリースキーを楽しむ者も多い。

 

 

 

9

< 9. クロスカントリースキー、参考 >

 

 

* まとめ

 

結論は、日本の労働環境や労働政策、労働の文化は前世紀の遺物です。

そろそろ本来の生き方に目覚めるべきです。

 

国民は、経済の低迷を理由にこき使われる愚から脱するべきです。

答えは30ヵ国以上の幸福先進国にあります。

 

私は典型的な仕事人間であり、会社を好きにはなれなかったが技術者として誇りを持つことが出来た。

しかし、定年の10年前ほどに父が他界したの機に、北欧の暮らしぶりを見ていたこともあり、定年後の生きがいを模索し始めた。

そして定年退職後は毎日、目標に向かって励み、旅行を楽しみ、充実した人生を送っています。

 

 

 

終わります。

 

 

 

注釈1.

米国はドル高を嫌い、主要貿易相手国に協力を迫り、日本は円高の協調介入で協力した。

これにより円高が急速に進み、日本経済を急速に低下させ、大幅な金融緩和と公共投資を行わざるを得なかった。

これが最近までの日本経済落ち込みの転換点でした。

 

 

 

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何か変ですよ! 100: これからどうする 1


1

*1

 

これからアベ政権倒壊後を考えます。

先行きが読めないので仕方なくアベをまだ支持している人がいる。

むしろ先行きを読めばアベは不要になる。

 

 

* はじめに

 

ニュースで流れる政府の惨憺たる状況を見ても、まだ支持率は30%もある。

本来なら5~10%だろう。

ネットウヨは産経新聞がアベ支持率39%を発表しただけで裏切り者呼ばわりしている。

まだまだ腐敗への不感症は国民に深く浸透している。

 

 

* アベによる日本沈没の現状

 

結論、アベが政府から手を引かない限り、日本の更生は無い。

 

そこで現状の深刻さをまとめます。

 

A 中央省庁の腐敗、内閣の劣化。

B 縁故主義の蔓延、便宜供与とそれによる一層の権力集中。

C 報道の自由崩壊、ウヨとアベ友応援団による扇情。

 

D タカ派的対応と日米同盟強化によって高まる戦争危機。

E 深まる格差社会と繰り返すバブル崩壊、日本の長期衰退。

 

  • B、Cは喫緊の課題で、確実に日本をどん底に陥れるので絶対に正常に戻さなけらばならない。

アベが政治に関わる限り、再生は不可能。

ここ数年の状況を見ていると、与党(自民党、公明党)は絶大なアベ人気とその剛腕ゆえに完全に盲従していた。

これを再来させてはならない。

もっとも、適当な代役が出現すれば与党はまた同じことを繰り返すだろうが、数年はないだろう。

 

Dは、わざわざ火種を撒き散らしているようなもの。

北朝鮮の核弾頭は米国に向けられていたもので、わざわざ日本に向けさせる必要はない。

要は、気まぐれなトランプとの連携強化を避け、米国と中国の間をうまく泳ぐしかないだろう。

 

Eは、ここ30年以上、自民党(公明党も)が押し進めて来た政策を、更にアベが加速させた(非正規拡大、賃金低下、企業収益上昇、逆累進課税など)。

しかし、これは民主主義を取り戻した後に10年ほどかけてやるしかないだろう。

手本があるので政策として難しくはないが、労働界と産業界のコンセンサスを得るのが難しいだろう。

 

 

* 経済はこのままで本当に良いのだろうか

 

既に、幾度も説明して来ました。

結論は、概ね良いことはアベの政策と無縁、概ね悪いことは自民党の政策とそれを拡大させたアベのせいです。

 

株価は上昇し、失業率は下がり、人手不足、円安が進み、オリンピック工事で都心は活況です。

・株価高騰はアベの貢献半分、世界の株高が半分(半分は目安)。

・円安はアベの貢献半分、世界の金融政策が半分。

・失業率と人手不足はアベの貢献1/4、残りは他の要因。

 

 

2

< 2. 人件費、企業利益、売上高 >

 

重要な事は、株価が上がりGDPが少しプラスになっても大半の国民には何らメリットが無いことです。

このような経済システムが既に定着しており、さらにアベによって深刻の度が増している。

 

上のグラフはこれを如実に示しています。

表面的に景気は良くても、株価や企業収益が上がっているだけで、賃金は上がらない。

ほんの一部の人は株高や企業収益のおこぼれに預かれるが、圧倒的多数は無縁なのです。

 

残念なことに御用マスコミとアベ友応援団の大合唱で、大半の国民はこの事実に

気付かない。

そして、良くなると信じてひたすら待っている。

格差を広げる労働システムと税制、バブルを繰り返す経済システムを変えない限り、国民に未来はない。

 

多くの若者は現実に苦しんでいるのに、このシステムの理解から遠ざかっている。

 

しかし、追い打ちをかけて災難が襲う。

世界的な株価下落で日本の株価高騰は逆に日本を窮地に陥れる。

次の章で分析します。

 

 

 

* 今の経済はバブル崩壊で木っ端みじんになるだろう

 

国民は、アベが去ることにより経済の舵取りに不安が生じると思っている節がある。

 

今、大きな災難が降り注ぎつつあるが、この被害の甚大さはアベの政策がもたらしたものです。

従って、結論はアベの政策を正常に戻し、アベの関わりを絶つことが急務です。

 

この問題を考える前に、現状を確認しておきます。

 

 

3

< 3. 世界の株価推移 >

 

上記グラフは世界(日本、中国、ロンドン、米国)の株価が、今年の1月から下落していることを示しています。

円ドル相場も、同時期から円高になっています。

 

問題はバブル崩壊によって、世界経済と日本経済がどれほどのダメージを受けるかです。

ダメージは株価下落の進み具合によって異なります。

 

最高値24000円をつけた日経平均が以前のように8000円にまで暴落すれば、日本経済はこの半世紀経験しなかったほどの最悪となるでしょう。

 

高失業率、大幅なGDPマイナス、続出する企業倒産が10~30年続きます。

さらにこれを救済するために財政赤字が一気に増え、さらに税収と預金の減少で財政破綻は秒読みになるでしょう。

 

この可能性を見てみましょう。

 

 

 

4

< 4. 世界の株価時価総額と世界のGDP >

 

このグラフから、2018年の暴落は2007年のリーマンショックに始まる欧州金融危機の再来と言えるでしょう。

 

 

5

< 5. バフェット指数にみるバブルの兆候 >

 

2016年以降、世界と日本の株価は投資家が提唱するバブルの目安(100%)を越えており、バブル崩壊の警告を発しています。

日本のバフェット指数は1989年の株価暴落の前兆を示し、この後、日本経済は20年以上苦しむことになった。

2017年の指数はこれに近づいている。

これは、アベがこれまでの堅実な日銀政策を博打的なものに変えたからにほかならい。

 

米国は逆に150%から100%に低下中です。

 

 

 

6

< 6. 米国中央銀行の貨幣供給と株価の差 >

 

米国は既に緩和縮小(ベースマネー減少)を行っているが、過去の緩和の勢いで株価は過熱気味です。

今、日銀がやっている大量の貨幣供給も、このようにコントロールが難しいのです(金利操作の余地があれば良いのだが)。

 

 

以上5つのグラフは、ほぼ確実に世界が同時にバブル崩壊に入ったことを示している。

そのダメ―ジについては、世界は前回のリーマンショックと同程度で、日本のダメージはアベノミクスにより1990年代の最悪に並ぶでしょう。

 

 

 

 

7

< 7. 今年になってからの日本の為替と株価 >

 

為替の動向は概ね日米の金利差で動いているが、期待値だけで大きく変動することがある。

相場水準は両国の金融緩和の差(金利差)で概ね決まり、後は投機家が先読みし売買することにより為替の変動が起きていることを示している。

 

 

年初から、今まで日本株を買い続けて来た海外投資家は一気に見限り逃げ出した(円高が大きい)。

それを日本の個人投資家がチャンスと見て買い足している。

 

しかし、一番始末に悪いのは日銀が株価を買い支えていることです。

もし、ここで日銀が買わなければ株価は暴落し、今まで年金基金と日銀が買い支えて来た60兆円(?、2017年3月で50兆円)の大半が失われる。

こんなことをしても、世界でバブルが弾ければ、追加購入は損失を増やすだけに過ぎない。

 

こんなバカげたとことを、アベ政権になってから本来独立機関である日銀まで行うようになった。

 

 

* まとめ

 

皆さんは、見かけに囚われず、経済システムを理解するようにしてください。

そうすれば、このまま続けると危険なことがわかるはずです。

 

とりあえずは、アベ政権が誕生する前の状況にでも戻し、しのぐしかないでしょう。

そして日銀政策と労働の規制緩和を元に戻し、これ以上の逆累進性の税制をストップすることです。

これなら、たいていの政権で行えるはずです。

 

絶対してはならないことはアベノミクスの深追いです、アベノミクスがバブルの傷を深めるのですから。

やるべきことは、アベノミクスからのスムーズな撤退です。

 

これから日本は景気上昇どころではなく、手痛いバブル崩壊で景気後退に苦しめられることになる。

このために、また景気刺激策(財政投資)と金融緩和がまた必要になる。

新政府は過去の経験と日銀の従来の手法、米国の知恵を借りてやるしかない。

米国はバブル崩壊の大先輩なのだから。

だが、米国の猿真似は危険、後にさらに大きなバブルと格差拡大を呼ぶことになる。

 

このバブル崩壊後の対処で、おそらく政府は最悪100兆円に及ぶ損失を被ることになるだろう。

これもアベがもたらした置き土産です。

 

この悲惨な状況を心ある経済学者は以前から警鐘を鳴らしていた。

しかし、優勢なアベ友応援団と御用マスコミの単純な礼賛に国民は踊らされてしまった。

これまで煽動して来た人物は、鳴りを潜めるだけで責任を取らず、騙された国民が自己責任を取るのです(米国も同じ)。

 

実に痛いの一言に尽きる。

 

 

 

終わります。

 

 

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何か変ですよ! 94: 今、国民が問われていること


1 

*1

 

 

ついに懸念していた森友問題で役人が犠牲になった。

いつものように命じた上層部は安穏としている。

 

これを看過すれば失われた命、彼の無念が無駄になる。

国民は、憂うべき事態を真摯に受け止めるべきだ。

 

 

 

2

< 2. 何が起きているのか >

 

* 何が問われているのか

 

与党は政権を死守し、野党は政権転覆に必死だ!

しかし、最も重要なことは今の政治を国民が正しく見極め、良識を持って是非の判断を下すことです。

 

この機を逃せば、二度と国民の望む政治への刷新は不可能になるでしょう。

なぜなら、政権主導で国民の権利が軽んじられ、全体主義(情報隠蔽、恣意的な行政、言論統制など)に大きく舵を切っているからです。

 

この状況が進んでしまえば、政治は一部の人々に握られ、多くの国民は蚊帳の外に置かれることになる。

 

 

 

* 憂うべき事態

 

ここ数年の社会経済の悪化を概観します。

 

3

< 3.国民の資産がバブル崩壊で・・・>

 

4

< 4.バブルが崩壊すれば経済はさらなる・・・ >

 

 

長期与党の政策により悪化と困窮が進行している

 

* 経済悪化: 賃金低下、非正規拡大、円安・・・

* 生活困窮: 格差拡大、貧困率の増大、エンゲル係数上昇・・・

* 将来不安: 進みつつある年金、福祉のカット。

* 財政破綻: 迫る累積赤字増大によるデフォルト。

 

現政権によって急速に悪化したもの

 

* 失われた報道の自由: 放送局への圧力、御用新聞以外への威嚇・・・

* 軍事優先で先鋭化: 対立を扇情、米国との軍事同盟強化、軍事大国化・・・

* 行政の腐敗: 露骨な便宜供与、審議拒否(否定・隠蔽・拒否・改ざんなど)・・・

* 政治家の劣化: 強行、腐敗、私物化(縁故者の優遇・免責)、傲慢・・・

* バブル崩壊: 日銀と年金基金による株式運用の巨大損失、金融危機後に来る長期停滞と高失業率・・・

* 日銀の後始末: 国債500兆円の市場への放出による弊害、損失。

 

 

5

< 5.何が起きようとしているのか >

 

 

現政権の存続が招く最大の危機

 

* 民主主義の崩壊: 三権分立や議会制を破壊、批判勢力を抑圧・・・

* 前近代への回帰: 緊急事態条項や1世紀前の体制復帰をもくろむ憲法改正、人権や自由を軽視・・・

 

ここ数年の日本の悪化を数えればきりがない。

 

 

 

* 体制擁護派の弁護について

 

巷で言われるように現政権によって本当に社会と経済は良くなったのだろうか?

この件については既に説明して来ましたが、ここでは要点だけ触れます。

 

* 大多数の国民、労働者、社会保障の対象者にとって悪化の方が勝る。

 

* 経済(株価、GDP、企業利益、失業率)は良くなった。

これは幾多の要因が重なってのことだが現政権の役割も大きい。

しかしバブルが弾け、世界同時金融危機ともなれば、今回の政権と日銀政策が災いとなり、今までに無い巨大損失と長期景気後退を招くことになる。

下手をすれば100兆円を越える財政赤字の上乗せが起きるかもしれない。

 

* 敵対的で派手なパフォーマンスは、北朝鮮問題でも役に立つことはなかった。

今回の転機は中国の経済封鎖と中国と韓国の対話姿勢が生んだものです。

大盤振舞の海外援助も内実は資金や生産の海外移転で、大手が海外で儲けるだけです。

 

* 政権は現実的な政策を矢継ぎ早に行い、安定感があるように見える。

しかし内実は既存政策の焼き直しに過ぎず、緻密さや公平性に欠け、ほとんどが財界や富裕層優遇で早晩格差拡大が深刻化する。

原発推進が好例です。

 

よくよく注視すれば問題点が見てくるのですが、残念ながら有力な経済紙や御用マスコミの影響が目隠しになっている(そうでない経済紙「東洋経済」もある)。

 

 

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* 今回の事件が教えてくれること

 

森友問題は1年前に朝日新聞が報じ、政府と与党そして御用新聞の執拗な攻撃を受けながらも、やっと今日の解明にこぎ着けた。

 

政府と官庁の徹底した情報隠蔽、非協力(証人喚問)で解明は困難を極めた。

 

私も含め多くの国民は、一連の首相近辺で起こる下劣な事件に嫌悪感を持ってはいたが、野党の進まぬ解明と追及にもうんざりしていた。

 

だが、ついに二大新聞の良心と執念が突破口を開いた。

おそらくは、命を賭けた内部告発こそが最大の功労者だった。

出来ることなら死なずに名乗り出て白日の下に罪業を明らかにして欲しかった。

そして、彼は国民から讃えられながら家族共に末永く生きて欲しかった。

 

しかし、日本の組織文化(部下が責任を被り、内部告発者が虐げられる社会)にあってこれを望むことは無理だろう。

おそらくは、今回の朝日新聞の報道姿勢はこの内部告発者を守る為だったのでしょう。

 

 

今回の事件は、大きな教訓を示してくれた。

 

A: 日本には悪政を批判し、不正を暴くマスコミが不可欠です(御用新聞ではない)。

 

B: 政府や官庁の独走を牽制し、腐敗を未然に防ぐには野党が不可欠です。

 

これらを目障りとする体制側の抑圧が進み、もし本当にマスコミや野党が潰されていたらと考えると背筋が凍る。

 

今回の事件は、腐敗政治の危機を救った一撃として日本史に残るでしょう。

 

 

もう一つ、今後、野党が中心になって取り組むべきことがある。

 

C: 官僚と内閣の腐敗構造を断ち切る制度確立と、腐敗の再発を常時監視するオンブズマン制度が不可欠です。

おそらく、他の首相周辺の事件も同様に暴かれていき、国民はさらなる腐敗の広がりに驚くことになるだろう。

 

先ずは、この困難な解明を成し遂げた快挙に祝杯を!

 

 

* 良識ある国民は立ち上がって欲しい

 

このまま現政権が突き進むと、日本は早晩、戦火と破局を迎えるか、衰退と混乱を味わうことになっただろう。

 

この事件の解明が進んだことにより、想像を絶する暗黒面が浮き彫りになった。

首相の絶大な人気と官僚人事の掌握によって、中央官庁に腐敗と劣化が短期間に広範囲に及んでしまった。

 

首相の絶大な人気に、与党議員は完全に一色に染め上げられ、首相の常軌を逸した言動に異論を唱えるものはなくなり、おべっかが目立つようになった。

さらに御用新聞、放送局、記者、コメンテーター、学者の多くが政府による飴と鞭により、体制批判から擁護へと舵を切った。

 

このまま事件が暴露されることがなかったら、この全体主義に比肩できる悪化は留まることが無かっただろう。

 

巷では、公文書改ざんは単に書類の書き換えに過ぎないと指摘する声がある。

おそらく、手をこまねいていると尻尾切りによって一見落着となるだろう。

今の隠蔽体質と、自己責任など感じないトップの下ではその可能性が高い。

また現状ではトップに法的な責任を取らすことは困難だろう。

 

しかし、既に見たように今の状況を放置すれば日本の将来はない。

 

思い出して欲しい。

第二次世界大戦の切っ掛けとなったナチスの台頭は、いみじくも麻生大臣が指摘したように最も民主的な憲法下の議会で、国民の熱烈な支持によって始まったのです。

民主主義で平和な日本だから安心とは言えないのです。

少しでも気を許すと、独裁者ヒトラーを生んでしまうのです。

 

今はその危険が迫っており、社会はまさに激情化し沸騰しつつあるのです。

例えば、ツイッターでは扇情的で右翼的な暴言が、正論で穏やかな発言よりも100倍ほど拡散しています(維新の足立議員のツイートなどは超人気)。

 

国民が無関心を決め込んでいる間に、このような扇情され易い人々が政権を支え、政治が悪化していくのです。

ナチスが台頭する初期、過激な若者が「突撃隊」などに参加し、ヒトラーを支える力となった。

 

国民は良識を持って現政権続行に対して是非の判断を下して欲しい。

法で裁くことは出来なくても、世論や選挙でノーを突き付けることは出来る。

 

 

 

7

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* 大事な気付き

 

ここ数年で起きた、森友だけでなく一連のアベ友に関わった事件、首相の横柄で下卑た言動、官僚やマスコミの尻尾振り、ネットウヨの大合唱、世界の嫌われ大統領との親密な交友・・・。

 

これらはけっして首相の人気低下には繋がらなかった。

与党や御用新聞の援護もあるが、やはり首相の強権的な言動と目立つパフォーマンスが人気を博したからです。

 

翻って考えて欲しい。

多くの国民の安易な期待、無関心と傍観が、このトップの驕りを増長させ、怪物(独裁)を生んでしまったことです。

このことがやがて政治や社会をかつてのような地獄に追い込むことになるかもしれなかったのです。

 

この手の激情がドイツでヒトラー、日本で東条内閣を生み育てたのです。

これは一度加速すると、後戻りは出来ないことを歴史が示しています。

しかし、今なら間に合うでしょう。

 

冷静で客観的な対応こそが社会の悪化を留めるのです。

 

 

終わります。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 30: 暮らしのカラクリ 4: 煽られた競争


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今日は、少し複雑な話になりますが、「競争」に纏わる話をします。

「競争」は賃金、規制緩和、経済力を理解するには避けて通れない概念です。

実は、私達の「競争」の概念は間違った方向に誘導されていた。

 

 

* はじめに

 

「競争」に纏わる文言を挙げます。

 

A: この世は逆肉強食だから弱者を甘やかすな!

 

B: 規制緩和は市場に自由競争をもたらし、価格低下とサービス向上をもたらす!

 

C: 賃上げは企業の国際競争力があって可能だ!

 

 

この三つは、社会に厳しい競争があることを強くイメージさせます。

この論理の罠に気付くことは難しい。

これは経済上の勝者(超富裕層)が、競争と勝者こそが善であると信じ込ませて来た結果です。

 

これとよく似た状況がかってありました。

Aの論理が、19世紀の帝国主義が苛烈な折、白人が有色人種を搾取しても良い口実に使われた。

当時、白人は自然淘汰(逆肉強食)の中で選ばれた人種であるとする思想が一大ブームを巻き起こしていた。

Aはこれと同じ陳腐なデマの再来なのですが、今また蔓延している。

これが間違っていることは、人類史、法制史を振り返れば一目瞭然なのですが、ここでは割愛します。

 

 

結論から言えば、私達が暮らす地球は市場での競争が前提で、競争を否定することは現実的でありません。

 

しかし、まちがった「競争」の概念が社会を劣化させ、社会改革を妨げています。

何が間違っているか見て行きます。

 

 

 

 

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* 自由競争の幻想

 

結論から言えば、現実に完全な自由競争が行われている市場はない。

この結果、自由競争が価格の低下やサービス向上をもたらすことはない。

 

現実には、一部の強者に非常に有利な市場が出来がっていたり、または何らかの制約が働き、完全な自由競争などないのです。

この制約には社会保障(人権擁護、環境保護など)の為に行政が規制や自主規制があります。

どちらにしても完全な自由競争市場は幻想に過ぎない。

 

既に競争優位にあるか、さらに市場の独占を画策する側からすれば「自由競争の善」を社会に浸透させることが不可欠です。

 

強者(市場占有)が生まれる理由は様々ですが、資本力、情報力、政治力などが大きい。

政治力の例としては、公共の為と称して特定の学園や企業だけに参入を許すことなどです(後進国で酷いが先進国、日本などでも起きている)。

 

資本力の大きい方が小さい方を圧倒することは常識と言えます。

企業の統廃合が繰り替えされ、やがて巨大企業が市場を占有することになる。

こうなれば価格は上昇し、サービスが低下するのが通例です(マイクロソフト)。

 

また各国は国際競争に対処するとして独占禁止に逆行する大銀行の合弁を押し進めている。

この巨大銀行は金融危機時、国が倒産から保護してくれるので、益々バブルの温床になり易い(ゴールドマンサックス)。

 

情報力や知的財産権(特許)なども同様に大が小を圧倒することになる。

 

この独占が進むイメージは、水面にビー玉を乗せた皿を浮かべると、少しの波でビー玉が一度片方に寄ってしまうと、皿が傾き一気に沈没するのと似ています。

 

 

 

3

< 3. 生産性は上昇しているが賃金は低下、厚生省より >

 

坊主丸儲け状態(住職を批判しているのではなく、**が濡れ手で粟)

 

 

* 言い訳の国際競争力

 

産業や企業の国際競争力は必要です。

賃金はその一要素に過ぎないが、日本ではこれだけが政財界によって強弁されている。

ここでは全体像を掴み、私達に何が真に必要かを考えます。

 

残念ながら、日本の国際競争力は低下の一途です。

これは、ここ20年ほどのあらゆる経済指標(GDP、賃金、貿易額など)の低下に現れている。

この本質を如実に示しているのが賃下げ(労働者酷使)と円安でしか国際競争力を回復する手立てがないとする政財界の姿勢です。

このような過去への回帰、保守化傾向はかつての英国衰退の二の舞です。

 

問題は真の国際競争力を高める努力を放棄していることです。

 

 

 4

< 4. 日本の国際競争力の低下、総務省より >

 

 

* 日本の国際競争力の現状

 

世界の開放経済において、自国の競争力のある製品が海外市場で売り上げを伸ばし、自国に外貨をもたらし、一方で海外の優れた製品をその外貨で購入することが出来る。

この場面で国際競争力が不可決で、日々、企業は世界と国内で競争を続けなければならない。

 

それでは企業は何を競争すべきなのでしょうか?

これはコストダウンだけではなく、様々な要素があります。

 

先ず、コスト低減について見ます。

日本では労働者の賃金低下が餌食になっています。

 

しかし常識的には生産性向上です。

これは時間当たりや一人当たりの生産額を増やすことで、一般には最新鋭の生産設備導入や革新的な生産方法の導入が不可決です。

 

現在、日本の企業は国内の設備投資を長期的に減少させていますので、この手のアップは期待出来ません。

不思議なことに、日本の首相は外遊で世界に50兆円を越える大盤振る舞いを行い、国民も国際貢献を喜んでいます(真の狙いは海外投資拡大)。

一方、日本の民間設備投資はつい最近まで年60兆円台でした。

このあり余った50兆円を国内に投資すれば、どれだけ競争力向上に寄与し、経済が復活したことでしょうか?

 

つまり、政財界は企業の競争力向上の自助努力を放棄し、労働者の賃金低下に頼っているのです。

このことは別の深刻な生産低下を招いています。

 

皆さん、周辺の職場を見て下さい。

民間企業には非正規が溢れ、公的な機関には民営化と称してアルバイトやボランティアが溢れています。

これが職場に何をもたらしたでしょうか。

 

かつて日本には米国由来の産業心理学が言う、作業者の参加意欲を高めることで生産性が上昇するとみなされた時代があった。

今は、隠れブラックこそが・・・、時代は変わった。

 

この状況でも懸命に働く人はいるでしょうが全体的に見れば、給与格差が甚だしく、地位が不安定な状況で、意欲を持って働けと言うのは無理がある。

つまり政財界の政策は、間違いなく生産性低下に大きく寄与しているのです。

既に説明しているように、賃金上昇は可能なのですから、逆行を止めるべきです。

(この連載「暮らしのカラクリ 1と2」で説明済み)

 

日本の貿易にも、この逆行が現われています。

それは貿易(商品の輸出)が減少し、海外投資(資金流出)の増大、そして海外からの投資収益とパテント料収入の増大です。

このことを経済の成熟とみなすエコノミストもいるのですが、歴史的に見れば衰退の兆候です。

 

 

奇妙な事に政治家や右翼は国益重視と言うわりに、資産家や企業の国益無視には寛大なのです。

言い方が悪いのですが、海外に工場を作り海外証券に投資し国内投資を怠るから、またパテント料を得るために特許を海外譲渡するから、国内の競争力が弱体化する側面があります。

 

画期的な新製品が世界でヒットすれば、これも国際競争力のアップとなりますが、この手の商品はもはや日本では誕生しなくなった(ウォークマンとスマホ)。

 

実に、日本の政財界は国際競争力について周回遅れの認識なのです。

 

 

 

* 日本が進む道は・・・

 

残念ながら、私の見込みでは日本は徐々に国際競争力を低下させるか、今回の政権のように起死回生と称して経済と財政を破局へと追い込んでしまうでしょう。

 

しかし、救いがないわけではない。

ここでは、北欧の事例を挙げます。

 

私は、30年ほど前、デンマークとスゥエーデンの企業を視察して感銘を受けました。

 

企業について

* 数百名の企業規模で高度技術を売りにした単一商品を世界展開していた。

* 生産は下請けに頼らず自社生産、生産作業は労働者の心身に負荷を与えず意欲を重視していた。

 

ライフスタイルについて

* 残業はせず、休日を充分とり、人生や趣味を謳歌している。

* 日本の男性だけに見られる赤ちょうちんの楽しみはなく、余暇は家族で楽しむ。

 

この状況は今も変わらないようです。

(私は6月に確認に行くつもりです)

 

 

北欧には国際競争力を高める政策があります。

 

国と企業、国民も科学技術と教育を重視し、競争力を重視する。

北欧の経営者に技術者が多い。

 

企業と労働者が敵対的ではなく、協力して競争力向上と賃金上昇、社会保障を確保している。

また国民が政府を信頼しているので、個人番号制は定着している。

 

職種別賃金が定着しているので、これを支払えない企業は撤退していく。

 

労働者が産業や企業の再編に適応出来るように、失業時の補償と転職の為の教育制度が確立している。

当然、キャリアを生かして転職であれば、同一賃金が得られる。

 

これらが大きな要素です。

明らかに日本にはないシステムです。

 

残念ながら、このシステムを日本に導入することは簡単ではないと思います。

それはあまりにも文化と政治風土が違い過ぎるからです。

 

しかし、とりあえず目標はあるわけですから、不可能ではない。

 

 

終わります。

 

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 28: 暮らしのカラクリ 2: 賃上げは国を滅ぼす・・


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*1

 

 

今日は、労働者の賃金を上げると、国の経済力が落ちてしまうと言う妄言を検討します。

 

 

* はじめに

 

日本の皆さんは生真面目ですから、政府や偉い御用学者らに「賃金を上げると、企業の競争力が低下し、国はやがて衰退する」と言われ続けていると、賃上げに後ろめたさを感じるようになってしまった(笑い)。

 

これが真実かどうか、検討してみましょう。

 

A: 国民の賃金低下は経済に好影響を与える。

 

B: 賃金上昇は企業の競争力を低下させる。

 

この二つがポイントです。

 

 

 

 

 

* 賃金低下は経済に好影響を与える

 

賃金を低下させると企業は出費を減らせ、投資を増やし、競争力が増して輸出が増え、国の経済は上昇するとされている。

 

実は、この間違いを長々と証明する必要がないのです。

なぜなら日本は1990年代から賃金低下に伴って、経済は低下の一途なのですから。

そうは言っても、間違いのポイントは重要なので解き明かします。

 

 

 

2

< 2. 日本のGDPの内訳 >

 

国内総生産(GDP)と言う指標があります。

これは国内で1年間にどれだけの付加価値(生産額)が生まれたかと言うものです。

日本の場合はこの内、個人消費額の割合が60%ほどありますが、一方で輸出額は11%ぐらいに過ぎません。

 

もし国民の賃金を20%低下させたら本当に経済は上向くのでしょうか?

 

それでは簡単にメカニズムを追います。

賃金が下がると、国民は消費を減らし、単純にGDPは12%(=GDPx60%x20%)低下します。

労働者は貯金を下ろすか、借金をして生活レベルを守ろうとするので、実際にはここまで下がらない(注釈1)。

しかし現在、日増しに貯蓄率は減り、貯蓄の無い若い層が増え、エンゲル係数も上昇している。

 

 

一方、企業は製造コストの50%を占める人件費が減るので、10%(=GDPx50%x20%)の利益アップか商品価格の値下げが可能です。

 

問題はこれでGDPが幾ら上昇するかですが、実はほとんど期待出来ないのです。

 

例えば価格を下げ無い場合、同じ売り上げ額で企業の利益はおそらく3倍になるでしょう(製造業の平均利益率4%)。

もし全額、設備投資に回せば生産性もGDPも上昇するのですが、既に企業は国内への投資を増やさなくなっています。

つまり企業の剰余金が増え、その資金は海外や証券投資に向かうだけでGDPは増えません。

 

 

3

< 3. 円安と輸出額の関係 >

 

 

もし商品を値下げし売り上げ額を増やせばGDPが増加するのですが、この影響は大きくはない。

 

例えば図3の赤枠を見てください。

2012年から2015年で円安は33%(1ドル80円から120円)進んだが、この間の輸出のGDPに占める増加は約3%に過ぎなかった(注釈2)。

 

つまり、賃金低下は輸出を増やす効果よりも、GDPを減らす効果の方が圧倒的に大きいのです。

また賃金低下はデフレを加速させる。

 

 

* 賃金上昇は企業の競争力を低下させる。

 

結論から言えば、条件付きですが賃金上昇は国際競争力を低下させない。

 

実例があります、デンマークやスウェーデンは貿易依存度が60%あっても賃金は世界最高水準なのです(日本は25%)。

当然、両国の経常収支は黒字です(つまり競争力があり輸出が多い)。

 

 

確かに、個々の企業は販売価格を下げることで競争力が高まるので賃下げの誘惑にかられやすい。

しかし民主的な国であれば賃金低下で競争力を高めようとはしません。

なぜなら聡明な国民は反対し、政府は従うからです。

 

ここで重要なポイントは、国の経済力に応じて為替が自動調整されることです(変動相場制)。

歴史的に産業が発展した国(輸出が多い)の為替は高くなります。

この理由は、貿易で黒字(経常黒字)になることで自国通貨が高くなるからです。

 

一方、国が通貨安を画策する場合(為替介入)がありますが、これは貿易相手国が皆望んでいることであり、まず抜け駆けを許してくれません。

通貨が通常より大きく安くなるとすれば、それは身勝手な超大国のごり押しか、裏取引(密約による協調介入)、または投機筋の思惑でしょう(実需の為替取引額の10倍以上が思惑?で売買されている)。

 

つまり、賃金を下げ競争力を得て、輸出増になっても貿易黒字になれば円高になって競争力はまた低下するのです。

一時、これで企業家は楽して利益を得るのですが、結局、悪循環になるだけです。

この間、苦労するのは国民、労働者だけなのです。

 

 

* まとめ

 

結局、単純に考えても賃上げの方が経済や大多数の国民には正しい道なのです。

前回見たかつての「夜明け社会」がそうでした。

今は狂っているのです。

 

しかし多くの方はまだ納得しないでしょう。

現状で、賃上げして経済は持つのかと疑念を持たれるはずです。

 

実は、ここでも北欧に成功事例があるのです。

高水準の賃金でもやって行ける理由があるのです。

ポイントはやはり競争力です。

それは賃金カットではなく、競争力のある企業や産業、技術、人材を育てることしかないのです(いずれ紹介します)。

この仕組みは、一朝一夕に出来るものではありません。

 

 

おそらく日本の現状では、北欧のように国民と産業界が協調し政治と経済を動かす風土を作るには1世紀かかるかもしれません。

 

しかし、これしか道はないでしょう。

少なくとも米国の来た道(夕暮れ社会)を進むのは賢明ではない。

 

 

次回に続きます。

 

 

注釈1

 

 

4

< 4. 家計貯蓄率の減少 >

 

貯蓄額を可処分所得で割った比率はついにマイナスになった、つまり各家庭は貯蓄を引き出して生活をし出した。

 

 

 

注釈2

この説明では、33%の円安は33%の商品価格の低下とみなしています。

ドルで買う顧客にとっては33%の値引きになったが、数%としか売り上げは増えなかったと言いたいのです(企業利益は格段に増加)。

確かに為替変動(価格変動)に伴って輸出額は変化しますが、グラフの2002年~2007年の変化からわかるように海外の景気動向の方が影響は大きいのです。

 

実は、円安は輸出を増やすメリットだけではない。

 

5

< 5. 円安倒産 >

 

目立たないのですが、輸入業者は急激な円安で倒産の嵐に晒されたのです。

当然、輸入に依存している消費財も値上がりし、家計を苦しめることになります。

 

もう一つ忘れてはならないことは、為替変動は予測が困難で頻繁に振れることです。

つまり企業家も庶民も、円安や円高に甘い期待は出来ないのです。

 

 

 

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 27: 暮らしのカラクリ 1: 少ない稼ぎは・・


1

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これから日本の政治経済の劣化した局面を一つ一つ切り取って見て行きます。

巷にある誤解を分かり易く解説します。

今回は、裁量労働制などの労働条件の劣化を取り上げます。

 

 

 

2

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* はじめに

 

長屋の二人が稼ぎで口論していました。

 

熊吉

「 稼ぎは自分の腕次第さ! 少ない稼ぎを親方のケチのせいにするな! 」

 

金太郎

「 働きによって稼ぎに違いはあるだろうが、一人の頑張りだけではどうにもならないものがある。 」

 

熊吉

「 そんなものがあるものか? それは逃げ口上だ、たかり根性だ! 」

 

 

みなさんはどちらが正しいと思いますか?

この理解が正しくならないと、日本は益々劣化していくことになります。

 

熊吉さんは自己責任を重んじる、如何にも良き日本人です。

一方の金太郎さんは、それと異なるようです。

 

 

 

3

*3

 

 

* 皆さんの給料は何によって決まるのでしょうか?

 

給料が決まるメカニズムを簡単に説明します。

 

単純な二つの社会を想定します。

普通の経済状況で、失業率は数%、複数の企業が労働者を雇っている二つの社会を想定します。

 

一つは企業に自由な首切りを認める「夕暮れ社会」、他方は絶対首切りを認めない「夜明け社会」とします。

 

この二つの社会の企業家と労働者はどのような行動をとるでしょうか?

その結果、この社会の給与水準に違いが生じるでしょうか?

 

この違いが分かれば、今の政治に何が欠けており、何が必要かが分かることになります。

 

 

4

*4

 

 

* どのようなメカニズムが働いているのか?

 

首切りが自由であれば、労働者は経営者の言いなりになります。

 

経営者は給与を上げてくれ、残業代が欲しいと訴える労働者の首を切ることになる。

これは替わりの労働者が幾らでもいることで可能になります(失業率は零にならない)。

企業はコスト競争をしていますので、一社が始めればついには社会全体にこれが蔓延します。

さらに賃下げが始まり、遂にデフレが定着します。

これが「夕暮れ社会」です。

 

もう一方の社会では、労働者は組合を作り、賃上を要求するようになります。

経営者はストをされても首切りが出来ないので賃上げせざるを得なくなります。

企業は賃上げ分を商品価格になかなか転嫁出来ず、企業利益は低下します。

ついには商品価格が上昇し始め、インフレが定着するようになります。

これが「夜明け社会」です。

 

こうしてみると稼ぎは、熊吉さんの言う自己責任で決まると言うより社会的にその水準が決まることがわかるはずです。

(注釈1で補足説明します)

 

 

 

* 「夜明け社会」は存在した

 

現実の日本経済は、「夜明け社会」と「夕暮れ社会」の間にあり、ここ40年ほどの間に益々、完全な「夕暮れ社会」に近づいています。

 

実は、欧米と日本も1940代から1970年代は「夜明け社会」だった。

これは概ね、経済学者のケインズが理論づけし、ルーズベルト大統領が実施したことから始まった。

この時期、経済成長と賃金上昇が続き、格差は縮小し、インフレが起きていました。

戦後は、今想えばまさに黄金期だったのです。

 

しかし、やがてスタグフレーション(インフレと不景気の同時進行)が起きました。

ここで、それまで賃金に利益を食い潰されて来た企業家は逆襲に出たのです。

それが1980年代に始まる、規制緩和とマネタリズムの嵐なのです。

 

こうして賃金の低下が始まった。

けっして難しい話ではないのですが、真実が隠されてしまったのです。

それは多くの経済学者、エコノミスト、マスコミが日々の糧を得るために体制擁護になってしまったからです。

(巨大な富が集中し、それが彼らに幾らか還元される)

 

 

* まとめ

 

結論は、給与水準はほとんど社会的に決まると言えます。

 

そしてこれは企業家と労働者のパワーバランスに左右され、また政府がどちらの立場に立つかで決まります(悪い規制緩和)。

他の要素もあるが、これが重大で、特に日本が酷い(注釈2)。

具体的には、首切りが自由な非正規雇用や残業代カットが容易な裁量労働制などです。

労働条件の劣化は、ここ30年ほどの現実のデーターがこれを裏付けています。

 

まだ信じることが出来ない方は、次の疑問にどう答えますか?

 

「ある移民が後進国から先進国で働くようになると大きく給料が上昇するのはなぜですか?」

 

これを個人の能力で説明することは出来ない(注釈2)。

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

注釈1

現実の経済では、首切りや賃金カットの容易さは複雑で、簡単に推し量れないものがあります。

そうは言っても、既に述べた基本的な理屈は明らかで、歴史が証明しています。

 

「夕暮れ社会」は正に今の自由放任主義経済の日本で進行中で、その悪弊の最たるものは非正規雇用の増加、賃金低下、デフレなどです。

 

しかし「夜明け社会」にも問題がありました。

それは生産性を上回る賃上げが、悪いインフレ(スタグフレーション)を招き、労働組合がその力に胡坐をかいてしまったことです。

これを暴走と言えるかもしれませんが、現在も別の暴走が加速しているのです。

 

 

注釈2

賃金水準は、国の経済力、個々の産業の競争力、そして組合の影響力(労働者の権利擁護の体制)で概ね決まると言えます。

どれか一つでも弱いと、賃金水準は低下します。

 

 

注釈3

例えば、同じベトナム人がスゥエーデンとベトナムで同じ仕事をした場合、大幅な給与差が生じます。

これは首切りのし易さと言うよりは、組合などの力により職種毎に給料が定まっていることが大きい(移民を差別している場合はこうならないが、スゥエーデンは同一労働同一賃金適用)。

どちらにしても社会が給与水準を決定しているのです。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 26: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 5


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今回はまとめになります。

世紀末の呪縛から脱する手立てはあるのか?

未来を変えるには・・・

 

 

* はじめに

 

結局、多くの人は豊かさと平和に慣れてしまい緊張感を無くしている。

 

日本が大戦後、無一文の焼け跡から未来を信じ全員が一生懸命働き、画期的な復興を成し遂げた。

この時、人々は希望を持ちながらも将来の不安に備え、少ない稼ぎに関わらず貯蓄を行った。

この資金が国土建設や設備投資に向かい高成長を実現させた。

 

今はどうでしょうか。

日々、今を楽しむと言えば聞こえは良いが、夢に向かって挑戦し続ける若者は激減している。

あり余る資金は国内投資や賃金上昇に向かわず海外証券に向かうだけになった。

若者の海外志向の低下や資金の海外流出は英国没落時の正に再来です。

 

本当に刹那的な社会になってしまった。

 

これでは身も蓋もないが、回生の手立てはあるのだろうか。

 

 

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* 日本には素晴らしい歴史がある

 

かつて日本は長期的な展望を持つ民族だった。

この平野の少ない国土に1億以上の人間が暮らせる不思議がそれを物語っている。

 

これを可能にしたのが、共に社会や資源を守る文化です。

特筆に値するのは乱獲や乱伐を規制した漁業や林業の資源保護です。

世界にはこれらの枯渇を経験した地域が数多くありました。

 

また日本は海外の変化に素早く適応する力を持っていた。

明治維新では、それまでの中華文明一色から、攘夷すべきとした欧米に対し一転して、この文明を積極的に取り入れた。

地球上で、これほど遠方にある異文化の強国、しかも名うての侵略国相手にほぼ無傷で通商を結んだ国は、日本とタイぐらいでしょう。

 

また富国強兵の中で、初期には大英帝国に組し、ドイツが隆盛してくれば英国と手を切り、一度負かしたドイツと早々と軍事同盟を結んだ(二つの大戦で)。

この変わり身の早さは特筆ものです(親米も変わるかも)。

 

まして今は北欧と言う、素晴らしい次世代の社会モデルが存在する。

日本は真似るのが得意なのだから、今の疲弊と劣化から抜け出し、新たな道を進むことが出来るはずです。

 

しかし留意すべきことが一つある。

それは大陸の端にあり、巨大な人口を有する島国ゆえの宿命か、常軌を逸し無謀に走り易いことです(注釈1)。

 

 

 

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* 人類の素晴らしい足跡

 

人類は幾度も破局を乗り越えて来た。

破局とは、外敵や自然の驚異ではなく、社会が内包し放置すれば遂には崩壊に至るものです。

破局の最たるものに、既に述べた感情(貪欲と敵愾心)の暴走がある。

 

人類は如何にして社会の破局を未然に防いで来たのだろうか?

それこそが法制史であり、宗教だったと言えます。

要点をみます。

 

 

法制史の代表例を見ます。

 

古くはハンムラビ法典に同害同罰(同害報復法)が規定されていました。

これは貧富の差による罰則の不公平を是正し、民衆を公平に扱うことを目指した(紀元前2000年頃)。

 

仇討ちを禁止し、復讐の連鎖を防止した。

本来、限定された仇討ちは偶発的な殺人から部族間への戦闘拡大を避ける手段でした。

しかし、これを刑法で裁き決着させることにより殺人と憎悪の連鎖を断ち切った。

 

私有権が認められたことにより財産の侵害が明確化され、犯罪として禁止することが出来た。

 

税の徴収により公共投資が行われ、社会の安全、快適、衛生などの公共政策が進んだ。

 

三権分立により、政治の独裁や腐敗を抑制した。

 

国民が憲法を制定し、政治制度を規定することにより独裁を防止した。

 

化学兵器の禁止条約や不戦条約が結ばれるようになった。

 

 

こうして人類は長い年月をかけて因習や既成概念を打破し、社会の平和と幸福の為に法制度を発展させて来た。

さらに国家間、次いで世界が協働するようにもなった。

 

決して人類は規制緩和を進め、公共政策を縮小して来たのではない。

今の逆行―エゴや欲望の放任―は単に既得権益層の私腹を肥やすゆえの口実に過ぎない(すでに根を張っている)。

これら法制度がなかったら今の世界はなかったでしょう。

 

 

こうして破局を誘発する行為(犯罪)を制限するようになったが、法律だけでその欲望や心理を抑えることは困難です。

それを担ったものの一つが宗教でした。

 

世界宗教の多くは欲望の自制を促し、より大きい隣人愛を奨励して来た。

 

キリスト教を例にみます。

キリスト教は愛の対象を隣人から異民族まで拡大させ、暴力を否定した(パウロの貢献大)。

(ユダヤ教の旧約を引き継いでいるので一部暴力を肯定しているが、全体としては暴力よりも隣人愛を優先している)

しかも、政治を忌避しなかったことで、中世まで政治と強く繋がり大きな影響力を与えた(後に政教分離)。

(原始仏教は政治を忌避し、精神修行に重きを置いたので、政治力が弱くなった)

ヨーロッパ史には、キリスト教の暗黒面も目立つが、熱心な信徒によって奴隷解放などの人道的な革新や平和構築が多く行われた。

 

こうして見ると、人類は法制度と宗教を通じて、本能や欲望をコントロールし、社会の破局を防止して来たと言える。

 

我々は、その気になりさえすればまた豊かな道を進むことが出来るはずです。

 

 

 

* 最後の望み

 

今の日本を一言で言えば「無知、無関心、惰性、そして敵意」が社会を覆い尽くしている。

 

無知: 歴史を学ぼうとせず、都合の悪い歴史事実を無視する。

 

無関心: 未来を展望せず、現状の国際状況や国内の政治社会の動きを表面的に見るだけでメカニズムを理解しようとしない。

 

惰性: 不満や不安があっても現状維持からの脱却(改善さえ)に臆病になっている。

社会経済のメカニズムを理解しようとしないので、見栄が良ければ何ら中身の無い政策でも歓迎してしまう(注釈2)。

 

敵意: 既に解説しました。

 

この風潮を正さないといけない。

 

 

結論は、これ以上の悪化を食い止め、そして世界が手を握り、感情の暴走などの破局を防止する規制(法や条約)を始めることです。

 

その為には、惰眠を貪っている日本の大半(中間層)が覚醒し、政治を変え始めることです。

 

今なら政治の劣化は一部の過激な人々と煽るマスコミに留まっている。

しかし放置すれば、いずれ偶発的で小さな衝突事件を切っ掛けに破局へと進むでしょう(既に仕掛けられた歴史がある)。

 

 

 

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そこで期待出来る人々がいる。

年老いたと言え、団塊世代は青春時代、国家や戦争を論じデモに加わり篤い血潮をたぎらせた。

どうか日本の為、最後に人肌脱いでいただき、周囲に清風を吹き込み、改革に立ち上がる雰囲気を盛り上げていただきたい。

どうか団塊の世代は未来を生きる子供や孫の為に率先していただきたい。

 

東京裁判(~1948年)でインドのパール判事が願ったように世界が共同して戦争を裁き、平和を構築出来る日が来ることを望みます。

 

後退ではなく、一歩でも改革に踏み出そうではありませんか。

 

 

終わります。

 

 

 

注釈1

 

この列島は、古くは中華文明から程よい距離にあったことで文明を摂取出来るが侵略を逃れることが出来た。

次いで、欧米から遠く、魅力的な産物に乏しく、軍事的に重要で無い孤立した列島であったことが、帝国主義の災禍を受け難くした。

 

こうして巨大な人口を抱える日本は、一度世界の覇者を夢見ることなった。

もし当時の人口が数百万人以下であれば、敢えて帝国主義に対する自衛と称して大陸進攻を企てることはなかっただろう。

 

 

 

注釈2

 

ふるさと納税は、結果的に富裕者の税金逃れを加速させ、課税の逆進性をもたらす。

これは寄付行為に多額の返礼品があるからですが、これは当初予想された。

政権はこの指摘を無視し、見栄えさえ良ければ後先考えず施行した。

多くの人は、楽しみが増え、景気上昇に繋がると感じているが、必要な税収が減り、それを他の国民の税収で補っているだけです。

景気を良くする為なら他の有効な手段は幾らでもある。

 

日本の公共投資と言えば、政治屋の地元の土建屋が潤うものでしかないが、福祉(人件費など)などの投資の方が社会的に有意義であり、かつ経済効果は同じです。

日本では話題に上らないが、北欧の公共投資とは後者なのです。

 

現在、日本では低所得の非正規雇用が増えているが、これを加速させているのがこの度の「働き方改革」など、これまでの与党の一連の政策です(米が主導し1980年代から始まった)。

 

難しい理屈は不要です。

実際に、悪化し続けている事実に目を向ければ納得できるはずです。

 

極論すれば、流動性の高い労働者の存在はあっても良いのです。

問題は補償の無い首切り、特に論外は同一労働同一賃金が無視されていることです。

政府はこれを野放にし、国民も嘆くだけで政権に拒否の態度を示さない。

北欧ではこれらが守ら、かつ最も幸福な国であり経済成長も続けているのです。

 

国民が目を覚ます以外に道はないのです。

 

 

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 24: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 3


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*1

 

 

前回に続き、怪しい戦争予防策を採り上げ、次いでバブル崩壊と戦争勃発に共通する要因を考えます。

これが今、社会に蔓延り、放置すれば取返しのつかいないことになる。

 

 

 

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* 危なげな戦争予防策

 

前回見た日独の事例だけでなく経済封鎖は往々にして逆効果を生むことがあります。

例えば、1991年の湾岸戦争後の長期の経済封鎖は、イラクを疲弊させ次の暴挙を生み出す背景ともなった。

(イスラム国ISの台頭を例に、様々な戦争の予防策がむしろ危険を増大させてしまったことを注釈1で説明します)

 

現実に即して見るなら、北朝鮮はなぜ核兵器や長距離ミサイル開発に踏み切ったのだろうか?

経緯から察するに、それは日本や中国が標的ではなく、米国の攻撃を抑止するのが目的と考えられます。

これはイスラエルの核保有に対抗したイランやイラクの核開発、インドとパキスタンの関係と同様です。(核拡散について、注釈2で簡単にみます)

それがこのまま進むと、片棒を担ぐ日本も北朝鮮の標的になる可能性が高まります。

これは当然の成り行きなのですが、問題にならないのが不思議です。

 

また海に囲まれた細長い日本列島においてミサイル迎撃がほとんど不可能なだけでなく、この防衛システムが整った段階で米国と中国、ソ連を巻き込んだ核ミサイル配備競争になることは間違いない(不可能な理由、注釈3)。

1962年の核戦争危機を招いたキューバ危機は、米国が1959年にソ連に隣接するトルコへのミサイル配備が発端になった。

つまりソ連はキューバへのミサイル配備で抑止力の均衡を図ったのです。

これもよく起こる軍拡競争のパターンですが、危険この上ないものでした。

 

数年前まで、日本の右派の評論家は口を揃えて、中国は北朝鮮への経済封鎖に協力しないと断言していたが、今はどうだろうか?

常識的に見て、これしか次善策は無かったのだが、嫌中が足枷となり大局を見誤ってしまった。

 

どちらにしても、平和維持は武器だけで出来るほど単純ではない(米国の銃蔓延が好例)。

だからといってまったく武器が無くても良いとは言えないが。

別の手段と知恵がより重要なのです。

 

 

 

*二つの破局に共通するもの

 

これまでバブル崩壊と戦争勃発のメカニズムを簡単に見て来ました。

 

バブル崩壊では、真っ先に崩壊の被害から逃れようとする心理が市場をパニックに陥れていた。

そして、崩壊の大きさは溢れた投機資金が多ければ多いほど巨大になりました。

さらに被害は、元凶の投機家だけでなく、一国に留まらず世界までを窮地に追い込むのです。

 

戦争勃発では、戦争を回避しようとして軍拡競争が始まり、これが疑心暗鬼を一層駆り立て、一触即発になるのです。

また様々な安易な戦争予防策(軍事援助、軍事介入、経済封鎖など)も、逆に火に油を注ぐことになった。

 

そして勃発の可能性と被害の甚大さは、軍事力の巨大化や兵器の拡散、軍事同盟、国民の疲弊(敵意増大)によって高まるのです。(軍備増強の落とし穴、注釈4)

さらに核兵器による戦争ともなれば被害は地球上すべてに及ぶことになる。

 

 

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* 破局を招く感情の暴走

 

上記二つの破局は、ある感情が広く社会を覆い尽くしてしまったことよる。

 

バブル崩壊では、投資家の旺盛で短絡的な金銭欲がバブルを生み、そして抜け駆けの心理が崩壊を招いている。

(短絡的な金銭欲とは、地道な生産活動ではなく賭博で儲けようとする心根です。抜け駆けの心理とは、他人が損をしてこそ自分が儲かる、つまりエゴであり公共心の逆です。)

 

戦争勃発では、恐怖心が敵意となって軍拡競争を加速させ、そして相手国への無知による疑心暗鬼が戦端を開くことになります。

軍拡などの威嚇合戦が始まると、敵意が増し相互理解がより遠のくことは社会心理学が明らかにしています。

民主国家間でもこの過程を経て、やがて戦争に突き進む可能性が増すのです。

 

問題は、金銭欲と抜け駆け、または敵意と疑心暗鬼の感情が社会で連鎖反応を起こし暴走し始めると制止することが困難になることです。

現在、人々はこれらの感情をありふれたものと見なし、この感情の暴走に何ら疑念を持たなくなってしまっている。

放置しておくと破局を招くことは既に見た通りです。

 

これこそが厄介なのです。

これら感情の暴走を止める必要があるのです。

 

 

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* この感情の暴走がなぜまかり通るのか

 

先ずは、この感情の暴走が危険であり、これを看過する今の社会が異常である事を認識する必要があります。

 

実は、この不感症さはここ数十年の間に生じたものなのです。

この間に、人々は刹那主義に陥り、理性を麻痺させてしまった。

 

バブル崩壊で言えば、金銭欲と抜け駆けの欲望は留まるところが無い。

ここ半世紀、自由放任主義(規制緩和と累進課税放棄)がもてはやされ、やりたい放題(累積赤字と格差の増大)なのです。

しかし、20世紀初頭から世界大恐慌後しばらくの間は、先進国(英米筆頭)においてこの欲望を制限して来た。

北欧は当初から別の手段(社会保障)によって、この難を逃れている。

 

戦争勃発で言えば、現在、敵意と疑心暗鬼の感情が益々剥き出しになっています。

現在はこの感情を抑制することが軽蔑の対象すらなる(平和ボケ、国賊と呼ばれる)。

大戦後しばらくの間は、反省からこの感情を抑制し平和の構築を目指していました(EU統合、国際連合平和維持活動が始まり、北欧の平和貢献は続いている)

 

 

次回はなぜ、今の社会が理性を麻痺させてしまったかをみます。

 

 

 

注釈1

イスラム国が誕生した背景に何があったかを簡単に見ます。

 

様々な要因が絡んでいるのですがポイントを振り返ります。

 

まず、直近は2003年のイラク戦争によるイラク社会と経済の崩壊でした。

特に米軍占領下で報復としてスンニ派で占められた軍人を大量解雇し、これがイスラム国に加担した(シーア派を敵とすることで一致)。

 

これに遡って米国はアフガン戦争において、中東イスラム圏からの義勇兵(アルカイダ)をソ連に対抗できる近代兵器を有する武装集団に育成していた。

これがアフガン戦争後、イラクやシリアに戻って来た。

 

既にイラクでは、1991年の米国主導の湾岸戦争とその後の経済封鎖で極度に疲弊していた。

またイスラエルとの中東戦争に介在した欧米、キリスト教国への憎しみが中東で蔓延していた。

 

これら欧米の施策がイスラム国の台頭を招いたと言える。

つまり安易な大国の戦争予防策が裏目に出てしまっている。

 

 

注釈2

イスラエルはフランスより核施設を導入し、米国が黙認し核兵器を保有することが出来た。

これを脅威としてイランとイラクは核開発(平和利用だけかは不明)を進めた。

これに対してイスラエルはイラクの核施設を空爆し、イラクは開発を断念した。

またイスラエルはイランの核科学者を多数暗殺し、研究工場と研究者を爆殺し、またイランも核開発を放棄した。

このイスラエルの犯行はモサドによって秘密裏に行われたので、確たる証拠はないが公然たる事実です。

 

インドとパキスタンの核兵器保有の発端は、中国と国境紛争を起こしていたインドが中国の核への対抗策として行ったと見られている。

そしてインドが保有すると、これまた国境紛争を起こしていたパキスタンが対抗して核兵器保有に走った。

 

こうして連鎖的に核拡散は進んだ。

 

 

注釈3

近海の潜水艦や偽装船から複数のミサイルによる攻撃が同時に行われれば完全な迎撃は不可能です。

これは単純な理屈で、日本列島はほぼ無数に近い迎撃ミサイルの配備と2~3分以内の発射が不可欠です。

攻撃側には楽な手段なのだが、防衛側には想像したくない悪夢となる。

かつての米ソの核開発競争も、このような状況を経て膨大な保有数となった。

 

 

注釈4

歴史上、戦争は巨大な軍事力を保有する国が始めるものでした。

次いで、それは経済力にとって代わられた。

しかし、ここ1世紀あまりの間に、状況は様変わりしている。

 

小国日本が日露戦争で勝利できたのは、実は巨額の外債発行が可能になったからです。(ユダヤ金融家がユダヤ人を虐待したロシアを憎んで斡旋)

かつてヨーロッパの大国は自国の富豪から借金し戦費を調達出来たが、日本では不可能でした。

今は、経済力が小さくても借財(国債)によって戦争を始めることが可能になった。

元来、借金は困難なのですが、何らかの取引条件(軍事同盟など)で合意できれば簡単なのです。

 

こうして現在は弱小国やテロ集団も軍事力を持つようになり、さらに軍事援助が加わり、戦火は至る所で起きているのです。

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 22: 何がバブル崩壊と戦争勃発を引き起こすのか? 1


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これから、二つの悲惨な結果に至るメカニズムを考えます。

バブル崩壊と戦争勃発はまったく異なるように見える。

しかし実は同じようなメカニズムが働いているのです。

三回に分けて説明します。

 

 

* バブル崩壊と戦争勃発について

 

なぜバブル崩壊が起きるのでしょうか?

誰かが裏でバブル崩壊を煽っているのでしょうか?

残念ながら経済学は崩壊をうまく説明できない。

 

概ね投資家達(市場参加者)はバブルを好調とみなし歓迎します。

しかし一方で彼らは破産に至るバブル崩壊を恐れます。

一部、間違いなく救済される巨大銀行や崩壊の先頭を切って売り逃げた投資家は別です。(毎回、自分だけは別だと夢想している)

 

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なぜ戦争は起きるのでしょうか?

誰かが裏で戦争を煽っているのでしょうか?

この手の話はいつも巷に溢れています。

しかし多くの真実は戦争が終わってからでしかわからない。

(これを第2次世界大戦とベトナム戦争を例に注釈1で説明します)

 

平和時であっても、概ね国家は戦争を避けようとして軍備を整えます。

まして緊張が高まると増強へと舵を切ります。

概ね指導者は膨大な人命と破壊が起きてしまう戦争を望まないはずです。

少なくとも国民は戦争が二度と起こらないことを強く望むはずです。

一部、戦争をしても被害の少ない大国や支持率が上がる指導者、莫大な利益を得る軍産共同体は別です。

 

バブルを煽る投資家達も軍備増強を推し進める国家も共にその悲惨な結果を恐れることでは共通しています。

それでは、なぜ望まない悲惨な結果が生じるのでしょうか?

 

 

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* バブル崩壊のメカニズム

 

バブルは経済好調と紙一重ですが、ほぼ確実にバブルは崩壊します。

 

これは投機家らが株価(金融商品)の高騰が続かないと不安を抱くことが引き金になります。

このタイミングは微妙です。

バブル崩壊の直前まで、多くの経済指標(生産高や失業率)は良好だったのですから。

 

一つ明確なことは、暴落する時、最初に売り逃げた者は利益を得るが、後になればなるほど投機家達は莫大な負債を背負う運命にあることです。

暴落が始まると、手のひらを返すように貸し手(銀行)が投資資金の回収を急ぎ、逃げ遅れた投機家は莫大な含み資産の所有者から一転して莫大な借金を背負うことになります。

(これを土地投機を例に注釈2で説明します)

 

この被害は投機資金のレバレッジが効いているほど、中央銀行によるマネーサプライが多いほど起き易くなります(巨額の借金を安易に入手出来る為)。

 

この時、投資家や金融業が破産するだけでなく、必ず国民も大不況の被害(不景気、失業、福祉カットなど)を長期に被ることになります。

これは銀行の倒産などに端を発する金融危機、つまり巨大な信用収縮が起きるからです。

この深い傷を放置すれば、過去のバブル崩壊(恐慌)後の景気後退のように、設備投資や消費が回復するのに何十年かかるかわかりません。

深刻だったのはヨーロッパの1857年から、米国の1929年から、日本の1991年からの二十年を越える景気後退でした。

 

このため崩壊後、政府と中央銀行は数十兆円から数百兆円を主に金融市場に投じるのです。

この金額で暴落時の全金融商品(株価など)の評価損を幾分なりとも補うのですが、悲しいことに国民が負担する税金と赤字国債で賄われます。

 

実はリーマンショック時の全金融商品の評価損はよく分からない。(不明な理由はシャドウバンキングの取引額が分からないためです)

しかし当時のクレジット・デフォルト・スワップ(金融商品の保険)の取引額が6800兆円に上っていたので評価損は見当がつきます(想像を越えますが)。

 

つまりバブルで儲け、崩壊を引き起こすのは投資家(市場参加者)なのですが、その結果、その痛いツケを強制されるのは傍で浮かれていた国民なのです。

 

 

次回は戦争勃発のメカニズムについて説明します。

 

 

注釈1

ベトナム戦争は誤解から始まり、深みに嵌った戦争の代表例です。

 

戦争の発端は第二次世界大戦後に始まる冷戦の敵対感情の高まりにあった。

さらに離れた大陸にあり、異質の文化を持った米国とベトナムは互いに相手国をまったく知らなかった。

 

初期の接触、ベトナムでの小さな戦闘でこじれたことにより、その後は疑心暗鬼から大戦を凌ぐ爆撃量になるまでエスカレートしていった。

そして米国では大統領が替わるたびに停戦を志向するが、選挙を意識し敗戦の将の不名誉を避けようとして益々深みに嵌っていった。

終わってみると、この戦争で800万人の死者と行方不明者が出ていた。

 

後に、両国の当時の最高指揮官達が会談して初めて互いの誤解に気づくことになった。

この会談は1997年、ケネディ大統領の下でベトナム侵攻の采配を振るったマクナマラ元国防長官が、ベトナム側に要請して実現したものです。

詳しくは私のブログ「戦争の誤謬 7、8: ベトナム戦争1、2」を参考にしてください。

 

第2次世界大戦を引き起こしたヒトラーは外部に凶悪な敵がいると扇情し国民を魅了した。

その敵とは主に共産主義者、ユダヤ人、フランスやロシアの周辺国でした。

しかし、やがてドイツ国民は真の破壊者が誰であるかを知ることになるのですが、それは戦争の末期になってからでした。

多くの国民は戦後10年間ほど、ヒトラーに騙された被害者であると感じていたようです。

その後、加害者の自覚が生じ反省と償いが本格化した。

 

一方、共に戦端を開いた日本では国民が軍部に騙されたと気づいたのは敗戦後でした。

しかもドイツと違って、未だに誰が真の破壊者であったかを認めない人が多い。

極め付きは、国の指導者でさえ相変わらず過去の美化に懸命です。

 

これでは誰が戦争を始めたかを理解出来ないので、当然、戦争を食い止めることなど出来ない。

おそらくは同じ過ちを繰り返しても気づかないでしょう。

 

 

 

注釈2

身近な企業経営者が1880年代のバブル時にハワイの別荘を買い、バブル崩壊と共に夜逃げしたことがありました。

この過程を説明します。

 

バブルが始まると最初に工場を担保にし、1億の手持ち資金で国内不動産を購入し、これが数年で2億の評価額になりました。

次いで、これを担保に借金し、別に買った物件がまた4億円に高騰しました。

これを繰り返して行くうちに、遂にはハワイの不動産を買うことが出来た。

 

絶頂期に彼は総資産20億、借金10億で純資産10億となったことでしょう。

(ここで売れば良かった!!)

しかしバブルが崩壊し、すべての不動産価格が購入時の半値になりました。

彼の総資産は1/4以下に減価し、不動産をすべて売却し返済に充てても借金5億が残りました。

こうして彼は破産しました。

 

金融商品投資でレバレッジを30倍効かせれば、暴落時の借金はこんな少額では済まない。

ここ半世紀、規制緩和でレバレッジが上がり、金融緩和でマネーサプライが巨大になって投機資金が膨大になり、その尻ぬぐいで累積赤字が天井知らずになっている(減税と公共投資も追い打ち)。

 

毎回のバブル崩壊で、このように土地、株、商品取引などの高騰と暴落が繰り返されている。

資本主義国だけでなく中国も不動産(マンション)と株で同様の高騰な続いています。

 

 

 

 

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デマ、偏見、盲点 21: 抑止力と規制緩和に共通する危さ


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今、二つの危機、核戦争と経済破綻が迫っています。

しかし、この対処方法に真逆の説があり折り合いがつかない。

このままだと遂には破滅に至る可能性がある。

人々は漫然とかつて歩んだ道を進むのだろうか?

 

 

*抑止力と規制緩和に共通するもの

 

この2月2日には米国は核軍縮から小型核使用に方向を転じた。

また2月3日にはNYダウが1日で2.5%下落した。

これがリーマンショックを上回るバブル崩壊の始まりかどうかはまだ定かではないが、可能性は高い。

 

ある人々は、この二つは世界を破滅に導くと警鐘を鳴らす。

この破滅とは、核戦争と大恐慌(著しい経済格差と国家債務不履行も含む)です。

 

しかし一方で、これこそが破滅を防ぐ最善の策だと唱える人々がいる。

戦争を防止するには小型核、恐慌を回避するには景気拡大の為の規制緩和こそが絶対必要だと言うのです。

 

この二つの危機とその対処方法は一見次元が異なるように見える。

しかし、この二つの対処方法には不思議な共通点があります。

小型核は抑止力、規制緩和は自由競争を前提にしているのですが、実は共に相手(敵国や競合者)の善意を信じない一方で理性に期待しているのです。

 

抑止力は、敵意剥き出しの国がこちらの軍備力を的確に把握したうえで抑制出来る理性を有する場合のみ成立するのです(太平洋戦争時の日本軍が反証の好例)。

規制緩和は、個々の市場参加者が利己的に行動しても、市場全体としては最適な方向に落ち着くと信じているのです。

何か不思議な信念に基づいた論理なのです。

 

実際の社会は、悪意も善意も、感情的にも論理的にも動いているのですが。

 

さらにもう一つ、共通していることがあります。

 

例えば「抑止力は無効だ!」「自由競争は不完全で弊害が多い!」と否定したらどうでしょうか?

実は困って激怒する人々がいるのです。

前者では軍需産業、後者では金融業界や富裕層で、大きな実害を被るからです。

逆に否定して利を得る人々は特に見当たりません。

 

具体的に抑止力と規制緩和の危さについてみていきます。

 

 

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*抑止力の罠

 

兵器による抑止力は有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

先ず、抑止力が有効な場面は身近な事から類推できるでしょう。

しかし抑止力が効かなくなる場合を理解することは少し難いでしょう。

 

単純に二つのケースがあります。

競合国(敵対国)が共に軍拡競争に突入した場合です。

一方が軍備増強を行えば相手は脅威を覚え、必ず軍拡競争が始まります(初期の米ソの冷戦)。

これは歴史上至る所で見られ、多くは大戦へとエスカレートしました。

 

もう一つは、兵器が無数に拡散した場合です。

分かり易いのは、米国の銃社会です。

国民一人に1丁以上の銃があることによって、銃による殺人事件や自殺が非常に多くなっています。

ここでは安易な兵器使用が抑止力の効果を上回っているのです(大国の中東などへの安易な軍事介入なども)。

 

この二つの例からだけでも、使いやすい小型核の普及は抑止力よりも危険の増大が予想できるはずです。

 

これに加えて、核兵器ならではの危険を増大させる要因があります。

一つは被害が非常に悲惨なことです。

このことは見落とされがちですが、多くの戦争は燃え上がる復讐心が高ければ高いほどエスカレートし、停戦は不可能になります。

だからこそ人類は悲惨な被害を与える対人地雷やナパーム弾などの兵器の使用を禁止してきたのです。

残念ながら世界は原爆の被害をまだ知らない(日本が先頭切って知らすべきなのですが)。

 

もう一つは、兵器のコストパフォーマンスが高いことです。

もし手に入れることが出来れば数億から数十億円で相手一国を恐怖に陥れることが出来るのです(抑止力と呼ぶ国もある)。

これまでは膨大な軍事費を賄える経済力こそが大きな抑止力を可能にしたが、核兵器なら小国でも可能になります。

 

結論は、小型核のような兵器は抑止力を期待出来るどころか、取返しのつかない状況に追い込んでしまうのです。

銃が蔓延し殺人が多いにも関わらず、銃規制が出来なくなってしまった米国がその好例です。

 

米国では治安と平和は高額で買うしかなく、金が無ければ治安が悪い所に住み、命を危険にさらさなければならないのです。

核兵器の下では、これすら不可能です。

 

 

*規制緩和の罠

 

規制緩和は経済活性化に有効かと問われれば、「YES」ですが条件付です。

 

皆さんの多くは規制緩和が経済を活性化させると信じているはずです。

一方で規制緩和が経済や社会に弊害をもたらす事例も数多くあるのですが、なぜか見えなくなっています。

これは今の日本で、有効だとする情報が大量に流されているからです。

 

幾つかの事例をみてみましょう。

 

 

 

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*米国の規制緩和がもたらしたこと

 

先ずは米国で40年近く行われて来た規制緩和が如何にバブル崩壊と経済格差を生んだかを簡単に説明します。

専門用語が出て来ますが、全体の流れを知って頂ければありがたいです。

 

  •  先ずストックオプションが1980年代から急増した。

これにより経営者は短期に高騰させた自社株を安く手に入れ、彼らの所得は鰻登りなっていた。

このことが企業経営を投機的で短期的なものにし、従業員との所得格差も開いた。

 

  • グラス・スティーガル法が1999年に廃止された。

この法律は1929年の大恐慌の再来を防止するために銀行業務と証券業務を分離し、投機行動を監視し抑制するのが目的でした(1932年制定)。

しかし、これが廃止されたことにより、監視が行き届かないシャドウバンキング(証券会社やヘッジファンド)が好き放題に投機をおこなった。

 

  • 投機時のレバレッジ率が上昇した。

これは証券、商品、為替などへの投機時に自己資金の数十倍まで投資が可能になることです。

これによって投資家は価格が高騰した時は桁違いの儲けが出るのですが、暴落すると巨額の負債が発生し、バブルと崩壊が繰り返されることになった。

このことが2項の監視されない状況で起こった。

 

  • クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が2000年頃から急拡大した。

これは金融派生商品の一種ですが、リーマンショックの巨大なバブル崩壊を招いた大きな原因の一つでした。

これは金融取引時の損失を補償する新手の保険で、当時、危険な投資案件でも金融機関はこの保険があれば救済されると信じていた(赤信号皆で渡れば怖くない)。

 

バブル崩壊前年の2007年末にはその取引額は6800兆円になっていたが、6年間で100倍にも膨れ上がっていた。

この年の米国の名目GDPは1500兆円で、如何に膨大かがわかる。

当然、崩壊時の補償など出来るはずもなく、米国政府は税金と国債発行で300兆円を金融危機終息の為に注入せざるを得なかった。

出来もしない補償であろうがCDSを販売すれば儲かったのです(6800兆円の数%の手数料でも莫大)。

 

大雑把ですがポイントは以上です。

この悲惨な状況を生み出した最大の馬鹿げた理由は、貪欲な投機家や資産家、経営者達を野放したこと、つまり規制をしなかったことによるのです。

もうひとつ見落としがちなのは、資金力や情報力、政治力などの差により完全な自由市場などは存在しないことです。

 

この話は、少し分かり難いかもしれません。

しかし規制や取り決めがなく好き勝手にした為に社会が壊滅した事例は歴史上多いのです。

 

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* 歴史上、破滅した例

 

典型的な例はイースター島とアイスランドです。

 

人々が最初にこれらの島に入植した時は、木々が茂る緑豊かな所でした。

しかし、燃料などの為に伐採が進む内に自然は再生不能となり、イースター島では部族同士が激しく争い、人口は激減し、逃げ出すにもカヌーを作る木材さえなくなっていた。

アイスランドは木々の無い島となり、それこそ火と氷の島となったのです。

 

 

* 日本の事例

 

最後に日本の規制緩和の惨めな例を一つ挙げましょう。

労働者派遣法の適用拡大により、非正規雇用が拡大し続けています。

 

これも賛否両論があります。

ある人々は産業の競争力を高める為に、また産業や企業の盛衰に合わせ人材は流動的でなければならないと言う。

一方で、安易な首切りや低賃金の横行は基本的人権を侵害すると言う。

 

おそらく多くの人は、経済側の言に耳を傾け、泣き寝入りするするしかないと感じていることでしょう(これは日本人の奥ゆかしさかもしれない)。

 

この問題のポイントは是か非かではなく、どちらも正しいのです。

企業の競争力を高め、労働者の価値を高めるためには、人材の流動性が必要です。

当然、簡単に首を切られ、低収入や無収入に甘んじなければならないのは論外です。

 

つまり、労働者は失業中も収入が確保され、転職のための再教育や訓練が充分行われ、就職すれば当然、同一労働同一賃金であるべきなのです。

 

こんな夢のようなことは不可能だと思われるかもしれませんが、北欧(スウェーデン、デンマークなど)ではこれが当然のように行われているのです。

 

日本の悲しさは、産業競争力の責任を一方だけが背負い甘んじているのです。

 

 

 

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*まとめ

 

抑止力と規制緩和の問題点を簡単に見て来ましたが、ここで確認して欲しいことがあります。

 

抑止力については歴史的に見て完全なものではなく、むしろその強化を放置すれば災いを招くことがあったことを知ってください。

 

また規制緩和はここ半世紀ほど米国を筆頭に行き過ぎており、多くの問題が生じていることを知ってください。

 

抑止力と規制緩和の推進は軍需産業や金融業界、資産家に取って実に旨味のあることなのです。

東北大震災の福島原発事故のように、大きな産業と関係省庁が癒着してしまうと、体制維持に都合の良い情報だけが国民に流され続け、問題点が見え無くなってしまうのです。

 

 

* 日本が今歩んでいる道

 

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< 6.銀行の金融資産と自己資本の比率、OECDより>

 

金融資産/自己資本は金融セクターの財務安定性を見るためのものです。

上のグラフ: 2004~2016年の金融資産/自己資本の推移。

 

多くの国、例えば英国、デンマーク、米国はリーマンショック後、健全化を進めているが、日本だけは悪化している。

 

下のグラフ: 2016年、この日本の比率はOECD35ヵ国の内、下位から

三番目です。

 

もし大暴落が始まればどの国が最も影響を受けるのでしょうか?

 

 

 

参考文献

「米国の規制緩和がもたらしたこと」に詳しい本

 

「世界金融危機」金子勝共著、岩波書店、2008年刊。

「世界経済を破綻させる23の嘘」ハジュン・チャン著、徳間書店、2010年刊。

「世界を破綻させた経済学者たち」ジェフ・マドリック著、早川書房、2015年刊。

「これから始まる『新しい世界経済』の教科書」ジョセフ・E・スティグリッツ著、徳間書店、2016年刊。

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 92: 何が問題か? 15: なぜ改革から逃げるのか?


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日本の社会経済の指標、評価ランキングは益々低下の一途です。

にもかかわらず日本は一時しのぎを繰り返すだけで、痛みの伴う成すべき改革から逃げています。

この不思議を探ります。

 

 

*今の日本の状況を概観します

 

以下のグラフから、日本の所得水準、幸福度、経済力の低下が見て取れます。

 

 

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< 2.悪化する日本 >

 

上のグラフ: 日本のワーキングプアは年々増加し、OECD内でも順位を落としています。

ワーキングプアはまともに働いても貧困線以下の所得しか得られないことを指します。

 

中央のグラフ: これは主観的な幸福度の世界ランキングで、日本は60位です。

 

下のグラフ: 主要国の中でも日本だけは特許出願件数は低下の一途です。

 

上二つのグラフで必ず上位にある国は北欧(デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)です。

 

 

 

*改革から逃げる様々な言い訳

 

*A: 改革は漸進的であるべきだ!

 

これは保守論客の西部邁が指摘した保守思想の一つです。

 

このことは理解できます。

人間は不完全なものであり、未経験で画期的な社会改革は危険と言えます。

漸進的であることは、確かに大きな失敗を犯す可能性を低下させます(共産主義国家の失敗)。

 

しかし、これとて完全でないことは明白です。

例えば、次の事を考えれば分かり易いでしょう。

 

衰退する企業が、いくらコストダウンを続けても、漸進的な改善では存続することは難しい。

つまり技術や商品にブレイクスルー(飛躍的な革新)が必要なのです。

 

それでは社会や政治についてはどうでしょうか?

前回、英国の19世紀末の衰退で見たように、権力を握った勢力(金融資産家)は利益拡大(海外投資)に励みこそすれ、たとえ国が衰退(産業停滞)しようが既得権益(金融の自由)を制限するようなことはありませんでした。

 

このような場合、たとえ漸進的であっても効果ある改革が出来ないから国や文明は衰退し、または暴動や革命が起きるのです。

 

結論から言えば、保守も革新も程度問題であり、状況に応じた改革手法を選択すべきです。

 

 

*B: 万年野党が頼りないから、与党に任せるしかない!

 

野党が頼りないのは事実です。

野党はひたすら反対か批難するだけで、理想は語るが具体的な対案を持たない。

これも一面正しいと言えるでしょう。

 

しかし、これで済む問題でもないはずです。

大きく二つの理由があります。

 

一つは、今の凋落は日本の万年与党の政策のつけだと言うことです。

もう一つは、これを牽制出来る健全野党が育っていないことです。

 

 

3

< 3. 1990年代に起きた事 >

 

上のグラフ: 日本の公共投資は1990年代に猛然と増加しています。

青棒、左軸が金額を示す。

 

下のグラフ: これまた非正規雇用率(赤折れ線)が1990年代から急伸しています。

 

この時期に起こった二つのことは密接に関係していた。

 

 

 

*政策のつけとは何か?

それは凡そ1985年から始まったと言えます。

プラザ合意による円高誘導で日本は経済が低迷し、政府はこの挽回の為に突出した公共投資と金融緩和を来ない、やがてバブル経済に突入します。

そして1991年のバブル経済崩壊が、経済を長期低迷させることになった。

この一連の出来事は、貿易摩擦と円高に喘ぐ米国が日本に圧力をかけ、これに従った与党政権のあがきの結果だと言えます。

この間、政権は米国が要求する構造改革、金融ビッグバンを行い、米国の望む自由主義経済圏に完全に突入していきます。

ここまでは野党政権であっても同じことをしたかもしれませんが。

 

しかし、このバブル崩壊後の不景気のさなかの1995年頃から、万年与党らしい政策の影響が今の日本社会を作りだすことになりました。

それは先進国中のあらゆる順位(幸福、経済、貧困、報道、男女平等、労働等の評価)が低下し続けていることに如実に現れています。

 

目立つものとしては非正規雇用の増加と賃金低下、一方でやや遅れて起きた企業の内部留保の増加でした。

これは今も更新中です。

これらは労働の規制緩和などに代表される企業優先の姿勢がもたらしたものです。

まさに1994年の「舞浜会議」で財界が望んだ方向に事が進んでいます。

 

この与党の一連の政策は、米国追従と財界優先の姿勢から生じたもので、さらには自由主義経済への固執にあります(言い替えれば惰性と既得権益擁護でしょうか)。

 

この結果、日本は長期のデフレ、低経済成長、ワーキングプア増加に陥りました。

さらに世界に類を見ない累積赤字の増大、米英に続く格差拡大が急速に進行しています。

また少子化対策の遅れによる労働人口減と高齢化社会の到来が重なります。

この結果、現在進行中の年金などの福祉政策の大幅な縮小がある。

 

万年与党が政権に居座り続けたことにより、つい30年前まで誇ることの出来た日本の快進撃は、単に思い出に過ぎなくなった。

1980年代、多くの人が別荘地、リーゾトやゴルフ場の会員権を買い漁り、いつまでも景気上昇が続くと信じたはずです。

しかし、それは束の間の夢であり、長い喪失感と借金返済が現実に続くことになったのです。

 

つまり、与党には政権を担った実績はあるのですが、このまま舵取りを任せることは没落を深めることになるのです。

しかし野党のだらしなさは頂けません。

 

 

 

4

< 4. その後に起きた事 1 >

 

上のグラフ: 賃金が1997年から低下し続けています。

下のグラフ: 企業の内部留保が1999年頃から急激に伸びていることがわかります。

 

つまりこれらは与党が長年積み上げて来た成果なのです。

 

 

 

5

< 5. その後に起きた事 2 >

 

これも成果と言えるでしょうが、残念ながら日本の衰退を物語っています。

 

日本の累積債務(赤い棒グラフ)はGDP比率で世界最大級でかつ増加中です。

一方、日本は世界一の対外純資産国(=資産―借金、青い棒グラフ)です。

 

楽観論者はこの資産によって債務を減らすことが出来るはずだと訴える。

しかし、それは不可能です。

誰が、海外の高利回りの証券から利率の低い内国債に買い替えるでしょうか。

(もし国債の金利が上がれば、余計に悲惨な状態になります。)

そんな善意に期待出来ないことは、世界一の対外純資産国であった英国が19世紀末に衰退した事実を挙げるまでもなく、常識で分かるはずです。

結局、体制擁護派は無責任に煽っているだけなのです。

 

 

*万年野党の悲運

先進国は概ね二大政党を目指し、少数政党乱立や一党独裁を避ける選挙制度を取り入れています。

これは長年の民主主義獲得の経緯から生まれたもので、政策論議を深め、多数決による弊害を避ける為のものでした。

残念ながら、日本では戦後まもなくしてこれが機能しなくなりました(戦前が良かったわけでもないが)。

 

日本の万年与党は自由主義経済を国是とする保守政権(米国共和党など)にあって、珍しく財政支出の大きな政府になっているが、これは万年野党が反対し対案を出し続けることでなったとする見方もある。

しかし、私は別の理由によるものだと思う。

 

ところで、やはり万年野党の存在はどう見ても民度の高い国、先進国の中では異常であり、適切な役割を果たしていない。

つまり長期に及ぶ与党政策の歪を是正するためにも、民主主義の危機を防ぐ為にも、強い野党の存在が不可欠です。

 

現実は非常にお粗末ですが、志ある人も、芽も僅かばかりではあるが残っている。

 

 

*なぜこのようなことが起きているかについて考えます。

 

結論から言えば、日本には未だにパトロネージが強く根付いているからだと考えます。

 

「パトロネージ・システムとは権力を持つ個人(パトロン)が、その特権を利用して、資源を恣意的な決定によって、自己を支援する集団(クライアント達)に分配するシステムです」

 

少し馴染みが薄い言葉かもしれませんが、世界中の後進国や南欧ではよく見られる政治状況です。

洋画で言えば「ゴッドファーザー」、日本で言えば議員の「世襲」や「看板、地盤、鞄」に代表される状況です。

 

もっと分かり易く言えば、「日頃お世話になっている顔役に投票する村人」のイメージです。

 

私は都会の郊外で生まれたが、現在、のどかな自然に恵まれた所に住んでいます。

ここで都市部と田舎の政治意識の違いをいやと言うほど知らされました。

皆、良い人なのですが、政治感覚や選挙行動に驚かされます。

 

先ず、人々は政治談義をほとんどしないのですが、あってもその範囲は村や町ぐらいまでで、中央政治を語る人は稀で、まして世界情勢とは無縁です。

しかし選挙では彼らは熱心になります。

そして、思わぬ人から投票を依頼されることもあり、断わりでもしようものなら、「村の恩人に恥じないのか!」と恫喝されることもあります。

つい最近まで買収もよく起きていました。

 

二大政党制を目指した小選挙区制度改革ではあったが、派閥を崩す効果だけで留まってしまい、逆にパトロン(総裁や首相)の権力を巨大化させてしまった。

そのあげく、先進国の議会制民主主義では起こるはずのないことが権力者周辺で頻発している。

つまり取り巻きや取り入ろうとする輩が犯罪やたかりを平然と行い始めた。

 

 

*なぜパトロネージ・システムが蔓延るのか?

 

二つの要因があると思います。

 

一つは、政治意識、歴史観、社会意識が未発達なことです。

これらが低い一因は、以前も指摘しましたが1970年代の学生運動後、学校教育の場で、政治が禁句になったことにあります。

政府は学生運動の再燃を抑える為に行ったのだが、これが今大きな災いとなっているのです。

例えば、北欧では小学生から環境問題、さらに上級では政治活動も教育の一環としておこなわれており、これが民主主義を支え好循環を生んでいるのです。

 

今一つは、帰属意識が高いことで、これは田舎ほど高いようです。

これは古い農耕民の心性の名残であり、良さもあるので、一概に否定することは出来ません。

しかし、その欠点は良識を失う会社人間や自殺の多さ、また内部告発が出来なく自浄作用が働ない組織を生み続けることになる。

 

分かり易い事例としては、村人に行事に対する意見を求めた時、極端な場合は個人の意見は控えたい、隣近所との協議の上でと逃げられることがある。

 

またワンマン企業では、従業員は陰で社長のパワハラを嘆きながら、一方で、依存しており、従順ぶりを装うことになる。

 

これらの社会や組織は一致団結して行動する分には効果を発揮するが、社会変化への不適応を起こしやすく、また暴走を食い止めることが困難です(1920年代のドイツ、イタリア、日本が好例)。

 

残念なことに、私にはこの政治文化を改善する方法が見つからない。

ただ地方の選挙制度と国会議員の育成方法に何らかのステップアップの術があると思う。

 

 

 

*C: 資本主義以外に進むべき道はない!

 

私がブログで日本の現状を憂い、体制の転換を図るべきだと指摘すると、資本主義は完璧であり、他は無いと反論されることがあります。

 

結論から言えば、資本主義は空気のようなもので否定する必要はありません。

大体、資本主義が唯一無二の完璧な政体と考えることもおかしい。

帝国主義は資本主義から生まれ、さらには互いにおぎなっていたのです。

つまり、国民が資本主義をコントロールすることが必要なのです。

 

ここ1世紀だけを見ても、資本主義社会の欧米の状況、格差や福祉は国よっても、時期によっても大きく差異がありました。

1950~1970年代の日本や米国、西欧は概ね格差が少なく経済成長を遂げた時期でした。

その前後は逆の時代でした。

それは反動の時代と呼べるかもしれません(当然、一部の層には良い時期でしたが)。

 

今の反動の時代は、自由主義経済の復活と更なる金融業重視によってもたらされたものです。

これによる弊害は、これまでに説明して来ました。

 

問題は、これらを改めることに不安を抱く多くの人と、それを不可能で危険な行為と反対するエスタブリッシュメントとこれに連なるエコノミストの存在です。

既得権益を脅かされるエスタブリッシュメントが反対するのは当然です。

 

しかし国民は、かつて国民を守る為の規制と権利擁護により、社会が今より順調な時代、1950~1970年代があったことを知って頂きたい。

 

重要な事は、多数の日本国民が英米をお手本とする狭窄な視野から脱することです。

北欧やドイツ、フランスは同じ資本主義国でも異なった道を歩み、豊かさと繁栄を手に入れています。

特に北欧は1930年代頃から、高福祉政策を採り始め、高負担ながら高い所得と権利の尊重と幸福を共に得ています。

このために北欧は世界から孤立するのではなく、旺盛な貿易をやり、有名な多国籍企業が活躍し、PKO派遣でも貢献しています。

 

 

 

6

< 6. 北欧の経済 >

 

上のグラフ: 2004~2008年平均の輸出などのGDP比率。

如何にスウェーデンが国際的(開放経済)であるかがわかります。

 

下のグラフ: 如何に北欧各国が日本より高い経済力を維持しているかがわかります。

 

これだの開放経済であっても国内の労働者の権利を守り、経済発展を遂げることが出来ているのです。

 

 

つまり、「国民の権利を重視する政策は、自由主義経済が蔓延するグローバルな世界では取り残され、やがて破局を迎える」と恫喝する多くの体制擁護派のエコノミストの指摘は嘘なのです。

 

 

 

*まとめ

 

これまで見てきたように、日本が改革出来ないとされる理由は実に他愛ないものでした。

多くは体制擁護派、既得権益層、自由主義経済信奉者らの必死のアジテーション(煽動)で、想定外を無視した無責任な発言に過ぎない。

しかし、残念なことにこちらの方が訴える力はある。

 

最後に、私が皆さんに望むことは、今後日本が衰退していくことを諦めたとしても、万年野党を生む政治文化だけは何としてでも突き崩して頂きたい。

しかし、これとて国民の意識が高まらない限り不可能で、これでは堂々巡りです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 91: 何が問題か? 14: 英国はなぜ衰退したのか?


 

1バンコク博覧会

< 1. ロンドンの万国博覧会、1851年 >

 

 

今回は、繁栄を享受していた大国がなぜ没落したかを見ます。

そこでは今の日本とまっく同じことが起きていた。

誰しも自分の不幸の予兆を知りたくはないが、知れば心構えが変わるかも!

 

 

 

 

2a

< 2.栄枯盛衰 >

 

上は1876年のロンドン、下は20世紀初頭の米国の写真です。

 

 

*はじめに

かつて大英帝国は軍事的・経済的に世界を席巻し西欧文明、いや人類文明の模範でした。

しかし、その絶頂期にあった19世紀の後半からわずか数十年、急激に生気を失い、覇者の座を失った。

覇権国の栄枯盛衰は世の習いではあるが、資本主義社会で起こったその衰退過程が日本の低迷と恐ろしく似ているとしたら、どうでしょうか?

 

皆さんにこの英国の歴史から感じて頂きたいことが三つあります。

 

A: 衰退の原因はその社会が作り出していた。

B: 衰退の渦中にいながら人々はその欠陥を正すことが出来なかった。

C: 間違った手段で起死回生を企て一層社会は衰退し、さらに世界大戦へと突き進んだ。

 

歴史は過ぎ去ったものであり、まして外国のことなど関りがないと思われるかもしれないが、恐ろしいほど似たことが起きていたのです。

 

 

 

3a

< 3.英国の繁栄と衰退 >

 

赤枠は繁栄を極めた英国が19世紀後半から転落していく様子を示す。

 

 

*繁栄を極めた英国

17世紀、英国はピューリタン革命と名誉革命を経験し、いち早く議会が王権を牽制するまでになった。

16世紀以来、海外の領土を拡張していたことと、上記の社会体制の変化が相俟って、世界で最初の産業革命が英国で1760年代に興った。

19世紀半ばには「世界の工場」と称され、1851年にロンドンで始めて開かれた万国博覧会はその自信の現れだった。

 

 

 

4a

< 4. 帝国主義に拍車がかかる >

 

上は1886年の英国の植民地、下は1921年のものを示す。

この間に英国は中東とアフリカに侵略を開始した。

英国では何が起きていたのか?

 

 

*一方で破滅への道が準備されていた

1825年、過剰生産による恐慌が英国で始めて起こり、その後ほぼ10年ごとに恐慌は起こったが、19世紀前半の恐慌は主として英国内にとどまっていた。

しかし1857年に初の世界恐慌が勃発し、1873年の恐慌ではヨーロッパ(英国も)は22年間にわたる経済不況へと突入した。

 

一方、ヨーロッパ大陸ではフランス革命(1789年)が起こっていたが、その後のナポレオン戦争への勝利が列強による軍事同盟(ウィーン体制)を生み、逆に国内の自由主義を19世紀半ばまで抑圧することになった。

 

恐慌の翌年の1874年、英国では総選挙で帝国主義的外交を唱える保守党(貴族、大資本家が支援)が圧勝し、スエズ運河買収(1875年)、インドを直轄領からなる帝国化(1877年)へと推し進めることになった。

 

こうして英国を含めたヨーロッパ諸国は競い合って世界を植民地化し、ついには二度の世界大戦へと突き進んだ。

 

 

 

5

< 5. 英国の衰退要因 >

 

上左のグラフは1914年の英国の資本輸出、上右のグラフは英国の資本輸出の推移(1816-1914年)を示し、下のグラフはその結果として工業生産高が伸びなくなっている状況を示す。

英国が衰退した最大の理由は膨大な資本輸出(他国の建設や設備への投資)にあり、これが国内投資を激減させ、国内産業の競争力の低下を招き衰退に至った。

 

 

 

*英国は自ら衰退の道を歩んでいた

二度の大戦で多くの国は戦火を被ったが、衰退する英国を尻目に米独日などは経済大国へと躍進することになる。

英国の衰退は1880年代には始まっており、20世紀の初頭には米独に追い抜かれていた。

衰退は英国で進行していた社会・経済の変化にうまく対応できなかったことによる。

 

英国は産業革命をやり遂げてはいたが、鉄と石炭の産業が中心であり、次代を担う電気やガスを中心とする重化学工業には対応出来ていなかった。

これは新規技術導入に消極的だったことによるものだが、かつての企業家精神は半世紀余りの間に完全に廃れていたからでした(保護政策)。

 

何が英国で起きていたのか?

産業革命により貿易は拡大し、人口は都市に集中し、都市労働者の生活スタイルが変わり、食料品や日用雑貨の大量輸入が不可欠になり、自由貿易が進められた。

すると国内生産の農作物価格が暴落し、大規模農場経営は行き詰まり、貴族(ジェントルマン)は資産を不動産から金融資産へと変えていった。

一方、勃興した産業資本家も金融資産を増やしていた。

 

産業革命当初、英国の輸出は旺盛で貿易黒字は優勢であったが、やがて輸入が上回り万年赤字になった。

しかし、世界トップシェアを占める海外貿易に伴う船賃収入や、それまでに蓄えた外貨(貿易黒字)による海外投資の利益が貿易赤字を上回るようになった。

こうして英国は世界の新興国や発展途上国に投資し、ますます資本家は貪るように海外投資で利益を得るようになっていった。

こうしてロンドンシテイは世界の金融をリードするようになったが、英国内への産業投資は尻すぼみとなり、競争力は衰えるばかりだった。

金融資本家は急成長し資金が不足する米国やドイツの産業や産業基盤(鉄道)に競って投資し、競合国の経済成長を助け、自国産業の衰退に加勢すらした。

 

さらに植民地への投資資金と植民者の安全確保の為と称して、植民地への軍事行動が国民の合意の下に行われることになり、帝国主義は国を挙げて行われていった。

 

 

*英国社会では何が起きていたのか

大英帝国の貿易と経済、植民地のシェアは世界で群を抜いてトップだった。

また大英帝国には莫大な資本蓄積があり、多数の大金融資本家(ロスチャイルド家)がおり、人々は繁栄を謳歌していた。

 

19世紀末から20世紀初頭の英国の人々の暮らしや意識を追ってみます(注釈1)。

 

・大都市の暮らしに憧れ、都市生活を享受した。

・その一方で地方暮らしや海外赴任を嫌い、遂には外貨を稼ぐ船員も激減した。

・添乗員兼通訳付きの海外向けパック旅行が大ブームとなった。

・国内旅行では温泉がブームになった。

・都市では展覧会、博覧会、スポーツ競技などのイベントが花盛りになった。

・古典は疎まれ、イラストの無い読み物は敬遠されるようになった。

・健康ブームとグルメブームが興った。

・理想主義、犠牲や粘り強く行うべき改革は嫌われ、「勝手気まま」が合言葉のポピュリズムが持てはやされた。

 

この時代は英国が築き上げた繁栄から半世紀以上が経過し、所得の増加や福祉向上が進み、都市生活が定着し、大量の中産階級が生まれていた。

しかし19世紀後半には経済が陰り始めたが、人々(中産階級)は更なる繁栄を求め、保身と海外展開に望みを託し保守化していった(注釈2)。

 

残念なことに、1世紀前の苦労やかつての克己心は忘れ去られ、快楽追及や利己的なものが重視されるようになっていた。

 

 

 

6

< 6. 今繰り返されようとしている英国の世紀末 >

 

上のグラフは19世紀末の資本(投資利益)が労働(賃金収入)よりも如何に稼いだかを示し、凡そ7倍あった。

中央のグラフは、その結果として20世紀初頭、如何に所得格差が開いていたかを示し、両グラフから21世紀初頭も同じことが起こりつつあることを示している。

下のグラフは、最近の日本の民間資本の肥大化を示している。

 

この三つのグラフは、日本を筆頭に差はあるものの先進国では莫大な資本が百年前の世紀末を再現しつつあることを物語っている。

 

 

*日本と比べて

おそらくここまで読まれた方は、あまりにも現在の日本に似ていることに驚かれるはずです。

政治家、企業家や資本家、中産階級の嗜好と目指すものは両国で酷似しています。

 

内憂(恐慌や衰退)を国内で解決するのではなく、海外の植民地拡大に矛先を転じていました。

実は植民地政策は搾取する割には軍隊派遣や植民地への投資で赤字になるだけでなく、多くの自国民の血も流した。

現在の日本も似ていますが、1910年代の好景気を経て30年代に大陸進出する大正から昭和の初めとも似ています。

 

企業家や資本家はやがて保守的になり、蓄積した膨大な金融資産は国内に向かわず、海外に利を求め、国内投資は漸減し、自国の競争力は失われた。

これは国としては自分で自分の首を絞めるに等しいのですが、個々には最適な利殖行動の結果なのです。

 

中産階級の浮かれ具合は両国でまったく同じです。

しかも当時、この英国の浮かれ具合を古代ロ―マの衰退期と同じだと指摘した出版物が出たと言うから、歴史は繰り返すようです。

 

実は、もう一つ共通していることがあります。

それは社会が本当に衰退している時ほど、楽観論(衰退を無視)がまかり通るようです。

 

 

*まとめ

冒頭で述べた以下の三点について皆さんはどのように感じられたでしょうか?

 

A: 衰退の原因はその社会で生まれていた。

 

経済発展が経済(産業や金融)と社会(主力の階層)を変え、今度はこの社会が経済の不具合(業界保護と国内投資減)を制御出来なくなってしまった。

 

 

B: 衰退の渦中にいながら人々はその欠陥を正すことが出来なかった。

 

国の発展を牽引するはずの企業家や資本家は利益を求めるだけで、社会や国の衰退を顧みることはなかった。

 

C: 間違った手段で挽回を企て一層社会は衰退し、さらに世界大戦へと突き進んだ。

 

政治家や資本家は、国内経済の低迷打破に安易で国民の反発が少ない海外進出に舵を切った。

そして植民地の関係は泥沼化し、また列強との競争が激化し、やがて戦端を開くことになった。

 

 

*あとがき

英国の衰退を説明し、かつ日本の現状との類似を指摘することは難しい。

したがって、分かり易さと大きな流れを掴んで頂くために、かなりの歴史的事実や経済データーなどを割愛して、極端に論理を圧縮しています。

関心のある方は、以下の参考文献を参照してください。

 

 

次回に続きます。

 

 

注釈1: 文献「なぜ国家は衰退するのか」中西輝政著、1999年刊。

記事は主に第三章から抜粋。

 

注釈2: 文献「概説 西洋社会史」野崎直治編、1994年刊。

この分析は、Ⅳ-17の「帝国主義時代のイギリス社会」に詳しい。

 

ドイツ国民がナチスに傾倒して行った過程でも、保守化した中産階級(定義は異なるかも)が主役を成した(別の文献)。

 

 

参考文献

*「21世紀の資本」トマ・ピケティ著、2015年刊。

*「新版 概説イギリス史」青山吉信共編、1995年刊。

*「図説 イギリスの歴史」昭博著、2002年刊。

*「概説イギリス経済史」米川伸一編、昭和61年刊。

今回の英国経済衰退について最も詳しく書かれている。

*「概説世界経済史Ⅱ」ロンド・キャメロン共著、2013年刊。

今回の英国経済衰退についての要約と世界経済の関係が分かる。

*「現代のイギリス経済」中村靖志著、1999年刊。

今回の英国経済衰退について第一章に少し書かれている。

*「世界の歴史25 アジアと欧米世界」中央公論社刊、1998年刊。

今回の英国衰退期の歴史(社会、貿易、帝国主義)について詳しい。

*「世界経済の成長史1820~1992年」アンガス・マディソン著、2001年刊。

今回の英国経済衰退について世界経済の関係が分かる。

*「イギリス病・イタリア病・日本病」中村忠一著、昭和52年刊。

 

 

 

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何か変ですよ! 90: 何が問題か? 13: 過去・現在・未来に生きる


1グラフィックス2

*1

 

 

日本は平和で、人々は豊かさを享受しているようです。

しかしこのまま突き進むと、いずれ経済も平和も失う事態が来るとすれば・・

今、懸念すべきことはないのだろうか?

 

 

*はじめに

現在、進められているアベノミクス(円安誘導、株価下支え、金融緩和、リフレ策、規制緩和)に不安はないのだろうか?

 

確かに、円安になり株価は上昇し失業率は低下した。

一方で、インフレは起こらず、経済成長は芳しくなく、賃金は低下し続けている。

ゼロ金利政策と日銀の莫大な国債買い上げが続き、そして累積赤字は減少するどころか増大している。

 

多くの人々は、いずれ経済が上向くとの希望を抱いてるのだろうか?

そうなれば賃金が上昇し、累積赤字が減り、年金や医療介護体制も維持できると考えているのだろうか?

 

この楽観はどこから来るのだろうか?

 

 

*楽観論の陰にあるもの

政府や取り巻きが唱える楽観論の根拠は正しいのだろうか?

 

この楽観論の前提は非常に単純明快で、日本経済は刺激さえすれば昔のように高い成長を維持できると言うものです。

そして概ねアベノミクスはヘリコプターマネー(通貨増発)によるインフレ誘導で投資や消費を拡大させ、長期の経済停滞から脱却すると言うものです。

 

当初の円安は輸出企業を刺激し、また株高によって一部には好転の兆しがありましたが、それ以外では実体経済への好影響はあまりなく、効果は持続していないと言えます(つまりトリクルダウンがない)。

なお失業率の低下は、主に団塊世代の退職による代替え雇用によるものです。

 

ここで、楽観論で見えなくなっている懸念や問題点について考えてみます。

(難しい理屈は不要です)

 

日本経済は刺激さえすればほんとうに成長を始めるのでしょうか?

または一時成長しても後に大きな歪や災いが生じないのでしょうか?

 

A インフレになりさえすれば消費が増え、ほんとうに経済は上昇し続けるのか?

 

B 日本の経済は本当に成長出来るのか?

 

C かつてない金融緩和が破滅的な金融危機を招くのではないか?

 

D 日銀や政府の政策が将来、国民の負担や財政破綻に繋がらないのか?

 

E 高い経済成長が起きても、米国のようにならないのか?

 

楽観論を唱える識者はすべて上記の問題点を無視するか否定している。

 

 

 

*上記問題点に共通すること

それぞれの問題について様々な経済学者が激論を戦わせており、素人にはその正否を判断することは困難です。

右派左派、保守革新、米国寄りかで見方は大きく対立している。

しかも多くの人はこれらを予想出来ない不安な事として無視しているようです。

 

しかし、上記5つの問題が現実に進行しているか、過去に起きていた事を知れば、皆さんは問題の大きさを識ることになるはずです。

つまり、これは現実の問題なのです。

 

 

*グラフから読み解きます

 

 

2グラフィックス1

< 2. 日本と主要国の失業率、社会実情データ図録より >

 

失業率はリフレ策などの金融緩和によって繰り返されるバブル崩壊で増大している。

 

赤の縦線は米国のバブル崩壊の始まりを示し、米国の失業率(赤の折れ線)はバブル中に低下していても、崩壊後に急上昇を繰り返している。

黒の縦線は日本のバブル経済の崩壊の始まりを示す、その後の「失われた20年」の長期にわたる失業率の上昇が深刻です。

つまり、リフレ策を含む金融緩和は概ね経済の疲弊を繰り返すだけなのです。

 

 

 

A インフレになりさえすれば消費が増え、ほんとうに経済は上昇し続けるのか?

結論から言えば、アベノミクスのリフレ策は2013年から2017年の5年間の結果から見れば効果がなかった。

 

ただ円安と株高は当初効果があったが、これは2012年の欧州金融危機解消と海外投機筋の安倍政権誕生への期待によって起こったもので、いつまでも続くものではない(ファンダメンタルの改善ではなく海外の投機動向によるもの)。

物価上昇が起きない理由として原油安が足を引っ張っているとの指摘があるが、本来、原油安は進行している賃金低下を補うべきもので、むしろ円安による物価高が災いして消費全体が伸びなくなっている。

 

リフレ策の先輩である欧米の経済状況から、リフレ策は成功しているとは言えず、クルーグマンは財政出動が重要だと言っている(グラフ2はその一例)。

 

 

 

*グラフから読み解きます

 

 

3グラフィックス3

< 3.日本の潜在成長率、 日本銀行より >

 

このグラフは低下し続ける日本の潜在成長率(黒線)を示し、設備投資(資本ストック)の減少と生産性(TFP=全要素生産性)の低下が顕著です。

この潜在成長率の低下は1990年代の急減によって始まっているが、これはバブル経済(1986年12月から1991年2月までの51ヵ月間)の反動がもたらしたものです。

 

これ以来、経営者は資金(内部留保など)を長期に固定し予測困難な設備投資に使うより、手早く高利を稼げる海外証券などに投資するようになった。

つまり、経済を牽引すべき人々は実体経済への意欲を完全になくし、あり余る資金は金融経済、それも海外に儲けを求めるようになってしまった。

この資金が逆流しない限り、幾ら通貨が増発されても設備投資に向かず、金融商品に向かいバブルを煽るだけなのです。

 

この国内の実体経済を軽視する風潮が日本の衰退の元凶であり、かつて英国が没落へと突き進んだ道でもありました。

いま日本は戦後3位のアベノミクス景気と浮かれているが、またバブルが弾けると、かつて言われた「失われた20年」よりさらに長い衰退が待ち受けることになる。

人々は、幾度繰り返せば悟るのでしょうか?

 

 

 

B 日本の経済は本当に成長出来るのか?

結論は、日本経済は衰退の道を進んでおり、抜本的な対策を講じないと手遅れになる。

 

大規模な経済刺激策が一時、功を奏しても、その後に大きな反動が来るか、手遅れを招く。

アベノミクス(特に金融緩和)は一時的な興奮剤か、むしろ常習性の麻薬であり、真の経済・社会問題から目を逸らしてしまうことになる。

 

日本経済の成長力については潜在成長率や需給ギャップなど専門的な理解が必要になる。

しかし、今の日本とまったく同じ状況が19世紀の英国であったことを知れば、衰退の恐ろしさを実感できるはずです。

豊かで世界をリードしていた経済大国が半世紀の間に没落したのです。

つまり、衰退の真因に手を付けず、一方で成長力以上に通貨増発することはバブル崩壊とデフォルトを招くことになる。

 

 

*グラフから読み解きます

 

 

4グラフィックス4

< 4. 株価の推移 >

 

上のグラフ: 日経平均の推移。ウイキペディアより。

バブル経済で株価は高騰し繁栄したが、その後20年に及ぶ景気後退と手痛い後遺症を負ってしまった。

 

下のグラフ: 日経平均とNYダウの推移。YAHOO!ファイナンスより。

リーマンショック後、米国は直ぐに破綻の連鎖を食い止める為に大規模な救済(約200兆円)と金融緩和を行い、株価は上昇を始めた。

当時、日本は日銀のおかげで被害を抑えることが出来たが、現在アベノミクスにより株価は高騰している。

 

つまり、我々はいつか来た道を(バブル)をまた懲りずに進んでいる。

 

 

 

C かつてない金融緩和が破滅的な金融危機を招くのではないか?

金融危機はほぼ10年毎に繰り返されて来ており、ここ数年以内に確実に起きるでしょう。

 

バブルの発信源である米国を振り返ると、前回は2008年初頭のリーマンショック、前々回は2000年末のITバブル、さらに1987年のブラックマンデーと、その間隔は8~13年でした。

 

米英日中が行っている歴史上始まって以来のGDP成長率を上回る通貨増発は、莫大な資金が実体経済ではなくあらゆる高配当の投機(証券や為替)に注がれ、やがてバブル崩壊に至る。

このバブルを生む金融業界の体質は金融危機後、一時規制されることはあっても、後に景気刺激策として規制緩和され、元の木阿弥か一層酷いものとなる。

 

不思議な事に、日本政府寄りのエコノミストは当然としても、アベノミクスに異論を唱える民間シンクタンクのエコノミストでさえ、バブル崩壊をまともに取り上げていない。

政財界から距離を置いている少数の学者や識者は、これについて警鐘を鳴らしている。

米国も同様です。

 

このことは既に日本のエスタブリッシュメントが完全に一色に染め上げられ、国が衰退の道から抜け出せなくなっている証左でしょう。

 

 

*グラフから読み解きます

 

 

 

5グラフィックス5

< 5. 日銀の保有国債残高、By Bloomberg >

 

単純に考えて、政府が赤字国債を毎年30兆円発行して、それを直ぐ日銀が買い取る、これを永遠に続けて弊害が無ければ、こんな楽な財政運営はありません。

2017年末、日銀の保有国債残高は既に400兆円になり、アベノミクスの2013年初頭以来5年間で300兆円が買い足されています。

 

これこそ打ち出の小槌の大発明ですが、世界で日本の中央銀行ほど大量に購入している国もなければ、これを続けている国もありません。

米のFRBは金融緩和を止めて出口戦略を取り、国債を市中に戻しています。

 

つまり、日銀は早晩出口戦略を取らざるを得ず、かつスムーズな実施が必要なのですが、なぜかまったく沈黙を守っているのが不気味です。

 

 

 

D 日銀や政府の政策が将来、国民の負担や財政破綻に繋がらないのか?

私は国民の負担増と財政破綻の可能性はより高まっていると考える。

 

残念ながら自信を持って、現在の日銀と政府の金融政策が上記問題を招くと断言できません。

しかし、この恐れはアベノミクスによってより高まると感じています。

 

この理由は大きく二つあります。

一つは政府が現状のように赤字国債を発行し財政を拡大し続けるなら、早晩、国債を国民の資金だけで消化できなくなるでしょう。

 

日銀が大量の国債を買い取ってくれる現状では財政規律が緩み、国債増発は続くでしょう。

さらに家計資産の伸びの減少に加え、団塊世代の老後資金の預金引き出しが今後現実のものになります。

法人資産は増加していますが、これは低金利の内国債ではなく益々海外の高利の証券投資に向かうことになります。

 

当然、真の衰退の問題にメスを入れない限り、持続的な景気上昇が起こらないと考えます。

もしインフレが起きた場合、リフレ派が仮定するように金利上昇が経済成長率よりも低ければ良いのですが、恐らくは逆に金利の方が高騰する可能性もあります。

このようなことになれば、金利1%の上昇で累積赤字1000兆円の利払いだけで年間10兆円増え、利払費は現在の2倍を越え、累積赤字を減らすどころではない。

(逆の場合、GDP成長率が金利より高ければ数十年かけて累積赤字は減って行きます。)

こうして破綻(デフォルト)は近づくでしょう。

 

もう一つは日銀の出口戦略に関するもので、莫大な保有国債を市中に吐き出す時に問題となります。

私はこの問題の金融メカニズムを完全に理解出来ないのですが、複数の元日銀理事が警鐘をならしています。

 

結論は、将来、日銀の負債(おそらくは十数兆円から数十兆円)を国民が負担しなければならないと言うものです。

 

 

 

E 高い経済成長が起きたとしても、米国のようにならないのか?

結論は、確実に米国の二の舞になります。

 

つまり経済成長が起きても所得格差が拡大し、30年以上国民の90%が所得を減らしている米国社会が将来の日本の姿になるでしょう。

(「何か変ですよ! 87: 何が問題か? 10: そこにある未来」に詳しい)

 

今までと同様の政策、アベノミクスだけでなく自由主義経済と金融重視の米国追従の政策を取り続ける限り、この道を突き進むことになる。

 

 

*グラフから読み解きます

 

 

 

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< 6.主要国の経済推移、 日本経済復活の会より >

 

19世紀前半まで世界経済をリードしていた英国は半世紀(赤枠)ほどで衰退してしまった。

この衰退は今の日本の姿でもあるのです。

 

 

*次回は、かつての英国衰退から日本の現状を理解したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 89: 何が問題か? 12: 退職後の生活?


1

*1

 

 

前回、若い皆さんの将来の生涯賃金を予測しました。

それは残念なものでしたが、さらに悲惨な状況が拍車をかけることになります。

それは退職金や年金の減額、医療介護費の高騰などのあらゆる付けが回って来ることです。

 

 

はじめに

前回、男性大卒の生涯賃金は40年後には30%低下し、現状の3億2千万円から2億3千万円になっていることを見ました。

この差額9600万円は2軒の新築が可能な金額ですが、この生涯賃金は非常に恵まれた正規雇用(年収800万の40年勤務)の人々のものです。

 

男性の正規と非正規の生涯賃金の現状の差43%を加味すれば、40年後の大卒男性の非正規の生涯賃金はついに60%も低下し、差額で1億9千万円低下、総額1億3千万円になる。

しかも、今後増え続ける非正規雇用は労働者の60~70%を占めるようになるでしょう。

 

労働者の大幅な収入低下は国の所得税と消費税収入の低下、社会保障(年金、医療・介護)の掛け金の減少を招きます。

これは将来、あなた方が受けるべき年金や医療介護費の不足に輪を掛けます。

 

しかし、最も大きな問題は労働者の可処分所得の減少が消費需要を長期に減少させ、貯蓄を不可能にさせることです。

これが景気や投資を後退させる悪循環を生むことになり、さらに累積財政赤字の償却を不可能にさせるでしょう。

 

つまり賃金低下だけが問題ではなく、経済や福祉に大きな災いをもたらすのです。

 

 

2

*2

 

 

声高な反論

こんな悲観的な未来は起こるはずがない、馬鹿げていると唱える人はいます。

 

例えば、現在60才定年を75才まで延ばせば、単純に39%(55年/40年)の生涯賃金の増加が見込めます。

おそらく高齢者の労働収入はかなり低下するので、この見込み通りにはいかない。

確かに増収するでしょうが、これが先進国のあるべきライフスタイルでしょうか?

北欧では異なる道を選んでいます。

 

 

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< 図3.2014年度版家計金融資産、TV東京より >

 

 

現在、家計の貯蓄総額900兆円の70%は60才以上の世帯が保有しています。

しかし団塊世代(今の70才前後)が今後、この貯蓄を老後資金として使い果たしていくことになるので、20年後にはかなり貯蓄額は減ることになる。

 

ここでまた、たとえ家計の貯蓄率が今後マイナスになっても、伸び続けている法人貯蓄(現在800兆円)によって国債(累積赤字1050兆円)は国内で消化出来き、国債の金利高騰は起こらないとの楽観論もある。

これも一見可能だと思わせる。

 

しかし懸念は既に進行している。

それは以前紹介した国内から海外への資金逃避(現在990兆円)です。

主にこれは証券投資(高利回り)に向かっている。

これは加速しているので、いずれ多くは日本国債に見向きもしなくなり、金利を大幅に上げない限り、資金は国内に戻ってこないでしょう。

かつてヒトラーがやったように海外投資の禁止をやれば別ですが。

 

もし金利が2%上昇するだけで国債償却費は年間21兆円増え、現在(H28年度)の償却費24兆円の倍、45兆円になります。

こうなればさらに赤字国債を増発しなければならない。

 

 

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< 図4. 平成28年度一般会計予算、財務省より >

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/002.htm

 

 

しかし、まだ何とかネタを見つけ楽観論を煽る人々がいます。

 

それは、国には膨大な資産(H21年度で647兆円)があり、純債務はかなり小さいと言うものです。

つまり、いざとなればこれら資産を売却して、負債は1/3の372兆円に過ぎないと言うのです。

 

 

 

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< 図5.平成21年度国の財務(貸借対照表の資産部分)の概要、財務省より>

この年度の負債合計は1019兆円でした。

http://www.mof.go.jp/faq/seimu/03a.htm

 

 

例えば国道や堤防を誰が買ってくれるのでしょうか、これで先ず有形固定資産184.5兆円は諦めざるを得ません。

また私達の年金の蓄えを誰かに売っていいのでしょうか、これで運用寄託金121.4兆円もだめです。

91.7兆円の内、米国債購入の82兆円を売ってしまっていいのでしょうか?

実は、売ることは可能なのですが円高になってしまうことと、この購入資金は別の借金に頼っているので、資産とは言えないのです。

結局、こうして647兆円はすべて資産と呼べるものではないのです。

 

これは当然で、資産があるのなら初めから法律が禁止している赤字国債を発行しないはずです。

 

少し脱線したようです。

要は、定年延長策に期待できず、また賃金低下が招く景気後退と累積赤字の問題が未来に重くのしかかってくるのです。

 

ここで不思議なことに気づきます。

 

 

なぜ楽観論や諦めが蔓延るのでしょうか?

 

今後、悪化する少子高齢化、膨大な累積債務、賃金低下、福祉の低下、格差拡大に対して多くの国民はなぜ無関心なのでしょうか?

少なくとも危険だとか、許せないとの声はほとんど聞こえてこない。

 

一つは楽観論を煽るエコノミストやマスコミの存在が大きい。

なぜ彼らは上記の問題を真剣に捉え報道しないのでしょうか?

 

そのような立場を取る理由は三つほど考えられます。

  •  アベノミクスの信奉者。
  •  米国主導の自由主義経済の信奉者。
  •  政権や経済界の主流に属することで益を得る者。

 

この三つは重なって作用しています。

1.と2.の論説には共通する前提があります。

善意に解釈すれば、固く主義を貫いているとも受け取れますが・・・

 

そこには必ず景気が上向くと言う大前提があり、一方でバブル崩壊などを想定しないかまったく触れていないことです。

この論は、まるで一昔前の原発の安全神話と同じと言えますが、これよりも格段にたちが悪い。

なぜなら原発事故よりも遥かに高い確率でバブル崩壊とその甚大な経済的被害(金融危機)は繰り返されているのですから。

 

現状の景気拡大は、少しはアベノミクスのおかげもあるが、一番はリーマンショック後から続く大国3ヶ国とユーロ圏主導の歴史的な金融緩和によるものです。

逆にこれが危険のですが。

 

3.の立場は、狭い意味で森友学園、加計学園、元TBSの山口記者などに見られるものと根は同じです。

これらにはまったく善意が感じられない。

 

おそらくは、1,2,3.の立場で楽観論を煽る人々は、原発問題と同様に国民に対して無責任で自らの栄達にきゅうきゅうとしているだけなのでしょう。

特に、本来信頼されてしかるべきエコノミストや金融界のリーダーが幾度もバブル崩壊を見過ごし、挙句は煽ることもしてきました(リーマンショックの半年前ですら)。

 

 

もう一つは、この手の問題は素人の国民に理解することが困難・・・

 

残念ながら、どの問題の一つを取り上げても、学者やコメンテーターの意見は分かれている。

これを素人が両者の論説を読み比べて虚実を判断することは難しい。

マスコミは両論に分かれて対立しており、自ら納得できる論を導き出すのは更に難しい。

 

このような場合、私がお勧めする手立てがあります。

 

  •  海外の書物を参考にする。

出来れば米英の学者でないか、米国の主流ではない学者の著書が良い。

米国は完全に自由主義経済で覆い尽くされており、これが現在の弊害の元凶  なので、この外部に居る学者の説を拝聴することが必要です。

 

 

 

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< 図6. 2017年版、包括的成長指数(IGI)のランキング、エキサイト ニュースより >

https://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170220/zuuonline_140151.html

IGIは世界109カ国・地域における不平等・貧困の解消への取り組み、総体的な生活水準の向上に対する努力を評価した指針です。

 

  •  優等生の国を参考にする。

米英の格差社会や低福祉の元凶とその対策を知る為には、戦後、異なる道(政策)を選んだ国々を知ることが必要です。

北欧やフランス、ドイツなどの政策とその成果を知ることで、現在の間違った政策に気付くことでしょう。

残念ながら、日本ではこの類の情報が故意に捻じ曲げられているか、避けられているように思う。

 

  •  歴史から学ぶ。

今の日本の現状は、19世紀後半の英国経済の衰退や20世紀前半の日本の大陸進出と似ているところがある。

 

英国の場合は、衰退が差し迫っているにもかかわらず、誰も動かずズルズルと深みにはまっていただけでした。

日本の場合は、様々なあがきを繰り返しながらも最悪の経済状況に至ると、あっさりと打開策は挙国一致で大陸への武力侵攻でまとまった。

そこには悲しいほどの甘い希望と他人任せの風潮があった。

 

  •  経済学は自然科学ではない。

私達が接するマスコミや経済学者の景気や経済指標の予測は当てにならないと思ってください。

一番重要な事は、経済学は自然科学のような計算によって正確に結果を予測できる学問ではないことです。

残念なことに、逆に信頼を得ようとして「私の説明や予測は確実です」と言う人ほど使用出来ず、科学者とは言えない。

 

著名なエコノミストの予測が如何に外れるかは、過去に予測している著書を見れば呆れるほどです。

外れる理由は、経済の諸条件の関わり合いが複雑なことと、予測する時は条件を限定せざるを得ないからです。

さらには、経済は論理的な動機よりもアニマルスプリット(動物的衝動)で大きく変動することがあるからです(バブル崩壊の切っ掛け)。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 88: 何が問題か? 11: 生涯賃金の末路


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*1

 

 

前回、日本の先輩格である英米で進行している衰退を見ました。

今日は、日本の悲惨な賃金の未来を考えます。

簡単な試算により、若い人の未来が明確になるはずです。

 

 

 

はじめに

一国の経済指標の変動や産業の盛衰を予測することは、たとえ数年から10年先であってもほとんど外れています。

1972年のローマクラブ発表の資源枯渇の予測も外れたと言えるでしょう。

 

これら予測が外れる理由は、極論すれば人々の欲望(嗜好)や危機意識(節制)が働き、状況が変わってしまったからと言えます。

 

日本政府がこれまでの政策を踏襲するとして、つまり抜本的な改革を行わないとして、40年後の未来を予測します。

 

ここで少し確認しておく必要があります。

実は、アベノミクスは日本経済を覚醒させる画期的な政策ではないのです。

日本はこの半世紀、画期的な復興をやり遂げる中で、初期には米国に助けてもらいながらも徐々に米国の言いなりになり、それが現在の社会経済の形を作りあげて来ました。

そしてアベノミクス以降、日本は英米主導のリフレ策(貨幣供給中心)に益々傾斜しています。

この結果は既に見たように、90%の米国民に惨めな結果を招いています。

 

結局、日本政府は「自由放任主義経済と金融重視」と「福祉政策縮小」によって、経済大国の夢を追い続ける従来の路線を強化しているだけなのです。

 

 

あなた方の生涯賃金

現在、日本の株価と企業業績は順調で好景気と言われています。

しかし私達労働者の賃金はここ20年ほど下がり続けています。

これは一時の好景気で修正出来ないことを前回確認しました。

 

なぜ労働者の賃金は下がり続けるのでしょうか?

現在、日本では不思議なことが起こり、特に日本が先頭を切って悪化しています。

この全体像は私達には見え難いものです。

 

 

 

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< 図2.生涯賃金の推移、 独立行政法人労働政策研究・研修機構より >

「ユースフル労働統計2016 ―労働統計加工指標集―」を借用。

 

このグラフは、同じ企業に勤めている社員で、後から入社する者は先に入社した者より、年々生涯賃金が低下していることを示しています。

この低下傾向は1990年代中頃から始まっています。

これは「何が問題か? 10: そこにある未来」の図9の高額所得者の所得シェアが上昇する時期とも合致します。

また「何が問題か? 3」の図3の企業所得の上昇時期、逆に賃金の下降時期とも一致します。

 

 

国民の賃金の低下を間接的に示すグラフを二つ示します。

 

 

 

3

< 図3. 平均可処分所得の推移、ガベージニュースより >

 

可処分所得とは家計の収入から、税金や社会保険料を引いた値で、自由に使えるお金のことです。

ここでも1998年をピークに下がり、横這いを続けています。

既に、15年間で15%ほど、私達の自由に使える金が減っているのです。

つまり40年後は可処分所得が今より単純に40%(=40年/15年X15%)減ることになります。

その時は更に、極限の累積赤字額と少子高齢化の為に増税と社会保障負担金増が追い打ちをかけることになる。

 

 

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< 図4.主要先進国の家計貯蓄率、「投資を楽しむ」より >

 

日本とイギリスは共に家計貯蓄率が急激に低下しています。

日本の家庭は1991年をピークをつけ、その後、貯蓄に廻すお金が減り続け、遂に2014年には貯蓄を引き出す羽目にまで落ち込んだのです。

かつての日本は貯蓄の高さを誇り、これが高度経済成長(投資資金に廻ることにより)を支えたと言われていましたが、まるで夢のようです。

 

これらのグラフを見れば、日本の賃金が下がり続けていることが理解できると思います。

しかし、これでもまだアベノミクスに期待し、景気の好転がこの悪化を食い止めるはずだと信じる人もいるでしょう。

 

そこで、この賃金低下は景気とは別の根本的な要因によって起きていることを見ます。

 

 

 

何が国民の賃金を低下させているのか?

難しい話ではありません。

あなた方の身の周りで起きていることを少し疑うだけで、真実が見えるはずです。

 

 

 

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< 図5. 正・非正規雇用者数の推移、厚生労働省より >

「平成24年版 労働経済の分析」から借用。

 

正規雇用者数が長期にわたり増えない一方、非正規雇用者比率は益々増加傾向にあり、現在は40%に近いでしょう。

 

皆さんの多くは非正規雇用は仕方のないことと思っているはずです。

なぜなら政府や著名な経済学者、経済界は「産業構造の変化に対応して人材の流動性が必要」と説明しているからです。

実はこれは間違っていないのですが、問題はこの後にあるのです。

 

なぜ皆さんは、国が「同一労働同一賃金」「離職後の生活補助と再雇用向けの教育」を放置していても怒りの声を上げないのでしょうか?

 

ここが日本の致命傷とも言えるのですが、人権意識や民主主義が希薄なのです。

このことを放置している国は、やがて米英のようになってしまうでしょう。

これを守りながら経済成長を続けている北欧などが存在する事実は重要です。

 

 

 

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< 図6.正規・非正規の賃金カーブ、年収ガイドより >

 

このグラフは致命的です。

これを一人の生涯賃金のグラフと見立ててれば、正規と非正規の生涯年金の差は歴然としています。

しかもこの賃金グラフは年々低下する傾向にあります(後にわかります)。

さらに悪いことに、この半分しかない生涯賃金の非正規雇用が年々増加しているのですから、日本の労働者の所得は低下するのが当然です。

 

 

 

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< 図7. 正規・非正規の生涯賃金の差、年収ガイドより >

 

2015年度で男性の非正規の生涯賃金は正規の56%しかなく、女性で60%でした。

おそらく今後、正規の賃金も引きずられて低下するでしょう。

 

 

さらなる理由があります

賃金低下を招いている大きな理由の一つは非正規雇用とその雇用者数の増大、そして首切りの容易さと再就職の困難さです。

更に重要なことは、通貨供給一辺倒でバブルを繰り返す経済成長よりも、この是正措置の方が遥かに容易に賃金上昇(格差是正)と消費需要の喚起による経済成長が得られることです。

 

1980年代以降益々衰退を深めている背景に、大多数の労働者の劣悪化を放置し歓迎さえしている政府や経済界の姿勢があります。

 

 

 

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< 図8.先進国の労働分配率、独立行政法人産業研究所より >

 

労働分配率とは、企業の生産額から費用を差引いた額に占める労働者の賃金の比率です。

つまりグラフのように労働分配率が長期低下傾向にあり、日本の労働者の賃金は低下せざるを得ないのです。

米国も低下しているが、日本は真っ逆さまと言えます。

 

経済学者は、この労働分配率の低下をITが普及した為とか、様々な理由を挙げているが、私は合点がいかない。

 

現在行われている容易な派遣切り、長期失業者の増加、著しい賃金低下を放置していることが企業収益に安直に貢献している限り、賃金低下は今後も続くのは当然です。

これを何ら規制せず、また保護政策を採らないことが最大の問題なのです。

 

 

 

まとめ

皆さんの40年後の生涯賃金の低下を試算します。

 

 

9

< 図9. 男性大卒の生涯賃金と日本の労働生産性の推移、独立行政法人労働政策研究・研修機構より >

このグラフは図2の男性大卒の生涯賃金と別の労働生産性のデーターを使用したものです。

 

横軸目盛りは1990年から2014年までの25年間です。

赤線は労働生産を、赤の破線はこの近似曲線を示し、右側縦軸にその%値を示す。

青と緑線は男性大卒の生涯賃金を、緑線はピークであった1994年以降を示す。緑色の破線はこの近似曲線を示し、左側縦軸にその金額(百万円)を示す。

 

40年後の男性大卒の生涯賃金は、近似式の「-2.397」X40年=96百万の低下になり、1994年の321百万の30%低下となります。

 

同様に40年後の労働生産性は、1991年の67より更に17%減少し、50%になっていることでしょう。

おそらく皆さんは、この計算結果を信じられないことでしょう。

これは大雑派な試算ではあるが、前述したように今の日本ではこれを上昇させる力がまったくないのです。

 

前回、英米の経済状況で確認したように景気は変動の末、悪化するだけ、さらに今後、日本は少子高齢化の影響で2060年までGDPの伸びは期待できない。

例え上昇しても今の税制や再分配制度(セフテイネット)では今後、一握りの高額所得者に所得が集中するだけです。

 

残念ながら、このような日本にしてしまった最大の要因は日本の文化や国民性にあります。

嘆いても仕方がありません。

一つ一つ、正しい方向に導いて行くしかないのです。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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何か変ですよ! 87: 何が問題か? 10: そこにある未来


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今回は、日本の未来を考えます。

これはバラ色ではないはずです。

なぜなら日本は疲弊していく先進国と同じ道を辿っているからです。

 

 

はじめに

既に、私のブログで憂うべき状況を幾度も取り上げてきましたが、今回は若い人々の未来に焦点を当てます。

 

将来、日本で深刻度が増す問題

A: 年金と退職金の大幅な減額

B: 生涯賃金の大幅な減少

C: 介護費と医療費の負担増

 

多くの若い人は未来に不安を抱いていないように見える。

彼らは、今までもそうであったようにこれからもうまく行くと信じたいはずです。

まして現在、日本は好景気なのだから、きっとこのまま良くなって行くと期待さえしているかもしれません。

 

しかし、私の想定する40年後の未来(今の20~30才代の人が60~70才代になる頃)は生活がかなり苦しくなっているでしょう。

今の60~70才代に比べ、彼らが自由に使えるお金はおそらく2~3割減るでしょう。

当然、彼らのこれから受け取る生涯賃金もかなり減り、貯蓄は益々困難になり、老後資金はかなり不足するはずです。

 

聞きたくも信じたくもないだろうが、悲惨な結果を容易に予測できます。

この予測を行う前に、悪化が現実に起きている事を知ってもらいたい。

その先例が既に日本が手本とする先進国で起こっているのです。

 

 

先進国で今、起きていること

経済が豊かであるはずの先進国で今、何が起きているのでしょうか?

 

 

 

2

< 図2.米国のマルチ世代家族の人口比率と人口、by Pew >

http://www.pewresearch.org/fact-tank/2016/08/11/a-record-60-6-million-americans-live-in-multigenerational-households/

 

上のグラフ: マルチ世代家族で暮らす人口の比率。

下のグラフ: マルチ世代家族で暮らす人口、単位百万人。

米国の総人口は現在3.2億人。

 

このグラフから米国のマルチ世代家族(祖父母と親子の三世代家族)の人口が1980年代から増え始め、この傾向が加速している様子が見て取れます。

特に2008年以降、急増しています。

皆さんの中には、これは移民が増えた結果ではないかと疑う人もいるでしょう。

 

 

3

< 図3. 米国の人種毎のマルチ世代家族の人口比率の変化、by Pew  >http://www.pewresearch.org/fact-tank/2016/08/11/a-record-60-6-million-americans-live-in-multigenerational-households/

 

 

このグラフから、確かにマルチ世代家族は白人以外で多いが、むしろ白人家族の増加率は多人種より若干多いと言える。

この変化は人種に関わらず米国のすべての家族で起きていると言えます。

 

 

 

4

< 図4.英国で増え続けるマルチ世代家族数 >

“Multi-family households, 1996 to 2013, UK” by Office for National Statistics

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/families/bulletins/familiesandhouseholds/2013-10-31

 

これは英国のマルチ世代家族の最近の傾向を示しています。

ここでもマルチ世代家族の家族数の増加が見られます。

特に2008年と2012年には急増しています。

但し英国の場合、総家族数(2016年1890万家族数)に占めるマルチ世代家族の割合は直近で1.5%に過ぎない。

 

この米英で起きている現象は、ある重要な経済の変化と関りがある。

 

 

この背景にあるもの

 

5

< 図5. 米国の失業率の推移 >

https://www.bls.gov/spotlight/2012/recession/

 

このグラフから長期失業者が増加傾向にあることがわかります。

また1980年代前半と2008年以降(リーマンショック)は高失業率に見舞われています。

この時期と図2のマルチ世代家族の増加の時期はよく符合しています。

 

 

6

< 図6. 英国の失業率とGDPの推移 >

https://www.economicshelp.org/blog/1778/unemployment/uk-unemployment-rate/

 

このグラフからリーマンショック以降、増加した失業率が高止まりしており、このグラフでは分からないがその余波は2012年まで続いた。

ここでも図4のマルチ世代家族の2回の増加時期が符合している。

 

つまり、マルチ世代家族が増えた背景には、失業率の増大があったのです。

失業者が増えると、その家族達が支え合うようになったと考えられます。

これを昔の温かい家族形態への回帰と諸手を挙げて喜ぶべきではないでしょう。

当然、所得の低下も起きています。

 

これには更に根の深い問題があるのです。

 

 

1980年代から英米で何が起きているのか?

 

 

 

7

< 図7. 米国の所得階層毎の所得の推移、by TheAtlantic >

https://www.theatlantic.com/business/archive/2012/12/a-giant-statistical-round-up-of-the-income-inequality-crisis-in-16-charts/266074/

 

このグラフはバブル絶頂期(リーマンショック前)までの所得推移を示しているが、所得下位の60%までは1979年から30年間で17~59%も所得を減らしている。

それも上位1%の層が309%増やしているにも関わらず。

 

ここで是非とも知って頂きたい事は、経済が好調になれば所得が一時回復し失業率も低下するのですが、バブル崩壊を繰り返す内に確実に益々多くの人が所得を低下させ、長期失業者が増えると言う現実です。

このことは図5と図7からわかります。

 

もしあなたが、2007年の時点で図7の所得推移を見ているとしたら、きっと未来は洋々とし復活が約束されていると思ったことでしょう。

しかし、現実は非情でした。

 

 

 

8

< 図8.米国の所得階層毎の平均所得の推移、by Business Insider >

http://www.businessinsider.com/chart-average-income-since-1917-2013-2

 

リーマンショック後の2011年には下位90%(赤線)の人までが1970年代よりも所得を10%以上減らすことになった。

実は、このことはITバブル崩壊後の2003年(図7)でも同様のことが起きていました。

 

もし今の日本の好景気が世界のバブル経済に起因しているのであれば、確実にこの先、2008年のリーマンショックを遥かに越える金融危機が世界を襲うでしょう。

 

現在、大国(米国、ユーロ圏、日本、中国)は歴史的な貨幣供給を行って来ており、日本だけはまだ継続さえしている。

従ってバブル崩壊はほぼ間違いないでしょう、いつ起こるかは予測できませんが。

 

なぜこのような不条理が米国中心に起きているのでしょうか?

 

 

9

< 図9.高額所得者(1%)の所得シェアの推移、社会実情データ図録より >

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4655.html

 

このグラフから平等を守ろうするフランスを除いて、特に米英で高額所得者の所得シェアが1980年代から急増しているのがわかります。

残念なことに、日本も少し遅れて1990年代後半から格差が拡大しています。

この時期は日本政府が米国流の金融改革(金融ビッグバンなどの自由化)を1996年から始めたのに対応しています。

 

 

10

< 図10. 各国のGDPに対する社会的支出割合(福祉政策)、by wikipedia >

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%A5%89

 

この図から各国の社会的支出割合(再分配)の程度が分かり、右の方がより高い。

米英でのマルチ世代家族数の違いは、所得格差を是正するはずの社会的支出が両国で違うことによるのでしょう。

米国は赤線、英国は茶色線、日本は黒線、カナダは左側欄外にある。

福祉国家と呼ばれる北欧とフランスを青線で示す。

 

 

 

まとめ

つまり英米で起きている家族形態の変化は、繰り替えされるバブル崩壊によって引き起こされた長期失業者の増大と国民の所得低下がもたらしたものでした。

 

そしてこの失業率の増大と国民の所得低下、逆に高額所得者の著しい所得増加は1980年代から起きている。

 

これは既に紹介しているサッチャーとレーガンによる政策「自由放任主義経済と金融重視」と「小さな政府による福祉政策(再分配)の切り捨て」への転換が始まりです。

前者の経済政策については、多くの先進国で大なり小なり実施されており、特に日本は益々その度を強めています。

後者の社会政策についても、多くの先進国が倣っていますが、逆に北欧やフランスのように強めている国もあります。

 

したがって、日本が現状の米国追従の経済政策を続ける限り、やがて米国と同じか、さらに急激な少子高齢化が重なり悪化は深刻化するでしょう。

 

つまり日本の将来は大多数の国民にとって経済的困窮が必然なのです。

 

しかし、一つだけ希望があります。

北欧は同じ資本主義国家でありながら、その経済・社会政策(福祉国家)により高い幸福度と高い経済力を維持していることです。

いずれ紹介します。

 

 

次回は、日本の勤労者の惨めな未来を予測します。

 

 

 

 

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何か変ですよ! 83: 何が問題か? 6


1

*1

 

 

今の若者の政治離れと右傾化の一端を探ってみます。

そこには単純で普遍的な理由があったのです。

若者は好んで苦境から目をそらしているわけではない。

 

 

はじめに

先進国では軒並み、熱烈な政党支持者が減り、無党派層が増え、少数政党分立の傾向を深めた。

これは日本も同じです。

 

なぜこのようなことが起きたのでしょうか?

以前、私のブログでもこの問題を取り上げました。

この原因は、長引く経済と社会の低迷、例えば格差拡大や失業者の増大などに有効な手立てを打つことが出来ない政府にあった。

同時に、国民は長らく政治を牛耳る議員や官僚、また彼ら操っているエスタブリッシュメントに怒りを覚える一方で打破する手立てを持てず、諦めていた。

国民は、自分たちの希望や意思が政治に反映されないことに苛立ち、閉塞感を持っていた。

 

その一方、日本に限っては、長期低迷の経済にあっても国民はまだ格差拡大を深刻に捉えておらず、また社会は混乱もなく平和でした。

そして国民は概ね社会に満足している。

 

多くの日本人は閉塞感を抱いていないのだろうか?

私の見る所、政府を信じていると言うよりは日本社会への安心感のようなものがあるようです。

つまり、「何とかなる」と感じているのでしょう。

 

 

 

 

2a

< 2. 非正規雇用比率の推移、ガベージニュースより >

 

このグラフから若年労働者の非正規が増加傾向にあることがわかります。

 

 

 

3a

< 3. 男性の非正規雇用の状況 >

上のグラフはガベージニュースより、下のグラフは非正規雇用フォーラム・福岡より借用しています。

 

現時点では中高年層の非正規は少ないが、将来、景気の浮き沈みで多少変化するものの、中高年層にも拡大するのは間違いない。

それに応じて大半の労働者の所得は増加することなく横這いとなり、巷には低所得者が蔓延することになる。

こうならないとする根拠も政策もない。

 

実は女性の方が非正規率が高く、賃金も安く、状況は深刻です。

 

 

 

なぜこのような意識のズレが起きるのでしょうか?

今までも指摘して来ましたが、ここ20~30年の経済データーは明らかに低迷を示しています。

 

例えば、現実の社会を見てみましょう。

将来、労働者の数割が生涯非正規雇用になり、定期的に首を切られ、年収が0か200万円前後で一生暮らさざるを得ないとしたら将来の見通しが立つでしょうか?

これは若年労働者ほど厳しいが、今の自由放任主義経済のシステムが続くなら将来さらに深刻さを増すことになる。

そしてこのことが経済を更に低迷させることになる。

 

先ず、生活に不可欠な大きな生涯費用としては住居費5000万円(家賃購入共)、二人の子供の教育費3000万円、一人の医療介護費の自己負担額700万円(総額3100万円)が最低必要になり、合計8700万円でしょうか。

非正規の彼が運よく80年の生涯で、30年間毎年200万円稼げたとして、計6000万円です。

ここから税金(所得税、消費税)と社会保険料(医療・介護・年金)が徴収され、食費・衣料・水道光熱費を出費したら、収入がある時でも可処分所得は年間100万以下で計3000万円以下でしょう。

これで収入の無い時の生活費を賄い、さらに住居費と子供の教育費、医療介護費を支払うことは不可能です。

 

とてもじゃないが、結婚ができず住居や子供を持てず、医療介護も受けられない。

逆に結婚し、収入を合算して助け合う道もあるが、やはり生活はできないでしょう。

さらに彼らが退職の年齢になっても退職金は無く、年金は雀の涙です。

これでは結婚出来ないホームレスが1千万人を越える時代が来るかもしれない。

 

ここで不思議に想うのは、最も被害に合うと分かっている若年労働者が今の政治に無関心でこれを放置し、さらに右傾化に惹かれ肯定までしていることです。

さらに、不思議なのはより恩恵を受けている高齢者の方が政治に不満を持っているのです。

 

 

 

次のグラフから上記の理由が見えて来ます

 

 

 

4a

< 4. 日本の若者の人口比率 >

 

このグラフは日本の人口に占める15~24歳の割合の推移を示しています。

この15~24歳の割合は1965年にピークを示しています。

 

当時の社会はこれに同期するように大きなうねりを経験しました。

1960年代半ばから反戦運動、1968年頃から東大闘争、そして日本の学生運動は1970年まで燃え盛りました。

また1960年代半ばからフォークソングがブームとなりました。

世界的な流れがあってのことですが、日本の若者は呼応したのです。

 

実は戦後の復興期、1947年からの3年間に806万人と言う大量の子供が生まれ、彼らが20歳になったのが1967~1969年だったのです。

彼らを団塊の世代と言い、彼らの中には「学生は世の中をよくするために身を挺して立ち上がるべきだ」との信念に共感する者が少なからずいたのです。

 

 

 

 

 

5a

< 5. 日本の経済成長率 >

 

学生運動が盛り上がった1965~1970年は高度経済成長期(1954~1973年)でした。

けっして、この時代は沈滞した希望の無い時代では無かったのです。

むしろ、彼らは戦後の貧しさから抜け出す為に必死に働き、また苦悩しながら社会を変革しようとした希望多き時代だったのです。

その彼らは現在、退職し70~72歳になっています。

 

つまり、若年層が多い時代、彼らは政府を批判し、社会を改革しようとしたのです。

そして年をとっても、まだ社会を変えるべきだと思っている人がいるのです。

 

 

 

6

*6

 

 

一つだけ指摘するなら

結局、今の若者は平和と安逸に慣れてしまい、社会に対する若者らしい情熱を失ってしまったように見えるが、その大きな要因の一つは、単純に若年層の人口割合が学生運動華やかりし頃の半分にも落ち込んでしまったからと言えそうです。

この相関は人口統計学で指摘されています。

 

今の若い人に知って頂きたいことは、かつて若い世代(団塊の世代)が社会問題に立ち上がった事実です。

そして、あなた方の将来は団塊の世代の将来と比べものにならないほど劣悪なのです。

 

もう一つ指摘するなら、あなた方はかつての学生運動の反動で、政府(文科省)の通達により、学校で政治的なことから目を逸らすように教育されてしまつたのです。

これがさらに日本の政治文化を劣化させることになったのです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

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